2021年05月10日

「ダムタイプ S/N」を観て

友人のツネヨシから、ダムタイプの
パフォーマンス「S/N」が
GW近くに無料配信される、
そう聞いたのは10日ほど前だった。

それが昨日まで、ということを
すっかり忘れていて、ツネヨシからの
改めての連絡でギリギリで観ることが出来た。

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で、観てみると、確か、30年近く前に
WOWOWでこれを観たことがあったような気がする。

ちなみに、ダムタイプというのは、1984年に
京都の大学の在学生たちで結成した
アート・パフォーマンス・グループ。

その中で中心的役割を持った
演出家でもあり、パフォーマーの
古橋悌二氏はゲイであり、HIV感染者と
カミングアウトしながらも、95年に
亡くなっている。それも、35歳という若さで。

タイトルの「S/N」は、シグナルとノイズを意味し、
いわゆるSN比として呼ばれるモノだ。

パフォーマンスは、巨大スクリーンに
メッセージを流し、その上部、もしくは
舞台中央でダンスならぬキャストの
激しい動きなどで見せていく。
点滅するライトと、大音響のリズムに乗せて。

語り部になる日本在住の俳優が、
アメリカ国籍、黒人、
ホモセクシャル、などという
自身のマイノリティ感を訴えながら、
古橋氏自身にも、エイズについての
認識を問うシーンがとても面白い。

それに応えながら、女装をしていく古橋氏。
そこにはエイズ感染をしていることに
悔いることなく、性と愛を否定しない理屈が
訥々と語られていく。

ともすると、哲学的論理的過ぎてしまったり、
エンターテインメントにはなりきらない
その表現に、多くの人は
少し退屈してしまうかも知れない。

ただ、死を目前にしているか、という
(そう、当時はエイズ=死、という時代だった)
そんな覚悟が垣間見える演出と
パフォーマンスは十分に価値があり、
海外でも高く評価されるのがよくわかった。

残念ながら、オンライン上映は終わってしまったが、
以下のYouTubeで少し伝わるかも知れない。
感心があれば是非。


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2021年04月21日

歌舞伎「桜姫東文章 上の巻」

昨日、ものすごく久しぶりに
歌舞伎座へと出かけた。

なんと玉三郎、仁左衛門の名コンピが
「桜姫東文章」をやるのが、
36年ぶりということで
すぐにチケット完売。
友人でもありお客さんのセイヤが
このプラチナチケットを取ってくれた。

Unknown-7.jpeg

さて、「桜姫東文章」。
僕はまだ歌舞伎をまったく観ていなかった時期に、
ゲイドラマ「同窓会」で、西村和彦演じる風馬が
山口達也演じる嵐に、「僕たちの物語だ」と言って
この歌舞伎の話をすることで知った。


もう20年以上前に、
一時期僕はすっかり歌舞伎にはまり、
歌舞伎座から国立劇場、
そしてあらゆる区民ホールまで
追いかけて観ていたことがあった。

仕事の都合もあって、海外に舞台を
観に行けなかった時のことだ。

その数年で、有名な演目はほぼ目にした、
と思ったけれど、この「桜姫」だけは
なかなか観ることが出来なかった。


舞台は仁左衛門が演じる寺の僧侶、清玄と
御児の玉三郎演じる白菊丸の
心中のシーンから始まる。

結局、清玄は死に切れないのだが、
その後、出会った桜姫が白菊丸瓜二つで
(玉三郎の二役)
清玄は彼女の姿に白菊丸を追う、という話だ。

その二人の間に入る盗賊の釣鐘権助
(これも仁左衛門の二役)、彼に
一度犯された桜姫だが、この彼のことが
忘れられず、再び抱かれる、というシーンがある。

この部分の演出は、鳥肌モノ。
桜姫が一枚真紅の上っ張りを脱いだかと
思うと、そのあと彼女が権助の帯を解く。
その帯の裏地に見える金系雀色とも
思える絵が見え隠れする。
少し暗く落とされた照明の中に
この赤と黄金色の二色が映え、
その後すだれが降りていく。

この演出もさることながら、
二人のいかにも艶やかでエロい所作が
本当に息を呑むほどに素晴らしい。

もちろん、この他にも見どころは山ほど。
再来月の後半が本当に楽しみだ。

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2021年04月14日

コロナ禍のミュージカル観劇「アラジン」

僕は異常?と思われるほど、
言わずと知れたブロードウェイ
ミュージカル好きなのだが、
国内で舞台を観ることが
すっかり少なくなってしまった。

若い頃に随分と観させてもらったし、
どうしても本場のモノに比べると・・・
というようなことは確かにある。

何から何までお金を使う、
というワケにもいかないため、
多額のお金を使うのは、
海外旅行の時だけ、と決めたというのも
大きい理由だった。

とは言え、このコロナ禍、NYには
丸2年行けていない。

そういう鬱憤が溜まっている中、
知り合いが劇団四季の「アラジン」の
チケットを取ってくれて、
昨日本当に久しぶりに行って来た。

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恥ずかしい話だけど、
劇団四季を最後に
観させてもらったのは、いつだろう。
「ライオン・キング」?
ひょっとして、「春のめざめ」?

いずれにしても、10年近くになると思う。

もちろん、初めて行った四季の劇場「海」は
僕がブロードウェイで「アラジン」を観た
ニュー・アムステル劇場よりも
少し小さい。
日本の劇場の場合、ほとんどあちらの
劇場よりも大きいことが多いので、
ちょっと驚いた。

開演前、劇場の幕が、プロジェクション
マッピングだったことにもびっくり。
近年の舞台は、このPMを使用することが多く、
少し薄っぺらい感じがすることが多いものの、
今回の四季は成功しているように思った。

オープニングは、僕が観たオリジナルとは
ずいぶん違った演出だったが、
全編を通して、オリジナルの舞台を
ほとんど踏襲している。

そういう意味では、オリジナル脚本や
演出の良さはあるものの、
キャストも非常に良かった。
とにかく小気味が良いセリフや
リズムある演出で流れを作っている。

このコロナ禍、どれほど気を使いながら
練習を重ねたのだろうと思って観ていると
途中、涙さえ出てきた。

そして、オリジナルから魔法使いジーニーを
やっているという瀧山氏が本当に素晴らしい。
何度も観ているだろう観客の拍手などを
うまく使い、客席を盛り上げながら、
巧みな話術でどんどん場を盛り上げていく。

アラジン役の原君も
36歳とは思えない若々しさで交換が持てた。
(ちょっと老け顔の瀧山氏と2歳差とは思えない)
欲を言うともう少しマッチョでも
良い気がするけれど(笑)

舞台セットや衣装は、改めて本国の
映像をYouTubeで見直してみると、
かなり落ちてしまうけれど、
予算のことを考えると、これは致し方ないんだろう。

海外オリジナルのモノを
国内で観て、まったく同じ、というモノを
かつて観たことがない。
それほどNYやロンドンはふんだんに
お金をかけられるのだ。

ただ、どれだけオリジナリティを生かしながら、
ゴージャスに、楽しく作られているか、
ということだろう。
そんな部分でも、この「アラジン」は
とっても良く出来ている。

いずれにしても、このコロナ禍、
本当に行って良かった、
そう思える一作だった。
まだ未見の人は是非とも。

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2021年03月11日

お薦め(舞台版)映画「キンキーブーツ」

父親が亡くなって、倒産寸前の靴工場の
後継になった青年、チャーリー。
その前に現れたドラァグ・クイーンの
ローラや、彼の周りの女装仲間たちに
よって、新境地を迎える舞台ミュージカル
「キンキーブーツ」が、
先週から映画館で劇場公開された。


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ブロードウェイで噂だった
この「キンキーブーツ」を
観たのが、2013年だから、
もう8年近く前になる。

今や、グラミー賞、
そしてテレビドラマの「ポーズ」などでも
引っ張りだこになったビリー・ポーター主演の
この舞台は、翌年のトニー賞をとり、大ヒットした。
その後、日本でも故三浦春馬氏が主演をし、
評判になったから、観た人も多いかも知れない。

今回、上映されているのは、
ロンドン・ウエストエンド版だ。
とは言え、ブロードウェイ版と比べても、
引けを取らない。


靴工場を任され、自分にまったく自信を持てない
ストレートのチャーリーと
何かと傷ついて生きてきながら、
それをバネとしてプライドを持って生きる
ゲイのローラ。

そして共に、父親から望まれた自慢の息子では
なかった、という共通点を持つ。

ありのままの自分を受け入れることで
他人も受け入れられる。
自分を成長させるために変わることは
世界をも変えることが出来る。

LGBTQの世界では、ありがちなこのメッセージを
キラキラの派手なパフォーマンスや
ベルトコンベアーを使ったダンスで
ポジティブな高揚感に
舞台を観た時と同じテンションで
胸躍らされた。

シンディ・ローパーの音楽もグッド。
ちなみに、これを元にした映画版(ミュージカルではない)も
あるので、これもお薦め。

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2021年01月19日

羽根と薔薇と六尺

昨日、来てくれたシュウゾウは、
ここ15年ほど(10年?)の熱心な
宝塚ファン。
知り合いに連れて行かれてから、
観まくって、一人のタカラジェンヌ
(彼女はいわゆるトップスターではないようだ)を
追いかけ、そのファンクラブにも入っている。

宝塚好きなゲイはたまに耳にするけれど、
うちの店でも彼ほどの人はなかなかいない。

ブロードウェイ・ミュージカル好きな僕でも、
宝塚を観たのは、本国の有名な振付家で
演出家のトミー・チューンが
やった「グランド・ホテル」を
含め、数本だけ。

歌舞伎と同じように、宝塚を
ひとつの日本文化として観ていくと、
とても興味深いとは思うものの、
そこまで趣味は広げられないため、
僕はハマらないようにしていた。

ともあれ、シュウゾウは、
前のほうに陣取って、出待ちなんかもするらしく、
休みの日など、午前中に並び、
舞台が終わってから、また並ぶとのこと。
それが今回、コロナでまったくなくなって
しまったのは悔しいらしい。

お正月興行も元旦からあり、
彼は2日の日に行ってきて、
胸がいっぱいになったと言う。

そして、その足で、うちの六尺デイに。
宝塚から六尺。。。。
変な取り合わせのようだが、
華やかなモノとエロスと、という意味では
完璧なゲイの好きな世界。

シュールだよね、と話していたら
お客さんのトオルが
「羽根と薔薇と六尺」というタイトルで
本でも出したら、直木賞候補になるんじゃない?
と盛り上がった。

このタイトル、本当に素敵(笑)

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2020年10月14日

ビリー・エリオット〜リトル・ダンサー

物凄く久しぶりに国内で上演されている
ミュージカル「ビリー・エリオット」を観た。
前回見たのが「ファン・ホーム」だったので
2年半ぶりだと思う。

ひと単語、一音符の英語の歌詞が
ひと文字、一音符とになる日本のミュージカルで
どれほどその内容が伝わるか、
というところが最も僕を
国内の舞台から遠ざけている理由だ。

しかし、先日亡くなった
三浦春馬さんが出演した
「キンキー・ブーツ」(これも未見)と、
この「ビリー・エリオット」は
非常に評判が良かったので、
今回は必ず観ようと思っていた。

結果的には、観に行って本当に良かった。
ロンドン、ブロードウェイ、
そしてスクリーンで観たロンドン版10周年と
比べても、ほぼ遜色がない。

話は炭鉱を閉鎖しようとする政府(警官)と、
ストライキを起こす炭坑夫たちの闘いと、
その炭坑夫の一家族で生まれ育った
12歳の少年ビリーがひょんなことから
バレエの世界へと入っていくというモノ。

そして、オリジナルの映画版の監督
スティーヴン・ダルトリーの演出が光り、
このプロダクションがいかに
高水準かということが改めてわかった。

今から40年前の田舎町で、
男がバレエ?という違和感を「おかまか?」と
揶揄をする人々の登場や、ビリーの親友マイケル自身が
ゲイだという設定は、監督のダルドリー自身が
ゲイである、ということが大きい。

もちろん、出演者それぞれも魅力的だ。
ビリー役の少年は4人いて、
昨日は中村君という男のコだった。
ダンスは、海外版キャストには
さすがに及ばなかったけれど、
声変わりする前の透き通る歌声は
和ませてくれた。

また、歌詞の翻訳も、今回は気にはならなかった。

映画は(そしておそらくロンドンの舞台も)
イギリス北部の方言による、
かなり鈍ったモノだったが
この舞台も、炭鉱の町、ということで
博多弁になっているのも悪くない。

これ、観ていない人は是非、観てほしいが
舞台はほぼ完売。
ロンドン10周年版がAmazon Primeで
観られるので是非。

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2020年07月02日

文化のともしび

昨日、ブロードウェイのオープンについて
書いたけれど、一昨日来てくれたのが
数々の舞台に出ている俳優のセイゾウ。

彼の仕事については、彼自身のSNS などで
大変である事を耳にしていた。

3月に東京でオープンし、そのあと、
9月まで日本各県を回る舞台が
すべて中止となったと言うのだ。

ギリギリまで、出来る、と信じて
ありとあらゆる練習をしていて
直前に決まった中止。

心が折れるというのは、この事だと
思ったと話してくれた。

そう。今回、多くの人が誰もが
経験をしたことがない事が起こり、
まさかの事実が次々に生じる。

もちろん、この夏のイベントや行事の
多くはクローズせざるを得ない。

役者をしている人もそうだが、
音楽も含めたパフォーマー、そして
それをとりまくいわゆる観客を
集めて見せる、ということを仕事に
している人たちは本当に大変だと思う。

舞台も映画館も、一席空けての観賞。
多くても客席は半分、少なければ1/3から1/4に
なってしまうと言う。
もちろん赤字。
小さなライブハウスなどなおさらだ。

また、そういう仕事に携わる人の多くは
ある程度、融通が効く
飲食業でアルバイトしている人も多く、
その飲食業自体が、前ほど人が来ない、
という状態なのだ。

セイゾウは、先の仕事がまだ決まらず、
周りでは泣く泣く仕事を辞めていった人も
それなりにいる、そう言っていた。

文化の灯が消えてしまうことは
絶対にない、そうは思っていても、
なかなかすぐに共存できない世の中に
なってしまったことは本当に悲しく、残念だ。

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2020年07月01日

悲しみのブロードウェイ

ニュースで、なんと僕の愛すべき
ブロードウェイの再開が、
少なくとも来年ということが決定したと言う。

Unknown-7.jpeg

仮に1月から上演出来たとすると、
今年3月からの休演だったので
ほぼ10ヶ月となる。
事と次第ではそれ以上となるのだ。

これは、戦時中も、あの911があった時も
ここまでの休演はなかったのだ。

例年初夏と初冬に行っていたのだけれど、
去年の年末は行けなかったので
その時に観ることが出来なかった
「ウエスト・サイド物語」の新バージョンや、
「ティナ」や「北国の少女」は
果たして観ることが出来るんだろうか。

また、「アナと雪の女王」はもう再開できないと
発表されたけれど、動員が減っていた「シカゴ」や
他のロングランの舞台はどうなんだろう。

日本では、感染者がまた徐々に増えているが、
検査数が増えたからだと言っていて、
アメリカは、そういう理由や言い訳できないほどに
さらに感染者増加だと言うから、
これは仕方がないことだろう。

再オープンしたからと言って、
諸外国からニューヨークへ
観光で行く人がいつ戻っていくのか。
自分だって、いつ行けるのか。

単純に海外渡航を待っていると言うよりも、
自粛時の無収入プラス2月あたりから
減少したモノをどうやって
乗り越えていくか、結構切実な問題。

そう、自粛期間中、
去年の税金を払うことを見合わせ、
延ばしてもらおうと
区の納税化に電話をかけたのが5月。

これが、毎日かけても、まったく繋がらなくて、
ついに諦め、6月に入って仕方がなく
支払ったところが、滞納金を払ってくれ、と
催促状が届いた。

電話をして、説明しても、すみません、
それはどうしようもなかったですね、
お払いください、と。

僕よりも、さらに理不尽で泣き寝入り
せざるを得ないような人も今回、多数いるのだろう。

それでも感染したワケでも、
自由を奪われたワケでもない、
と自分に言い聞かせながら、
とにかく頑張って、愛しのブロードウェイの地を
踏むために、頑張ろうと思う日々だ。

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2020年03月10日

25年ぶりの再会

昨夜は、オープン早々に、僕が尊敬する
ブロードウェイ・ミュージカル評論家
(と、勝手に僕が思っている)であり、
雑誌編集者のミソッパ氏が
店に来ていただき、驚いた。

実は彼には四半世紀(25年!)ほど前に
僕からファンメールを出し、
ニューヨークでお会いした。

その時には、著名な映画評論家のWさんや
Nさんもいらっしゃっていて、
観劇前のランチがとても楽しかったことを
よく覚えている。

それから何度かメールはやり取りしたものの
ここ20年ほどは、すっかりご無沙汰になっていた。

去年の夏、僕が渡米する前に
SNSで繋がり、会いましょうか
という連絡をいただき、25年ぶり、
またニューヨークでの再会となった。

そういう意味では日本で初めてだった。
もちろん、うちの店は初めてである。

ほぼ僕と同世代の彼だが
ここまでブロードウェイや
ウエスト・エンドのミュージカルに
精通している日本人というのは
本当に少ないと思う。

ちょっと偏見かも知れないが
増して彼がストレートというのは
非常に珍しいと思ったが、
あの大平和登氏だってノンケだった(笑)

今月頭にNYから帰国したミソッパ氏は
また今月末、渡米を試みているけれど、
昨日、緊急事態宣言が出たあちらだけに
どうなるか、不安だとおっしゃっていた。

僕も去年の年末は飛ばしてしまっただけに
観たい演目もどんどん上演されていて
いつも行く初夏でさえ、どうなっているかわからない。

何とか落ち着いてくれれば、と
切に思うところだ。

いずれにしても、新しい舞台のことを
色々聞くことができた有難い夜だった。

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2020年01月06日

2019年 演劇ベストテン(ブロードウェイ)

去年、日本で観た演劇は本当に数えるほど。
昔観ていた歌舞伎はまったく観ていないし、
話題になっている商業演劇はともかく、
小劇場のモノも数本。
今年はもう少し観ないと。。。
(とは言っても、どうしても、映画が先行になってしまう)

ま、そういうワケで、去年ブロードウェイで観た
ショウの中での僕のベストテン

1位 オクラホマ!

Unknown-12.jpeg

どういうふうに表現すれば良いかと悩むほど、
凄く練られた舞台表現。
かつて観た同名の舞台、映画とは
まったく違う世界観。
ほぼ客席も普通以上にライトを煌々としていたり、
人影も見えないほどの暗がりになったり。
カメラでスクリーンにキャストのアップを
映し出したり、休憩時間にはシチューのサービス。
本当に何から何まで驚きの連続だった。

***********************

2位 ムーラン・ルージュ

images-4.jpeg

立体的で煌びやか。豪華セットに花火や
空中ブランコ、ダンサーがこれでもかと
登場する第一部。
男女問わず観客席のカップルが涙する第二部。
映画版よりも数多くのヒット曲のマッシュアップ
それもレディ・ガガ、ケイティ・ペリー、ピンク!
までもが濃縮されたカタルシス。興奮した。

***********************

3位 The Prom

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パートナーと共に出る高校の卒業パーティに
何故女性同士はダメか、と問いかける
レズビアン主演の舞台。
スタイリッシュなダンスあり、皮肉ありで
ものすごく楽しく、かつラストの二人の
キスシーンは大喝采。泣けた。

***********************

4位 キス・ミー・ケイト

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99年に観たバージョンも良かったけれど、
去年のスコット・エリス版の完成度の高さたるや。
「王様と私」で来日したケリー・オハラの
高音域とコービン・ブルーの
凄まじいダンスに痺れた。

***********************

5位 キング・コング

King-Kong-Takes-Over-Broadway-Theatre.jpg

まったく期待していなかったこの作品は
非常に良く出来ていてビックリした。
コングが出てくるまでの群舞、美術セットも
十分興奮させられるが、コング登場のど迫力。
10人の黒子がダンサブルに動かし、
コングの表情の作り方には驚愕。
まさかの拾い物だった。

***********************

6位 Hadestown

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発音的には「ヘイディスタウン」
オルフェウス神話のままでの日本語訳だと
「ハデスタウン」が去年のトニー作品賞。
シンプルな物語を、とにかく想像力を
膨らませる見事な演出と音楽、キャストに
圧倒的な美術セットに酔いしれる。
Onceや、グレートコメットに少し似ていたり。

***********************

7位 A Strange Loop

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26歳になる黒人でゲイのミュージカルライターを
目指す、デブでオネエで短小と卑下する
自分にまったく自信がない青年が、
そこからどう抜け出すか。
グランダーや、Poppers(日本で言うラッシュ)など、
ゲイしかわからないような言葉も山ほど。
楽しかった。

***********************

8位 ビートル・ジュース

Unknown-17.jpeg

ティム・バートンの世界観は、セットデザイン、
次から次へと出てくる大掛かりな仕掛けの数々に
たっぷりと表現されている。
一体どれだけお金を掛けているのか。
「スクール・オブ・ロック」の主演、
ブライトマンが、BJを熱演。楽しかった!

***********************
9位 屋根の上のバイオリン弾き

Unknown-18.jpeg

ユダヤ語バージョンで、英語字幕。
オフ。とは言え、かなり力が入った舞台になっていた。
なんだかんだ言ってやっぱり好きな舞台。
「ユーリンタウン」やテレビドラマ
「フュード」にも出ていたナンシー・オペルの
マッチメイカーの存在感が凄い。

***********************
10位 トッツィー

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去年のトニー賞主演男優賞をとったのがこれ。
最初から最後まで客席大爆笑。
舞台が、映画版40年近く前のテレビ業界から
現代のブロードウェイに移されている。
同僚の女性に言い寄られるところは
カットされているけれど、流れは映画とほぼ同じ。
主演フォンタナの女装への早変わりは凄かった。


これに加えて「シェール ザ・ミュージカル」や
"BIG MORE CHILL"など、18本。
秋、冬には行けず、待望の「ウエスト・サイド物語」は
今年のベストテンに入れることになるだろう。
「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」を
諦めたのが悔しかった。
今年も素敵なショウに出会えますように。

***********************

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2019年07月09日

NY最終日 オフ・ブロードウェイ "Dog Man : The Musical"、「屋根の上のバイオリン弾き」

長い旅行も終わり、このブログをアップする頃は
ちょうど日本に到着する頃。
(飛行機機内で書いています)
留守を守ってくれたスタッフと、
留守中にいらしてくれたお客様に感謝します。


さて、最終日ということで、昼間に急いで
" ART AFTER STONEWALL"展のもう一箇所、
70年代のほうをやっているSOHOにある
公称Leslie-Lohman Museumに行く。

先日観た80年代以降のモノよりも、
さらに挑発的だったり、
時代のせいかサイケデリックな感じが
あり、これまた見応えがあった。

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多くの美術館と同じく、写真は自由なのだが
「撮る時に、音はMuteにしてください」と。
live photoだと音がまだ小さいけれど、
あの動きがある写真の上がりが苦手で、
本当にこのシャッター音、なんとか
してほしい、そう思った。

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***********************

さて、この日の昼間、実は何も入れておらず、
オフでやっていて評判が良い" In the Green"
映画にもなっている「リリィ、はちみつの秘密」を
観ようとしたが、両方とも完売。

そして、とっても悩んだのが「マイ・フェア・レディ」が
この日が最終日で、チェックすると、まだチケットが
少しある!!!
それも、去年の主演から僕が好きなローラ・ベナンティに
変わっているのも、観たい理由だったが、
いかんせん、それが15時から3時間。
このあと、観る予定のイディッシュ語版
「屋根の上のバイオリン弾き」が
始まるのが何と18時。
「マイ・フェア〜」をやっている
リンカーンセンターからいくら
急いで動いても15分はかかる。
増して、最終公演とあったら、
すごく盛り上がるだろう。


そんなワケで泣く泣く諦め
(まあ、去年、二度も観たから良いと言えば良いのだが)
僕が敬愛するミュージカル評論家のミソッパ氏オススメの
"Dog Man:the Musical"に行くことにした。

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ドッグマン、僕は知らなかったけれど、
世界的にベストセラーになっているコミックが原作らしく、
「ファミリー・サマー・シアター」と呼ばれるだけあって
子供向けだし、日曜日だったので多くの子供たちで
劇場は溢れかえっていた。

NYでいつも凄いなあと思うのは、
劇場に入って大騒ぎしている子供たちが
舞台が始まると、まったく静かに集中して観ること。
と同時に、オフで、子供向け、とは言いながらも、
いかにしっかりと作られてて、
子供目線ではない、ということだ。

要は、日本のように「子供は子供らしく」という扱いをせず、
大人たちが自分たちの目線で、教育する、
舞台芸術もその上に成り立っているから
非常に大人っぽく、また出来も良いんだろう。

話は犬の頭脳と警察官の身体になってしまった
ドッグマンが、良い男の子になるために、
あらゆるおかしな犯罪と戦うという流れ。

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セットも、コミックを元にしたモノで
手作り感満載だけれど、安っぽくないのがこれまた素敵だった。


**************************

さて、夜の「屋根の上のバイオリン弾き」。

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イディッシュ語版というのは、ウィキペディアによると
東ヨーロッパでユダヤ人の間で使われていた言語らしく、
今では全世界で300万人くらいの
人たちが使っているらしい。

さて、そんなイディッシュ語。
キャストはユダヤ系の役者たちによって
演じられているものの、実はイディッシュ語を
使える人たちは26人中、3人だけで
残りの23人はひと月間で、
イディッシュ語を学んだと言う。

そんなワケで舞台両脇には、
英語とロシア語(そもそもこの芝居の舞台が
ロシアのアナテフカという村だったため)の
字幕が付くから、英語で歌ったりされるよりは
僕にとってはわかりやすかったりする。

とは言っても「屋根の上〜」の舞台は
もう何度も観ているので、シーン、シーンを
かなりしっかりと理解は出来ているのだけれど。

オフで26人も出演、それもStudio 42は
初めて入ったけれど、かなり大きな劇場だ。

とても嬉しかったのは、「ユーリンタウン」や
「ヘアー・スプレイ」
テレビドラマの「フュード」の家政婦など
やっていたジャッキー・ホフマンおばさんが
マッチメイカー仲人役のイェンテをやっていたこと。

この役はかなり年寄りという役だけれど、
本人のプロフィール見てみたら、僕よりも若かった。
それなりにショック(笑)

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ああ、色々書いているとまた長くなってしまうけれど、
この「屋根の上〜」の素晴らしさは、
伝統は守っていかなければならないが、
それでも時代の変化をきちんと
受け入れていかなければならない、
という主題であることだ。

伝統に縛られ、それを守っていこうとする
ユダヤ人のテヴィエが、
仲人を通さずに次々と自由に恋愛を
して飛び立っていく娘たちを
いかに許していくか、という主題と
自分たちの祖先が守り、育ってきた村を
ロシア政府から追い出されてしまうという現実。

3年前に観たリバイバルの演出は
美術セット共に、感銘を受けたけれど、
今回の簡素でシンプルなりに
胸を打つ演出をしたのが、
なんと映画「キャバレー」や
舞台「シカゴ」に出演していたジョエル・グレイ!

もちろん、オリジナルのジェローム・ロビンスの
振り付けは健在で、結婚式後のワインを
帽子の上に乗せて踊るダンスは、拍手喝采だった。

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ただ、最も残念だったのが、主役のテヴィエ役が
アンダースタディ(つまり代役)だったこと。
ちょっと若い、というだけではなく、
頑張って「テヴィエ像」を作っている感が
どうしても否めなかった。

しかし、最後の晩にたっぷり3時間!堪能した。


全部で18本。仕事のように頑張った(笑)
さあ、本来の仕事、頑張らないと。

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2019年07月08日

オフ・ブロードウェイ・ミュージカル " A Strange Loop"、オンでの「オクラホマ!」

NYに住む舞台好きの知り合いが是非に、と
教えてくれたのがオフのゲイ作品
"A Strange Loop"を
昨日のマチネで観た。

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さすがにかなりチケット取るのは大変だったけれど、
こちらでは毎日座席表を見てクリックすると
突然、キャンセルが出たりするので
それで取れて、行ってきた。

これはもうすぐ26歳になる、という
ミュージカルのライターを
目指している青年アッシャーが主人公。
彼いわく「自分は黒人で、ゲイで、デブで、醜くて、
ウケで、フェミニンで」とネガティブ要素に
悩まされている。

彼をとりまく、色々な人たち
(彼も含めて7人のアフリカ系の人たちが
様々な人間を演じる)が、
どんどん彼を追い詰め、苦しめるかとも
思えながらも、逆に彼に勇気を持つ結果に結びつく。

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それにしても、「ゲイ」、そして「アーティスト」
というアイデンティティの追求が
随所に見えていて本当に見応えがある。

楽曲が特に印象に残るモノがあるかと言うと
そうでもないけれど、ダンスなどは
オフだとは思えないほど、巧みで
マッチョな男も惜しげも無く
筋肉を見せ付けたりする。

可笑しかったのは、
グラインダー(ゲイの出会い系)を
ステージ上で見せる。
アッシャーのうしろに、
蛍光色の枠で囲まれた扉が
いくつも。そこが出会い系サイトのひとりひとりとなり、
アピールしながら、アッシャーとチャットする。
もちろん、アッシャーは断られたりするのだ。

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また、エロマッサージを彼が受ける時に
マッチョなマッサージ師がpoppers
(日本では禁止となったラッシュ)を
吸っていいか?と聞くシーンがある。
多くのストレートのお客さんは
グラインダーや、ラッシュを
どれくらい理解しているんだろう。
まあ、NYだからあり、ありなんだろう。

そんないかにもゲイ、斬新なシークエンスを
織り交ぜながら、彼のコンプレックスは
どう克服されていくのか。
ゲイとは、芸術とは、あらゆる問題に向き合いながら、
舞台は感動的な幕切れとなる。

オフでも、本当に素晴らしい舞台というのは
山ほどあるのだ、と改めて思った。


*******************************

長くなるけれど、昨日の夜観たのが
「オクラホマ!」だった。

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これは75年も前に作られた
「サウンド・オブ・ミュージック」や
「王様と私」などのロジャース&ハマースタインの
名作の一本。
すごく簡単に言ってしまうと、
アメリカ西部のある街の三角関係を描いた話。
簡単過ぎるけれど、長くなるので、筋は割愛(笑)

いやあ、これは噂にたがわぬ傑作。
今まで観た映画版、そしてトレヴァー・ナンが演出した
ヒュー・ジャックマン主演(これはテレビ放映で観た)や
そのままブロードウェイに入ったバージョンなどとは
まったく違う。

四方から囲まれるサークル・イン・ザ・スクエア劇場で
煌々と客電も落ちないまま、いつまでこの明るい状態が
続くのか、と思うくらいに演劇は始まる。
そう、ほとんど客席は本が読めるほど明るく、
舞台になる部分にも横一列、向かい合わせに
客席があり、その前に置かれた
テーブルを演出で使われたりする。

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また、眩しいほど明るかった劇場が
ほぼ真っ暗闇になるくらいの暗さとなり、
声だけ、という演出になったり、
暗視カメラでキャストをバックスクリーンに
映し出される。

常に舞台上にキャストと共にいる
演奏家たちのフォーク調のアレンジも
今までのどの「オクラホマ!」とも
まったく違っていてこれまた斬新だ。

割愛したものの、ちょっと流れに
触れておくと、主人公のカウボーイ、カーリーの
敵役、ジャドはそもそも
暗く重く不気味で凶暴な存在。
しかし、今回は、そこにいじめられっ子のような、
不安定でデリケート、そしてあまりに悲しい
キャラクターとして描かれるのが
非常に興味深く観ることが出来た。

また、2部で、一人っきりで荒々しい馬のように
舞台全体を激しくダンスする女性ダンサーの
振り付けも見ものだ。

トニー賞で助演女優賞を見事にとった
最初から最後まで車椅子で歌い、踊った(!)
アリ・ストローカーの演技も本当に素晴らしかった。

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今回、観た中で、「ムーラン・ルージュ」
「キス・ミー・ケイト」と共に強く印象に残り、
誰にも勧めたい一作となった。

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2019年07月06日

ブロードウェイ・ミュージカル「ビートルジュース」

1日1本のアップだと有難い!
昨日観たのは、これまた映画から
舞台化された「ビートルジュース」!

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ティム・バートン監督ファンの間でも
結構評価が高いこの映画。
個人的にはしっくり来なかったが・・・
しかし、舞台はものすごく良く出来ていて
これまたビックリ。

話は、ほぼ映画と同様、
交通事故で死んだカップルが
幽霊となり、自分たちが住んでいた
家に新しく引っ越してきた三人家族。
彼らを追い出したい二人は
悪魔払いモンスター「ビートルジュース」と遭遇し、
破茶滅茶な展開となる。

舞台は葬式から始まるのだが、
雨降る中、そのデザインは
ティム・バートンカラー一色。
このバートン色は全編に渡り、
とにかく驚く仕掛けが盛り沢山、
これでもかと出てくるマジックと
切り替わりの多い舞台装置。
俳優と人形の使い分け。

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ビートルジュースは、映画では
中盤から登場するが、
舞台は最初から語り部となり、
家族の一人娘リディアと共に
ほぼ全編、舞台を走り回る。

そして最初から最後まで爆笑の連続。
特に映画でも注目された
「バナナボート」が流れる
パーティのシーンは多くの幽霊も登場し、
ド派手なダンスで最高潮に盛り上げていく。

このビートルジュースを演じる
アレックス・ブライトマンは
この劇場でつい去年までやっていた
「スクール・オブ・ロック」のクレイジー教師も
演じていて、その激しいアクトに
観客は酔いしれる。
もちろん、リディア役のソフィア・アン・カルーソも
17歳という年齢は信じられないほどうまい

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前日の「ムーラン・ルージュ」もそうだったけれど、
どれだけお金をかけるのだ!と
衝撃的なステージとなっていて、
チケット代が上がるのも、
いたしかたない、そう思ってしまう。


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2019年07月05日

ブロードウェイ・ミュージカル"Be More Chill"そして「ムーラン・ルージュ」

昨日は、朝からグッゲンハイム美術館
「メイプル・ソープ展」を。

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そしてホイットニー美術館で新作を楽しむ。

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そして、水曜日だったから、マチネがあり
ニューヨーカーが熱狂しているという
"Be More Chill"を観に行った。

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劇場に入ると確かに雰囲気が他と違う。
始まる前から異様な熱気。

主役は学校でちょっとイジメを
受けたりしている高校生。
彼はなんと日本製のサイエンス・ドラッグを
手に入れることによって、
大きく自身に変化をもたらし、
ヒーロー然となっていく、
というコメディ。

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出演者が登場するたびに、凄い拍手や
シュプレヒコール。
リピーターが凄く多いということだろうし、
確かに(会話で理解できない部分も
多くあるものの)とても笑えるし、楽しい。
そして何と行っても、エレクトロ・ポップな曲が
とても耳に馴染み、これまたエンジョイ出来る。

主演のウィル・ローランドは、あのヒット作
「ディア・エヴァン・ハンセン」に
主人公の親友役だった男。

そして、彼を超えるほどのど迫力の名演で
ヒロインを演じたステファニー・シューが
(とても美人とは言えないけれど)
歌うたびに観客のあちこちから指笛まで。

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こういう舞台や、去年観た「ミーン・ガールズ」
そして先日観た「ザ・プロム」などは
まさに今のミュージカル、と言える。
舞台が時代をきちんと追いかけている
というのがブロードウェイの未来は
まだまだ明るいと感じさせてくれた。



******************************

さて、さて、夜はまだオープン前のプレビュー中の
「ムーラン・ルージュ」。

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評判もまだ耳にしていなかったし、
正直、あの映画は音楽はともかく、
あまりにカットが多すぎ、
まるでミュージック・クリップを観ているようで、
僕的にはダメだった。

しかし。
いやあ、この舞台は凄かった。

オープン前から、映画同様、ハート型で
囲まれた豪華絢爛な舞台装置に圧倒される。
そこにはダンサーやら、出演者が歩き、
舞台自体がパリのムーラン・ルージュに
見立てられているのだ。

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Studio 54でやっていた
「キャバレー」のような雰囲気を
さらに豪華バージョンにした感じだ。
オーケストラの前から4列ほどは
テーブル使用となっている。

ただ、センターステージが張り出していて
そこで役者が芝居をしたりするため、
このテーブル席はうしろを見たり
しなければならない。

話は、ほぼ映画と同じで、
作家志望(舞台では作詞作曲家)の
若く貧しいクリスチャンと
大富豪のウースターが
キャバレーの歌姫サティーンを
取り合うという話。

クリスチャン役は、「ネクスト・トゥー・ノーマル」や
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」に出ていた
アーロン・トヴェイト。
そして、サティーンは、8年前の
「ウエスト・サイド物語」のリバイバルで
アニタでトニー賞をとったカレン・オリヴォ。
僕が大好きだったのは、映画でも道化役となり、
この舞台では語り部のような役割でもある
劇場支配人のジドラー役のダニー・バースタイン。
この人は「フォーリーズ」も良かったけれど、
「屋根の上のバイオリン弾き」が
本当に素晴らしかった。

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この舞台の主役は俳優だけではなく、
映画同様、ありとあらゆるヒット曲の
マッシュアップで成り立っているところ。
もう15年以上経っている今となっては、
多くの新しい曲も入っていて、
その曲が歌われるたびに
観客は大騒ぎだ。

興味がある人は、以下のアメリカ版ウィキベディアに
楽曲がズラリと並んでいるので見てもらいたい。
その選曲は、アメリカン・ポップスが好きな人であれば
(一部、イギリスや他国のヒット曲もあるけれど)
いずれにしても喜ばしい。


ともあれ、ここで空中ブランコあり、
あらゆるところで火花は飛ぶわ、
紙吹雪は舞うわ、どこまで凝っているのだ、
と子供から大人まで、
十二分に目を楽しませる第一部。

舞台のリハーサルシーンから始まる第二部は、
レディ・ガガのエロチックなダンスで盛り上げる。
そして、後半のロマンチックなシーンでは
客席の恋人同士は、男女もゲイも、
肩を寄せ合い、ラストではあちこちで
すすり泣く声がする、そんなアダルトな構成だ。


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とにかく、あまりにもエンターテインメントに溢れた
見事な舞台だった。
これは、なかなかチケットは取れなくなるだろうし、
大ヒット、間違いないと思う。
これからNY行きを考えていて、
新しいミュージカルを何か、と思う人は
是が非ともこれでしょう。

はあ、とても長く書きすぎてしまった。
ほとんどの人が全部読まないだろう。


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2019年07月04日

メトロポリタン美術館”CAMP : Notes on Fashion"、ブロードウェイ・ミュージカル「プリティ・ウーマン」

昨日は、プライド・パレードで来た人たちが
絶賛していたメトロポリタン美術館の
「ファッションについてのノート
/キャンプ展」を観に行った。

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「キャンプ」という言葉は、ウィキベディアを
読んでもらうとわかるように、
大げさに誇張した振る舞いや、
ものすごく装飾の多い
ケバケバしいファッション、
総じてゲイが好むようなモノのことを言う。

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ここには、17世紀から現代までの
250以上もの奇抜なファッションを見せながら、
キャンプカルチャーや、
そのポーズの取り方(笑)、
デザイナーの在り方、
そして文化的アイコンがいかに
僕たちの性的嗜好に何を投げかけたか、
ということが表現されている。

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プライド・ウィークにふさわしく、
多くのゲイや女性たちが詰め掛けていた。
これを観ながら、日本も歌舞伎も含め、
キャンピーなモノはいくらでもある。
あらゆる企業(芸能も含めて)が協力し、
こういう展覧会が、国立美術館などで
開催される日が来れば良いのに。
そう思った。

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さて、夜は「プリティ・ウーマン」のミュージカル化を
観に行った。

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30年前の映画を今さら舞台化。
ロスに仕事で来た大金持ちの資本家が
街角でコールガールに出会って、
恋に落ちるという話。

これが、もう、映画、そのまんま。
主演のサマンサ・バークスは
映画の「レ・ミゼラブル」でエポニーヌをやり
多くの涙を誘った人で、歌はうまいけれど
男を狂わせるほど美人かと言うと
そうでもなかったりする(笑)。

片や、相手役、つまり映画ではリチャード・ギアが
演じた若き大富豪エドワードを演じた
アンディー・カールは
前回「恋はデ・ジャ・ヴ」
"Groundhog Day"が、本当に素晴らしかった俳優で、
「ロッキー」のミュージカル版では
その大きな胸板を露わに歌っていた(笑)

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しかし、この舞台で致命的だなあと思ったのは、
ストーリーをなぞるだけで、
あらゆるシーンで工夫が見えないこと。

映画でも有名なオペラを観るシーンがあるけれど、
あのあたり、舞台装置もかなりうまく作られていて
クライマックスに、そのアリアを歌う歌手が
登場したりという部分もあるのに、
それが生かされていない。

少なくとも、オペラのシーンを現実と
重ね合わせるような夢のような場面を
作るだけで、十分違ったのでは、と思ってしまった。

観た中では珍しく、
僕にとっては、ちょっと残念な舞台だった。
まあ、アンディ・カールを
観ることが出来ただけで良いか(笑)

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2019年07月03日

ブロードウェイ・ミュージカル「シェール・ショウ」

「シェール・ショウ」を観た。

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たぶん、ゲイ・アイコンの一人でもある
シェールのこのショウが、ブロードウェイで
オープンしたのは去年の暮れ。

シェールの人気って、
日本ではそれほどでもないのかも知れない。
僕らの世代は、映画『月の輝く夜に』が
大好きだという人は多いけれど。
映画「バーレスク」や
「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」などで
彼女は目一杯フィーチャーされていた。
それで、若い人たちも知っている人は
知っているかもしれない。
いずれにしても、会場に来ると、
その盛り上がりでなるほど、アメリカではこれほど
熱狂的な人気があることがわかる。

さすがに半年以上経っているので、
キャストに変化があるかと思ったけれど、
主演の一人、ステファニー・J・ブロックが
トニー賞の最優秀主演女優をとったからか
全員オリジナルだったのは嬉しい。

一昨年観たドナ・サマーの伝記的ミュージカル
"Summer"も、そうだったけれど、
3人の女性が年代別のシェールを演じる。

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ただ、"Summer"と違うのは、
年代順に交代していくのではなく、
多くのシーンで3人全員が登場し、その時折の
問題や自分の決断を語り合うという
不思議な演出。

ソニーとの出会いと
ソニー&シェール結成とヒット曲の連打。
そして結婚生活。

二人の関係がギャラの問題などで
ギクシャクする。
また、愛する母親が原住民(チェロキー族)の
血筋だということで差別を受けたことを
語りながらも、派手なショウで繋いでいく。

この舞台で、何と言っても凄いのは
その豪華な衣装の数々。

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今年のトニー賞衣装賞を「ハデス・タウン」を抑え、
この作品が受賞したのは十分理解出来る。

100着近いと思われる衣装が
これでもかと出てくるのは鳥肌ものだ。
そもそもシェールや多くの有名人の
衣装を担当したファッション・デザイナー
ボブ・マッキー(なんと80歳!)の手によるもの。

この素晴らしい衣装を見ることが出来ただけでも
「シェール・ショウ」を観て良かったし、
とても幸せな気持ちになることが出来た。


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2019年06月30日

WORKING 、そしてヒュー・ジャックマン ショウ

昨日、コロンビア、夜出発、
NYには朝の5時半到着という便で戻ってきた。
さすがに疲れていて、旅行前半の洗濯をして、
昼寝をしてから、夜のショウに駆けつけた。

NYに戻った初日の公演の"WORKING: A MUSICAL"

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通常のブロードウェイ公演じゃなくて、
いわゆる「アンコール・シリーズ」という
ニューヨーク・シティ・センターで
期間限定で行われる古い作品の
コンサート形式のライブ。

ライブと言っても、ダンスあり、
たっぷり演出ありで、作品を掘り下げる。
「シカゴ」の今のリバイバル版は、
この「アンコール・シリーズ」から生まれた
珍しいタイプのリバイバルだ。

さて、今回の「WORKING」は
なんと1977年に、「ピピン」や
「ウィキッド」の作曲家スティーヴン・シュワルツが書き、
2012年に今をときめく「ハミルトン」の
リン・マニュエル・ミランダが曲を追加したモノ。

出演者が、なんと「恋愛小説家」など映画でも
お馴染みのヘレン・ハント!

そして「ハミルトン」の主演二人、
クリストファー・ジャクソン、ジャヴィエ・ムニョス
「オン・ユア・フィート」でグロリア・エステファンを
演じたアンドレア・バーンズ、
「ウィキッド」や「タイタニック」でトニー賞に
ノミネートされたデヴィッド・ギャリソンなど豪華キャスト。

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物語は、ありとあらゆる労働者、
ウェイトレスや、駐車場の管理人、石工、消防士、
主婦、製粉工場労働者、などの
喜怒哀楽を「コーラスライン」のように綴る。
しかし、今回はこの劇場
ニューヨーク・シティ・センターで働く
3組の親子の話になっていて、
それぞれが微妙な繋がりを見せていて
これも面白かった。

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そう、群像劇としては、
去年観た"Come From Away"にも似ている。
インターミッションなしの1時間半は
あっという間だった。


このステージのあと、金曜日の夜は
今年の冬からNYに住みだしたチムや、
お客さんである2人も加えて4人で楽しい時間を過ごした。

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さて、日が変わって今日は3本も観たので
毎日1本ずつ書いていったら、とても間に合わないので
今日はあと1本追加。
明日、パレードだし、眠いけれど、
頑張ろう(なんのために?笑)

今日の昼間は、マディソン・スクエア・ガーデンでの
ヒュー・ジャックマンのコンサート。

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これはもうずいぶん前に発売日に抑えていたので
すこぶる良い席で驚いた。
転売サイトなら、10万円くらいで売れたかも。

ジャックマンのショウは、もう5年ほど前に
ブロードウェイで観た。
その時の歌やダンスも含めた
彼の高水準のパフォーマンスには興奮したけれど、
今回は場所が場所だけに、お金もかかっている。

歌もさることながら、タップやダンスは
とても50歳とは思えなかった。

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セットリストは、やはり
「グレイテスト・ショーマン」からが多かったけれど、
オーストラリアで舞台デビューした
「美女と野獣」のガストンや、
「ボーイ・フロム・オズ」の
ピーター・アレンの腰振りダンス、
そして「レ・ミゼラブル」の3曲には泣かされた。

ゲイプライドにも言及し、"Over the Rainbow"は、
ハワイアンのイスラエル・カマカウィオ・オレのバージョン。

個人的に最も嬉しかったのが、彼が一度だけ
出演したと言うカーネギー・ホールの
「回転木馬」のコンサート
(なんとこれは僕も観ることが出来た!)
からの"Soliloquy"独白。
これを聴くことが出来ただけで
今回のライブに来ることが出来て本当に良かった。

ちなみにゲストは、キアラ・セトルで
もちろん"This is me"だった。

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2019年06月22日

ブロードウェイ・ミュージカル「ハデスタウン」

さて、ボゴタ一日目は、朝から動き回ったけれど、
その話は明日のブログで。

今日は、今年のトニー賞、9部門も受賞した
「ハデスタウン」”Hadestown”を観た話。

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これ、どう聞いても発音的に
「ヘイディスタウン」なんだろうけれど、
オルフェウス神話に出てくるHADESが
日本では「ハデス」と訳されているので
個人的にはとても気持ち悪いけれど、
とりあえず「ハデスタウン」という事に。


舞台は、そのオルフェウス神話を元に、
20世紀のどこか、不思議な時代空間で
シンプルな話を、ジャズ、フォークを
交えた楽曲で見せていく。

それにしても、この圧倒的なまでに
支持されているのは、どうしてだろう。

オフで評判になり、ロンドンへ渡って、
ブロードウェイに入ったということで
ブラッシュアップされて
かなり大掛かりになった感がある。

舞台変換はほぼないけれど、
バーを模倣した舞台に奏者が囲み、
回転する舞台や奈落や階段上に演者が動く。
振り子のように動くライトの傘の使い方や
壁が割れ、光が差し込むような背景のセットなど
想像力を膨らませるスタイリッシュな演出だ。

そのあたりが、人気の秘密で、
パフォーマンスが終わると
いちいち熱狂的な歓声と
拍手があるから驚いてしまう。


話は、オルフェウスとユーリディケが
出会い、惹かれ合うところら者が立ちは始まる。
二人は愛し合い、結婚を決めるけれど、
貧しい生活の中で、ユーリディケは
ハデスという男からもっと良い仕事を、
と「ハデスタウン」という街の工場に送り込まれる。
彼女の愛を求めて、オルフェウフが
ハデスタウンにやってきて、
ハデスと大きな約束を結ぶ。

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舞台は、先日トニー賞をとった、
72歳のアンドレ・デ・シールズが
この物語の語り部となって、
存在感も本当に凄い。
彼はオープンリー・ゲイだそう。

そしてハデスの嫁になったのが
アンバーグレイ扮する女。
彼女は残念ながら取れなかったが
トニー賞候補にもなった。

オルフェウスには「スパイダーマン・ザ・ミュージカル」で
スパイダーマンを演じていたリーヴ・カーニー、
そしてユーリディケは、つい最近まで
リバイバルをしていた「ミス・サイゴン」で
キムをやっていたエヴァ・ノブルサダ。

思い切り低音で歌うハデス役の
パトリっク・ペイジも
この役でトニー賞候補だった。

演出がどうも似ている、と思ったら
「ザ・グレート・コメット」を作り上げた
レイッチェル・チャフキンだった。
そして、この作品はある意味、
「レント」や「ONCE」にも
通じるところがあった。

そのどれもが日本で公演を
行なっているから、いつかこの舞台も
日本で観ることが出来るかも知れない。

さすがに、今回の前半、NYで観た
舞台の中で、観客の沸き方が
最もすごかった1本だった。


さて、明日のブログからは、
観劇記録はひと休み。
コロンビアについて、書くことしよう。

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2019年06月21日

ブロードウェイ・ミュージカル「ザ・プロム」

NYからコロンビアのボゴタに到着。
午後2時のフライトが1時間半遅れて
結局、ボゴタの市内に着いたのが
22時半を過ぎていたので
今日は何もせず。

さて、とりあえずたまった観劇記録を。


昨日のマチネで、話題の「ザ・プロム」を観た。

卒業記念のプロムパーティの
パートナーに何故、同性がダメなの!?と
インディアナの片田舎の高校で
女子高生をバックアップする
ブロードウェイスターたちの
奮闘ぶりを描いた舞台。

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「キャリー」をはじめとする
多くの映画でもよく出てくる
男子と女子がパートナーとして
パーティに参加するこのプロムは、
アメリカでは1920年くらいから始まったようだ。

高校生カップルが学校公認でダンスパーティに
出られるなんて、と若い頃は
単純にアメリカってなんて進んでいるんだ、
なんて思っていた。

けれど、近年これだけLGBT問題が
どんどん具体化している中で、
確かに男女に限る、というのは
おかしいだろう、という声が出てくる。

現に、グーグルで検索してみると
多くの高校で問題になり、
一方的に否定されている学校も
まだまだ多いようだ。

単純に大好きな女のコ
(その彼女の母親がPTA会長)と
一緒にプロムに参加したい、
という主人公エマの気持ち。

そして、ちょっと落ちぶれたブロードウェイ
スターや、もうひとつ売れない俳優たち4人が
名声を得るために思い立ち
「プロムに同性愛者を!」と
NYからインディアナへとやってくる。

決して、激しいプロパガンダという形ではなく、
ロマンティックさと共に
ところどころたっぷりと皮肉をこめた
コメディとして見せていくから
ひたすら楽しく観ることが出来る。
最初はゲイ・バッシングとも取れる
イジメが横行している学内だが、
俳優たちの努力によって、
LGBTを受け入れる学生たちと
PTAや学校との闘いとなっていく。

ティーンエイジャーたちの派手なダンスと
中年俳優たちの言葉の中に張り巡らせられる
ソンドハイムやら、ボブ・フォッシーへの
オマージュ、とブロードウェイ好きには
たまらなかったりもする。

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ダンスと笑いに満ち溢れた演出を手がけたのが
「アラジン」「ブック・オブ・モルモン」
「ミーン・ガールズ」のケイシー・ニコロウ。
彼はほかの作品同様、
振付も兼ねているから凄い。

個人的には「ヘアースプレイ」や
「プロデューサーズ」を思い出したけれど。

私生活ではレズビアンと公表した
主演のケイトリン・キナナン、
そして舞台上ではクネクネした思いっきりゲイを見せる
ブルックス・アシュマンスカスが良い。

彼らが舞台上で、権利を勝ち取っていくと、
客席はやんやと大騒ぎで、
ラストシーンのプロムのダンス、
そして女子高生二人のキスには大喝采、
笑いながらも泣けて仕方がなかった。

オープンから半年以上経っているのに
この盛り上がりかたに
改めて時代は大きく変化しているのだなあ、と思った。


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2019年06月20日

ブロードウェイ・ミュージカル「キング・コング」

NY2日目の観劇は、「キング・コング」。
正直言って、今回の観劇の中で
最も期待していなかった一作。
しかしながら、驚くほどの良い出来だった。

King Kong @ The Broadway Theatre  on 18 June(Tue)  2019

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もちろん、キング・コングはすぐには
舞台に登場しない。
まずはニューヨーク、主演のアン
(コングが愛するようになる女性)が
ブロードウェイのオーディションを
受けるシーンから始まる。

アンをアフリカ系にしている、
というのもこの舞台の面白さ。
30年代というこの時代に
彼女がスターになることが出来るのか。

ここから彼女が監督に選ばれ、
船を準備し、髑髏島(スカルアイランド)へと
向かうところまでを、、
アクロバティックな群舞と
メリハリのある演技で一気に見せていく。

ニューヨークの街の中から
ブルックリン橋へと舞台背景は
セピア色のLEDスクリーン。
その前を色とりどりの衣装を着た
出演者のダンスの色彩感覚が映える。

舞台を斜面にして、船の甲板を作り、
海の波と月を見せるシークエンスも素敵だ。

そこから舞台はいきなり
ジャングルへと変化する。
グリーンのツタが何本も天井から
ぶら下がり、それに人が絡まりながら、
鬱蒼とした森林の表現も秀逸だ。
原住民がコングに生贄として
アンを捧げようとするところまでの
30分ほどがあっという間。


そして、ジャングルに響き渡る深い唸り声と、
真っ暗な中から突如現れるコングの
登場シーンも、音響、ライティング
そしてLEDによって、
想像以上に興奮させてくれる。

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ここからは、多くの映画などでお馴染みの
アンとコンゴの共演シーン。
恐怖とプレッシャーから、
甘美な優しさへと
変化する作り方がとてもきめ細やか。

何が凄いかと言うと、
このあたりから舞台最後まで
コングを操り人形のように
動かすのが10人の黒子たちだ。
ロープにぶら下がり、引っ張り、
正面からうしろに、
右から左へとアクティブに動く。

マニアトロクス、というロボット製作と
このパペットのテクニックの融合こそ
この舞台の一番の見どころ。

天井から降りてくる様、大きく鼻を膨らませ
歯をむき出しにして吠える様、
そして客席に向かって巨体を乗り出させ、
また舞台上手から下手へと
走り回る豪快さ。

黒子のダンスのような動きと
時には激しく、時には穏やかな表情を見せる
コングのクリーチャーがあまりにも素晴らしい。


比べるのは、何だけれど、
コミックを意識して大仕掛で作られた
「スパイダーマン_ザ・ミュージカル」よりも
芸術的かつ統一性がある、という意味では
こちらに軍杯があがる、そう思った。

舞台はコングが麻酔銃で
眠らされる髑髏島で
一幕を終え、二幕は
また舞台をニューヨークへと移す。
スターを夢見るアンが、
無理やりにNYに連れて来られたコングに
「あなたもスターに」と言ってしまうのが
何とも皮肉だ。

華やかな見世物小屋のシーンから
エンパイヤステートビルにアンを
連れたコングが登っていくところまでの
演出も非常にスタイリッシュ。

アンは、どんどんコングの気持ちを
理解していくが、時はすでに遅く、
衝撃的なラストシーンを迎える。

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確かにストーリーや、
耳に残る音楽という意味では
優れたミュージカル作品と
言えるのかどうかは微妙。

それでも十二分に素晴らしい観劇体験だと
言えるし、ほぼトニー賞からも無視されて
しまったのは残念。

これよりも、さらに美術、照明、音響などを
すべてゲットした"Hadestown"が
どんなモノだったか、また後日
ここに書くことにします。

何だか興奮のあまり、長文になってしまった(笑)


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