2025年04月14日

脱ぎ系だけのつもりが

55歳のトシオさんは、若い頃は
恋愛至上主義はずだったのに
「ここ数年は、すっかりエロ爺いに
なり下がった」と笑う。

最近の彼はアプリやハッテン場、
売り専などに行くことはなく、
もっぱら脱ぎ系のバーに行くそうだ。

こういったバーは僕が若い頃にはなくて、
エッチな気持ちになる時に
お酒が欲しくなる僕は、昨今こういうのが
増えてある意味羨ましいと笑っている。

さすがにこの年齢になって、
バーのマスターが
その手のところに現れてしまっても、
色々揶揄されるだろう(笑)
何よりもうちのお客さんに会って
嫌な思いをさせてしまうのも申し訳ない。

まあ僕のことはともかく、トシオちゃんは
その手のバーに行って、その場限りの
触れ合いや語らいを楽しむのだそうだ。

「触れ合いや語らいが共にあるの?」と聞くと、
それこそお酒を飲んでいたと思えば、
その口は相手が喜ぶところにいっているのだと。

トシオちゃんは、とある脱ぎ系のバーで
一人の男性と関係を持ったらしい。
相手との相性が良かったせいか、
珍しく自分の頭の片隅についつい
その相手のことが浮かんでしまうように
なったらしい。

特にタイプでもないのに、身体よりも
脳が異常に反応する。
「ああ、また始まったのか。
自分の恋愛至上主義。
ただの遊びのつもりなのに」と。

そんなふうにせつなくなる
トシオちゃんの春が
また来てしまったそうだ。

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2024年10月24日

ゲイバースタッフになるのが嫌な理由

昨夜たまにふらりと来てくれる
短髪、髭、30歳のオカ君が
顔を見せてくれた。

話好きだし、感じも良い彼に
「そう言えば、どこかの店を
手伝ったりしてるんだっけ」と尋ねてみた。

彼いわく、どこに行っても言われるし、
入って欲しいと誘われるらしい。

でも、オカ君は絶対に無理なんです、と言う。

まず、他店などに言って、自分の形容詞が
「どこそこの店で働いている」と
なってしまうのがイヤなのだ、と。

いわゆるその店の雰囲気を担いでしまい、
その店を苦手な人が自分を
遠ざけてしまうのではないか、と。

また、他人が飲んだグラスを洗うのが苦手。
それほど潔癖症ではないけれど、
飲食物で手が汚れてしまうのがダメで
自宅でも出来るだけ避けたいらしい。

また、最も大きな理由は、自分が
話したいワケでもないお客さんに
何か飲んで、と言われて、話に
付き合うのがかなり辛いらしい。

なるほど。
思えば、昔の自分も、まさか店を
やるなどと思えないほど、
人を選んで話していたことを思い出した。

人には色々な得手不得手があるのものだ。

いつも自由気ままなオカ君だから、
きっと好きな時に好きな店で、
好きなマスターやお客さんと
一緒にいられる、というのが
とても楽なのだろう。


posted by みつあき at 18:46| Comment(0) | ゲイバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月14日

「8.8」というお店

2日前に、以下のLINEが回って来た。

「元「8・8」⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(マスターの本名)と
ご厚誼のあった皆様へ

元「8.8」店主⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎は、
かねてより病気療養中のところ、
去る 令和6年1月25日に永眠いたしました。
謹んでお知らせ申し上げます。

葬儀は近親者のみで執り行いました。
事後のお知らせとなりましたこと
何卒ご容赦いただきたくお願い申し上げます。
ここに生前に故人が賜りました
ご厚誼を深謝し厚く御礼申し上げます。

なお、故人の遺志により、新宿区南春寺無量壽に
遺骨の一部を納めましたことお伝え申し上げます。

令和6年2月12日  養子 ⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎(養子の方のお名前)
このお知らせは、故人が2021年に転居のご連絡を
差し上げた皆様にお送りしております。
不要なお知らせとなりましたら、何卒ご容赦ください。」


ゲイバー、「8.8」のマスター、シンさんは
元デザイナーで脱サラをしたあと、
お店をオープンされていた。

何年お店をやられたか、よくわからないけれど、
おそらくクローズしたのが10年ほど前で
30年は営業されていたのかもしれない。

マスターのシンさんは、マッチョな若者には
とても優しかった反面、ある部分、非常にシャイで
僕が数回伺った時には、
ほぼ話すことも出来なかった。

ただ、90年代、まだガチムチブームではない頃、
体を鍛えた20代から40代までが集い、
大賑わいを見せていたのは、
よく覚えている。


シンさん自身とは、
ほぼやり取りもなかったのだけれど、
僕がうちの店をオープンした際に、
手伝ってくれたスタッフや、
来てくれるお客さんたちが
かなり「8.8」のお客さんと被っていた。

そのようなこともあり、
新しいお客さんを何人か紹介してもらい、
お礼のメールを送り、大変謙虚な
返信をいただいたことがあった。

そこには「まったく気にしないでください。
うちの馴染みのお客連中が
迷惑をかけなければ、そう思っています」
というようなことが書かれていた。

シンさんと非常に仲良くしていた
うちに来てくれるシュウゾウちゃんに
聞いたのは、店を辞められてからも
ずっとブログを書き続け、
去年の9月に筆が止まり、
その辺りから体調に変化があったのだそう。

ご高齢ではあったものの、
やはりそれだけ賑わいを見せた
2丁目のお店のマスターの訃報は
無念だ。
安らかに
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2023年10月11日

お客様たちの存在

周年のお知らせをLINEやメールで
わかっている範囲で送っている。

一応、それぞれちょっと挨拶文や
コメントを付けるため、メールでも
Bccとかに出来ないから、
結構大変な作業だったりする。

中には、コロナ禍全然
会っていない人もいれば、
それ以上会っていない人もいるし、
アドレスが変わっている人もいる。

基本的に、僕は周年と店内お花見の時くらいしか
営業メールをしないし、細かい名簿を
作ってチェックしているワケでもない。
だから、漏れも出てくるし、
名前が思い出せなくて(年寄りの証拠)、
そのままになってしまう人もいる。

そんな中で、丁寧に返信をしてくれる人も
それなりにいてくれて、
そこで驚くような事実を知ったりする。

とある人は、なんと海外に移住して、
同性婚した、という連絡があったり、
またある人は女性と結婚した、
と連絡があった。

仕事で地方に移った人もいれば、
逆に地方から東京に移った人もいる。

前に送ったモノが既読になっていない人など
どうしているのか心配だけれど、
僕はそれ以上、どうすることも出来ない。

とても親しい人や、パートナーや
友人を通して連絡取れる人は
周年のお知らせとかとは別に
なんとか確認取れたりもする。
それでも、ニックネームや
下の名前しか知らない人も多いのだ。

とは言え、飲み屋との関係なんて
そういうモノ(増してゲイバーだから)
と、仕方がないと思ったりもする。

逆に、店オープン時にかなり通ってくれた人や、
10年ほど顔を見ていない人が
ふらりとやって来てくれたりすると、
こういう仕事をやっていて、
本当に良かったとも思える。

そういう意味では、ゲイバーに
限らず、多くの水商売で通り過ぎていく人たちは
そうなんだろう。

ひょっとすると、最初に来ていただいた時に、
一期一会かもしれない、そう思っていることが、
一番正解なのかも知れない。

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2023年02月19日

バーでの再会

昨夜、かなり久しぶりに来てくれた
ヤスヒサは、ガッチリ骨太で
モテ筋の40代後半。

そして、2週に一度くらい来てくれている
同世代でスジ筋のマサオと隣り合わせになり、
「お!久しぶり」ということになった。

二人は、20代の頃からの知り合いで
こうしてバッタリ会うのも、
15年ぶりだと言う。

数十分は、誰それは誰かと付き合ったとか、
誰それが亡くなったのは知っているかとか、
それぞれ共通の友人の話で盛り上がっていた。

そこにふらりと入ってきたのが、これまた
久しぶりに来てくれた
短髪で童顔の40歳のクワタ君。

クワタ君はマサオの顔と見て、
よく会いますよね、と声をかけると、
ああ、ホントに、とマサオが応える。

二人はお店や、色々な場所で
よく見かけるけれど、会話をしたのは
初めてだったらしい。

その後、会話を続けていたら、クワタ君と
マサオはとあるゲイバーでスタッフと
入っていた先輩と後輩だったとことがわかる。

マサオが手伝っていた7、8年後に
クワタ君が入っていたようだった。

アルバイトだったけれど、横に座った人と
話すのが苦手というクワタ君。
逆に自分に興味がないとまったく
話さない、と言うマサオ。

逆にヤスヒサは店など手伝ったことはないけれど、
友人もすごく多く、
こういうバーでも人と話すことが
それほど苦じゃないと言う。

そんな3人がそれぞれ共通の話で
どんどん盛り上がる土曜日の深夜。

初めての新しい出会いも良いけれど、
こういう偶然の再会こそ、
ゲイバーの醍醐味でもあるなあ、
そう思った。


posted by みつあき at 18:42| Comment(0) | ゲイバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月11日

Bird Landのマスターの逝去を知って

うちの店がオープンすると同じ時期に
クローズした2丁目にあったゲイバー"Bird Land"

カップルで営業されていたお店のマスター
リョウタさんが2週間ほど前に
お亡くなりになった。
もう体調を壊して久しいことは、
パートナーのヒサシ君から耳にしていた。
70を過ぎたばかり、という
まだまだこれからのんびり、という
年齢だった。

リョウタさんは、そのヒサシ君を通じて
知り合いになったので、
二人でお会いしたことはなかった。

ただ、リョウタさんは、そもそも音楽業界に
いらっしゃり、お店の名前も、ウェザーリポートの曲、
またマンハッタンにあるジャズクラブなどから
取ったことをリョウタさん自身からお聞きした。

思えば、僕がリスペクトしているアーティスト、
ブルース・スプリングスティーンが
日本に初来日した際、会場の代々木体育館で
バッタリお会いしたこともあった。

そんなことで、リョウタさんのお店に行くと、
音楽の話がたっぷり出来た。
ジャズからポップス、そして歌謡曲まで
その話は大きく広がった。


バードランドは、本当に落ち着いたお店で
そういう雰囲気を求めて
開業当初、うちの店にいらっしゃる御客さんも
多かった。

リョウタさんはパートナーだった
ヒサシ君がきちんとお見送りされたようだ。

ご冥福をお祈りします。

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2022年09月09日

銀座から新宿に

昨夜は、銀座にあるboon boonさんという
ゲイのミックスバーのマスター、タカさんが
いらっしゃった。

僕も銀座には自宅や、行っているジムが近いため、
一度、お邪魔したことがあるけれど、
ホテルのバーのような素敵なお店だ。

基本的に「来ていただいたからお返しに、
ということはしないタイプなんですよ」と
言われていたけれど、前から
一度は来てみたいと思われていた
というのは嬉しい。

タカさんは、以前は上野でバーを
やられていて、その頃は前あった
お店を引き継いだこともあり、
比較的身体が大きい人が
多くいらっしゃっていたらしいし、
イベントもやっていたと言う。

イベントはユニフォームイベントで
スポーツ系(サカユニや野球ユニ、ラグパンなど)と
仕事系(警官、消防服、作業着など)で
それはずいぶん賑わったのだそうだ。

ただ、どうしてもカテゴリーが狭く、
このままここでやっていたほうが良いか、
などと考えて、まったく違うタイプが来る
銀座に店を構え、ストレートも女性も
来られる店にしたと言う。

東京では、まだまだ女性が入れる
ゲイバーはそれほど多くない。
嫌がる人も少なくないのは本当だ。
興味本位で来られたくない、
女性がいるのなら、普通の店で飲む、
という人もかなり多い。

そういう声など、なんのその、
自分がやりたい方向で頑張る、
というタカさんだった。

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2009年09月10日

色々な店

ここ2週間ほど、店の2周年パーティの
宣伝も兼ねて、休みの日に数件の
お店に久しぶりに顔を出してきた。

僕の住まいが少し遠いこともあり、
普段は休みの日に他のお店に行くことはほとんどない。
それに、そもそも他のお店との
付き合い自体があまりないので、
知っている店もそれほど多くない。

だからこそ、今回はほんの数件、
行ける範囲のお店だけ挨拶に伺わせていただいた。

改めてお客として他のお店に行くと、
本当にそれぞれのお店で独自の
やり方があるんだと気づかされる。

例えば、一切お客さんに名前を聞かないというマスターがいて、
その理由は「名前を呼ぶのは白々しい」というもの。
一方で、名前を覚えるために
お客さんの名前を連呼するというマスターもいる。
また、お客さん同士を積極的に話させるのが
得意なマスターがいる一方で、
基本的にはそれぞれのお客さんと
個別に話すスタイルのマスターもいる。

お代わりを一切勧めないマスターもいれば、
どんどん勧めるマスターもいるし、
年齢に関係なくラフな言葉で話すマスターがいる一方で、
誰に対しても敬語で接するマスターもいる。

アルバイトに次々と指示を出して
動かすマスターもいれば、
ほとんど任せてしまうマスターもいる。

本当に、それぞれのお店にはそれぞれの方針があり、
それぞれの接客スタイルがあるのだ。
若い頃からずっとこの世界で自分の店を続けている
マスターたちを見ると、
「なかなか敵わないなあ」と思わされる。

長年やりながら自分自身のルールを
作り上げてきたその潔さや、
お客さんを見る目はさすがだと感心もする。

2年前、店をオープンして数ヶ月間は「素人営業だね」と
よく言われたものだ。
そして正直なところ、自分自身、
それから大きく変わった気もしない。
基本的に、「2丁目らしい」「ゲイバーらしい」
プロフェッショナルな雰囲気というものは、
自分にはあまりないのかもしれない。

しかし、自分にしかできない「何か」が
必ずあるはずだ、そう思っている。
それが具体的に何なのか
ここで言葉にするのは難しいけれど、
その「何か」をきちんとお客さんに
伝えられるよう心がけながら、
これからも素敵なお店を作り続けていきたいと思っている。

というわけで、2周年パーティまであと1週間。
どうぞよろしくお願いします!

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posted by みつあき at 03:43| Comment(2) | ゲイバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする