2024年10月02日

フルスピードラブ

一昨日、数ヶ月に一度来てくれる
トシオがパートナーヨウタ君と、
そのヨウタ君の友人、ムネマサ君を
連れて来てくれた。
トシオとヨウタ君は、付き合って
7年。ヨウタ君が東京を離れて
ここ5年は3ヶ月に一度
行ったり、来たりという
遠距離恋愛だ。
そんな話の流れからムネマサ君について
トシオカップルが
「ちょっと彼の話、面白いので
聞いてやってください」と囃し立てる。
ムネマサ君は、5年ほど前に友人を
介してとある人と出会ったらしい。
特に恋愛感情もなく、親しくなり、
お茶や食事のみならず、
旅行まで行く仲になったと言う。
それから4年。二人は何度目かの
海外旅行先でロマンチックなムードになり、
付き合うようになった。
もちろん、それまでは肉体関係さえなく、
まさかの出来事だったらしい。
そして、付き合うという関係になって1年。
なんと二人で家を買おうと
決意し、カップルローンを
組んだのだそうだ。
あまりの急ピッチの展開にヨウタ君カップルは
今さらながら、大丈夫?と何度も聞く。
ムネマサ君は笑いながら
「どうなんだろう?」と。
話を聞いて、ストレートカップルだと
普通にある話だなあ、そう思った。
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2024年08月26日

恋人の呼びかた

恋人と付き合って4ヶ月のシンイチ君 33歳。
8歳年上の彼だが、出会って2度目に
付き合うこと考えてくれない?と言われ、
正直、驚いたけれど、自分のタイプ
ど真ん中だったから、嬉しかった。

「わかりました。前向きに考えます」と。
LINEのやり取りや、その次のデートなど
まったく問題なく、楽しく進んだけれど、
4度目に会ったくらいから、相手から
呼び捨てで名前を呼ばれた。

過去、付き合った年上の人は3歳上でも
ずっと「君付け」で呼ばれていたので
ちょっと戸惑ったことは確かだそうだ。

基本的に人から呼び捨てにされたことが
あまりないので(と言うのも珍しいけれど
40歳以下の人って、そうなのか)
慣れるまでちょっと呼ばれるために
ドキっとした。

そして、ふた月が過ぎた頃、今度は
「俺のことも呼び捨てにしてくれ」
そう言われた。

自分が呼ばれるのも驚いたのに、
8歳も上の人を呼び捨てになんか出来ない。

シンイチ君としては、ふたりの時はともかく
(それでもかなり抵抗あるらしいけれど)
屋外で呼び捨てなど、無理だと話した。

でもその彼は、仕事でずっと海外に
いたせいか、恋人同士が「君」や「さん」付け
っていうのが、どうしても気持ち悪いと言う。

海外では、そもそも敬語もないし、
年齢も気にしないし、まず名前に敬称を
付けることがないことはシンイチ君は
わかっている。でも、文化が違うのだ、
そう思う。

結局、楽しく付き合いながらも、まだまだ
彼を名前で呼ぶことが出来ない会話と
なっているらしい。

なるほど、人の悩みは色々だ。

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2024年07月06日

恋愛への粘り強さ

昨日の深夜、
お客さんも切れたし、店の電気を切り、
閉めようとしていたら
「まだ開いてます!?」と長年来てくれていた
ヨウスケが一人で飛び込んできた。

彼は仕事も忙しく、かつ実家が
都内よりも1時間半ほど離れていたりするため、
数ヶ月に一度しか来ない。

それも、せっかくの土曜日。
僕もまだ帰国して一週間。
「お!よかったらサシ飲みしましょう」
とヨウスケ。
もちろん、これはちゃんと対応せねば、と
二人で色々話したら、朝までとなった。


ヨウスケが最初に来てくれていた時には、
まだ20代だったのが
昨日話したら、42という年齢になったと
知ってびっくりした。
僕も歳をとるはずだ。

ヨウスケは、高校の時にはバレーボール、
そして大学に入ってラグビーをやっていた。
元々骨太でごっつい身体をしていたから
初めて2丁目に行った学生の頃は
「ラグビー」というだけで
かなりチヤホヤされたと言う。

モテたと言えば、モテたけれど、
自分のキャラクターや考え方よりも
とにかくスポーツをやっている現役、
ということが先走ってるのが
とても嫌だったようだ。
だから、その後は
「ラグビーをやってる」とは、
ほぼ言わなくなったのだと言う。

とは言え、ヨウスケは明るいし、
基本的には前向き、そして真面目だ。

だから、男も出来ても、自分は
長く付き合おうと頑張るのだけれど、
ちょっとしたことで放り出されることが
多かったらしい。

それはヨウスケの容姿(ガッチリとした
スポーツマンタイプ)ということと、
生真面目さたのギャップなのかも知れない。

何故、みんなつまらないことでつまづき、
せっかくの縁を閉じようとするんだろう。
ヨウスケは、半年前にも
たった1年で閉じた恋愛に
ついて語っていた。

確かに、少し自分と違う部分を見ると、
すぐにダメだ、と思ってしまう人も
少なくない、そう思う。

ゲイの場合、ストレートと違って、
次がある、と思いがち。
そうすると、その次、というのも
ちょっとした問題でNGを出す人も多いだろう。

粘り強い人を求めていけば、きっと良い人と
出会えるはず。
ヨウスケはそう言っていたけれど、
僕もまさにそう思った。

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2024年06月07日

恋の病

44歳タモツの10年前の大恋愛は、
半年でエンドを迎えたらしいけれど、
それが忘れられなくて、
次に進めない、そう言う。

48歳トモマサも40歳くらいに
4年ほど一緒に住んだ恋愛もあったけれど、
別れてから会うこともないし、
今後も別に会いたくない。
特に喧嘩したり、浮気で別れたのではなく、
憎んでいるワケでもないけれど、
終わった恋愛は、
とっとと忘れることにしているらしい。

こんなふうに、過去の恋愛に対する
現在の気持ちというのは、いくつかの
パターンに分かれる。

タモツのように、忘れられない人、
トモマサのように、まったく
どうでも良くなる人、
そして僕のように、友人になって
しまう人間もいる。
かと言って、僕の場合は、
それぞれ何年かに一度くらいしか
連絡は取らないけれど。

よく男性の恋愛はフォルダ保存、
女性は上書き保存と言うけれど、
ストレートだって、ゲイだって
色々な人がいるワケだし、
あまり男女だとか、関係ないような気もする。

もちろん、相性の合う合わないはあるけれど、
基本的に僕は、恋愛というのは
ある意味、魔法のようなモノだと思っている。
もしくは、恋という名前がついた
病だったりするんじゃないかと。

いわゆる、相手の気に入った部分を
どれだけ膨らませ、良く言えば
そこだけをポジティブに捉えていく。
言葉を変えれば、執着だったりする。

その魔法が解けて、それでも許し合えるか、
ただの恋の病だった、と思えるか。

少なくとも、タモツには
まだまだ時間が必要なのだそうだ。

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2024年05月19日

ハイスクールでの出会い

昨夜はアメリカ、テキサスから25歳同士の
美青年カップルが来てくれた。

どれくらい付き合っているの?と尋ねると
8年!だと。

8年、ということは、高校生の時?
と聞くと、なんと同じクラスで
トーマス君がマイケル君を好きになり、
告白してゴールインしたと言う。

なんだか、BLドラマの
「ハートストッパー」を思い出した。

それも、同じクラスに8人もゲイを
カミングアウトしている生徒がいたのそうだ。
 NYでもロスでもなく、テキサスでだ。

今の日本のティーンエイジャーが
どれくらい進んでいるのか、
わからないけれど、
本当に世の中は変わったのだと驚く。

確かに、8年前なんて、ゲイの高校生が
多勢出てくるテレビドラマが
丁度、終わった頃なので、そういうモノから
影響を受けたアメリカの高校生も
多いのかも知れない。

日本でもLGBTや性の多様性を
中学校の教科書に載る時代だ。

それが男女の性差を否定する、
行き過ぎた指導だという意見も
あるようだけれど、少なくとも
悩み苦しんでいた小中学校の頃の自分が
救われる、そんな気持ちになった
二人の話だった。

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2024年03月14日

最初のデートは、食事か酒か

昨夜は、今まで人と付き合ったことがないツネオと、
10年パートナーがいて、たまにふらりと
浮気をしてしまう、というタカマサが
なかなか面白い話をしていた。

たとえばうちのバーで初対面で意気投合して
LINEを交換して、こちらがタイプ的にも
性的にも興味がある場合、
次に誘うのは、食事か、バーか、
という話だった。

ツネオは、食事をしてしまうと、
それが終わると「またね」ということになり、
次に続くかどうか、わからないから
バーのほうが良い。
お酒も力も手伝って、自分の気持ちを
伝え易いんじゃないか、そう言う。

かたや、タカマサは、バーだと
初対面の時のそのままの流れとなるから、
友人のようになる可能性もある。
それよりも、きちんと「デートとして」
食事をしたほうが、きちんとした話も出来るし、
お互いの気持ちもなんとなく
確認出来ると思う、と言っていた。

僕もタカマサと同じ感想だが、
二人とも、出来ればその日に
自宅なり、ホテルなりに、というつもり、
ということが、意外と慎重派の僕とは
違っていた。

僕はとても最初のデート(バーの出会いは除く)で
とてもベッドイン、というのは考えられない。
まあ、僕がおっさんだということか(笑)

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2024年02月26日

遠距離恋愛のはじまり

昨日は、それぞれここ数ヶ月付き合いだした
二人が隣り合わせに並んだ。

一人目のコウスケは、
以前、マッチングアプリで
やり取りをしていた相手(トモミ君)と、
数ヶ月前にうちの店でバッタリ会って、
そこから始まったと言う。

トモミ君はうちのオープンの頃から
年に数回、顔を覗かせてくれていた
お客さんだったから驚きだ。
しかし、彼は来月からアメリカへ3年もの
長期勤務が決定したばかりで、
いきなり遠距離の関係となる。

この年末、年始、二人で関係を少しずつ
温めあい、たくさん話をしたのだそうだ。

年に数度、双方が行ったり来たり、
そのあと3年後に二人でどう暮らしていくか、
そんな話をしているのだ、と言う。

コウスケの横に座っていたタモツは、
去年、それほど長く付き合えなかった相手との
関係が終わって、傷心旅行に出かけた。

そんなアジアのある国で、11月に
ちょっとした出会いがあったとのこと。

それから、国を隔てて、
お互いに行き来が始まり、
ほぼ連日、起きてから寝るまで、
LINEがどれくらい続くのか、
と思うほどのやり取りだそうだ。

つい先週も会いに行って来たと、
ちらりと写真を見せてくれた
ラブラブぶりは、隣に座った
コウスケが逆に冷やかす。

恋の始まりのときめきは、
どういう形でもいいなあと思う。

距離があっても、恋の翼があれば
たぶん、彼らにとって、
そんなモノ、ひとっ飛びなのだ。

長く続くことを祈っています。

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2024年02月12日

「愛している」と言う言葉

キヨシ君は10歳年下の大好きだった彼に
3ヶ月くらいでふられたのだと言う。

何がダメだったのか、と尋ねると
付き合っている中で、キヨシ君自身
会っている時もそうだし、LINE上でも
「好きだ」とか「愛している」と
いう言葉を言わなかったからだと言う。

特に、「そう言ってくれ」と言われて
「嫌だ」と言ったことはない。
ただ、「何故、いつも言ってくれないのか」と
聞かれた時に「小っ恥ずかしいからだ」と
言ったのが、ダメだったらしい。

キヨシ君の横にいたマサオは、
20代の頃から何人か外国人と
付き合っていたことがあった。

そのせいか、"love you"というのは
日常茶飯事だった。
だから、今付き合っている日本人の彼にも
マサオはしょっちゅう「好きだよ」と
連発するけれど、やっぱり相手は
それほど言ってはくれない、そう言う。

言葉とはちょっと違うけれど
僕の母が生きていた頃に、月に4日ほど
母が入居していた介護施設を
訪ねて行っていた時期があった。

僕が東京に帰る時に、寂しそうにする
母親に「また来月来るよ」と
ハグをしたら、介護の人たちに
「そうやっている息子さんを
見るのは初めて」と言われた。

僕も母が弱くなる前まで、そんなことを
したことはなかったけれど、
小学生の頃まで父や母が
よく抱きしめてくれていたことを
思い出したからだった。

身体に触れることや、好きである、と
表現することを、多くの日本人は
恥ずかしいと思う。

僕の中にも、それはあるけれど、
そうやって表現することは決して
悪くはない、そう思う。

もちろん、だからと言って、それが
別れの理由というのも、
少し寂しい気はするけれど。




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2024年01月22日

恋人との「鍵」問題

昨夜は、スタッフの新年会、
そして新人歓迎会、
ちょっと遅れたけれど、
16周年パーティの打ち上げで
店はお休みでした。

一応、Xや、スタッフカレンダーでは
発表していたけれど、
万が一、来ていただいていたら、
申し訳なかったです。ごめんなさい。


さてさて、一昨日の営業の中で、
自分の彼氏が出来た時に、
どれくらいで部屋の合鍵を
渡すか、もしくは渡さないか
そんな話になった。

トキオは、パートナーと付き合って
10年経つけれど、会って1年後くらいから
同棲を始めたらしい。

3年過ぎた頃にエッチがなくなり、
それについては、二人で話し合った。

好きだし尊敬はしているけれど、
もうセックスという
気持ちになれないというトキオ、
それなら他の人とやりたい、
というパートナー。

そんなワケで、気が向けば、
他で自由にセックスはしよう、
といういわゆるオープンリレーションシップと
いう関係になることに。

だからか、どうかはわからないけれど、
別々に暮らすことになった。

そこで鍵を渡すと、何かあった時に
急に来られてもそれは困る、ということだそうだ。

なるほど。

トキオは、そういう理由だからともかく、
他の人たちの中では、付き合ったらすぐに渡す、
という人もいれば、絶対渡さない、という人もいた。

男女の場合、愛人、不倫とかでなければ、
鍵を渡さない関係というのは、それほど
ないような気がする。

ゲイカップルは、性的なことだけではなく、
やっぱりプライバシーを非常に尊重する
傾向にあるようだ。

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2023年12月21日

出会いは電車、そして掲示板

初めて来てくれたヤマト君、29歳は
つい先日、お付き合いが
始まったのだと話してくれた。

出会い系アプリで?と尋ねると、いやいや
通勤電車で遠目からいつも良いなあ、と
思って見ていた人と、数ヶ月前、
隣り合わせになり、手が触れ、
ふいに握られたのだと言う。

ゲイが集まる車両というのはあるけれど、
よく聞いてみると、
まったくそういう場所ではないと。

握られたけれど、その時には自分は
もう電車から降りなければならなくて、
その直後に、すぐにアプリを起動したけれど、
まったく出てこない。

ただ、その日の夜、友人から
ネットの人を探す「掲示板」に
これってお前のことじゃない?と
LINEが来たのだそうだ。

ヤマト君が乗っている路線で、
彼が降りる駅のこと、そして
身長や、メガネをかけていることなど。

読んだら、おそらくあの彼。
すぐに連絡をとったら、
やっぱりそうだったらしい。

それから何度か食事をして、
そういう関係になり、
つい先週、付き合ってくれ、と言われたと話す。

まあ、ゲイの世界ではある程度、
耳にする話かもしれないけれど、
ヤマト君の嬉しそうな話しぶりが
非常に愛らしいかった。

それにしても、昔と違って
出会い方も色々と確実に広がっている。
これは男女も同性同士もそうだろう。
面倒も増えたけれど、
その部分だけは良い世の中になった、そう思う。

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2023年12月01日

恋人の家への引っ越し

37歳のカズキ君はひと周り以上上の彼氏と
6年付き合っている。

最初の4年は遠距離恋愛で、ここ2年は
電車で1時間ほどの場所から
毎週末、彼の部屋へと通った。

そして、今月、満を辞して、
彼の家に一緒に住むということになった。

一緒にどこかに移る、ということではなく、
相手のところに行くワケで、
今まで持っていた家具や、
その他、色々なモノを大量に
捨てなければならない。

そして2年住んでいた部屋や
その住環境とも、ほぼ縁がなくなる。

色々名残惜しいこともあるかと聞くと、
いや、むしろ楽しみのほうが多い、と。
相手の家のほうが、都心だし、
友人たちも近くに住んでいると。

長く付き合っていても、
改めて同棲が始まる、という
カズキ君のワクワクする気持ちが
なんかほっこりした。

楽しい生活になりますように。

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2023年11月26日

別れたあとで

昨日、深夜にいたお客さん4人。

その中のソウスケ君が、
前に行った畳んで、
以前8年付き合った人の顔が見えて、
バツが悪く、ずっと顔を隠していた、
と言っていた。

もう、別れて2年ほど経つんだから
普通に会釈くらいしてもいいんじゃない?
というスズムラ君と、
いや、絶対会いたくないよね、という
オオキ君とで意見が別れていた。

オオキ君は、過去付き合った人と
別れた後、連絡を取ることはないと言う。

嫌悪や憎悪さえあれど、友人になる必要など
まったくない。別れた瞬間に、相手のすべての
連絡先や写真は削除するのだそうだ。

片や、スズムラ君は、別れても
仲良くしている人も結構いるのだ、と。

「会いたくないのもわかるけれど、
それは相手と、別れた理由に寄るかなあ」
というヒロシ君。


僕自身、付き合った相手と別れたあとも
必ず友人になりたい、とかならなければ、
というような気持ちは特にない。
ただ、幸いにして、過去付き合った人とは
ほぼみんな、数年に一度なり、
連絡を取り合えていたり、
たまに店に来てくれたりする。

無理にそうしたワケでもないけれど、
たまたま、相手が僕のいたらない部分も
許してくれたり、良しとしてくれたりしたことで
比較的良い人間関係になっているのだと思う。


僕自身、酷い別れ方をしたこともあるし、
若い頃、ふられて、悩んだこともあった。

ただ、それは時間と共に、懐かしさや
有り難さへと緩やかに変化した。


「ラ・ラ・ランド」という映画がある。
この映画も、ラストで賛否両論があり、
好き嫌いが分かれるところである。

少しネタバレにつながってしまうかも
知れないけれど、僕があの映画を
こよなく愛する理由は、
別れてしまう、という結末ではなく、
彼らが出会ったことにどれほどの
意味があったのか、というテーマだからだ。

自分が好きになったこと、
そこで学ぶこと、成長すること、
それこそが恋愛の醍醐味でもあり、
意味なのだと僕は思っている。

ありとあらゆる側面で
考え方や意見の相違はあれど、
それでも一度好きになった、という
自分をいかに肯定的に持っていけるか、
それが大切なんだろう。
そう思うようにして生きていたのだと思う。

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2023年10月21日

意外な事実

たまにふらりと来てくれるキヨシ、36歳。

ここ1年付き合っていた人がいる、と
耳にはしていた。

ひと周り以上上で、仕事は忙しいけれど、
とにかく優しい人だと聞いていた。

あまりに忙しくて、会える時間は
少なかったけれど、週末、泊まりに
来てくれるのが月に一度くらいだったようだ。

そんな彼が先週、話がある、と
突然言われた。
何かと思ったら、実は既婚者だったと。

家族は地方都市にいて、自分は
東京に単身赴任だったけれど、
突然帰らなければならなくなった、と。

まさかこんな早くとは思えず、
最初マッチングアプリで会った時は
まさかこんな関係になるとは
思わなかったのだ、と言う。

キヨシはとてもショックを受けたけれど、
好き過ぎて、責める気持ちにはなれなかったらしい。

これからどうしたら良い?と聞くと
キヨシが良いなら、月に一度くらいは
東京に来てくれる、そう言うらしい。

嘘をつかれていた、と言うよりも、
彼は彼で辛かったんだろう
なんて思うのは、バカ過ぎますか?
キヨシはそう言った。

彼の言葉は辛かったけれど、
別れるのはもっと辛いのだと。

人が何と言おうと、決めるのは
キヨシとその相手しかないんだろう。

いつも、こういう話を聞くと、
本当に正しいことは、自信が
チョイスしていくことなのだ、そう思う。
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2023年10月12日

人との出会いかた

最近来てくれる40代中盤の
ヨシノブ君は、売り専の経験はあるけれど、
男女ともに恋愛経験がない。

大体、30代の頃は仕事の忙しさもあって
まったく恋愛などする気持ちに
なれなかったらしい。

しかし、40を過ぎて、俄然、このままでは
ずっと一人かも知れないと焦りだした。

去年くらいからアプリで
出会いを求めたけれど、
なかなかうまくはいかない。

比較的最近では、なんと9時間、
チャットをし続けた相手もいたと言う。

食事をしながら、LINEも交換しながらの
9時間。
これは脈ありだなあと思ったけれど、
それだけ長くやり取りを
したのに、翌日からは
まったくやり取りがなくなった。

改めて連絡してみようかとも思ったけれど、
結局あれだけ話して、それでも
連絡がないということは、
興味がなかったのだと割り切ることにしたようだ。

アプリでは、写真はあっても、文字だけの
やり取りというのはなかなか空しいと言う。
だから、実際に、バーなどで会って話したほうが
きちんと繋がる感じがするのだと
最近は思うらしい。

しかし、そんな聞いた20代のカツキは
最近はアプリでも、顔を見ながら、
会話も出来ますよ、と言う。
僕はそれで付き合うようになったとの話。

確かに、交通費もかけることなく、
店で何かを注文することもなく、
顔を見ながらやり取り出来る、
ということは、さすがに僕も想像していなかった。

もちろん、それぞれが自宅にある
お酒を飲みながら話す、ということだって
出来るワケだ。

ただ、ヨシノブ君的には、
恋愛というだけではなく、
幅広く、複数の人の経験や意見を
聞きたい、という気持ちがあるのだそうだ。

それこそがゲイバーも含めた
飲み屋の命題かも知れない、
そんなふうに考えて、
うちの店の存続理由を
なんとなく納得する一夜となった。

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2023年10月07日

共に暮らす覚悟、暮らさない覚悟

毎週、週末になると来てくれるサトシ、カズキの
40代後半カップル。

彼らは付き合って17年だが、
ちょっとだけ年上のサトシにとって
カズキは初の相手だった。

逆にカズキはそれまでは
自由なゲイライフを送っていたらしい。

二人は17年前に関西のバーで知り合い、
ちょっとした遠距離恋愛も含めて、
共に東京に来ることになった。
それから一度も一緒に住んだことはないと言う。

昨日、彼らの隣に座った若い二人が
「何故、一緒に住まないんですか?」と聞く。

最初出会った頃は、ちょっとした違いに
喧嘩もよくして、これは別のほうが、と
思ったのと、今となっては
親友のようだったり、同僚のようだったり、
ある意味兄弟のようだったりして、
その関係性が楽しいのだそうだ。

そうそのちょっとした距離感が
彼らが長く続いている秘訣なのかも知れない。

とは言え、確かに必ず週末は共にいて、
天気さえ良ければ、色々な場所に
二人で行楽に行っているようだ。

その関係がもう何年も続いていると、
いざ、共に、という気持ちにはあまりならず、
互いに定年になった頃には、という話だ。

男女の結婚のように、子供を育てるワケでもなく、
共に暮らすことがどうか、という
選択が出来るのは、
同性同士の利点なのかも知れない。


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2023年09月25日

恋愛の終えかた、進めかた

昨日来てくれたドウジマ君、34歳は
このブログから失恋経験や
そのあとの立ち直りを読みたい、と
色々探してくれたようだった。

彼は最近ふられて、相手のことを
責めてばかりいる日々だったのだそうだ。

確かに、このブログでお客さんや、
人の別れについて取り上げることは
滅多にない。

幸せになることを綴っても、
不幸になったこと(別れが
必ずしも不幸とも言えないけれど)を
書いても、ほぼ得ることもないし、
ネガティブなことはネガティブなことしか
生まないだろうから、という僕の考えかただから。


別れが不幸とも言えないと書いたのは、
それなりのカップルが、どうしても
共に生きていくのは合わない、
でも大切な相手、そう思う人たちもいるようだ。

そういう人たちは、こぞって
良い関係を続けていたり、
過去を決して悪いモノと
捉えないようだ。

要は、ほんの数年でも(下手すると
数ヶ月でも)自分が選んだ(もしくは
選ばれた)相手なのだから、と
その部分を信じたり、良い部分だけを
受け入れていこうと努力していることだ。

もちろん、まったく受け入れられないような、
法的にも許されない行為をされたり、
不愉快極まりない例だって
多くあるのかも知れない。

ただ、僕個人としては、その恋愛への
向き合いかた、相手への伝えかた、
信じかたで、最初の数回で
合うか、合わないか、わかるような気はする。

だから「これはちょっと」と思う相手に
出会ったりすると、その相手を責めるよりも、
その彼を選んでしまった自分を責め、
考え方を改めるほうが賢明な気もする。


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posted by みつあき at 17:31| Comment(0) | 恋愛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月09日

ストレートへの想い

昨日、深夜に50歳のヒロシちゃんと
彼の同僚で5歳年下のノンケのキムラ君が
覗いてくれた。

この二人は3ヶ月ほど前に来てくれたのだが、
その時は、職場の人間にこれほど
きちんとカミングアウトしている
ヒロシちゃんに、楽になって
良かったね、そんな話をしていた。

しかし、昨日、わかったのは、
ヒロシちゃんがこのキムラ君のことが
大好きで、3ヶ月前にアウトしたのだそうだ。

ただ、ヒロシちゃんには、
もう20年以上付き合っている
パートナーがいる。
また、キムラ君は既婚者で、
増してストレートだ。

ヒロシちゃんは、15年ほど前に
出張先でキムラちゃんと一緒に
仕事を組んだことがあり、
その時に一目惚れしたと言う。

もちろん、キムラ君はそんなことは
露にも知らず、月に2度、3度と
一緒に食事に行ったり、飲みに行ったり
していた。

話題も豊富で、考え方も
同調できるヒロシちゃんには
とても好感が持ていたものの、
告白された時にはかなり驚いたのだそうだ。

ただ、キムラ君は、ヒロシちゃんから
性的なことを、求められたら
断らないかもしれない、そう言う。

お互いに連れ合いもいるし、
ゲイとノンケの関係。
ヒロシちゃんは、とてもそこまでは
望んでないよと笑う。

こういう話を耳にすると
眉をひそめてしまう人も多いかもしれない。
しかし、人を好きになってしまう
気持ちは、理屈抜きで
生まれてしまうことはある。


posted by みつあき at 17:02| Comment(0) | 恋愛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月09日

日本でのHappy Birthday &・・・!!

昨夜はテキサスから37歳のクリスと
35歳マークのカップルが来てくれた。
彼らは付き合って7年で
七周年を記念しての初の
日本旅行だそうだ。

大阪、京都、奈良を回って
昨日、東京に到着したようだ。

そのカップルが関西で泊まったホテルの話から
隣に座ったケイゾウが、実は
昨日、僕も関西に行っていた、となった。

驚いたことに、ケイゾウが昨日
とあるゲイバーに飲みに行き、
知り合ったのがそのホテルのフロント係。

そして、カップルも見るからにゲイだと
わかったそのフロント係の彼と親しくなり、
昨日、それぞれがその彼と
LINEを楽しそうにやり取りをしていた。


まあ、そんな驚きの話題から、
「もっと驚く話があるのです」と彼ら。

実は昨日、クリスの誕生日だったようで
二人で鎌倉の海を見に行ったのだそうだ。

そして、なんとマークからの
バースデーのビッグサプライズは
海をバックにクリスに向かって
「結婚してください」と、
指輪を送って、プロポーズしたと。

クリスは嬉しさのあまり、
泣き崩れたのだそうだ。

同性婚裁判で揺れに揺れている
日本からは、まだまだ想像出来ないことだけど、
いつの日かそんな日が来ても、
シャイな日本人は、そんな行為を
したりするのだろうか。

いずれにしても、店中のお客さんから
おめでとう!と言われ、
笑みが耐えない二人だったことは確かだ。

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posted by みつあき at 19:17| Comment(0) | 恋愛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年05月27日

15周年のお祝い

お客さんのコウゾウとタケシ、(二人とも
40代後半)が、今週15周年を迎える。

15年と言うと、うちの店が出来て
その1年後、ということなので、
それを聞いただけで、
なんか感慨深かったりする。

そんなことを知らずして、偶然集った
彼らの友人、そしてお客さんたちも含めて
シャンパンで乾杯をした。

コウゾウとタケシはワンちゃんと一緒に
同居しており、去年、新居に引っ越した、
ということで家にも呼ばれた。

それほどゲイテイストに溢れている、
ということでもないけれど、クールで
落ち着いた内装は、二人の好きなカラーが
ところどころに見え隠れしていた。

体を鍛えることも、おしゃべりも好きな
コウゾウと、料理が好きで淡々としている
タカシ。

いつかは、今の会社を辞めて、自分が自由で
いられるような自営業をしたい、と話すコウゾウと
ちゃんと考えたほうがいい、と
たくさん意見を伝えるタケシ。

彼らとよく店でバッタリ会ったり、
共に食事をしている、という
ヤマト、セイジカップル
(彼らは18年くらいの付き合い)も
そんな二人を微笑ましく見ていた。

この二組とも、周りからどうやって
長く続けているのか、と聞かれたりした。
彼らは問題が起こると
きちんと向き合うようにする、とか
喧嘩はその日のうちに
ケリをつける、などと言っていた。

確かに、恋愛がしたい、長く続けたい
と言っている中でも、付き合い出した
相手の少し嫌な部分{自分とは違う部分)を
見ただけで、すぐにNoという答えを出す人がいる。

まずは違う人間だと受け入れ、
なおかつ自分のネガティブな部分も
赦してもらうべく努力する。

それが長く関係を続けられる秘訣という気が
するけれど、どうだろうか。

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2023年05月14日

ふられた気持ち

昨夜、オープンと同時に来てくれたのが
8年ぶりというジュン君、30歳。

以前、一度だけ友人に
連れてきてもらったらしかった。
今回は、一昨日、1年付き合った人に
ふられてしまって、とても
一人で部屋にいられず、出てきたと言う。

つい一週間前は、いつもと全然変わらなかったのに、
一昨日、いつもの待ち合わせ場所に行くと、
突然、もう無理になったと言われたのだそうだ。

大好きで、大好きで、
でも、その好きなだけに甘えてしまい、
二人でいる時も、ついつい
いい加減な反応や、
生返事をしてしまったりしていた。

あの時、ああすれば良かった、
こうしておけば良かった、と後悔することばかり。
帰ってから、まったく寝られない一夜を過ごしたらしい。

今回は縁がなかった、と次に進むべく、
ポジティブに考えたほうが良い、なんて
簡単に言ってしまいそうになる。
しかし、昨日の今日だから、何を言っても
たぶんずっと悶々とはしてしまうだろう。

マスターもそんなこと、ありましたか?と
尋ねられて、あった、あったと応える。

それこそ、大恋愛にピリオドを打たれた
3ヶ月ほどは、何も手につかなかったし、
3年間、次の恋愛をしたところで、
いつも比べたりしていたこともある。

再び会った時に、もう一度やり直さないかと言ったら、
「時間が解決するよ」とさらりと言われたりもした。

あれから何十年も経って思うのは、
恋愛というのは、やっぱり両者が
尊敬し合い、許しあってからこそ
成り立つモノで、そのどちらかが
無理であると思えば、終わってしまう。

それは辛く悲しいけれど、それでも
誰かと関わることを欲するなら、
諦めずに求めていくほかないだろう、と。

お客さんが少ない時間に、スタッフのタクと
3人でたっぷり話をし、そのあと
混んできてからは、隣に座った人々と
たくさん話が出来て、「ちょっと気が紛れました」と
ジュン君は来てくれた瞬間とは
違う表情で帰って行った。

今度は少し元気な顔が
見られれば良いな、そう思った。

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