2024年02月23日

「インヘリタンス 継承」を観て

コロナになる直前、ロンドンのウエストエンド、
そしてブロードウェイで、長時間のゲイ舞台が
大きく評判になっていることを耳にした。

それが第一部、第二部、両方で6時間半という
「インヘリタンス 継承」という芝居だ。

これが日本でも翻訳上演された。

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(左が今回の日本版 右はオリジナル)

戯曲を書いたのが当時40代になりたての
自身がゲイだとカミングアウトしたマシュー・ロペス。

その後「赤と白とロイヤルブルー」という
アメリカの大統領の息子とイギリスの王子の恋愛を
描いた映画を監督もした人なので、
こちらは観た人も多いかもしれない。

あまりにも評価が高いこの舞台、
あちらで何とか観ようとしていたら、
世の中はコロナになってしまい、
NYには行けずじまい。

ブロードウェイも途中で公演中止となり、
晴れて、一昨日、日本版を目にすることが出来た。


舞台は、エリックと、トビーという若いカップル、
ウォルターとヘンリーという初老のカップルを中心に
愛憎、セックス、ビジネス、政治、友情、病、
などNYに住むゲイの日常が描かれている。

今から30年ほど前に作られた、
日本でも何度も公演された舞台
「エンジェルス・イン・アメリカ」も
似ている内容ではあったけれど、
こちらは80年代エイズが蔓延した時期を
描いているのに対して、「インヘリタンス」は
それを超えた現代までを描いている。

ゲイでクローゼットだった文豪、
E.M.フォースターが書いた
「ハワーズ・エンド」を元に、
ウォルターに扮する篠井英介氏が
フォースター自身という二役を演じ、
舞台の語り部となっているのが
この話を多面的に見せているのが
非常に効果的だ。

それだけでなく、彼の存在は
クライマックスに向かって、
どんどん観客の胸を掴んでいく。

まさに時代はオバマ政権からトランプへと
取って変わった2017年。

NYに行くと、ゲイの何人かで食事をするたびに
政治論議をしている光景を見るけれど、
まさにこの舞台も、
それぞれの政治的意見をぶつけ合う。

宗教や政治の話はタブーとされる中、
友人知人にカミングアウトせずとも
生きていける東京とNYとの大きな違い。

どのような生き方が正しいか、
行きやすいか、それは個々に委ねられる
問題だけれど、いずれにしても自分の中の
アイデンティティをどこに置くか、
ということをじっくりと
考えさせてくれる大作だった。

少なくとも、僕にとって
舞台は至福の時間であったことは確かた。

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2023年12月18日

オペラ歌手なのにここまでマッチョ!?

昨日、友人に勧められて、
メトロポリタン・オペラの
「デッドマン・ウォーキング」を
映画館に観に行った。

脚本がゲイの脚本家のテレンス・マクナリー
(『蜘蛛女のキス』や『マスター・クラス』)
ということもあったし、
何よりもショーン・ペン主演で
映画化されたほうも大好きだった。
(この映画の主題歌が『フィラデルフィア』も
歌った我らがブルース・スプリングスティーン!)

そもそも、この話は、とあるカップルを襲い、
レイプ、そして殺害した、という罪に問われ、
死刑を宣告された男マシューと、
彼と接見し、特赦を得よう試みる
一人のシスター、ヘレンの実話。

このリアルで、辛い話がオペラ?
と思いきや、僕が無知だっただけで、
ここ25年で最も成功した現代オペラなのだそう。

演出を担当するのが、ブロードウェイでも
「ウエスト・サイド物語」や
「エンジェルス・イン・アメリカ」
「橋からの眺め」など
ものすごい量の作品を作っている
オランダ人の名匠、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ。
僕も東京やNYで何本も
観させてもらっている。

彼が舞台にカメラマンを何人も動かし、
その映像を舞台背景に映すという
演出は今回も同様。

時には邪魔にも思えるその方式だけど、
この舞台は、事件のシーンを
再現フィルムとしてしょっぱなに
持ってくるなど、成功していると思う。

ヘレンを演じるジョイス・ディドナートは
歌唱のみならず演技も本当に
素晴らしいけれど、マシュー演じる
ライアン・マキニーの
存在感がとにかくすごい。

ボディビルダーかと思わせるほどの
肉体は、オペラ歌手とは
とても想像できないほど。
マッチョを好むゲイにはエロいはず笑。

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二部では、腕立て伏せをしながら
(それも50回近く)
歌い上げる、というシーンも。

ジェイク・ヘギー作曲の楽曲やアリアが、
クラシカルなメロディアスではないけれど、
それを遥かに超える演出、演技には
下心だけで観に来た人にとっても(あ、俺か)
胸を掴まれると思う。

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2023年12月11日

新・劇団ぺんぺん「憧れのカスミ草」

年末になると、
このゲイの劇団芝居を観なければ、
歳が越せなくなってしまう、
この気分は、僕が店をやる前から
もう何年も続いている。

もう40年以上も営業されている
ゲイバー「ペンペン草」のお客さんや
勇士が集って創り上げているのがそれ。

30年で一旦幕が閉じ、1年休んでから
また始まって3回目の公演、
「憧れのカスミ草」の最終公演を昨夜観てきた。

うちのスタッフであるハチや、
そのパートナーでもある旧スタッフの
シンジ、そして古くからの友人ユウジが
出ていることも、楽しみだった。

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今までこの素人ゲイ劇団(失礼)の芝居に
何度も爆笑させられた年末だったが、
長年観た中で、今回ほど堪能出来たことは
なかった。

過去、"TAKE 5"というタイトルで
何度か描かれていたゲイバーが
今回も舞台となっている。

ここで繰り広げられる昭和の
ゲイバーの中での会話は、
ほとんど中身がないトークだ。

誰それと誰それがどうした、とか
誰それが何かに引っかかったとか。

この、ある意味、どうでも良いトークが
まるで歌舞伎の様式美かのごとく、
リフレインされていく。

そう、この舞台の演出家のヒロシさん
(べんべん草のマスター)は、
役者が何度も同じセリフを投げ、
聞き返す、という繰り返しの
手法をよく使っている。

この小津映画のような、
もしくは山田太一的なやり取りが
時にはこれが退屈にも思えるけれど、
今回はそれがむしろ魅力的だ。

そして今までは、これ、どこが着地点?
あの話の結末やオチは?と
気になったりする部分もあったりもした。

しかし、今回は、すべてが腑に落ちる、
いや、それ以前に、そんなことは
どうでもよくなっちゃうのだ。

加えて、脚本の練りかた、
それぞれのシチュエーションの運びかた、
そして役者の間のとりかたなどが
ある種、プロ顔負けだったりする。

それほど、それぞれキャストの
ぶっ飛んだセリフが
これでもかとリズミカルにも
観客を虜にしていってくれる。

そう。ゲイの観客が望んでいることを
演者がきちんとそのまま返していく。
その合意する感覚が素晴らしいのだ。

これは、ストレートの人たちも含め、
もっと広く多くの観客に是非とも観てほしい。

たった3日間しか上演出来ず、
僕がその千秋楽しか行けず、
終わってからしか、紹介できないのが
とっても残念だ。

70を超えたひろしさんと、キャスト、
スタッフには、賞賛を送りつつ、
自分の店のありかた、生きかたを
考えさせられる一夜となった。

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2023年09月24日

舞台に立つ

コロナ禍に一度来てくれた
ショウちゃん59歳が久々に来店。

「この2年くらいどうしてた?」と
尋ねると、もう還暦だし、
定年までも指折り数えるだけなので、
少し自分がやりたいことを考えたと言う。

比較的時間が出来た中で、
人に勧められて珍しく芝居を観に行った。
休憩時間にチラシをめくってみると
そこに45歳以上の劇団員募集の紙があったと言う。

募集と言っても、まったくのど素人から
経験者など入り混ぜて1年間で
どんな舞台を作り上げるか、という
流れなのだそうだ。

今までそのようなことなど、
まったくしたことが
なかったショウちゃんは、おそるおそる
その劇団に行ってみた。

行って参加費さえ払えば、
誰でも参加できる。
ただ、5月に入り、毎週日曜日練習、
それが一年続くのだそうだ。

その劇団には、テレビや映画で、
比較的誰もが知っている役者がいて、
彼らもたまに覗いたりする。

演出家の元、80人くらいの人間が
3つのグループニ分られ、
取り組んでいくむということだ。

その80人の中の半数くらいは、
去年よりも前からも入っている人たち。

そういう経験者と並んで、
まったく頭に入らない台詞を
頑張って入れていくのだそうだ。

何故、これほどまでに覚えが悪いんだろう、と
落ち込んだりするけれど、
しょせん素人なんだから、と
それぞれが優しいし、
終わってからの楽しみもあるのだと言う。

会社でのルーティーンの仕事を
そつなくこなしていく、というよりも
そこには自分自身や、知らない世界の
新たな発見がたくさん見えてくる。

そういう好奇心を持てる、というのは
本当に素晴らしい。

話を聞いて、僕も50歳からはじめた店で
毎日、色々な人と出会い、
それまで経験をしたことがなかったことや、
話を聞くことが出来て、
ある部分、似ているなあ、そうとも思った。

来年、舞台に立つというショウちゃんの
感想がまた、楽しみである。

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2023年07月16日

お知らせ & 旅日記 番外編 ミュージカル その4「キャバレー」

さて、観劇記の前にひとつだけ。
明日、17日から、トクジが店を、
という話になっていましたたが、
急遽、彼の仕事の都合で入ることが出来なくなり、
僕が今まで通り、入店することになりました。
一応、来週から、彼が入ることになるので
また、よろしくお願いします。

********************

コロナ禍、ブロードウェイやウエスト・エンドが
リオープンしても、ちょっとの間、行けそうもなく、
色々情報を見ると、どうしても行きたくなってしまうため、
僕はまったく情報を得ていなかった。

正直、現在の時点でも、ほぼ情報は得ていない。

ただ、先日、ここに書いたように、
今回、ヨーロッパに行くのなら、と
友人に勧められたのが、「ガイズ&ドールズ」と
この「キャバレー」だった。

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それは、彼が言うように、驚くような
ステージが繰り広げられる、今回の
ウエスト・エンド観劇の中で
最も素晴らしい体験となった。

僕が以前観た「キャバレー」は、
アラン・カミング(映画『チョコレート
ドーナツ』が有名)がベルリンの
退廃したクラブの司会者エムシーを演じ、
見事な舞台にしたのが1993年のモノだった
(え!もう30年前!!)

今回、ウエストエンドの劇場が再開してすぐの
1年半前、なんとエディ・レッドメイン、
そしてジェシー・バックレーという
豪華キャストで幕開けをしたこの舞台、
その後、メインアクトは何度か変わり、
今回は、僕が知らない人たちだったが、
奇抜な演出は、93年版をも凌ぐほどだった。

舞台は、司会者エムシー、そして
クラブ歌手サリー・ボウル、
彼女の家に居候するゲイの青年、
クリフォードの3人
(と言っても、エムシーは劇の進行役でもあり、
この過激な舞台をさらにぐちゃぐちゃに
かき混ぜるような役どころ)、
クリフォードの友人で
実はナチ、というエムスト、
それに、サリーが住む寄宿舎の管理人、
シュナイダー婦人と彼女と恋仲になる
ユダヤ人のシュルツが主なメインキャスト。

それに、キットカット・クラブという
狂気に満ちたクラブのダンサー、歌手たち、
また、ナチの人間たちが、彼らを取り囲む。

これまた、観客席(前列はクラブのテーブル付き)
と同じ目線で、円形舞台が、
もちろんクラブをメインに
列車の旅や、船乗りが到着する場面などなど
ある意味、暴力的で卑猥な
(さすがに18禁なよう気がする)
シーンが続出し、目も脳も強く刺激される。

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いわゆるバーレスク、スペクタクルに
満ちたこのショウは、ブロードウェイ入り
すると決まっていて、
改めて是非再見したい一作だった。

本当に凄い演劇体験だった。

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2023年07月13日

旅日記 番外編 ミュージカル その3「アスペクツ・オブ・ラブ」

ロンドンで観た4本のうち、ある意味、
ずっと本場で観たかったのが
「アスペクツ・オブ・ラブ」だった。

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これは「オペラ座の怪人」「キャッツ」
なんかでお馴染みのアンドリュー・
ロイド・ウェバーの一作で、
劇団四季も何度か公演している。

特に評判も良くない作品で(それは
四季版を観た時点で、僕自身、
この話、ないよな、と思っていた)、
タイトルを知らない人もたくさんいるだろう。

上の2本以外でも「ジーザス・クライスト〜」や
「エヴィータ」など、歌を聴いただけで
ああ、あれを作った人かとわかる人も多いのに、
とにかく、あまり知られていない。

しかし、僕自身はロイド・ウェバーの中で、
この舞台の楽曲が最も好きだった。
とにかく、いつの日か、NYやロンドンで
観ることが出来れば、ずっとそう思っていた。

今回この演目の目玉は、
それこそ「レ・ミゼラブル」ほか
数々の舞台、コンサートなどでも
多くの観客を呼べるマイケル・ボールが、
オリジナルで演じていた
若き主人公、アレックスから、
今回はその叔父、ジョージをやる、
ということで観客を集めていた。

このジョージ、今まででは完璧に
脇役ではあったけれど、今回はほぼ主演扱い。
彼の登場も少し遅いのだけれど、そこで
主題歌と言える"Love Changes Everything"を
歌うと大喝采だ。
(そもそも、これはオープニングで
アレックスが歌う歌なのに。笑)


ちょっと陳腐とも思えるこの作品のあらすじは、
青年、アレックスが女優ローズに
入れあげ、叔父がやっている田舎の別荘に誘うが
そこに叔父ジョージが帰ってくる。

ジョージには彫刻家のジュリエッタという
恋人がいながらも、ローズに魅せられる。

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数年後、軍隊に入ったアレックスが、
ジョージを訪ねると、ジョージは
ローズと暮らしている。

その後、アレックスはジョージと
ローズの娘、ジェニーと結ばれる、
という何ともめちゃくちゃな話だ。

ただ、美術セットは、舞台上手(右)や
下手(左)から、俳優たちの映像が
映し出されたウォールが流れていき、
それが幕変わりになる、という
かなり洒落た演出ではあった。

それにしても、想像以上に客席は
年配の人たちで埋まっていて、
ここまでマイケル・ボール人気は
すごいのかと少し驚いた。

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2023年07月12日

旅日記 番外編 ミュージカル その2 「ブロークバック・マウンテン」

あの「ブロークバック・マウンテン」が
ミュージカルになり、それが評判が良い、
というので、今回、観に行くことにした。

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それを耳にした時に、どうなんだろうと
正直思ったのは、
NYで観たオペラバージョンで
結構落胆させられていたからだった。

http://bar-bridge.seesaa.net/article/460411119.html

今回、ある意味で成功していると思ったのは
ミュージカルと公表されていて
(されていたのか?)
実は、ミュージカルではない。

いわゆるストレートプレイの
バックミュージックとして、
エディ・リーダーという女性歌手と
バンドが雰囲気を盛り上げ、
語り部、ともなっている演出だった。

演出は、日本でも舞台化もされ、
Amazonでも映画化された
ゲイのミュージカル「ジェイミー
〜Everything Talking About Jeimie」の
監督でもオリジナルの
演出家ジョナサン・パターレル。

そして、なんと言っても、主演の二人が
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「ある少年の告白」などで子役ながら
シリアスな演技を見せたルーカス・ヘッジスと、
「ウエスト・サイド・ストーリー」の
マイク・ファイスト。
これは、大抜擢だった。

舞台は、映画よりも、原作に忠実に
作られていると思われる。

それは、二人の出会いの20年後の
年老いた(と言っても、今の僕よりも
ずっと若いのだけれど)
イニス(ポール・ヒッケイという俳優)が
ベッドから起きるところから始まる。

死んだジャックが残したシャツの
匂いを嗅ぐことから、過去に
想いを馳せるというオープニングだ。

そして、明るくよく喋る
ジャック(ファイスト)と、
寡黙で物静かなイニス(ヘッジス)の
出会いが描かれる。

Unknown-3.jpeg

舞台は、この前に書いた
「ガイズ&ドールズ」と同様、
客席と同じ位置目線で作られている。

美術セットは、藁敷きのステージ、
ベッド、それ以外に軽く作られるテント、
出し入れされるテーブル、
そして焚き火という簡素なモノ。

ここでヘッジスとファイストは
抱き合い、濃厚なキスも見せる。
(なんて書くのは下世話ですね。
欧米の舞台では、ごく普通のこと。)

キャストでは、映画で出てきた
ジャックの妻は出て来ない。
その分、イニスの妻とイニスとの
その後の不穏な関係は、
女性観客を微妙な気持ちに
させるかも知れない。

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このあと、舞台は映画同様、ジャックの死、
そしてイニスとジャックの両親との
出会いと会話へと続く。

大きな喪失感の中に、差別や偏見を
背負いながら過去のイリスと
現在のイリスが交差するラストは
胸が苦しくなるほどの演出で
ところどころですすり泣きがあった。

もちろん、ミュージカルではない分、
英語のヒアリングはかなり大変で
かなりお手上げな部分もあったけれど、
大筋を知っていただけ、良かった、そう思えた。

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2023年07月11日

旅日記 番外編 ミュージカル その1「ガイズ&ドールズ」

いつも、NYやウエストエンドに行くと、
最低なら10本から15本観るのに、
久しぶりの今回はゆっくりと観光、
というのが目的だった。

通常ならNYよりも
ずっと安いロンドンのチケットが
あまりにも高かったので結局4本!
と言うか、本当にそれくらいしか
時間がなかった。

その中で、最初に観たのが、
「ガイズ&ドールズ」
(映画タイトル『野郎どもと女たち』)

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これ、僕がNYに一番番最初に行った
35年ほど前に2回、そして
コネチカットにあるオペラハウスで
1度観た以来だった。

何より今回の演出が、この劇場(その名も
Bridge Theatre)のアーティスティック・
ディレクターをやっているニコラス・ハイトナー。

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彼は「ミス・サイゴン」の演出で有名だが
滅多にミュージカル演出はしない。
しかし、僕の最も好きな「回転木馬」
(92年版)の演出をしたのも彼だった。


前置きが長くなったけれど、この劇場は
そもそも円形の劇場なのだが、
この演目は、ステージの
中央の部分のあらゆる部分が
床から上がったり下がったりする。

そこを立ち席の観客が取り囲むんだけれど、
シーンに寄って、スタッフが誘導し、
お客さんが前後左右に動いて観ることになる。
また天井から降りてくるネオンライトや
ビルボードや、サプライズの
舞台装置も大きな効果になっていた。

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ストーリーは、ラスベガスでダイスを振るスカイと
救世軍の堅物の女性サラの出会い、
そして賭博師のネイサンと、婚約している
ショウガールのアデレイドの行く末を
軽妙に描いているのが中心だ。

とにかく、始終ダイナミックに浮き出てくる
舞台の上を、演者が芝居をし、
歌って、踊りまくる。

普通の劇場よりも、目の前でそれを観る、
というだけでなく、参加出来るのは
観客にとって大きな喜びだと思う。

僕は1部を座席で、2部はどうぞと
言われて、ステージ真横の立ち席で観た。

ショウガールたちの
ストリップショー(とは言っても
もちろん脱ぐワケではない)の
ダンスのシーンは圧巻。

アデレイド役が、ここではアフリカ系の
マリシャ・ウォレスが演じていて、
歌い上げるその声は素晴らしい。

ただ、個人的には、
オリジナルキャストが持つ
あのくしゃみが止まらない、
コケティッシュな感じとは
少し違うかなと感じた。

とは言え、一部と二部の間の休憩時間に
あるオリジナル曲をアレンジした
コーラス矢,ダンスバトルなどもあり、
ラストでは、舞台が床と同じところまで
降りてきて、キャストとオーディエンスが
共に踊るという演出は、劇場が一体になり、
興奮冷めやらず、という感じだった。

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2022年10月05日

舞台「いのちぼうにふろう物語」を観て

昨日書いたように、今回の旅行は
今年、90歳になる仲代達矢氏の
「いのちぼうにふろう物語」という舞台を
能登演劇堂で観るためのモノだった。

能登演劇堂は、能登の七尾市中島町と
達矢氏率いる無名塾の交流によって、
1995年に作られたという舞台。

東京のシアターコクーンでも演出家、
蜷川幸雄氏によって、舞台背景が開き、
外の空間が見られる、という演出があった。
こちらも(おそらく毎回?)、舞台のうしろ側が
パカッと開き、屋外の森や、山が見え、
そこでも人がうごめき、演技が冴えるという仕掛けだ。


今回の舞台は、山本周五郎の原作
「深川安楽亭」をもとに、1971年に作られた
同名の映画「いのちぼうにふろう」の主演だった
達矢氏が、その映画でも脚本を書いた夫人の隆巴さんの
戯曲をもとに、改めて作られ、
今回は3度目だったと言う。


舞台は、四方を掘りの囲まれた「島」と呼ばれる荒地に
ぽつりと建っている「安楽亭」という居酒屋。
ここには、世間ではまともに生きていけない
無頼漢たちが集まり、舟で密輸をしている。

まるで、「レ・ミゼ」かと思うような
大きく回転する周り舞台にはギョッとさせられる。

その中で、映画版では、影を持ち、勝ち気な男、
貞七が主人公で、それを仲代氏が演じていたが、
今回は、安楽亭の主人(映画では中村翫右衛門)が
彼の役どころだ。

僕は恥ずかしながら、仲代氏の無名塾を初めて
観たけれど、いわゆる新劇や新派と言われたような
モノを感じて、いささか全体的に大芝居に感じる。

その中での仲代氏の存在感、どこまでも通る声、
その熱量は凄く、彼の芝居だけが
とても自然に感じるのは僕だけだったのだろうか。
今さらながら、メインキャストの中でも
群を抜いての素晴らしさだった。

そして、大団円で、立ち回りが始まり、
そこから背景が開き、薄暗くなった
山の奥から50人もの男たちが提灯を持って
現れるシーンは、さすがに圧巻。

舞台セットと、仲代氏の芝居を観ることが出来て、
本当に良かった。


posted by みつあき at 23:59| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月29日

人形劇団で結ばれた1日

ひと月ほど前から、7月28日、
つまり昨日の午後、友人から何も聞かないで
開けておいてくれないかと言われていた。

何かと思い、待ち合わせ場所に行ったら、
なんと児童劇団で人形劇で有名な劇団プークを
観に行こうという誘いだった。

僕が舞台演劇や、美術セットなどを好きだと
知って誘ってくれたワケで、
題目は「エルマーの冒険」
僕が小学生の頃、親から買ってもらった
一冊だったのが、驚きだった。

初めて観た人形劇。
ただ、この劇団をご存知の方は
よく知っているだろうが、この人形劇は
指や手を使った小さなモノではなく、
人が全身を使って操る
モノによっては、等身大以上の大きな人形。

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それほど大きくないだろう予算でも、
ところどころに、工夫を凝らした
なかなか素敵な芝居だった。

それにしても、長い人生、こういう人形劇を
目にしたことはなかった、というのが
映画や演劇が好きな僕としては
恥ずかしい気持ちだった。


そして、店に行ったのだが、以前一度
僕は休みの日に来てくれた、という
初対面で35歳のナオヤ君が来てくれた。

さて、彼も含めて、色々な人と話している中で、
ナオヤ君が舞台ミュージカルが
好きだという話に行きついた。
地方都市についこの前まで住んでいた彼が
そもそも舞台に興味を持ったきっかけが
再放送で見た「ひょっこりひょうたん島」だと言う。

で、続いて色々話を聞くと、彼はそれから
人形を作るのが趣味になり、
布を縫い合わせたり、
木彫りのモノなどありとあらゆる
人形を小学校時代から作り出したようだ。

いくつかの人形をスマホで見させてもらったが
これが驚くばかりの精巧な作り。
それらは、ただの趣味で、
何かに使ってもらったり、ということは
決してなかったそうだ。

ただ、その人形好きから、なんと劇団プークも知り、
そこから派生した劇団に研修に行ったことも
あったのだそうだ。
これには本当にびっくりした。

今はまったく違う仕事をしていると
言っていたが、少なくともその器用な
手先を使った仕事や、人形を作ることは
何かに使うべきじゃないか、
僕はそう思った。

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2022年07月24日

ブロードウェイからの来客アゲイン

先日、ここにも書いた舞台演出家の
マイケル・アーデンさんが、
やっぱりミュージカル俳優の
ジェイ・アームストロング・ジョンソンや、
日本人で極内外で活躍する俳優さん、
そして、演劇、映画界の寵児と言われている
脚本家のジェレミー・O・ハリスさんなどを
連れて、やって来てくれた。

つい一週間前、マイケルさんは、ジェイ君と
共にミュージカル・ガラに出演、
僕も声をかけられて観に行ったばかりだった。

ジェイ君は近年ブロードウェイで、
「オペラ座の怪人」で準主役のラウルをやり、
僕は彼が出演していた「ヘアー」も観ていた。

脚本家のジェレミーさんが書いた
「スレイブ・プレイ」は
去年のトニー賞で、
史上最多のノミネートを果たし、
かつ現在、日本でも公演中の「ダディ」も
彼の作品だ。

彼が手がけたグッチのコレクションも有名で、
これから上映される映画「ゾラ」の彼も
監督と共同で書いたものらしい。


そんな彼らと驚くような話を聞きながらの
一夜は、本当に楽しかった。

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2022年06月12日

ブロードウェイからのサプライズ

昨夜、遅い時間に、よく来てくれる
ツルタ君が、なんと舞台演出家の
マイケル・アーデン氏と
そのパートナーの結婚相手でもあり、
俳優のアンディ・ミエンタス氏、
そして友人で作曲家のジャクソン・ティーレイ氏を
連れて来てくれた。

IMG_9127.jpg

今回は数日前から公演をしている
「ガイズ&ドールズ」の演出のために
マイケルさんが来日し、アンディさんは
その後、行われるミュージカル・コンサートにも
出演するということだった。
(2017年に続いて2度目)

マイケルさんは、手話を使ったリバイバルの
「春のめざめ」や、これもリバイバルの
"Once On This Island"(日本では『アイランド』)
がトニー賞にノミネートされ、
これは両方僕は観ているので、
その話はなかなか興奮させられた。

パートナーのアンディ氏は、上記の「春のめざめ」や、
「レ・ミゼラブル」で僕は観ており、
なんとテレビドラマ「スマッシュ」のシーズン2で
カイルをやった人。

ジャクソンさんも、それほどビッグヒットは
ないものの、オフやオンのブロードウェイの
楽曲を手がけているとのことだ。

驚くべきは、3人ともまだ30代。
僕が初めてNYに行った頃など、
それぞれはまだ親にブロードウェイに
連れて来られていた時代らしい。

だからマイケルさんが演出した
「アイランド」に出ていた
レア・サロンガがデビューした
「ミス・サイゴン」をブロードウェイで
観た、と僕が言うと"Oh My God!!"と叫ぶ。

アンディさん、というよりアンディ君は
まるで若者か子犬のようにはしゃぎ回り、
店にある海外のミュージカルのパンフレットから
自分が関わっているモノを探し、大喜び。

加えて、僕も大好きなソンドハイムの話で盛り上がり、
ジャクソンさんはピアノがあれば弾くのに、と。
それから彼らがこれかけて、という
ソンドハイムの曲をかけると
素晴らしい声で熱唱してくれる。

なかなか国内でミュージカルを
観なくなってしまったけれど、
今回の「ガイズ&ドールズ」は
本当に楽しみだ。

ありがとう。ツルタ君!

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2022年05月01日

大阪からの嬉しい来客

一昨日、大阪からノブさんが来てくれた。
彼は、今から11年前に、自分が脚本を書き、
演出もした舞台が終わって、その打ち上げの流れで
大勢で店に来てくれたのが最初だった。

その彼が、大阪でライターとして、
またあらゆるイベントの企画者として
メキメキとその威力を発揮する一人だとは
まったく知らなかった。

当時、僕がミュージカル好きで、
ロンドンやNYを渡り歩いていたり、
彼自身も映画紹介をあらゆる媒体で
書いたりしている、ということで
大いに話が盛り上がったのだった。

それから上京するたびに、店に
寄ってもらったりする。

もちろん、今回も盛り上がったけれど、
お互いそれなりの年齢のため、
俳優やタイトルが出てこなくて、
あれあれ、それそれ、という会話が続いた(笑)


さてさて、今年は11年前のその舞台を
大きくリニューアルした「リップシンカ」
という舞台を再演するようだ。

Unknown-1.jpeg

その出演者の一人、元宝塚の高汐巴さんの
ライブを観るための上京だったようだ。

「リップシンカ」には、うちの店にも
いつも貢献していただいたいる
ドラッグクイーンのエスムラルダも
出演する、とのことで、僕も是非
行かせてもらおうと。

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2022年04月02日

嬉しい再会

昨日はオープン早々に、僕が非常に
尊敬しているミュージカル評論家の
(公式にそういう活動を
されているワケではないけれど)
ミズタさんがいらっしゃってくれた。

ミズタさんは、僕よりも3歳年上だが、
もう何十年も前からブロードウェイや、
ロンドンのミュージカルを観ていて、
その詳細をブログにせっせとアップされていた。

僕が海外に行って、一日に2本も3本も
舞台を観るのは、圧倒的に彼からの影響だ。
あまりにその洞察力のの深さ、文章の組み立て方の
緻密さにしびれ、メールを出し、
丁寧なご返事をいただいたのが20年少し前。

そして、NYでお会いすることになったのだ。
ある意味、憧れの人だった。
ミズタさんは、僕よりも2歳上で、
落ち着いて非常に穏やかな方だった。
ある部分では厳しく切り込んでいく
その文体とはご本人の印象が少し違った。

それからも何度かメールのやり取りをしたものの、
僕も前の仕事を終えるのにバタバタしていて
結局、ミズタさんとは1度だけ会っただけで
ずいぶん時間が流れていた。

店をオープンし、4年ほど前、
ニューヨークへ行く際に、
彼のブログの中で丁度あちらに
行かれることを知り、失礼ながらも
10数年ぶりにメールをした。

そして久しぶりの再会はまたNYでだった。

その後、ちょうどコロナが始まった2年ほど前の頃に、
その時にNYから帰国されたミズタさんが
(彼は年に、3度も4度も行かれていた)、
突然、お店にいらっしゃった。

それからはSNSなどでミズタさんと繋がり、
舞台のこと、そしてそれ以外の社会的な意見など
つぶさに読ませてもらうことが増えた。


そんなミズタさんが2年ぶりにいらっしゃったのだった。
コロナが落ち着いたブロードウェイ。
あちらには行かれますか?
ということをしょっぱなに聞かれ、
今は店も落ち着いていないし、
まだ国内でのコロナ状況もわからないし、
と僕は答えた。

ミズタさんも同じく、色々なところで
悩まれているようだった。

ただ、それからは過去観た作品や、俳優のことを
たっぷり話をし、あっという間に時間が過ぎる。

かなり寒くなったエイプリルフールだったが、
昼間は、つい先日ここにも書いたNY帰りのケンと
ランチをしたり、花見をしたりしたあと、
ミズタさんの訪問に、すっかりポカポカした一日で
本当に幸せだった。

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2022年01月12日

ダイアナ・ザ・ミュージカル

来年で、亡くなって25年にもなる、
というダイアナ妃。

コロナ前のまま、ドラマがストップしている
「ザ・クラウン」や、今年、アカデミー賞の
主演女優賞を取ると言われている「スペンサー」など
まだまだ、彼女を描いた映画やドラマは
話題となっている。

それがコロナ後になって、ブロードウェイで
オープンした「ダイアナ・ザ・ミュージカル」が
何と、ほぼ開幕と同時にNetflixで配信された。

Unknown-11.jpeg

そう。舞台そのままの配信、というのは
このコロナ禍、結構増えた。
ディズニープラスでやっている「ハミルトン」や
Apple TV plusの「カム・フライ・アウェイ」もそう。

この舞台は、ダイアナとチャールズが
出会った直後から結婚、夫婦間の確執、
そして離婚、ダイアナが交通事故死を
するまで、が描かれている。

その中心に添えられているのは、
チャールズと長年に渡る
カミラ夫人との関係と
それに悩み苦しむダイアナの姿だ。

とは言え、そこはミュージカル。
歌で彼女の気持ちは表現されていても、
ドラマ「ザ・クラウン」のように
細かい描写はされていない。

拍手や客席の声が聞こえないこともあるし、
カメラは舞台上を自由自在に動くので
おそらく、公演する前に
配信用に撮影されたモノだろう。

これがNetflixで配信されたのが
10月1日。劇場でのオープニングが11月18日、
そして早々に12月19日、つまりちょうどひと月後に
クローズされてしまった。

評判もそれほど良くなかったようだし、
何よりもこのNetflix放映というのは
仇となったのかも知れない。

僕ももちろん手放しで絶賛、という感じでは
なかったけれど、そこまで酷いとも
思わなかった。(テレビ画面で観たからなのか。笑)


ブロードウェイ版の音楽は先に耳にしていた
ということもあるけれど、「メンフィス」を書いた
デヴィッド・ブライアンの楽曲は悪くないし、
本場にしては、美術セットは微妙ながらも
舞台転換の仕方も非常にスムーズ。
何より衣装の早変わりは楽しかった。

また、ダイアナの浮気相手、
ジェームズ・ヒューイットが
半裸でピチピチの乗馬パンツを履いての登場は
ゲイ的にはちょっとしたサプライズだった。
(そこかよ。笑)

Unknown-12.jpeg

何が何でもお勧め!というワケじゃないけれど、
イギリス王室やダイアナが好きな人は
観ても良いのではないかな。

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2021年12月12日

新劇団・ぺんぺん「地下室」

3年前に、30回目の公演で
ひとまず幕を下ろしたゲイバー
「ぺんぺん草」の舞台公演。

コロナ禍を挟んで、
やっぱりどうしても(脚本を)書きたい、
演出したい、というマスター、
ヒロシさんの想いがつのって、
新劇団・ぺんぺんが新たな舞台を
見せる、という話を聞いたのが
今年の初めだったか。

うちのスタッフのハチや、
元スタッフのシンジ、
そして古くからの友人でもあり、
お客さんのユージが出演することも耳にし、
楽しみに待っていて、昨日、
店をオープンする前、
土曜日の夕方の回を観させてもらった。

今回のタイトルは「地下室」

地下室.jpg

これをアップする頃には、
もう千秋楽の公演が始まっていると思うけれど、
例年は7、8人の群像劇だったのが
今年は4人だけ。

どういうふうな料理が出来上がるのか
楽しみだった。


舞台は、真っ暗な地下室らしい部屋の中で、
この部屋にいる男と、
今、入ったばかりの男の声がする。

入ったばかりの男が電気のスイッチを
入れると、そこにはパンツひとつの
見事な肉体の男が鎖に繋がれ、
拘束されている。

拘束された男は「鎖を解いてくれ」と懇願し、
入ったばかりの男は、
男の見事な身体を褒めそやしながら、
この男への憧れを吐露する。


そのうちに次の男が現れ、
最初の男は隣の部屋へと隠れる。

2番目の男、昔から男に恋焦がれており、
相手にされず、辛い想いをしたことを語る。

余談だが、この2番目の男を演じたのがシンジ。
なんと一昨日の初日に彼は肉離れを起こし、
昨日の朝、病院に行き、なんと松葉杖での登場。

僕自身は、松葉杖自体が演出だと思い込んでいた。
それほど、彼が軽々と松葉杖を使いながら
動いていたのには驚きだった。

やがて、3番目の男が登場することで、
何故、男が拘束され、そこに3人の男が
次々に呼び出されたか、という謎解きが始まる。


それにしても、元々、鍛えていた身体を
さらに酷使し、とても50を過ぎたとは思えない
ユージがほぼ1時間半パンツひとつで
腕を上げたまま、芝居をしたのも見事だったし、
日頃、店ではいささかぶっきらぼうにも見えるほど
ノンケっぽい(と僕は思っている)ハチが
狂ったオネエを楽しげに演じていたのも見もの。

また、3番目の男を演じた最も芸歴が長い
加都信がまさに話のまとめ役として、
ラストの登場は、ところどころで笑いを誘っていた。


いつもの弘さんが得意とする
しつこいほど繰り返される台詞の数々。
特に、1番目と2番目の男たちが
繋がれた男とやり取りする部分。

ある意味、それは歌舞伎の様式に
ヒントを得ているかと思える
面白さも感じさせてくれるけれど、
比較的長く続くシーンには
退屈する人もいたかも知れない。

また、それが後半、謎解きが始まり、
それぞれの会話から、関係性や
用意された衝撃的なクライマックスだが、
猛烈なスピード感ある会話に
付いていけない人もいるだろう。


ただ、うちの周年での出し物もまさにそうだけれど、
素人の演者が、それなりに目の超えたお客さんに
どう捉えられるか、とうのは本当に大変だと思う。

8ヶ月近くも練習を重ねて
見せる、というその根気と、30年以上これを
続けてきたペンペン草の弘さんに
改めて敬意を表しながら、
まだ続くコロナの中で、
新たな第一章を経験出来たことを感謝したい。

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2021年11月28日

ソンドハイムの死

昨日、起きたら、僕が最も好きなブロードウェイの
作詞、作曲家スティーヴン・ソンドハイムが
亡くなったニュースが飛び込んできた。
享年91歳。

90を過ぎての逝去は、大往生だと多くの人が
言うけれど、想像以上にショックだった。

彼は、日本では知る人ぞ知るかも知れないが
ミュージカル「ウエスト・サイド物語」の作詞で
デビューし、「スウィーニー・トッド」
「イントゥ・ザ・ウッズ」などは近年、
映画化されていたから、ああ、と
思う人もいるかも知れない。

僕個人としては、20代の頃、ブロードウェイ・ミュージカルを
好きになり、その後、NYやロンドンで観た
「カンパニー」「リトル・ナイト・ミュージック」
そして日本で宮本亜門氏が演出をした「太平洋序曲」などで
打ちのめされた。

彼の音楽は決してポップで耳馴染みが良いワケではなく、
人に寄っては難解、とも言われる。
音楽に関して、決してプロではない僕にとっても、
不思議な音階が最初は決して心地良くもなく、
しかし、聴いていくうちに、
ひとつひとつの楽曲に虜になっていった。


亡くなる直前まで、新しい舞台音楽を
作っていたとも言われていただけに
最後の最後まで前向きな彼は
凄かった、そう思う。

今、劇場公開されている「チック、チック、ブーン!」
(『レント』のジョナサン・ラーソンの伝奇的
ミュージカル映画)にも、そっくりな俳優が
本人の役をしているばかりではなく、
生の本人の声まで入っていることに
驚愕した。

悲しいけれど、作品は多く残されているのだ。
これからゆっくり彼の残したモノを
聴きながら、思いを巡らそう。

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2021年11月06日

ゲイ芝居「地下室」のこと

以前にも何度かこのブログで書いているけれど、
大昔からお世話になっていた
2丁目のぺんぺん草という店が
年末にずっとやり続けていた舞台。

3年前、30周年ということで
これが最後の舞台と終止符を打たれた。

ただ、そのあとコロナ禍になり、
マスターがやっぱりどうしても
やりたくなって、今年も
開催されることになった。

ただ、コロナということで、
今まで8人ほどだった出演者
(すべてお客さんというのが凄い)
なかなか出られなくなり、
今回出演するのが、4人。

タイトルは「地下室」だそうだ。

そのうちの一人がうちの現スタッフのハチ、
そして旧スタッフのシンジ(裸レモン)、
ものすごく古くからの友人、ユージ、
それにもう一人だ。

うち関連の人間が出るから、という
理由だけじゃなく、地下室で
何が行われるか、非常に興味深い一作。

チケットは店を通しても
購入が出来るので、
興味がある方は是非。

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2021年09月29日

劇団四季「アナと雪の女王」

緊急時宣言が終わる、ということもあって、
昨日から3日間、お休みをいただいた。

昨日は元々、火曜日休みということで
友人に劇団四季の「アナと雪の女王」のチケットを
取ってもらっていたのだ。

Unknown-3.jpeg

そして、今日、明日は北海道の道東に出かけることに。


今日はひとまず、昨日の「アナ雪」舞台について。
3年前にブロードウェイで観た時には、
それほど評判が良くなかったのだけれど、
僕はそれほど悪くないなと思った。

昨今、プロジェクションマッピング、LEDなど
日本の舞台でもかなり多用していて
時にはその安っぽさにがっかりするけれど、
ブロードウェイでの「アナ雪」のこれは
かなり効果的だった。

そして、四季バージョンも、ほぼしっかりと
踏襲されていた。

特に有名な「ありのままで」のエルサが
雪の中、城を作っていくところは、圧巻。
エルサの魔法がどのように舞台を
大きく変化するか、細かくここで書けないのが残念。

また、オーケン商店のサウナのシーン。
映画ではない、サウナから大勢の男女が出てくるところ。
次々と服を脱ぎ、胸、股間を隠しながら
ラインダンスを踊るのは楽しい。

ただ、これ、あちらで観た時に全裸に葉っぱ、と見えていて
四季版が肉襦袢を付けているのには
え?と思ったけれど、
色々調べてみると、ブロードウェイ版も
襦袢を付けていた模様。

ただ、男女ともにかなり肉感的な体型の人が
多いせいか、フィットしていて
すべて脱いでいるように見えたようだった。

これは、後半、出てくるサーミという少数民族は、
マッチョな男たちがこれでもかと
肉体を披露しながらダンスする。
この肉体的なモノは、どの演目を見比べても
日本とアメリカでは、どうしても差が出てしまう。


かなり残念に思ったのがエルサ、アナの
子供時代を演じる子役の芝居だ。

欧米の子供は、ともすれば、かなりませていて
生意気ともとれる大人顔負けの表現をしがちだ。
それは、芝居でも驚くほど上手くて舌を巻く。

しかし、日本の子役は「子供らしさ」というモノを
強調させようと演出されているせいなのか、
学芸会に毛が生えた程度にしか見えない、
なんて言うのは、厳しすぎるんだろうか。

また、雪だるまのオラフ。
ブロードウェイ版では男性が演じていたが
日本のキャストは、男女のダブルキャストらしい。

ジェンダー関係ない、という存在であれば、
特に問題もないし、そのほうが効果的であったりは
するモノの、オリジナルも男のコ、という設定でもあり、
台詞の中でも「ボク」と言っているので、
これはやっぱり男性にやってほしかった、
と思うのは僕がゲイだからだろうか。


いずれにしても、まだオープンして4ヶ月あまり。
ひと席あけもなく、満杯の劇場で大喝采、というのは
コロナ禍、筒美京平のメモリアル・ライブ以来かも。
なんだかんだ言いながら、楽しい気持ちで帰宅した。


今、これは釧路に向かう機内で書いているけれど、
明日はお休みをしてしまうかも。
だとしたら、申し訳ないです。
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2021年07月14日

ジーザス・クライスト・スーパースター in コンサート

「レ・ミゼラブル」ブロードウェイで
主演を観てから彼は凄い!
と思ったラミン・カリムルー、
そして、テレビドラマ ”Glee"や
やはりBWで「アラジン」主演を
やったテリー・リアンなど
多くの外国人キャストが出演する、と聞いていた
「ジーザス・クライスト・スーパースター」の
コンサートバージョンのプレビュー公演を昨夜、観てきた。

Unknown-4.jpeg

これが想像以上に素晴らしかった。

キリスト最後の7日間を描いた
ロック・ミュージカルとして、これが
作られたのが丁度50年前!!とは
とても思えない。

今回、コンサート形式とは言え、鉄骨の櫓を
組んだステージ上で、ダンスもあり、
丁々発止のパフォーマンスあり、で
全員マイクは持っているモノの
(そもそもオリジナルは、マイク持ち)
とにかくしっかりと演出されたモノになっている。

そして、とにかくすべてのキャストの
表現力、声量が見事だ。


思えば、僕は19歳の時に、初めて行った
ロンドンで、まだ続演していたオリジナル版を観た。
高校時代に観た映画版とは
まったく違う生モノだった。

その後向かったストックホルムで、忘れられず
図書館でフリーだったジーザスの2枚組の
レコードを何度も聴いた。

僕はロイド・ウェーバー作曲の
この名曲の数々が、
「アスペクツ・オブ・ラブ」そして
「サンセット大通り」と並ぶほど好きだ。

東京に戻って来てから観た劇団四季版は
まだ若き加賀武史、寺田稔、瀧田栄、
市村正親という豪華キャスト。

その後、ブロードウェイ・リバイバルや
テレビ版、スーパースターアリーナツアー版など
かなり多くのモノを観てきたけれど、
今回のライブは、そのどれにも
劣らない出来。

ただ、残念なのは、あれだけ広い
シアターオーブの座席がそれほど埋まっていないことだ。

今、50%以下に抑えなければならない、
という規定があるらしいが、それでも
まだ座席は余っている。
東京は27日まで、続演しているようなので
興味がある人は是非とも。

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