2018年10月28日

バク転が出来るようになるために

たまに来てくれるウエダ君は、43歳。
彼は一見、ノンケ?と思えるほど
ゲイの香りがしない。

それは彼の持つストイックさに
あるのかも知れない。

ウエダ君はジョギングと言うよりも、
マラソンが好きで、
東京近郊で、ハーフマラソンなどがあると、
出来るだけ参加するようにしているようだ。

そんな辛いことを、
と僕やお客さんが言うと
いや、走りきった時の達成感が
良いんですよ、そう言う

以前、来た時に、うちの店で、
共に走りたい、という仲間を募り、
一瞬で3人の候補者がいて、
これからも仲間を増やして
ゲイのみんなで走りたい、というのが
彼の夢らしい。

と同時に彼が夢中になっているのが
バク転だ。
中年からでも頑張れば出来る、ということで
3年ちょっと前から、とあるジムに通い、
コーチについてもらって
習っていると言うのだ。

backflipmed.jpg

その記録をマメにメモし、
またその映像も録画し、
自分ができるようになるために、
また他にも一緒に出来るかと、
ブログも書いたりしているそうだ。

読ませてもらうと、
まるで若いスポーツ選手の記録のようで、
なんだか初々しさも感じる。
彼の了解をとり、もしやりたい人がいれば、
ということで、ここにも掲載させてもらうことに。

思えば、バク転と言うのは、
多くの男の夢のような気がする。
僕も二十歳を過ぎた頃、
友人たちと忍び込んだ屋外プールで
練習したことがあった。

その時は、さすがに、
まったく叶いそうもなかったけれど。

ジムは行っているものの、
さすがにこの年齢だし、
身体も硬いから、
僕は遠慮させてもらうけれど、
もし、やってみたい、という人がいれば、
是非ウエダ君と頑張ってみたらどうだろう。

いずれにしても、目標をたてて
頑張っているのは素敵だなあ、
心からそう思う。


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2018年10月27日

マッケラン氏の言葉

イワサキさんは、
ロンドンに仕事で行った時に、
ゲイの友人に食事に誘われた。
そして、レストランに行くと、
同じ席に、なんと「Xメン」や
「ロード・オブ・ザ・リング」の
イアン・マッケランが座っていたのだと言う。

ian-mckellen.jpg

マッケランはゲイとして
カミングアウトしているのは有名で
ロンドンのプライド・パレードの先頭を
歩いたことも僕もよく知っている。

イワサキさんの友人が
なんと古いマッケランの友人だったらしい。

その食事中に、イワサキさんに
「日本の映画、演劇界のゲイ事情はどうか」と
聞かれたらしい。

彼は、演劇や映画の世界はよくわからないが、
「日本では、オネエタレントや
女装のゲイの人がよくテレビに出ていて、
俳優や歌手などで広くカミングアウト
している人はほとんどいない。」
と伝えると
イアンは「それは本当に残念だ」と
言っていたらしい。

イアンは「ゲイだからと言って、
すべての人がカミングアウト
するべきではない。そう思うけれど、
人の前に出る有名人こそ、
勇気を持って、アウトするべきだと思う」
と言ったと言う。

それはカミングアウト、
ということだけではなく、
著名であればあるほど、
良くも悪くも人の目に触れるし、
影響力もある。

そういう意味では、良いと思うこと、
世の中に理解してもらうべきことを
きちんと表現するべきだ、
そう言っていたと言う。

マッケランは実直で
本当に真摯な気持ちを
初めて会うイワサキさんに
ぶつけてくれたらしい。


確かに、インターネットで
「日本の有名人 ゲイ」と調べても、
みんなが知っている人はとても少ない。

逆に、欧米ではどんどんと
カミングアウトする人が出てくる。

もちろん、バーでは、あの人がゲイらしい、
というまことしやかな話も出るし、
火のないところに煙はたたない、
と言いながらも、
ゲイや良い男はすぐにゲイにしたがる、
という話もわかるから、いつも話は
半分に聞いている。

たまに聞くのは、カミングアウトなど
してしまえば、仕事が来なくなる。
それが怖くて、絶対出来ない、と
言っているという話だ。
少なくとも、一度
「売れた栄冠」を手にした人たちは
ものすごくデリケートに考えるようだ。

映画や、テレビドラマの主演をする俳優や
女優が、いつの日かカミングアウトする日が
この日本にもやって来るんだろうか。

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2018年10月26日

あらゆる国から

一昨日は、平日だったのにもかかわらず、
ドイツから、シンガポールから、
オーストラリアから、台湾から
そしてアメリカから、
あとモンゴルからとそれぞれ
多国籍の人たちが店に来てくれていた。
もちろん、わが日本人も普通に
来てくれていはいたのだけれど。


さて、ドイツからの身長も高く、
イケメンの彼はまだ24歳で
ほぼゲイとしての経験がないと言う。
ここまで良い男だからあらゆる人から
声をかけられるだろうに、と言うと
とにかくシャイなのだと。
よくよく聞いてみると、お父さんが
日本人というのが、ちょっと理解できる。


シンガポールからのお客さんは
うちにしょっちゅう
来てくれるゲイカップルの友人。
とにかく金持ちで、日本に来るたびに
楽しみにしているのが、
ゲイショップで
散財するということらしい。

IMG_9668.jpg

見せてもらうと、ラブオイルやら
コックリングやらだけではなく、
見たことがないグッズも
たくさんあったのには驚いた。
シンガポールは、表面的には
ゲイがイリーガルなので、
なかなか手に入らないとのこと。


オーストラリアから、というのは
日本からワーキングホリデーで行っている
ショウゾウが一時帰国。
何と彼は先月からオーストラリア人の
20歳上の彼氏が出来たそうで
日本への帰国をどうするか迷っていると言う。


台湾からの彼は、大の日本人好きで
今回、どうしても日本人と付き合いたくて
出会い系アプリで、2日のうちに
6人とデートをしたとそうだ。


アメリカ、NYからのトッド君は
3年前に来てくれていて、
大のアニメ好き。
日本では秋葉原や、中野のブロードウェイに
入り浸りだと言う。


そしてモンゴルからのドルジは、
6年前まで東京に住んでいて、
あちらでゲイバーをオープンしている。
ただ、日々、トラブルが絶えないらしい。
先週はその店に来てくれたという21歳のコが、
同じ店で会った3人にホテルに
連いて行ったら、レイプされたと
警察に通報し、大変なこととなったようだ。


まあ、そんなこんなで、話を色々聞くと
それぞれがブログのネタに
なるような話ばかりで
有難い限りだった。


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2018年10月25日

ゲイの世界の兄と弟

「アニキは、どこから来たんすか?」
その昔、ゲイバーに行って、こういう対応を
された事がある人は
それなりにいると思う。

逆に「あ〜た、どこから来たのよ〜っ」と
オネエ口調で尋ねられた人も多いだろう。

だからと言って、ゲイバーが
そういう二分割にされるワケでもなかった。

ただ、僕が2丁目に出だした頃は
こういうママ、マスターも多くいた。

どちらも、男の世界に
憧れる野郎系マスターと
女の世界を楽しむオネエ系ママと
いうふうに、どこか演じていて
それを求めている
お客さんもいることは確か。

まあ、僕はそのどちらでもないけれど、
まだ店をやる前、特に30代の頃は、
色々な場所で(特に性的な部分などで)
勝手に「兄貴キャラ」を
勝手に求められたりされて
う〜ん、ちょっと違うなあと
思っていた事もあった。


店に来てくれるゴロウ 38歳は、
ハッテン場で出会った年下だろう
若者に、「兄貴」を連発された。

それも他の部屋に聞こえるほど大声で
「俺んこと、ガッツリと
堀りまくってくれ、兄貴」と言われた。
元々、タチのゴロウは
その可愛さにアガって、
2時間に渡る性の宴を繰り広げたらしい。

その彼は、途中で何度も
「俺の名前を呼び捨てで呼びながら
命令してくれ!」と言われたが
名前を聞いていなかったゴロウは、
「名前、なんだっけ?」と尋ねると
「何でもいい!」と叫んだらしい。

これには笑ったけれど、
その後、とあるバーで会ったようだ。
それぞれ一人だったにもかかわらず
会釈だけされて帰って行かれた。
マスターに「よく来る人か?」と
尋ねると、たまに、と言い、
蓋を開ければ、
自分よりも年上だったらしい。

まあ、セックスの世界は
いわゆるファンタジーだから、
何があってもおかしくないし、
そこに嘘があっても、お互いに
その場限りの刹那的な行為だと思うと
許せることも山ほどある。

でも、こんな話を耳にするたびに、
「兄」「弟」「先輩」「後輩」
というプレイが確立するのは、
日本のゲイの世界だけなんだろうか。
これもひとつのフェティッシュで、
とても面白いなあ、そう思う。

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写真は、映画「兄弟仁義」(観た事ない。笑)

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2018年10月24日

マスダちゃんの置き土産

ここ4年ほど、よく来てくれていた
マスダちゃんから、突然店に電話があって、
癌を患って入院していると、聞いたのが
去年の春先だっただろうか。

去年の夏に、退院したよと
店に来てくれた時、10周年のパーティは
来られないけれど、差し入れだと
スタッフ分、強壮剤を持って来てくれた。

あと、僕のこのブログで知った
僕の友人と一度会ってみたい、と頼まれて
ちょうど店にいる時に紹介したりもした。

11月だったか、ちょっと体調が悪くなり、
再入院する、と聞いた。
その時に「これ、お店に置かせてもらっていい?」と
手の平に乗るくらいの
小さな観葉植物を持って来てくれた。

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「これ、僕だと思って、育ててくれますか?
僕も頑張るからさ」と言う言葉を残し、
帰っていった。

それから、何かと病院から
LINEを送ってくれたり、
僕も返したりしていた。

また、店のインスタグラムや、
スタッフがその中のライブで
配信した時に、病院から
積極的にやり取りを
したりもしていた。

今年の4月。
数週間連絡がなかったので、
連絡をとったら
「転院をして、副作用の強い治療と
闘っています。
必ず、勝つ気持ちで頑張ってます。」とあり、
病院名を聞いても
「心配しないで。
元気な姿を必ず見せに行きます」と
書いてあった。

そして5月。
「その後、どう?」と送ったけれど、
返事がない。
数日経って、ツイッターの
ダイレクト・メッセージもしてみたけれど
何も返答がなかった。

彼と連絡をとっていた友達にも
聞いてみたけれど、詳細は誰もわからない。

僕が知る限り、彼のことを深く知る人は
いなかった。
思えば、お客さんとの連絡はたった
1本のLINEだけ、という人もかなり多い。
連絡先すら知らない人もたくさんいる。
特に一人でいらっしゃる人は
ふとお店に来なくなってしまうと
それきり連絡が半永久的に
取れなくなってしまう。

夏が終わり、マスダちゃんが置いていった
植物が枯れてしまった。
あんなに強かったのに、
そして、マメに水をやったり、
少し日光に当てたりもしたのだが
どうしても無理だった。

とても、これに意味があるとも
思いたくはない。

しかし結果的に今、マスダちゃんが
どこでどうしているか、わからない。

せめて実家にでも帰って、元気に
していればいいんだけれど、
万が一のことがあっても、
出来るだけ辛くない状態で
いることを祈るばかりだ。


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2018年10月23日

ナショナル・シアター・ライブ「フォリーズ」

休みの昨日、ミュージカル好きな友人たちと
イギリス、ウエストエンドの舞台を
そのまま映画館で上映する
「ナショナル・シアター・ライブ」の
「フォリーズ」を観てきた。

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このライブ映像は、今年になって
ゲイの舞台「エンジェルズ・イン・アメリカ」や
「アマデウス」は素晴らしかった。
過去だと「夜中に犬に起こった奇妙な事件」や
「橋からの眺め」など興奮させてくれる舞台を
上映してくれていて、そのたびに紹介したい、
そう思っていながら、なかなか書けなかった。

何せ、限られた劇場で、
それもほぼ一週間の上映なので
僕が休みの日に観て、ここで書いても
あと数日しか公開日がなかったりするからだ。
それでも、今回は書かずにはいられない、
それほど素晴らしい体験だった。


内容は、解体が決まった古い劇場に
その昔、出演していたコーラス・ガールが
その連れ合いを連れて、
再会パーティに出席する話。

昔から微妙な関係だったふた組の男女が
結婚と破局に向かいそうなシークエンスを
50歳に差し掛かる現在と
20代だった過去の話が、
8人の老若男女によって
交差して見せてくれる。

かなりドロドロとした4人のこの話を
30人以上にもなる多くの出演者が
巧みに演じている。

楽曲は僕が最も尊敬する
「イントゥ・ザ・ウッズ」や
「スウィーニー・トッド」の
スティーヴン・ソンドハイム。
歌手にとって難解と言われながらも
美しく、心惹かれる楽曲の数々。

そして演出もさることながら、
美術、衣装など見どころは山ほど。

過去への郷愁、そして華やかなレビュー。

これほど成熟した大人の舞台を
映画館で出会うことが出来て良かったけれど、
本心を言えば、無理しても
ロンドンで観たかった。

気になる人は↓


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2018年10月22日

「字」を書くということ

昨夜久しぶりに来てくれたセイヤは、
行きつけのバーのスタッフが書道家だ。
その彼は、実も僕も
よく知っている人なのだが、
そのスタッフから最近、
書道を習っていると言う。

その先生の作品を見た時に、
おおっ!こんな風に
文字を書くのか、と
セイヤは魅せられたそうだ。

確かに彼の書は、
紙の上を見事なまでに文字が
泳いでいると言うか、踊っていると言うか
どう表現すれば、伝わるのだろう
とにかくじっと見ると胸を打たれる。

セイヤは、もちろん
そういう作品、というようなモノではなく、
まずは楷書体のきちんとした文字から
教わっているようだ。

それは、美術でのデッサンと一緒で
基本をしっかりと学ばなければ、
面白かったり、美しかったりする書は
なかなか生まれないだろう。

毛筆がうまくなるとペン字も
うまくなるのだろうか。
僕がセイヤにそう聞くと、
たぶん文字のバランスは
よくよく考えて書くことになるから
たぶん変わるのではないかとのこと。

僕は決して文字がうまくはない。
この時代、なかなか字を書くことは
少なくはなった。

そして、必ずしも、性格がそのまま
文字に出るか、と言うと
そうでもないだろうけれど、
たまに、何故に、この人が
こんな文字を!?という現場に立ち会うと
単純に素敵だなあ、そう思う。

僕がやりたい多くのこと。
語学をもっと勉強したい、
筋量をあと5キロほど増やしたい、
ピアノをそこそこ、弾けるようになりたい、
絵を改めて勉強したい、
と、やりたい事は色々あるけれど、
そこに字を綺麗に書きたい、というのも
加えておこう。

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写真はネットで拾った「男」の文字。


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2018年10月21日

bridgeならぬbulgeの話

古い友人のエモリが来てくれた。
エモリは自ら「度変態」というエロマニア。

彼が若い頃からMの受けを堂々と名乗り、
友人知人からSっぽい、
雄っぽい野郎たちを募り、
毎週末、享楽の日々を繰り広げていた、と
その武勇伝を聞いていたのが
もう何年前になるのだろう。

「45を過ぎても、
Mだったり受けだったりすると
十分にセックスを楽しめるので、
お前もウケを学んだほうがいいぞ」
そんな事を言われたのも、かなり前だ。

それはともかく。
ヤツは昔から、地下鉄や電車に乗って
男たちの股間をじっくりと見るのが
むしょうに楽しいのだ、そう言っていた。

images-3.jpeg

「最近はスマホとかがあるやないか
俺は撮らないけど、
ネットを探れば、日本中、世界中の
bulge(つまりモッコリ)が
いくらでも手に入るから嬉しいよ。」
頼んでもいないのに、
エモリのスマホに入った数々の
モッコリ画像を見せてくれる。

確かにスーツに異様なまでの膨らみや、
ジーパンのザラついた部分のかすれ具合から
浮き出る形、
またごくごく普通のトランクスから
少しだけ見える竿の先、
もちろん、そこにはエロ下着から
ラグパンから六尺、ケツ割れサポーター、
そしてジャージや、作業着のモッコリまで
あらゆる角度からのコレクションが並ぶ。

「前は度変態同士でセックスが
本当に楽しかったけれど、
この程度で満足できるようになったのは
さすがに歳とったかな」
そうやって笑うエモリは、
いやいや、まだ現役なんだと思う。
誰にも迷惑かけてないんだから、
やりたいように、とことんやればいい、
それがエモリなのだから。
そう思った。

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2018年10月20日

お知らせ

平日、入ってくれていたラファエルの深夜営業は
今月いっぱいとなります。

それに伴い、当面は日曜日を除いた
平日は20時オープンに戻ります。
水、木はマスターみつあきが
2時まで店をあけることにします。

色々ご迷惑をおかけしますが、
よろしくお願いします。

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父親との対話

セイジロウ君28歳の両親は
関西に住む55歳になる
お父さんと、53歳のお母さん。
一人っ子だったせいなのか、
二人からは、とても
愛されて育ったと言う。

子供の頃からいい子でいよう、
としていたせいなのか
怒られた記憶が本当にないようだ。

そんなセイジロウ君が
自分がゲイだと
気がついたのは、
小学校低学年の頃。
キャンプに行った時に、
同級生のかっこいい男の子が
上半身を脱いで、
川に入っているのを見て
ドキドキし、その日から
そのコのことがどんどん好きに
なってしまったのだと言う。

それから中学、高校に進み、
そういう気持ちは
確信から自信へと変化したと言う。

世の中で、ニュースなどでは
同性愛を扱うことも増え、
大学に進んだ頃に、2丁目にも来だした。
出会い系アプリで、
初体験も済ませた。
そして人と付き合う幸せも学んだ。


両親とは帰省するたびに、
色々なことについて
話すことは多かった。
それも自分の立場に立って
色々と教えてくれてきた父親とは
二十歳を超えてから
よく酒も飲んだらしい。

しかし、愛し愛されている両親に
カミングアウトするということは
さすがに考えられなかった。
彼らを傷つけたくない、
誤解を受けたくない、
というのが一番の理由だったらしい。

2年前のある日、
父親が上京し、話があるから
一緒に飲もうと
居酒屋に誘われた。

セイジロウ君は、ひょっとして
自分のことを聞かれるのじゃないか、
かなり緊張したのだと言う。

父親は自分の顔を見ながら、
「真剣なことだから、
しっかりと答えてほしい」
そう切り出された。
「え?何のこと?」と尋ねてみた。

「俺は同性愛者だということだ」

セイジロウ君は自分の耳を疑った。
「お前が同性愛者ということだ」と
言っているのかとさえ思った。

しかし、それは違い、父親は結婚前から
ずっと悩み苦しみ、セイジロウ君が
10歳くらいになった18年ほど前に
母親にちょっとしたことからバレてしまったと。

離婚の話にもなったけれど、
お前が成人するまでは
ということに落ち着いた。
しかし、その後、時間をかけて、
やはり離婚するのは正しいことではない、
そう両親は結論づけたらしい。

「お前はどう思うか。
正直に答えてほしい。」
そう言われて、セイジロウ君は
凍りついた。
正直、驚きを通り過ぎ、
ショックで長い時間、言葉が出せずに
その間、お父さんは黙って下を向いていたそうだ。

そして、やっと振り絞って出した言葉は
「これからも、お母さんを
傷つけないでほしい。」
それだけだったらしい。

お父さんは涙をためて
ゆっくりと頷いていたそうだ。

どういうふうにお母さんに
バレてしまったのか、
今、お父さんには恋人がいるのか、
お母さんは実はどう思っているのか、
そして何よりも、
本当に自分(セイジロウ君のこと)は
ゲイだとわかっていないのか。

そんなことをたくさん考えながらも、
ひと言も聞くことも、
カミングアウトもとても出来なかった。

それから2年。
二人はそのことについて、
まったく触れずにいるらしい。

父が満身の力を振り絞って
自分の告白したのに、
セイジロウ君は、
どうしても言えない自分を
責めたりもしたようだ。

初めて耳にした凄い話だった。
お互い様だから、
カミングアウトしてみれば?
などと、とても軽くは言えない。
それほど、デリケートな話だとも思った。

この話を聞いて、思い出したのは
Fun Homeという漫画が原作のミュージカル。
レズビアンの娘とゲイの父親の
確執と愛情を描いたモノだった。
日本で発売されている漫画も必読。

Fun_Home_0085_-_Cast_Portrait_Photo_Credit_Joan_Marcus.jpg
写真は舞台"FUN HOME"

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