2021年01月01日

あけまして、おめでとうございます。2020年 公開映画ベストテン

あけまして、おめでとうございます。

昨年は本当に、驚くようなすごい年になってしまいました。
13年半、バーをやっていて、このような事態になるとは
まったく想像もしていなかったですが、
皆様のおかげで、なんとか2021年を迎えることが
出来ました。

本年も何卒、よろしくお願いします。


さて、恒例の映画ベストテン。

今年は、自粛や時短もあって、総本数356本(もうイッちゃってる!)
その中でスクリーンで観た新作が120本。
本日は、僕が選んだ新作のベストテンです。
(ちなみに話題となった「パラサイト 半地下の家族」は
僕の場合、去年のベストに入れました)


1 WAVES ウェイヴス

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2 死霊魂

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3 異端の鳥

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4 燃ゆる女の肖像

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5 37セカンズ

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6 在りし日の歌

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7 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実

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8 1917 命をかけた伝令

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9 朝が来る

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10 ペイン・アンド・グローリー

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次点 シリアにて

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それにしても、並べてみると、ほとんど単館系。
大劇場で観た「フォード VS フェラーリ」や
「ストーリー・オブ・マイ・ライフ 私の若草物語」
「ジュディ 虹の彼方に」
「2分の1の魔法」などは好きだったけれど、
結構重かったり、暗かったり、と言われるような
映画をついつい選ぶのは、根クラなのでしょう(笑)

明日は、配信の新作、そして未見、もしくは改めて
観たクラシックフィルムのベストテンを掲載予定です。

今年も素敵な映画に出会えますように。

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2020年12月30日

お勧め映画「君の心に刻んだ名前」

Netflixで先週から配信された
台湾映画「君の心に刻んだ名前」
タイトルこそどこかで聞いたような題に
なっているが、80年代の台湾を舞台の
この映画を観た。

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とは言え、この映画はゲイとして生まれた
青年の苦しみを描いてはいるものの、
青春映画としても非常に良く出来ている。
なおかつ、主演の二人が女性好みでもある。
そういう部分で、BL映画として
騒がれたりするのがちょっと悔しい(笑)

戦後、長く困難な時代を送っていた台湾の
やっと戒厳令が解除された1988年の
とある高校がこの映画の舞台。

そんな時代に、ブラスバンド部で
出会ったアハンとバーディ。
まだまだ厳しさが残る校内は、
やんちゃで、男女やゲイ差別も激しい。

バーディへ気持ちを抑えながら
ごくごく普通の高校生として生きようと
するアハン。

アハンの気持ちを知ってか知らずか、
あっけらかんとしながらも、
体制や押し付けがましい規律を
どんどん破っていこうとするバーディ。

次第に大きくなる心の奥底に眠る苦しさと闘い、
キリスト教徒の家庭で育つが故、
学校の神父に自分の気持ちをぶつけるアハン。

「(ゲイである自分など)地獄に堕としてくれ。
地獄で同じ趣味を持つ人たちと出会う!」
と怒りに満ちた祈りを捧げる。


それでも、二人の友情と恋愛が交差する日々は
若さゆえの楽しさと切なさが溢れ出る。

この二人が、政治家の蒋経国の葬儀に
行くシーンがある。
その町の中で、一人の女装した男が、
同性愛者の権利を訴えている。
風紀を乱す、と連行されていく彼。

その瞬間のアハン、バーディの二人の言動は
それぞれのキャラクターを強く表現している
象徴的なシーンになっている。

確かに主演の二人は、女のコが
黄色い声をあげるタイプだろうし、
恋愛の切なさを描いているという意味では
BLファンの気持ちをアゲるのかも知れない。

ただ、主人公たちとほぼ同時代を生きた
リウ・クァンフイ監督がゲイであることを
カミングアウトし、当時、どれほど
台湾の同性愛者は差別され、
不穏でもあり、無常でもあったことを
この映画で描きたかったのだと思うと
単にかっこいい男のコが恋愛をする、
というBLの枠だけに当て嵌めてはいけない。
そう思う。

ラスト、30年後が描かれ、
そして素晴らしいクレジットとなるが、
Netflixはここを飛ばしてしまう処理となるので
ご覧になる方は、是非とも飛ばさず、
しっかりとエンドタイトルまで
観てもらいたい。

コロナでボロボロになり、疲れ切った
2020年の年の瀬にこの映画に出会えたことを
心から喜びたい、そう思う。

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2020年12月07日

映画「ザ・プロム」のこと

1年半前にニューヨークに行った時に、
ブロードウェイで物凄く盛り上がった舞台。
それが映画化となった。タイトルは「ザ・プロム」だ。

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監督は、LGBT系の作品をプロデューサーとしても
続々と手がけているライアン・マーフィ。

残念なことに、と言うか、当然とも言うべきか
舞台で出演していたキャストは映画ではほぼ皆無。

その代わり、メリル・ストリープ、
ニコール・キッドマン、
ジェームズ・コーデンなどが出ているから
それぞれのファンは垂涎モノかも。

映画は、インディアナ州の片田舎の町にある
高校で、卒業パーティのブロム
(自分の好きな相手をダンスに誘う、
というアメリカの伝統的行事)に
同性パートナーはダメ、という問題。

この事実を偶然、ツイッターで知った
ブロードウェイで落ち目、もしくは
今ひとつ人気が出ない俳優たち4人が
そのプロム問題を解決して、
注目を集めようと動き出す。

その4人が、トニー賞を二度もとっている
大女優役のメリル・ストリープ、
彼女と共演しながらも、
なかなかパッとしない
ゲイの俳優役がコーデン。

「シカゴ」の主演を目指しながら
まったく日の目を見ない女優にニコール、
そしてバーテンをやりながら、
テレビでは人気がある俳優に
実生活でもゲイをカミングアウトしている
アンドリュー・レイノルズ。

何とか二人の気持ちを通そうとする
レズビアンの高校生のエマ役と
PTA会長の娘アリッサを
演じる二人はまだ若い新人の二人。

驚くのが、大体、舞台の映画化は
変更やカットされるシーンが多いけれど、
この映画はほぼ全編、それもショウで
歌われた楽曲が全曲入っている。

その分、特に映画では必要がない、と
思われるシーンや、人に寄っては
少し長く、退屈に思うかも知れない。

舞台版と映画版の大きな違いは、
結構メインキャストにも近い存在の
校長役とPTA会長、その娘が
黒人キャストで占められているところ。
昨今のアカデミー賞などを意識しているのか、
それとも監督自身のマイノリティへの
配慮なんだろうか。

作りは、マーフィ制作、演出の
テレビドラマ"Glee"を思わせる部分も多く、
彼のマイノリティに対する思いが
ビンビンと伝わってくる内容で、
ラストでは泣ける人も多いと思う。

Netflixで来週から配信されるけれど、
キャストやミュージカルに興味がある人は
音響も良い大スクリーンで、是非。

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2020年11月25日

映画「タクシードライバー」の謎

昨日の休みの1日、
物凄く久しぶりに映画「タクシードライバー」を観た。

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これは、大学生時代以来。
もちろん、ところどころ忘れているところも
あるけれど、逆に細かいシークエンスを
しっかりと覚えているところも多かった。

ずっと考えていたことなんだけど、
この映画を作ったマーティン・スコセッシ監督。
彼の映画が大好き、というノンケ男子は多いけれど、
ことゲイとなるとあまり多くはないと思う。
これは何故だろう。

バイオレンスシーンが多い、というのが
理由なのか。
思えば、「ワイルド・バンチ」で有名な
サム・ペキンパーも確かにゲイ好みじゃない。

ただ、タランティーノや、クローネンバーグは
ゲイでも比較的好きな人はいるだろう。

それを思うと、スコセッシは、
スタイリッシュさが欠けている、
ということなんだろうか。

しかし、昨日観て、1970年代当時の
ニューヨークの街の風景の切り取りかた、
そしてそのエディティング。
また、バーナード・ハーマンの音楽の
使いかたなど、非常にスタイリッシュだったりする。

まあ、それがゲイ好みのスタイリッシュさか、
どうかはわからない。


それにしても、僕は改めて観て、
NYの街で暮らす一人の男の
狂おしいほどの孤独、怒り、そして優しさなどを
ここまで克明に描いている、という意味で
この映画が歴史的評価が高いことに納得した。

なおかつ、ロバート・デ・ニーロの
見事なる演技。
歴史に残る"You Talkint to Me?"の台詞が
彼のアドリブだったというのは有名だが
改めて観ると鳥肌が立つ。
若干30歳前後の若さだ。


また、何かの記事で読んだ「現実と幻想説」
僕が初回に観た時にはまったく気が付かなかったことに
膝を打った。

ここからはちょっとネタバレ。


主人公トラヴィスが、大統領候補の事務所に
勤めている女性に恋し、ふられてしまい、
自暴自棄になってその候補暗殺という
テロ行為に出る。
と同時に、12歳というジョディ・フォスター扮する
少女アイリスを娼館から救い出す、という命題も
彼の心の中に生まれる。

テロ行為に失敗したトラヴィスは、
その後、頭をモヒカンにして、
その娼館に繰り出し、銃撃戦の末、
アイリスを救う、というシーンがある。

このシーンが目を覆うほど強烈なのだが、
このモヒカンシーンが、ゴッソリと
幻想シーンだ、という説なのだ。

確かに、その前に初めて娼館に
行くシーンから最後、彼が通常営業を
している運転手のシーンに直結していると
考えるのはまったくおかしくない。

増して、モヒカンで
あれだけ人を殺しまくっていて、
その後、英雄とされているラストは
いくらなんでも不思議だったりする。

いずれにしても、孤独な男の妄想劇、
そう考えても、凄い映画であることは確か。

今では、ほぼ残っていないだろう
猥雑な犯罪都市ニューヨークを
目にすることが出来る傑作だ。

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2020年11月11日

2度目の映画は何故こんなに違うのか

今年は自粛することもあって、
多くの古い映画を配信や
録画済みのBlu-rayでたくさん観ている。

そんな中で、初見のモノが半分、
前に観たけれど、是非もう一度観たいモノが半分。
この前に観た映画は、
凄く良かったと思うモノもあれば
少し眠ってしまったとか、あと自分は今ひとつと
思ったけれど、評価が物凄く高い、
というようなことを確認するためだったりする。

ショーン・コネリーが亡くなった、ということで
追悼の意味も込めて、昨日は「アンタッチャブル」を
リアルタイム以来、2度目の観賞。

これは「殺しのドレス」や「キャリー」など
大好きな映画を多く撮っている
ブライアン・デ・パルマ監督の映画で、
当時はその演出方法が話題となり、
とても興奮して観た覚えがあった。

特にラスト近く、シカゴのユニオン駅での
一人のの女性が、乳母車を押して
階段を上がろうとする中での
銃撃戦が有名で、手に汗握って観たのが懐かしい。

しかし、改めて今、観てみると、
鞄を階段に置き、乳母車を一段押して、
という女性と、それを見るケヴィン・コスナーの顔の
切り返し、カット割りなどが、あまりにも
あざと過ぎて、イライラさせられる。



ここで、スローモーション、ここで顔のアップ!
というのが、あたかも効果的に見せるのが
「ほら、名人芸でしょ?」という風に
見えてしまう。

それも、この犯人を待つコスナーが
乳母車にずっと気を取られている、というのが
非常に不自然に見えてしまうのだ。

これは、僕が演出がわかっている
二度目の鑑賞だからなのか、
それとも、歳をとってしまったからなのか。

ところが、そのあと、観たのが
ウディ・アレンの「ハンナとその姉妹」。

昔はとても退屈で居眠りをしただけでなく、
細部をまったく忘れていたのだけれど、
その脚本の面白さ、続々と出てくる登場人物たちの
魅力的なこと、そしてコメディだけれど
恋の切なさや妬みからくる人間関係のもつ複雑さが
ものすごくうまく描かれていた。

多くの映画を観ていると、こういう経験は
誰にもある。

一度観たら十分、というモノもたくさんあるだろうけれど、
違う角度からもう一度観ることは、
僕にとっては結構大切なようだ。

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2020年10月26日

「鬼滅の刃」に見るヒットする映画、感動する映画

コロナになってから、多くのライブや舞台、
映画などが窮地に追い込まれている中、
まさかの大ヒット映画が話題になっている。

今さら言うのもなんだけど「鬼滅の刃」だ。

こ原作の漫画が大評判で、
テレビでアニメ放映された。
それがコロナと同時にネット配信などで
どんどん視聴者が増え、
遂には映画制作、
そして公開に漕ぎ着けたと言う。

つい先日まで、人数制限をしていたシネコンが
洋画の大作などがどんどん先送りにされているため、
多くのスクリーンでこの映画をかけた。
なんと12館あるうちの、10館が
これをかけている、という話も。

人は入らないかも知れないけれど、
ミニシアター系の映画を1、2館
入れれば?と思うのは僕だけだろうか。

ともあれ、そのどの劇場も大入り満員。
たった3日間で記録破りの結果が出たそうだ。

アニメファンならず、評判も上々らしいけれど、
テレビアニメを途中までしか観てない僕は
まだ映画鑑賞まで至っていない。


映画も、音楽も、本もそうだが、
売れたモノが非常に優れているのか、
誰しも好きになるのかは微妙なところ。

宣伝のうまさに乗って、いざ触れてみると
なんじゃこりゃ、というモノも多い。

結構ひねくれ者の僕は、
メジャー系にかかる「わかり易く、
ある意味、あざとい描かれ方」をしている
作品は、どうしてもすんなりと
受け入れられなかったりする。

ただ、それでもここまでの大ヒットとなると、
やはり人の心を掴む何かがあるのだと思う。

興行収入が歴代一位となっている
「千と千尋の神隠し」は、確かに名作だと思う。

そして、今回の「鬼滅の刃」も、メディアだけではなく
すでに観たうちのお客さんの評価も高い。

公開直前まで冷ややかだった僕の気持ちは
少しだけ動き始めた。
テレビ版を早く観終わって、
少し空きだした頃の劇場に行こうと思っている。

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2020年10月12日

映画のネタバレ、良いか、悪いか

僕は店で映画の話をしていて、話の流れを
伝えることはあっても、肝心の部分
いわゆるネタバレになるようなことは
ほぼ言わないようにしている。
それは、僕自身が基本的に知りたくないからだ。

多くの映画についてのサイトを見ると
「ネタバレあり」か「なし」ということが
非常に重要に書いてあるところを見ると
僕と同様な意見の人も多いことはわかる。

しかし、お客さんの中には
「まったく問題ない」
「むしろ、結果を知っていたほうが、
そこに向かっていく経過を楽しめる」
という人もそれなりにいたりするから、
へえ、なるほど、と思うことがある。


自粛期間中、新宿のTSUTAYAに久しぶりに行き、
まだ未見で、配信もない巨匠サタジット・レイ監督の
「大地のうた」三部作を借りてきた。

ちなみに、なんと、この新宿のTSUTAYA、来月でクローズ。
物凄く残念。でも、この配信時代、仕方がないのか。。。

閑話休題、このDVD、何とオープニングに
故・淀川長治氏の解説が付いている。
へえ、と思い、観初めてみると、なんと
物語をどんどん話しはじめ、
かなり肝心のところどころか、
ラストまですべて解説してしまうのだ。

僕は途中、嫌な予感がして、終わってから
改めて観たから良かったものの、
この編集はないだろう、そう思った。
せめて、チャプターリストを作って、
本編と淀川さんの解説は別にするべきだ。

映画は3本とも、映画史上に残る傑作と
言われるだけあって、見事なモノだっただけに
このリマスター時代に、かなり悪い画質と共に
この最初の解説があるのはとても残念だった。


これを見て、思い出したのが、もうずいぶん昔、
東京国際映画祭で、ゲイムービーの
「バード・ケージ」を上映した時のゲストが
淀川長治氏で、映画上映前の1時間の解説の中で
ラストシーンのオチまでを語り、
会場から珍しく凄いブーイングが
起こったことがあった。

淀川さんの名誉のために言っておくと、
僕は彼の映画への愛情や表現力はとても好きで
大変尊敬をしていた。
それはある意味、評論というモノを超えて、
その後、観た作品よりも彼の語り口のほうが
ずっと興奮したり、感動したこともあった。
僕が行っていた映画学校の講師でもあり、
週一度の彼の授業がどれほど楽しかったか。

しかしながら、やはり結末を知りたくない僕にとって
ビビらずにはいられなかったことは確か。

貴方は、ネタバレOK派?NG派?

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2020年10月05日

ボーイズ・イン・ザ・バンドのこと

先週末に、Netflixで、ゲイ・ムービー
「ボーイズ・イン・ザ・バンド」が配信され、
この週末、観た、という人が何人も
店に来てくれ、感想を話していた。

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これは、日本では1970年に
「真夜中のパーティ」という
タイトルで、映画として公開された
元々は舞台のオフ・ブロードウェイの戯曲が原作。
今回はそのリメイクだ。

ドラマの舞台も、1960年代後半、
多くのゲイがほぼカミングアウトなど
していなかったニューヨーク。
その隠れゲイたちが一軒のアパートに集まり、
誕生日のパーティをする。

今や日本のゲイの間でもごくごく普通になっている
いわゆる「ホムパ」だ。

基本的にはクローゼットなのに、
その話す内容は、今のゲイとさほど変わらず
ビッチで毒舌、それを超えて
心の中をえぐる会話の応酬だ。

中心となるのはアパートの住人のマイケル、
その恋人のドナルド。
オネエで口が減らないエモリー、
その友人でアフリカ系のバーナード。
昔結婚をしていたという真面目な高校教師ハンク、
そのパートナーだが、浮気性のラリー。

彼らに32歳の誕生日を祝われるのが、
ユダヤ系のハロルド。
そこにたまたま来てしまうのが
マイケルの大学時代の友人、アラン。
そして、エモリーからハロルドに
プレゼントされる売り専のカウボーイ。

この9人、昔の舞台と映画の出演者の
半分以上はゲイだったらしいが、
そのことは内輪だけにどとめられたらしい。

しかし、今回の出演者は全員
オープンリー・ゲイ。

「スター・トレック」のザカリー・クイントや
「ホワイトカラー」のマット・ボマーなど
映画やテレビで人気のスターも続々だ。

彼らは一昨年、ブロードウェイでそのまま
公演をしたキャストで、僕は観ることが出来たが、
それぞれに良さがあり、まったく違うモノに
なっていた。

観た人の意見はそれぞれ。
前の映画よりも、ずっと現代的になっていて
お洒落、そして撮りかたが素晴らしいという人もいれば、
ネガティブな罵り合いはうんざりするし、
会話の多さも疲れる、という言葉もある。

あれから50年。
演じるほうも、観客も、そしてLGBTに対して
世の中も大きく変化した中で、
この映画がどう伝わっていくんだろう。

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2020年09月26日

映画の見かたも人それぞれ

今日、来てくれたアキヒト君は
今、話題の映画「テネット」を観て来た!
とのことでやってきてくれた。

「どうだった?」と尋ねると
「う〜ん」と唸るアキヒト君。

時系列をいじったりする高密度ドラマを
作ることで有名なクリストファー・ノーラン監督。
この「テネット」も、ものすごい評判で
平日もでIMAXシアターは混んでいて、
これほど映画マニアの僕も
まだ観られていない。

もちろん、楽しみにしているし、観るまでは
まったく何も聞かないように心がけてはいるけれど、
アキヒト君以外、観た人、観た人が「難解」
「一度観ただけではわからない」
「ネットで調べて解説を読んで、初めてわかった」
などという声をたくさん耳にする。

解説を読んだり、人からネタを聞いて、
ああ、なるほど、そういう意味だったのか、
凄い!素晴らしい!!!と思うのは
人それぞれだけれど、それはそれで
どうなんだろう、そう思う。


つい最近、大好きなロバート・アルトマン監督の
「ゴスフォード・パーク」を、ものすごく
久しぶりにDVDで観た。

この映画、テレビドラマでお馴染みの
「ダウントン・アビー」よりも少しだけ
あとの時代、でもこのドラマ同様、
イギリス郊外の貴族とその使用人たちを
描いた群像劇だ。

公開当時、映画館で観て途中ウトウトして
ほぼ不完全な状態のままだったのだが、
今回、改めて見直して、20分くらいで
DVDを止めた。

アルトマン監督の映画の多くは偶像劇なので
とにかく登場人物が多い。
でも、この映画は特に、名前も含めて
誰が誰やら何が何やら、わからない。

そのまま観るのを止める、というのは
僕の中の選択肢にないので、
とにかく、そこからネットの
ウィキペディアなどをしっかり読み込み、
登場人物たちとその関係を頭に入れ、
もう一度挑んだ。

そうやって観ると、う〜ん、さすが
アルトマン。深い!面白い!!!
とは思ったモノの、これで良いのだろうか、と。

その昔「金環食」という日本映画を観た時も
そんな思いをしたことがあった。

情報を確認しないと、味わうことが
ままならないこの感じ。

少し前にもこのブログに書いたように
僕はわかり易い映画よりも、
少し捻りがある映画のほうが楽しめるタイプだ。
それでも、一生懸命観ていても
皆目わからなくなってしまう、
そして解説を読んでなるほど、と
思える映画が果たして名画なのだろうか。

まあ、どうであれ、人それぞれの
楽しみ方がある。
僕も結果的に「ゴスフォード・パーク」は
解説付きで、楽しんだワケで。

色々言いながらも、この監督の「メメント」も、
「ダンケルク」も大好きだっただけに
やっぱり気にはなるのである。
早く観に行かねば。

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2020年09月23日

コロナの2020年、映画の日々

自粛期間中、映画館にも行けず、
今まで録画した多くのDVDや配信、
レンタルも含めて、過去、観ようと
思っていた名作や話題作を
できるだけ観ようと思っていた2020年。

ぶっ飛ばしていたので、今月まで数えたら
今年はなんと300本もの映画を観たことになる。

その中の半分は、中学、高校、大学時代に観て
それっきり観ていなかったモノだったりする。
あとは、もちろん、評判が良かったけれど、
観逃していたモノだ。

自粛期間が終わっても、観るクセが付いていたから
時間短縮時期になっても、最低1日1本は観ていた。

それにしても、観ても、観ても、まだまだある
(当たり前)。
それでも、このコロナがなければ、ここまで
観ることは一生なかったのかも知れない。


色々観ていたら、自分の好きな映画の傾向が
今さらながら、よくわかる。
いわゆる「難解な映画」と言われるモノが
好きなワケないけれど、一見、ふ〜んと思いながら、
細かなところが深かったり、
観るたびに発見がある作品が好きだ。

いわゆる想像力を膨らませることが出来る映画。
この「想像力を膨らませる」ということは
映画に限らず大切で、それが作者や監督が
意図していないことでも、観客である
僕たちに課せられた喜びだと思う。

ルイス・ブニュエルという監督がいる。
この人の映画こそ、想像力がないと楽しめない。

この人、前衛とか不条理と言われているんだけれど、
話の流れはともかく、そのひとつ、ひとつの
シークエンスが、ぶっ飛び過ぎていて、
僕にはとっても面白い。

この期間「昼顔」「哀しみのトリスターナ」
「ビリディアナ」「欲望のあいまいな対象」
「ブルジョワジーの密かな愉しみ」
「自由の幻想」などを一気に観たけれど、
突然起こるおかしな出来事の連続が
何度観ても面白く、発見も多い。

また、想像力に頼るばかりではなく、
映像の美しさ、撮影の見事さが光る映画も
僕の好みの部分だ。

これまた久しぶりに観た「地獄の黙示録」や
「バリー・リンドン」「トゥモロー・ワールド」の
撮影技術は、一度観終わってから
何度も気に入ったシーンを観直したり。


そういう名画をBlu-rayやDVDの高画質で
発売し続けたクライテリオンという会社が
ここ数年、自分のところでチャンネルを持って
配信されている。
このトレイラーなどを観ながら、
嗚呼、これらが日本で観ることが出来れば、
などと考える日々。


ああ、こんなことをしていたらきりがないなあ、
そう思いながらも、また、新たな映画との出会いが。
話題の「テネット」IMAXで、早く観なければ。。。

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2020年09月09日

お勧め映画「幸せへのまわり道」

今年のアカデミー賞で主演男優賞に
ノミネートされていたトム・ハンクスの
「幸せへのまわり道」。

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いつ公開されるのだろうと思っていたら、
知らないうちに公開されていることを
友人が教えてくれて、早速観に行った。

この映画で、ハンクスが演じているのは
フレッド・ロジャースという
テレビの子供番組の司会者であり、制作者。
60年代後半から30年以上に渡って
多くの人々に愛された人物だ。

映画は彼にインタビューする
一人の雑誌記者ロイド・ボーゲルの
親子関係を描きながら、
番組の中でもフレッドが説いている
愛と許容、ということを
ロイド自身がどう受け取るか、
ということに焦点が当たる。


このブログでもよく書いているように、
僕自身、この年齢になって、
自分の人生のモチーフ
(少し大袈裟、でも真面目に)は、
いかに人を許すことが出来るか、
ということだったりする。

こういうことを口にしたりすると、
このいい格好しい、だとか偽善者、
吐き気を催す、というような人がいる
ということもよく理解している。

人はみんな違うので、そのあたりは
気が弱かった僕が、
昔気にしたようには今は気にしない。
人は人、自分が目指すところに
向かって歩けば良いのだ。

これくらい生きてくると、開き直るワケじゃ
ないけれど、いかに自分は愚かで
ダメダメだと、よくわかっている。
いくら直そうと努力しても、
それでもこぼれ落ちてしまう
ダメなところを、人に許してもらうしかない、
そう思うことも多い。
甘えと言われることだって大いにあるけれど。

と同時に、世の中への怒り、他人の過ちなどを
自分の尺度ではなく、相手の言い分に耳を傾け
それを受け入れられずとも、いかに許すか
ということを、少しずつ命題とするようになったのだ。
これまた、なかなか、そう、うまくは行かないけれど(笑)


そういう僕自身のテーマに、この映画は
改めて道を開いてくれようとする。

あまりにも酷い父親に育てられた
記者のロイドは、その父親には
嫌悪、憎悪しかない。
彼に辛く当たることがわかっているから、
とにかく距離を置こうとする。
しかし、父は謝罪と共に、再び
ロイドに受け入れられようとする。

フレッドが何をどう伝えても、
ロイドは取材を投げ出すほど不快にもなる。

しかし、憎悪は憎悪しか生まず、
自分を貶めていってしまうことを
ロイドも理解はしているからこそ
葛藤があるのだ。


長くなってしまったけれど、これを観て
Amazon Primeで
このロジャーズを描いたドキュメンタリー
「ミスター・ロジャーズの
ご近所さんになろう」というも観た。

Unknown-2.jpeg

この映画はさらに何故、
実際のフレッドがこういう生き方をしたか、
それを伝え続けたかったかが描かれている。

興味がある人には、おそらく必見である。

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2020年08月20日

コロナ禍での撮影

昨日は、役者の友人のことを書いたけれど、
親しくしていて映画を撮っている
今泉監督が来てくれた。

彼は去年から新作の撮影中で
2丁目のあるお店を使っており、
その合間を縫って覗いてくれた。

この時期に撮影?
大変じゃないのか尋ねてみると、
本人いわく、大変も大変。
撮影になっていないとのこと。

そもそも、ドイツやオーストラリア、
香港、インドネシアなどから
役者を呼ぶ予定だったのだと言う。
しかし、このコロナですべてアウト。

おまけにカメラマンや助監督もダメ。

それでは、どうやって撮影しているかと言うと、
彼が自分を自分で撮りながら、
ひとりで演技をしているのだ、と。
いわゆるひとり芝居だそうだ。

そもそも、今泉監督は、必ず
自分の映画には主演しているので
それは何とか撮れるだろうけれど、
ピントや画角など、何度も一人で
テストしながら撮る、という
気が遠くなりそうな作業だと言う。


また、彼の映画で欠かせないのが
ゲイのセックスシーン。
こういう中で、そんなシーンが
いつ撮ることが出来るか、わからないけれど、
知り合いのお医者さんに
「セックスでコロナウィルスは感染るのか」
監督自ら、聞いてみたのだそうだ。

お医者さんが言うには、
どちらかが感染していた場合、
キスは100%感染るだろう、とのこと。
飛沫感染よりも近いのだから、
そりゃそうだろう。

それを思えば、世界中の
多くの恋愛映画やドラマの
キスシーンは、よほど両人が
PCR検査をしていなければ
撮影できない、ということなのだろう。


何はともあれ、色々考えることばかりで
頭が痛い、そう言いながらも、
現場に戻った行く監督だった。

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2020年08月17日

巨根伝説 美しき謎

昨夜は、映画好きなサチオが貸してくれた
日本初のゲイ映画(と言うよりも、
ゲイ専門映画館などにかかっていた
最初の薔薇族映画と言ったほうが
良いかも知れない。)の話になった。

サチオは、アメリカから宅配便で
"Beautiful Mystery"というタイトルで
購買したと言っていて、借りて観てみると
なんと「巨根伝説 美しき謎」だった!!

Unknown-4.jpeg


「なんと〜だった!!」というのは、
実は僕が前いたビデオ会社で、この映画の
中村幻児監督、そして脚本を書いた
望月六郎監督らと知り合ったこともあり、
当社でビデオリリースした、ということを
思い出したのだ。

上は当時の映画館でのポスターのようだが、
下が当社で出した時のビデオ・パッケージだった。

img598.jpg

しかし、当時、僕は完璧にクローゼットであり、
どうしても観ることが出来ずに、
なんと今日まで来ていたのだ。

ただし、この映画に出演している長友達也という
俳優は当時、ゲイの間でも話題で
その前後に映画館で上映された
「薔薇と海と太陽と」という映画は
当時の新宿東映パラス(現在のバルト9が
入っているマルイのあたり)で観た覚えがあった。
調べてみると、彼も、もう67歳となっている。

そう。資料によると、「巨根伝説」よりも
この「薔薇と海と〜」のほうが1年早く、
それも「白い牡鹿たち」と「薔薇の星座」との
3本立てだったらしいので、実質的には
こちらのほうが最初の薔薇族映画だったのかも。

「巨根〜」はENKという大阪のピンク映画会社。
その会社で作られた初の、という意味だったのかも。


さて、この映画、なんと三島由紀夫と楯の会の
パロディで、それも三島ではなく三谷麻紀男を
去年亡くなった大杉漣氏が演じている。

「左翼は思想だ。右翼は心情だ。」と言いながら、
日の丸の前で、日本刀でお互いの腕から
流れる血をすすりあいながら、六尺で
まさぐり合う、という流れ。

Unknown-5.jpeg

「自分はゲイボーイじゃありません!」という
入隊したばかりの青年に、
「化粧とは、闘いに挑む男たちの心意気だ」
というような檄を飛ばしたりする(笑)

これ、右派の人たちが観ると、どう感じるんだろう。

以下、ネタバレになってしまうけれど、
(観ようと思う人は読まないで)





結果的に、自決の日に、二人の隊員は
寝坊をしてしまい、その2年後、
2丁目で女装をしている、という結末。。。

自分を受け入れた、ということはともかく、
女装になっている、というのが、
いかにも当時の日本らしいと、
笑っていいももやら、という気持ちで観た。

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2020年08月03日

過去映画への旅

つい先日、「パブリック 図書館の奇跡」
という映画を観て、久しぶりに図書館に
行きたくなった。

映画はなかなか面白く、良く出来ていたけれど、
今日はこの映画の話ではなくて、
過去の映画の話。
って、また映画かよ、って言わんといて(笑)

と言うのは、古い新聞を読もうと、
自分の40代、30代、20代に起こった
大きな事件などに目を通してみた。
そこに当時の映画の広告が出ている。

お!これは、と、僕がどの頃に
映画に目覚め、観に行ったのか、と
さらに古い新聞を見ようと試みた。

しかし、僕が生まれ育ったのは大阪で
多くの新聞の大阪版は、大阪の図書館
もしくは国会図書館でしか見ることが出来ない。
そしてなんと国会図書館、今は予約制。

東京だけ、に絞ってみても
僕の子供の頃の新聞となると
かなり図書館が限られてきてしまう。
結局、自宅近くの図書館から
50年ほどは館内のネットで見られる、
という図書館を探して、えっちらおっちら
行ってみた。


そこで見つけたのが、僕が愛すべき
「サウンド・オブ・ミュージック」を
両親に連れてもらったのが、
12歳の6月から7月にかけて、
ということだった。

Unknown-2.jpeg
(これが当時のパンフレット)


それまでも、幼少時から小学生の頃は
ディズニー映画やミュージカル映画
「ドリトル先生、不思議な旅」や
「オリバー!」などには、
両親に連れて行ってもらっていた。

しかし、この「サウンド・オブ・ミュージック」が
きっかけとなって、何度も友人を連れて行き、
そのあと多くの映画通いに繋がっていったのだ。

それまでは漫画家になろうと思っていたのが、
中学校に入り、どんどん映画にのめり込んだワケだ。

中学生ということで最初は
「小さな恋のメロディ」あたりからだったのが、
「おもいでの夏」「個人教授」という
ちょっとエロチックなモノ、
そして「ダーティ・ハリー」「ウイラード」など
アクションやホラーにも広がっていく。

この時期、何をどの映画館で観たか、
というのはかなり覚えているほうだが、
その9割以上の映画館(ひょっとすると100%?)は
もう大阪には残っておらず、
ネットでもそんな昔の写真や情報も乏しく、
そういう意味では、図書館というのは
うって付けだったのだ。

いつか、両親の墓参りの時にでも
大阪の図書館で、詳しく調べてみたい。
コロナ渦の中で、これくらいしか
楽しみがない(笑)

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2020年07月29日

まさか今さらの「愛と憎しみの伝説」

何人かのお客さんたちから、僕が
フェイ・ダナウェイ主演の "Mammie Dearest"
(邦題『愛と憎しみの伝説』)を
観たことがない、と言ったら
すぐにでも観るべき、と言われ続けていた。

Unknown-1.jpeg

特に急いで観なくても、という
僕が放置していた理由は
第2回のラジーショウ
(アカデミー賞の真逆の史上最低の映画賞)の
作品賞、女優賞など5つも取っている
ということだった。
それが原因だったのか、どうか
日本では劇場未公開。

しかし、DVDが安く発売されていて
昨日、初めて観てみたら、これが凄い作品。

言ってしまえば、ゲイ好きな日本映画「疑惑」や
「吉原炎上」「卍」などに匹敵する
女の闘い(と言っても、この映画は母娘)を
これでもか、と、とことん描いた映画。

そして、これを読まれている中でも、何を
今さら?と思われるほど、アメリカの
ゲイシーンでは有名で、ドラッグショウの
ネタになったりもしているようだ。


映画は、実在した大女優ジョーン・クロフォード
(『何がジェーンに起こったか』
『ミルドレッド・ピアース』などが有名)の
破天荒な人生を描いているが、
中心になっているのは、養女にとった
娘、クリスティーナとの関係。

ジェーンが子供が欲しくて、養子に
次々にとったのは有名な話だが、
その長女をいかに虐待していたか、
というのがあらゆるシーンで露呈していく。

最初は猫可愛がりだったジェーンだが、
もともと潔癖症であり、自分が大女優だと
自負している彼女が、娘からバカにされている、
反抗的、などという妄想からの虐待。

以下、少しネタバレ。



鏡の前で女優の真似をする娘の髪を
刈り込んだり、スタジオ解雇の腹いせに
庭中の花を切り刻み、斧で木を倒し、
怒鳴り散らした上、平手打ちは当たり前。

自分の買った高級なドレスを
クリーニング店の針金のハンガーに
かけていたことに爆発的に怒るシーンは、
歴史に残る怪演で、あらゆるシチュエーションで
よく真似されているらしい。


彼女の激しい気性については、
テレビドラマ「フュード」でも
克明に描かれていた。
これは、映画「何がジェーンに起こったか」で
共演したベティ・デイヴィスとの確執を
ライアン・マーフィがプロデュースした作品。

フェイ・ダナウェイの演技がそこまで
酷いとも思えず(僕個人はオスカーでも
おかしくないと思う。)、
これが何故、ラジー賞なのか、
首を傾げるところ。

この80年当時、虐待をこういう形で
描いている、ということが世間から
そっぽを剥かれた、という話もある。

いずれにしても、ゲイなら一度は!
店に来てくれて声をかけてくれたら
DVDをお貸しします(笑)

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2020年07月10日

宮崎駿ラブ

まだ、30歳になったばかりの
リョウスケが、このコロナ渦で
劇場上映しているジブリの、と言うか
宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」
「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」を
観てきた、と興奮していた。

彼は子供の頃に、「となりのトトロ」を
ビデオで何十回も観て、中学に入る頃から
宮崎アニメをやっぱり映画館で、
そしてビデオでも気が狂うほど(本人談)観たようだ。
数年後に公開されるはずの新作
「君たちはどう生きるか」も
楽しみで仕方がないと言っている。

かく言う僕も、ディズニーアニメと共に
彼が関わった「わんわん忠臣蔵」や
「太陽の王子ホルスの冒険」を経て、
「ルパン三世 カリオストロの城」からの
彼の映画はすべて劇場で観ている。

とは言っても、どれも一度きりで
つい数日前、「もののけ姫」を
僕も改めて劇場で観た。
その絵の美しさの奥に潜む
差別、憎悪、戦意高揚、自然破壊など
他のアニメにも根強く入っているテーマを
これでもか、と見せてくれる
その手腕に唸らされる。

リョウスケは、宮崎氏の影響を受け、
反戦や自然破壊への脅威に向けて
20代の頃から絵を描き始めたのだそうだ。
今さらながら、こういう若い人たちに
宮崎氏の影響力は凄いと思う。


余談だけれど、僕はショタ(幼児性愛者)の
傾向など特にないのだが、
「もののけ姫」のアシタカや、ホルス、
ラピュタなど、宮崎アニメの中で動く
男のコを見るとドキドキしてしまう。

一瞬、アシタカが六尺姿で
湖から上がってくるシーンがあるのだが
そこで「おおっ」と喜んでいる自分がいる。

激しい性的欲望という感じではないけれど、
こういう感情は、幼い頃は、さらに強かったような
気もする。

ナウシカの飛翔シーンで、
ヒラヒラとなびくスカートの中が
チラリと見えると萌える、という
人たちが多くいる、と聞くと
一部のストレートもゲイも
変わらないのかも知れない。

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2020年07月06日

お勧め映画「カセットテープ・ダイアリーズ」

僕が大学生の頃、高円寺に「きいぼおど」という
ロック喫茶があった。
その隣にあった「洋燈舎」と共に、
本当によく通ったものだ。

その「きいぼおど」で聴いたロックは数々あるけれど、
とにかく衝撃を受けたのが、
ブルース・スプリングスティーンの
アルバム"Born to Run"だった。

それから何十年も、彼の音楽が
僕のナンバーワンであることは
このブログにもたびたび書いている。

そして、そのスプリングスティーンを追い続け、
賛美した一人の少年の映画がこれだ。

blindedbythelight.jpg

時代は1980年代のイギリスの田舎町。
パキスタンからの移民として育てられた
ジェベドは、人種差別によって
酷いいじめにあっている。
そんな彼に一人の友人が
教えてくれたのが
ブルース・スプリングスティーンだった。

映画は、ブルースの様々な楽曲に彩られ、
その歌詞があらゆる形で表現され、
その演出もワクワクさせられるが、
彼の楽曲を知らない人たちも
十分魅了される青春映画になっている。

僕自身がブルースの楽曲によって
大きく影響を受けたように、このジャベドも
強く揺り動かされ、若くして人生の岐路を
乗り越えていく部分は胸が熱くなる。

驚くのは、これが実話だったということだ。
ジャベドの思いは、やがて
ブルース自身にも伝わり、
ものすごい数、ブルースのライブにも行き、
会うことも出来たのだった。

人種差別という壁を乗り越えていく
ジャベドの姿は、ゲイである僕が自分自身を
見帰すことが出来たのも、ブルースの
おかげかも知れない。

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2020年06月22日

今週のお勧めゲイ映画「ペイン・アンド・グローリー」

画面の隅から隅までヴィヴィッドな色使い。
登場人物たちの破天荒な言動。
そして、驚くばかりのドラマ展開。

常にそんな趣向を凝らした映画を
作り続けているペドロ・アルモドヴァル監督。

僕が彼の作品に初めて遭遇したのが、
ゲイムービー「欲望の法則」
その後作られた「バッド・エデュケーション」に続き、
この監督の自伝的要素を含んだ三部作の
最終作が、先週から公開された
「ペイン・アンド・グローリー」だ。

Unknown-5.jpeg


映画は、身体中をむしばむ多くの病気と
闘い続けて、新作を撮ることが出来ない
一人の映画監督サルバドールが主人公だ。

30年以上前に彼が撮った作品が
再公開され、講演を頼まれることから、
かつて仲違いした主演俳優と再会する。

彼が主演する舞台を観に来ていたのが
サルバドールの元ボーイフレンド。
何十年ぶりかの逢瀬。

また、偶然ギャラリーで目にした
少年の絵。
これは、まさにサルバドールが少年時代に
自宅の壁塗りで雇われた青年が、
描いてくれた絵だった。
その青年こそ、サルバドールの初恋だった。

そしてかつて気丈で、美しかった母が
年をとり、弱々しくなっている。

そんなエピソードのひとつ、ひとつが
どこかで繋がり、サルバドールの人生を、
彼のキャラクターを浮き彫りにしてくれる。

サルバドールは、アルモドヴァル映画には
何度も登場するアントニオ・バンデラス。
ハリウッド・アクションで
イケメン、ラテン系役者の代表だった彼も
もうすっかり年配俳優の仲間入り。
しかし、その存在感はすごい。

ちょっとおこがましいけれど、この映画を
観ながら、ついついあらゆるシーンで
僕自身、自分の過去と対面していた。
初恋や恋愛、そして友情と母との関係を。

比較的ドタバタとしたコメディ色が
強かったこの監督だったけれど、
淡く、デリケート、かつ輝かしい日々を
アルモドヴァル版「8 1/2」とも
言うべく傑作を作り上げた。

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2020年06月19日

高倉健の魅力

昨日、ヤマトちゃんと映画の話をしていて、
彼は自粛期間中、高倉健の任侠モノを
ずいぶん観た、と言っていた。

ちょっと若い高倉健。
かっこ良かったです、とヤマトちゃん。

僕は僕で、つい最近、山田洋次監督の
「幸福の黄色いハンカチ」を久しぶりに、
そして「遥かなる山の呼び声」を初めて
観たことを話した。
どちらかと言うと、中期から
後期にかけた高倉健の熟年時代だ。

正直、僕は若い頃、高倉健、ただのおっさん
(ホント失礼)としか思えず、
あの鋭い眼光、というのも、セクシーには
まったく感じられなかったのだ。

しかし。
今回、改めて観ると、いやあ、ホントに
「男」をここまで感じさせる
役者がいただろうか。
下世話だけれど、
あのピンと伸びた背筋や
ガッツリと鍛え上げられた身体、
そして太い眉、時には強く、
時には優しい瞳、そしてきりっと閉じた唇、
すべてがエロチックなのだ。

「幸福の〜」は、多くの映画賞を受賞し、
彼と武田鉄矢、桃井かおりの3人の
コンビネーションによるロード・ムービーは
今観ても、細かい部分まで
山田監督の演出は素晴らしい。
もちろん、健さんの存在も。

しかし「遥かなる〜」は、
映画自体は想像した以上でも以下でもない
出来ではあったものの、これは健さんの魅力全開。
農家で上半身を脱いで働くシーン、
激しく駆けゆく馬を乗りこなすシーンなど
まるで、高倉健のビジュアル・グラビアだ。

増して「幸福〜」は46歳、「遥かなる〜」は49歳。
あの年齢でこの肉体。
そう言えば同時期に放映されていた
テレビドラマ「あにき」でも、
あの均整の取れた体には驚いた。

Unknown-4.jpeg


彼が亡くなった時にも、ここに書いたけれど、
健さんは、僕らゲイの間で
(たぶん、一部のストレートの人たちの間でも)
ゲイ説が根強くあった。

一度、写真誌に若い青年と一緒に
自宅に入るところを撮影された写真が
掲載されたりもしたし、
ゲイバーで出会ったとある人が
「奥さんだった江利チエミさんが、
麻雀をしながら、今日も男のところなの」と
呟いていた、という話も耳にしたことがある。

しかし、多くの話は、
どれも決定的でなことでもなく、
ある意味、どうでも良いことだ。

と言うか、仮りに彼がゲイであったとしても、
墓場まで持っていきたい、と思うそのことを
他人がどうこう、言うことではない。

それでも、ゲイから見て、
あそこまで完璧なる「男」像を造りあげた
一人の俳優の姿には、胸を打たれる。
それがあくまでも「役者」としての
表現であるとしても、素晴らしい。

まだ、まだ彼の観ていない映画は多くあり、
これからそれらの健さんに触れられることが出来る、
というのは、楽しみでもあり、嬉しいことだ。

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2020年06月11日

本日の映画「宮本から君へ」

一昨日、巨匠木下恵介監督の最高傑作と言われる
「永遠の人」を初めて目にして、その愛憎の深さと
表現力に痺れた。

これはまた是非、ここで紹介したいけれど、
今日はその翌日(つまり昨日)観た
「宮本から君へ」。

Unknown-2.jpeg

これはテレ東系で放映されていたドラマ
(原作は新井英樹氏による漫画)の
後日談としての映画だ。

テレビドラマの映画化というのは、
基本的にはあまり進んで観たい、と
思わないのだけれど、この映画は
去年の公開作の中で抜群の評価だった。

今年の正月過ぎに名画座で観ようと思い、
その直前にドラマを一気見した。
このドラマの監督の真理子哲也氏は前に
「ディストラクション・ベイビーズ」が
あまりにも激し過ぎて、
僕にはちょっとトゥーマッチだった。

このテレビドラマも同様、
やはり大声で怒鳴り散らし、
胸ぐらを掴んだりするシーンも多く、
やっぱりヘビーだった。
ただ、主演の池松壮亮が魅力的で
結局最後まで観てしまった。

しかし観終わった時には、名画座で終わり、
それからコロナ問題が始まってしまった。

そっか。いつか配信で流れたら、と
思っていたのと、あれくらいのテンションで
また映画館で観るよりも、
配信のほうが、精神的にも良いか、
なんて、考えていたら、映画館再開。

なんと店のすぐ近くの劇場(テアトル新宿)で
昼間のみ上映していることを知り、駆けつけたのだ。


前置きがすっかり長くなったけれど、
映画もテレビとたがわず、いやそれ以上に
暑苦しく、過激、おまけにテレビ放送では
無理なほどのバイオレンスシーンが盛り込まれ、
途中、いや、これは無理、
そう何度も思った。

映画は、テレビドラマの後半で知り合った
蒼井優との熱い恋愛を軸に
彼女の前の男、そしてひょんなことから
知り合う社会人ラグビーをやっている親子
(父がピエール瀧)などを
中心に、激しい愛憎劇が繰り広げられる。

余談だけれど、ピエール瀧出演している
という理由で、文化庁が出す予定だった
助成金をとり下げた、という酷い話も
この映画の逸話として聞いていた。


池松君も凄いけれど、蒼井優も負けてられない。
掴みかかり、殴り、汚い言葉を吐き捨てる。
観ながら、ついつい優ちゃんが実生活で
夫になったばかりの山里氏の顔が
思い浮かんだりもする。

そんな猛烈なシーンの重なりが、
いよいよ、クライマックスを迎える。
この映画の中で最も辛く、キツく、
観ているこちらの全身が硬直し、
最も疲れてしまう場面だ。

くたくたになり、もうやめてくれと
こちらは心の中で叫びながら、
手に汗握り、心臓をバクバクしたあと、
最後の池松君の顔のアップに
おいおいと嗚咽したくなるほど
泣けてくる。

自分でもうまく説明出来ない
感情の揺さぶられかた。
3Dよりも、4DXよりも身体に、
そして心にズシズシッと響いてくる。

ある意味、とても好きになれない、
もう二度と観ることもないだろうと思う。
それでも、半日経ち、一日経った今、
この映画のありとあらゆるシーンが蘇る。
何故なのか。

クレジットタイトルを観ながら、
宮本演じた池松を、蒼井優を、
そして映画を抱きしめたくなる。
本当に、本当に、不思議である。

今から60年も前に作られた
「永遠の人」のあまりの衝撃に打ちのめされ、
これが傑作だということは間違いない、
そう思ったけれど、この「宮本から君へ」は
日本の恋愛映画史上に残る傑作だ、
そう思う。
すべての人には勧められないけれど、
これを読んで興味があれば、是非。

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