2024年02月14日

「8.8」というお店

2日前に、以下のLINEが回って来た。

「元「8・8」⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(マスターの本名)と
ご厚誼のあった皆様へ

元「8.8」店主⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎は、
かねてより病気療養中のところ、
去る 令和6年1月25日に永眠いたしました。
謹んでお知らせ申し上げます。

葬儀は近親者のみで執り行いました。
事後のお知らせとなりましたこと
何卒ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
ここに生前に故人が賜りました
ご厚誼を深謝し厚く御礼申し上げます。

なお、故人の遺志により、新宿区南春寺無量壽に
遺骨の一部を納めましたことお伝え申し上げます。

令和6年2月12日  養子 ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(養子の方のお名前)
このお知らせは、故人が2021年に転居のご連絡を
差し上げた皆様にお送りしております。
不要なお知らせとなりましたら、何卒ご容赦ください。」


ゲイバー、「8.8」のマスター、シンさんは
元デザイナーで脱サラをしたあと、
お店をオープンされていた。

何年お店をやられたか、よくわからないけれど、
おそらくクローズしたのが10年ほど前で
30年は営業されていたのかもしれない。

マスターのシンさんは、マッチョな若者には
とても優しかった反面、ある部分、非常にシャイで
僕が数回伺った時には、
ほぼ話すことも出来なかった。

ただ、90年代、まだガチムチブームではない頃、
体を鍛えた20代から40代までが集い、
大賑わいを見せていたのは、
よく覚えている。


シンさん自身とは、
ほぼやり取りもなかったのだけれど、
僕がうちの店をオープンした際に、
手伝ってくれたスタッフや、
来てくれるお客さんたちが
かなり「8.8」のお客さんと被っていた。

そのようなこともあり、
新しいお客さんを何人か紹介してもらい、
お礼のメールを送り、大変謙虚な
返信をいただいたことがあった。

そこには「まったく気にしないでください。
うちの馴染みのお客連中が
迷惑をかけなければ、そう思っています」
というようなことが書かれていた。

シンさんと非常に仲良くしていた
うちに来てくれるシュウゾウちゃんに
聞いたのは、店を辞められてからも
ずっとブログを書き続け、
去年の9月に筆が止まり、
その辺りから体調に変化があったのだそう。

ご高齢ではあったものの、
やはりそれだけ賑わいを見せた
2丁目のお店のマスターの訃報は
無念だ。
安らかに
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posted by みつあき at 17:57| Comment(0) | ゲイバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月11日

お客様たちの存在

周年のお知らせをLINEやメールで
わかっている範囲で送っている。

一応、それぞれちょっと挨拶文や
コメントを付けるため、メールでも
Bccとかに出来ないから、
結構大変な作業だったりする。

中には、コロナ禍全然
会っていない人もいれば、
それ以上会っていない人もいるし、
アドレスが変わっている人もいる。

基本的に、僕は周年と店内お花見の時くらいしか
営業メールをしないし、細かい名簿を
作ってチェックしているワケでもない。
だから、漏れも出てくるし、
名前が思い出せなくて(年寄りの証拠)、
そのままになってしまう人もいる。

そんな中で、丁寧に返信をしてくれる人も
それなりにいてくれて、
そこで驚くような事実を知ったりする。

とある人は、なんと海外に移住して、
同性婚した、という連絡があったり、
またある人は女性と結婚した、
と連絡があった。

仕事で地方に移った人もいれば、
逆に地方から東京に移った人もいる。

前に送ったモノが既読になっていない人など
どうしているのか心配だけれど、
僕はそれ以上、どうすることも出来ない。

とても親しい人や、パートナーや
友人を通して連絡取れる人は
周年のお知らせとかとは別に
なんとか確認取れたりもする。
それでも、ニックネームや
下の名前しか知らない人も多いのだ。

とは言え、飲み屋との関係なんて
そういうモノ(増してゲイバーだから)
と、仕方がないと思ったりもする。

逆に、店オープン時にかなり通ってくれた人や、
10年ほど顔を見ていない人が
ふらりとやって来てくれたりすると、
こういう仕事をやっていて、
本当に良かったとも思える。

そういう意味では、ゲイバーに
限らず、多くの水商売で通り過ぎていく人たちは
そうなんだろう。

ひょっとすると、最初に来ていただいた時に、
一期一会かもしれない、そう思っていることが、
一番正解なのかも知れない。

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2023年02月19日

バーでの再会

昨夜、かなり久しぶりに来てくれた
ヤスヒサは、ガッチリ骨太で
モテ筋の40代後半。

そして、2週に一度くらい来てくれている
同世代でスジ筋のマサオと隣り合わせになり、
「お!久しぶり」ということになった。

二人は、20代の頃からの知り合いで
こうしてバッタリ会うのも、
15年ぶりだと言う。

数十分は、誰それは誰かと付き合ったとか、
誰それが亡くなったのは知っているかとか、
それぞれ共通の友人の話で盛り上がっていた。

そこにふらりと入ってきたのが、これまた
久しぶりに来てくれた
短髪で童顔の40歳のクワタ君。

クワタ君はマサオの顔と見て、
よく会いますよね、と声をかけると、
ああ、ホントに、とマサオが応える。

二人はお店や、色々な場所で
よく見かけるけれど、会話をしたのは
初めてだったらしい。

その後、会話を続けていたら、クワタ君と
マサオはとあるゲイバーでスタッフと
入っていた先輩と後輩だったとことがわかる。

マサオが手伝っていた7、8年後に
クワタ君が入っていたようだった。

アルバイトだったけれど、横に座った人と
話すのが苦手というクワタ君。
逆に自分に興味がないとまったく
話さない、と言うマサオ。

逆にヤスヒサは店など手伝ったことはないけれど、
友人もすごく多く、
こういうバーでも人と話すことが
それほど苦じゃないと言う。

そんな3人がそれぞれ共通の話で
どんどん盛り上がる土曜日の深夜。

初めての新しい出会いも良いけれど、
こういう偶然の再会こそ、
ゲイバーの醍醐味でもあるなあ、
そう思った。


posted by みつあき at 18:42| Comment(0) | ゲイバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月11日

Bird Landのマスターの逝去を知って

うちの店がオープンすると同じ時期に
クローズした2丁目にあったゲイバー"Bird Land"

カップルで営業されていたお店のマスター
リョウタさんが2週間ほど前に
お亡くなりになった。
もう体調を壊して久しいことは、
パートナーのヒサシ君から耳にしていた。
70を過ぎたばかり、という
まだまだこれからのんびり、という
年齢だった。

リョウタさんは、そのヒサシ君を通じて
知り合いになったので、
二人でお会いしたことはなかった。

ただ、リョウタさんは、そもそも音楽業界に
いらっしゃり、お店の名前も、ウェザーリポートの曲、
またマンハッタンにあるジャズクラブなどから
取ったことをリョウタさん自身からお聞きした。

思えば、僕がリスペクトしているアーティスト、
ブルース・スプリングスティーンが
日本に初来日した際、会場の代々木体育館で
バッタリお会いしたこともあった。

そんなことで、リョウタさんのお店に行くと、
音楽の話がたっぷり出来た。
ジャズからポップス、そして歌謡曲まで
その話は大きく広がった。


バードランドは、本当に落ち着いたお店で
そういう雰囲気を求めて
開業当初、うちの店にいらっしゃる御客さんも
多かった。

リョウタさんはパートナーだった
ヒサシ君がきちんとお見送りされたようだ。

ご冥福をお祈りします。

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2022年09月09日

銀座から新宿に

昨夜は、銀座にあるboon boonさんという
ゲイのミックスバーのマスター、タカさんが
いらっしゃった。

僕も銀座には自宅や、行っているジムが近いため、
一度、お邪魔したことがあるけれど、
ホテルのバーのような素敵なお店だ。

基本的に「来ていただいたからお返しに、
ということはしないタイプなんですよ」と
言われていたけれど、前から
一度は来てみたいと思われていた
というのは嬉しい。

タカさんは、以前は上野でバーを
やられていて、その頃は前あった
お店を引き継いだこともあり、
比較的身体が大きい人が
多くいらっしゃっていたらしいし、
イベントもやっていたと言う。

イベントはユニフォームイベントで
スポーツ系(サカユニや野球ユニ、ラグパンなど)と
仕事系(警官、消防服、作業着など)で
それはずいぶん賑わったのだそうだ。

ただ、どうしてもカテゴリーが狭く、
このままここでやっていたほうが良いか、
などと考えて、まったく違うタイプが来る
銀座に店を構え、ストレートも女性も
来られる店にしたと言う。

東京では、まだまだ女性が入れる
ゲイバーはそれほど多くない。
嫌がる人も少なくないのは本当だ。
興味本位で来られたくない、
女性がいるのなら、普通の店で飲む、
という人もかなり多い。

そういう声など、なんのその、
自分がやりたい方向で頑張る、
というタカさんだった。

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