2021年06月09日

お薦め映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」

コロナ禍、世界中で様々な問題が
起こっている中で、長くクローズアップ
されているのが、香港問題だ。

ミャンマーや、チベットもそうだが、
あれだけの経済大国になりながら、
それでも恐怖政治を続ける中国。
そこでIT長者の若い世代は、
政治に対して黙さなければならない
という事実を僕ら日本人は、
どういう風に受け止めていけばいいんだろうか。


そんな中で、香港のデニス・ホーという
44歳になる一人の女性が
どう生きてきたか、という
ドキュメンタリーが公開されている。

Unknown-5.jpeg

彼女は、歌手として自立し、どんどん
名声を確保していく中、
自分はレズビアンであることを公言し、
その上で大きな香港問題と対峙して、
民主活動家になるまでが描かれている。

僕はここまでスーパースターと
なっていた彼女の存在は知らなかったけれど、
ドームクラスの客席を満杯にするほどの
実力があったアーティスト。

当初、彼女はただ、歌が好きで
自分が大好きな歌手に夢を託していたのが、
まさかのビッグなスターへと転身していく。

このあとの同性愛カミングアウトや、
中国政府に対して拳をあげる彼女を
観ながら、多くのアメリカ人や、
諸外国の行動を起こすアーティストを
色々と思い浮かべる。

とても大きな影響力を持つ彼らだからこそ、
声をあげなければ、と発言する有名人だが、
日本ではほとんど見ることはない。

おそらく、大手の広告代理店やスポンサー、
そして事務所の軋轢、というモノが
そうさせているのだろうか。

下手すると、命まで奪われかねない
この香港問題で、自由と民主主義のみならず、
自分の生き方を問うている彼女の姿には
強く胸を打たれた。

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2021年05月30日

お勧め映画「アメリカン・ユートピア」

デヴィッド・バーンはトーキング・ヘッズという
グループ活動を経て、ソロでも多くの
アルバムを出しているアーティストだ。

僕はこの素敵なアーティストが大好きで、
彼のライブは東京でも、ニューヨークでも
観ているけれど、一昨年からブロードウェイで
パフォーマンスが「アメリカン・ユートピア」だ。

きめ細かく演出されたと言われる
ライブ舞台も好評だったけれど、
それが映画として撮影されたのがこれだ。

Unknown-12.jpeg

スパイク・リーの演出も、
高い評価を受けていたことで
本当に楽しみにしていた。

そして、渋谷の土曜日の夜、体験したこの映画。
これが想像を遥かに超える
上出来のパフォーマンスだった。

昔から身体をくねらせながら、
力強く歌いあげるエロチックなバーンだが、
そのバックを支えるのが11人の
多国籍なバンドメンバー。

キーボード、ギタリスト、
パーカッション奏者にコーラス。

特にあらゆるパーカッショニストがいるのは、
それぞれがアンプやケーブル、マイクスタンドなどを
排除し、ハーネスに楽器をぶら下げて、
全員が動き、踊り、歌いあげていく。
まるで、ハイエナのように、
もしくは虫のように(笑)

その見事なまでのパフォーマンスのみならず、
曲ごとに変化するライティングの妙、
シンプルかつ効果的な美術構成、
そして一曲一曲に込められた強いメッセージが凄い。

そこには移民や黒人、女性、そしてLGBT
あらゆる差別を含めた、今、アメリカが
抱えている危機的状況。

それを決して諦めることではなく、
我々の手で変えていこうと、
バーンは観客に投げかける。
そして、その解決には「繋がっていくこと」
しかないのだ、と。

楽曲"Everyday is A Miracle"の歌詞が
素晴らしい。
そこには、世の中には驚くような奇妙で面白いことが
どんどん起こり、何が普通で
何が普通じゃないか、何も
確定しないけれど、そのすべてが奇跡なのだ、と。

歌詞のすべては日本語字幕で翻訳されるから、
英語がまったく完璧ではない僕にも
しっかりと言葉が溶け込んでくる。

70歳を迎えようとしているバーンの
あまりにも若々しいエネルギーに
勇気と希望を与えられ、
その表現力に心を鷲掴みにされる。

このコロナ禍だからこそ、
ずっしりと響くこのライブ。
この秋から来年初頭にかけて、
改めて開かれるブロードウェイで再演されるようだ。

その時に、コロナがどうなっているか。
日本からあちらに行けるか。
是非とも、この目で確認したい。
心も身体も打ち震える映像体験だった。

彼のファンならずとも是非。

そう。何十年も前、彼のライブを観に行ったその日に
色々なゲイ的な事件が起こったけれど、それは
明日のブログとかで、また。

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2021年05月29日

休業要請、そして「悪い奴ほどよく眠る」

予想されたように、緊急事態宣言が
再々延長され、アルコール提供業者に
休業要請がまた出されたので、
まずはそのお知らせから。

このHPのトップにも載せますが、
今月に引き続き、来月20日まで
休業することにいたしましたので、
何卒、よろしくお願いします。

ふ〜む・・・
人生で、これほど働いていないことが続くのは
ほぼ初めてかも。


まあ、それはさておき。
昨日は黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」を観た。

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僕が大学生の時に、国立フィルムセンターで
黒澤明の映画をすべて上映することになり、
(とは言っていても、当時まだ黒澤さんは
健在であり、彼が当時作っていた作品の前まで、
という意味だ)
毎日、学校とアルバイトのあみまを縫って
通い詰めた。
あまりにもくたくたで、途中寝てしまった
映画もそこそこあり、その中で
ほとんど覚えていなかったのが
「悪い奴ほどよく眠る」だった。

そういうワケで、今回初見のつもりで
観たのだけれど、さすがに黒澤映画!
エンターテインメントに徹していながらも、
あまりにも渋く、重厚な出来だった。


映画は、日本未利用の土地開発公団の副総裁、
その娘(香川京子)と、三船敏郎演じる
副総裁の秘書、西との結婚式から始まる。

あまりにも多くの記者が
そこに集っていたのは、
華々しい式を記事にするためではなく、
その公社の社員が汚職で逮捕された、
ということからだった。

この結婚式の記者たちの会話や、
その後の公社関係者の言葉から
昔、公団絡みの不正事件から
課長補佐が自殺したということや、
今回の汚職も幹部も関係している、
ということがわかってくる。


このオープニングで、人間関係の複雑さや、
話の面倒臭さを思うけれど、それは一瞬で
このあと、物語は雪崩のように
面白く展開し、クライマックスには
驚くような仕掛けが隠されている。

他の多くの黒澤作品とは
またひと味もふた味も違う三船敏郎が
人間の高潔なところと、残忍で汚れた部分を
見事に使い分けていて、
まだ 40歳にもなっていないとは
思えないほどの深い演技には興奮させられる。

そして、まるで北欧の名監督ベルイマンかと
思わせるような陰影があるモノクロームの映像、
この黒澤の演出の手腕には鳥肌が立つ。

また、この映画から今現在の
日本の状況さえ、深く考えさせられることも多くある。

さあ、もう一度、改めて黒澤作品を
しっかりと見直さなければ。
そう思わされた一作。

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2021年05月24日

映画「レニー・ブルース」について

高校生の頃に観て以来、
ものすごく久しぶりにU-NEXTで
「レニー・ブルース」を観た。

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レニー・ブルースとは、1960年代に実在した
スタンダップ・コメディアン。
それをまだ若きダスティン・ホフマンが
見事に演じている。

レニーは、当時自分も出演していた舞台で
ストリップをしていた女性に恋をし、結婚をする。
日本でも僕が若い頃、ストリップの前に漫談が
あったりして、そこに今をときめく
ビートたけしなどが出たりしていたけれど、
今はどうなんだろうか。

公開当時、僕はホフマンの演技の凄さに
ただ、ただ圧倒されたのだけど、
今回改めて観てみると、この映画の
メッセージは実に深い。

彼は漫談の中で、黒人や女性、
同性愛蔑視する言葉をどんどん使いながら、
社会風刺をし、本当の差別とは、卑猥とは
どういういことなのかを笑いに変えていく。
それが観客にどっと受けるのだ。

しかし当然、それは警察の目に付けられ、
彼は何度も逮捕されてしまう。

出所したあと、彼がどのように
その言葉の毒を毒と見せず、
どのように、観客に想像力を持たせて
笑わせていったか、は本当に見もの。

そして、終盤の裁判のシーンの過激さは
ホフマン歴史に残る名演だ。


監督はボブ・フォッシー。
少し古めのミュージカル・ファンであれば
振付師、としてもよく知られており、
映画監督としても「オール・ザット・ジャズ」で
カンヌの最高賞パルム・ドールを取った人としても有名だ。

その作風、捉えかたから、ゲイじゃないか、
と思われる人も少なくないと思うけれど、
どちらかと言うと女好きで、
なおかつ名女優グウェン・バードンとの
嵐のような結婚生活は
テレビドラマ「フォッシー&バードン」で
描かれていた。

そのドラマの中でも、かなり奔放でオリジナリティを
いかに追求していくか、というフォッシーが
描かれていたが、まさにこの「レニー〜」でも
彼の心情が生かされている。


最後に、ひと言。
僕がリアルタイムで観た際に、クライマックスで
少しホフマンの股間が
ほんのちらりと見えるシーンがあった。
それも、かなり重要なシーンで。
しかし、そこには大きなボカシが入っていたのだ。
まるで、レニーを捕まえて行った検閲のごとく。
これを、レニーが生きていたら、
このような形なら、日本で公開するな、と怒っただろう。
若い僕もそう思った。

しかし、時代は変わった。
今回のU-NEXT版では、
しっかりとそのシーンは挿入されている。
ボカシを取ってみれば、え?この程度?
というほどだったけれど(笑)

機会があれば、是非。

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2021年05月19日

故 田村正和氏と初出演映画「永遠の人」のこと

昨日、俳優の田村正和さんの訃報が流れた。
あまりテレビを観ていない僕でも
「刑事コロンボ」のアイデアを引用した
「古畑任三郎シリーズ」は、ほぼすべて観た。

ゲイ的には「ニューヨーク恋物語」というのが
評判になっていたようだけれど、僕はこれは未見。

今回の訃報で、彼はスタッフ以外の人と会うのが
嫌で、舞台はもちろん、映画にも1980年代以降、
ほとんど出なかったと言う。
凄いのは、同じ敷地内で暮らしている家族とも
一緒に食事をするのは、年に一度。
それは、彼のお父さんだった阪東妻三郎も
同様だったらしい。

そんなワケで、彼が出た映画を思い浮かべてみると、
去年、初めて観た木下恵介監督の「永遠の人」
(これがまさに田村氏の初出演だったらしいが)
一本だけだった。

彼の出番は少ないけれど、映画としては
驚くべきドラマ性と演出力で
おそらく木下作品の中でも
「女の園」と同列に並ぶ
最高傑作と言って良いと思う。

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この映画の舞台は昭和七年。
高峰秀子扮するさだ子は、
佐田啓二演じる隆という恋人がいながら、
仲代達也の平兵衛にレイプを受け、
彼の妻にさせられる。

その二人の間にできた長男の役が
田村氏で、映画では中学生から
高校生を不器用ながら演じる。

彼の芝居はともかく、映画はさだ子の
平兵衛に対する憎しみと苦しみ、
そして隆への永遠の想いを
これでもか、と描く。

1961年に作られた古臭い映画と
思いきや、ところどころでフラメンコが流れ、
モノクロームで見せられる阿蘇の風景が
あまりにも美しく、いちいち震え上がった。


田村さんのご冥福をお祈りします。

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2021年05月17日

ネットで見つけた名画の数々

ついこの前、自分で録画したきた
DVD、Blu-rayについて書いた。
その中には、映画好きな人であれば
うわっ!何故こんなモノが!?と
いう代物もそこそこあったりする。

ここ何十年も衛星放送やCSなど、
なかなか観られない古い映画などを
出来るだけチェックしているけれど、
それでも権利や放映期間の問題で
なかなか観ることが出来ない映画も多い。

増して、いくら評価が高くても、
今の若い人から名前も聞いたことがない!
と思われるような映画は
どんどん葬られていってしまう。

そんなところに登場したのが
ネット配信だった。

vod-matome-202011-top.jpg

多くの配信サイトにどんな映画が入っているか
チェックするのは楽しいけれど、
本当にキリがない。

独自の製作で水準の高さを持つNetflix、
そして幅広く新作、
旧作をかかえるAmazon Prime、
エンターテインメントに徹しているHulu、dTV、
海外のドラマ(BLなども含めて)が
強いRakuten TVや、TSUTAYA、
その他、テレビ局系のモノは、
やはりテレビドラマが山ほどある。

多くのサイトが月額料金が1000円以下から
映画1本の値段よりも安かったりする。

そんな中、他よりも少しだけ高い(と言っても
月2額2189円)U-NEXTに、
かなりの掘り出しモノが
あると聞いて、観てみると確かに凄い。

これを読んでいるほとんどの人が
あまり関心がなかったり、
聞いたこともないだろうけれど、
僕が震えた映画を並べてみると・・・

アカデミー賞にノミネートされて公開されなかった
「テンダー・マーシー」や、ゲイと噂されていた
ダーク・ボガートの「できごと」、
コスタ・ガブラスの「シシリーの黒い霧」
ずっと観たかったポーランドの「夜の第三部分」
映画祭でしか観られなかったキム・ギドクの「受取人不明」
ボブ・フォッシーの「レニー・ブルース」や「スター80」

何十年も通った名画座やら、テレビでは
とんと観ることが出来なかったモノがここにある。

つい、鬱々となるコロナ禍で
僕にとっては嬉しい出来事だ。

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2021年05月03日

映画の観かた、人それぞれ

数日前、友人宅に招かれて
巨大プロジェクターで3人で
映画を観ることになった。

僕ともう一人はソファに座って
足を投げ出したり、
寝転んだりして観ていたのだが、
家主の友人は2時間強、
ずっと立って観ていた。

彼いわく、ライトコメディや、
軽いアニメなどは除いて、
それなりにきちんとした映画は
一人でいたとしても、
集中したいために、立って観るようだ。

これには驚きながら、なるほど、と。


確かに、うちでゴロゴロして観ると、
知らず知らずのうちに、
うつらうつらしてしまうこともある。
数秒間、目を閉じてしまっていても、
なんとなく観ている気持ちでいて
しっかり自分の中に入っていないこともある。

そうそう、本を読んでいる時に、
文字だけを目で追っていて、
ふと気が付くと、文章が
理解出来ていない、それと似ている。

僕の場合、これだけ映画が好きなのに、
映画館でも必ず睡魔が襲ってくる瞬間がある。
そのために、ガムやコーヒー、目薬などを
準備して行くことは少なくない。

自宅で観る時も、出来る限り、
先にトイレに行き、部屋を暗くし、
プリメインアンプのスイッチを入れ、
極力、映画館にいる状態を作ったりもする。


人に話すと、「そこまでする?
寝たら寝たでいいじゃない。
もっと気楽に観れば」と言われたりもする。

結果的にそれだけ一生懸命観ても、
1年ほど経つと、細かいディテールなんて
ほぼ覚えていなかったりするモノもある。

いずれにしても、映画好き、と言っても、
それぞれの観かた、楽しみ方があるのだなあと思う。

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2021年05月02日

映画「タイピスト!」のこと

昨日は久しぶりに、2012年のフランス映画
「タイピスト!」を観た。

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2年ほど前に、このブログでも
ソール・バスというタイトル・デザイナーについて
この映画もクレジット・タイトルから
洒落ていて、可愛くて
ワクワク、ドキドキさせてくれる。

そしてこのオシャレな雰囲気は、
映画のアート全体に引き継がれていく。

舞台は1950年代のフランス。
主役のローズは、田舎の雑貨店のひとり娘。
たまたま、店に置かれている
古いタイプライターでちょっと遊んでいたことから、
都会の小さな保険会社の秘書として働くことになる。

秘書としては通用しないけれど、
彼女のタイピングに目を奪われた若き
経営者のルイは、彼女をタイプライター
早打ちコンテストに出すべく、訓練を始める。

そのトレーニングシーンがとっても秀逸。
手の指に5色のカラーを彩り、
同じ色を使ったキーボードを打ち、
ピアノにレッスンから打ち方を学び、
タイプライターに木の蓋を被せて
ブラインドタッチンに励む。

出てくる小道具、衣装、照明、
音楽がいちいちキラキラとファっシュナブル。

そして、見どころは、ローズが
あらゆるタイピング競技大会に出るシーン。
不安に苛まれながらも、メキメキと
パワーを出していく様は手に汗握る。

ルイとの微妙な恋愛感情の行方も、
ちょっと安っぽく感じながらもすこぶる楽しい。

ルイ演じるロマン・デュラスは、
「スパニッシュ・アパートメント」などで
有名で、決してハンサムではないけれど、
妙にセクシーでチャーミングに感じるのは
僕だけだろうか。

まったく深刻さはないけれど、
鬱々としてこのゴールデンウィークには
ぴったりかも知れない。

Amazon Primeなら、今月の15日まで100円で観られます。
って、俺はAmazonの回しものかい!

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2021年04月29日

お薦め映画「フランクおじさん」(Amazon Prime)

「フランクおじさん」を観た。

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ちょっと評価が高かったので、知らずに
観てみると、これまたゲイを
描いている映画で驚いた。

50年近く前のアメリカ南部の田舎町。
おじいさんのバースデイに集う親族たち。
主人公のベスは18歳。
彼女の憧れの叔父のフランクは
ニューヨークからこのためにやって来ている。
しかし、何故か、祖父(つまりフランクの父親)は
彼を邪険にする。

その後、ベスはフランクが教授をしている
NYへと移り住み、そこで彼女は叔父が
同性愛者であることを知る。
そして、それが祖父と叔父の
確執であったこともわかってくる。

映画は、フランクが過去思いを寄せていた
ボーイフレンドのトラウマや、
現在の家族との関係を細やかに描いていく。

まだエイズ騒動もなかった70年代初頭。
まだ決して同性愛が理解されていないこの時代に、
それでも、それと向き合おうとする人々。

映画でゲイの息子を持つ母親の
「あなたは私の宝」という言葉には
僕の母親を思い出し、胸が詰まらせられた。

監督は「アメリカン・ビューティ」や
ドラマ「シックス・フィート・アンダー」の
脚本家であり、自らゲイだと公表している
アラン・ボールだ。

また、フランクを演じているポール・ベタニーは
最近では「アベンジャーズ」シリーズや、
そのドラマ版「ワンダービジョン」に出演している名優。
「ベント/堕ちた狂宴」や
「ギャングスター・No.1」などでも
ゲイ役を演じているが、彼はストレート。

しかし、調べてみると、彼の実の父親は、母親と
離婚後、男性と暮らし、
クリスチャンであることから
同性愛をずっと隠していたらしい。
そのことを知って、ベタニーは心を痛めていたようで、
そんな部分が、この映画に
生かされているのかも知れない。

映画館ではなかなか観られない地味な
LGBTQを描いたモノも、配信で結構
観ることが出来る。
そんな意味では、良い時代になった。

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2021年04月26日

今年のアカデミー賞

2ヶ月遅れのアカデミー賞授賞式が終わった。

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例年のように、少しだけ早起きして
しっかりとテレビに向き合う。

それにしても、今回ほど地味な
授賞式はかつてなかった。

いつもの歌やダンス、そして
何よりも過去の続々と名作映画が飛び出てくる
オープニングなどまったくなし。

主題歌賞にノミネートされた
歌手たちのパフォーマンスは
ショウの中には含まれておらず、
その前の番組で流された。

コロナ禍だから仕方が
ないのかと思いながらも、
来場者全員、ワクチンを
打っているらしく、
ノーマスクで、ヒューヒュー
という掛け声さえある。

良くも悪くも、いかにもアメリカを
感じさせたけれど、とにかく
まったく、と言って良いほど
ワクワク感が乏しいショウとなってしまった。


さて、今回23枠の賞の中で、
僕が当たったのは14本。
近年の中で、ちょっと少ない結果になった。


おそらく、去年亡くなった
チャドウィック・ボーズマンが
受賞するだろう、ということだろうからか、
いつもは最後のクライマックスとなる
作品賞は主演女優賞、主演男優賞の前の
発表となった。

作品賞、監督賞は予想通りの
「ノマドランド」。

しかしながら、なんとラストの
最優秀主演男優賞は、特に注目も
されていなかった「ファーザー」の
アンソニー・ホプキンスとなった。
本人はオンラインでも出演しておらず、
もちろん、スピーチもなしで
ショウは終わったことは驚いた。

スピーチに関しては、
全体的にいつものような
時間制限を感じさせなかったけれど、
「アナザーラウンド」で
国際長編映画賞を受賞した
トーマス・ヴィンダベアの
撮影4日目に、携帯を見ながら
運転していた人によって
娘が亡くなったというスピーチには泣かされた。

また、ジーン・フェルト友愛賞を受賞した
プロデューサー、監督、俳優の
タイラー・ペリーの
「私は誰かを憎むことを絶対に拒む」と
あらゆるヘイトに反対する言葉はガツンと響いた。

最優秀主演女優賞を受賞した
フランシス・マクドーマンドは
とってもあっさりとした短い挨拶で
いかにも彼女らしい。

「ミナリ」で受賞した韓国俳優の
ユン・ヨジュンの「ブラピに会えた!」
というスピーチは笑わせられた。

他に盛り上がったと言えば、
この主題歌、アカデミー賞をとったか、
とっていないか、というクイズコーナーで
グレン・クローズが、ラップ曲を
よく知っていて、小踊りしたのは笑った。


コロナ禍で準備なども
なかなか出来なかっただろうけれど、
個人的にはやはりライブはともかく、
映像のマジックで、映画ファンを
もう少しワクワクとさせてもらいたかった。

それでも、授賞式が開催された、
というだけでも良しとしなければなのかも。
思えば、去年のトニー賞なんて、
ノミネート発表以降、
何も行われていないのだから。

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2021年04月24日

もうすぐアカデミー賞

昨日は、三度目の緊急事態宣言、
そして休業要請が出て、結果的に
明日から店を休まざるを得ないことになった。

そんなこんなで、気にして来てくれた
お客さんたちはとっても嬉しく思った。

とは言え、昨日は、珍しくちょっと
ネガティブな事を書き連ねてしまったような
気もするので、今日は気持ちを入れ替えて
日本時間の月曜日に決定する
アカデミー賞のことを。


本年は、今公開中の「ノマドランド」(公開中)が
作品賞大本命と言われ、監督賞もほぼ決まり。

この映画については、共にノミネートされている
「ミナリ」と共に、以前、ブログにも書いた。


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この映画で主演女優賞候補の
フランシス・マクドーマンドは、
同部門にノミネートされている
「プロミシング・ヤング・ウーマン」の
キャリー・マリガンと一騎討ちになりそうだ。

ただしマクドーマンドは、数年前に
「スリー・ビルボード」で
オスカーを手にしたばかりなので、
今回はキャリーに行きそうな気がする。

一騎討ちという意味では、主演男優賞候補の
「サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ」(Amazon Prime)
で、ノミネートされているリズ・アーメッドと、
「マ・レイニーのブラックボトム」(Netflix)で
ノミネートされている故チャドウィック・ボウズマンも
厳しい闘いになりそう。

チャドウィックは「ブラックパンサー」で注目を浴び、
その続編を取ることなく、一昨年癌で亡くなった。
そういう理由で、彼がオスカーを取るだろうと。


そんなこんなで、今日は僕の予想を
書いておこう。(PCで一度書いたら、携帯じゃバラバラ。書き直しました。)
(かなり多くの映画は配信で観られます)


<作品賞> ノマドランド   
<監督賞> クロエ・ジャオ(ノマドランド)
<主演男優賞> チャドウィック・ボウズマン(マ・レイニーのブラックボトム)                         
<主演女優賞> キャリー・マリガン(プロミシング・ヤング・ウーマン)
<助演男優賞> ポール・レイシー(サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ)     
<助演女優賞> ユン・ヨジュン(ミナリ)
<脚本賞> プロミシング・ヤング・ウーマン                          
<脚色賞> ノマドランド
<撮影賞> ノマドランド                          
<編集賞> ノマドランド
<美術賞> Man/マンク                          
<衣装デザイン賞> マ・レイニーのブラックボトム
<メイク&ヘアスタイリング賞> マ・レイニーのブラックボトム                  
<視覚効果賞> TENET/テネット
<音響賞> サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ                          
<作曲賞> ソウルフル・ワールド
<歌曲賞> Speak Now(あの夜、マイアミで)                           
<長編アニメーション賞>  ソウルフル・ワールド
<国際長編映画賞> アナザーラウンド(デンマーク)                      
<ドキュメンタリー映画賞> タイム
<短編ドキュメンタリー映画賞> ラターシャに捧ぐ 記憶で綴る 15年の生涯 
<短編実写映画賞> 隔たる世界の2人
<短編アニメーション映画賞> 愛していると言っておくね


さあ、この中で何本、当たるだろうか。。

そんなワケで、明日からしばらく休業。
本日が最終になってしまう。
月曜日はのんびりと、オスカーモーニング。。。

*******************


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2021年03月27日

アカデミー賞、どちらが取るか

昨日から映画館で始まった「ノマドランド」と
公開中の「ミナリ」。

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この2本は両方が、今年のアカデミー賞の
作品賞にノミネートされている8本の中で
最有力とされている。

昨日、僕も「ノマドランド」を
観たばかりだったけれど、
同じように観てきた、という
お客さんも劇場帰りに寄ってくれた。


両作品に共通しているのが、監督が
二人ともアジア系ということ。

そして、映画の舞台となっているのが
アメリカの田舎町(『ノマドランド』は
一箇所ではないけれど)ということだ。


まさにこのコロナ禍で
場所や時間にとらわれずに、仕事をする
「ノマド」(放浪民)という言葉が
ここのところ、日本でも使われている。

「ノマドランド」は、固定した仕事を持たず、
車で移動しながら、生活をしている人々を
描いた映画だ。

主人公の女性ファーンは、企業の倒産と
夫の死によって、車上生活を余儀なくされ、
アメリカ各地で人々と交流していく。

映画では、彼女ともう一人の男性以外は、
すべて実生活でもノマドとして生きている人々が
本人役を演じているのも興味深い。

ある意味、世捨て人のように見える彼らが、
過酷とも思える生活の中から、自由や
存在意義とは何か、を見つめていく。


そういった意味では「ミナリ」も、
韓国移民の家族が、荒れた土地をなんとかして
開墾し、農業を営む、という夢のような話。

これまたシビアな現実の中で、家族が、夫婦が、
どう向き合い、変化していくか、を描いている。


地味ながらも、ところどころでリアルな現実を
見せてくれるこの2本。
文句なく、今年のベストに入るだろう。

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2021年03月15日

お薦め映画「ハッピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト」

アメリカで去年、hulu制作、配信で
評判になっていたのが、
「ハッピエスト・ホリデー 私たちのカミングアウト」
(この邦題のサブタイトル、何とかして)。
ちなみに↓これが原題だ。

Unknown-4.jpeg

日本では、huluではなく、Amazon Primeや
他の配信サイトなどもでつい最近、
観ることが出来るようになった。

これが、レズビアンの映画なんだけど、
とても面白く、良く出来ている。

20代後半のビアン美人カップル。
一人は「トワイライト」シリーズで注目を集めた
クリステン・スチュワート、
そしてもう一人は「ブレードランナー2049」などの
マッケンジー・デイヴィス。

クリスマスを迎える季節になり、
マッケンジー扮するハーパーは、
クリステン扮するアビーを、地方都市の
実家に初めて誘う。

今まで家族みんなにカミングアウトしている、
と言っていたハーパーだったが、
向かう車中で、実はひと言も
アウトしていなかった、と告白。

ハーパーの実家で、同性婚のプロポーズを
する気持ちでいたアビーだったが、
仕方なく、気持ちを落ち着かせようとする。
しかし、会った家族が、
想像以上に保守的ファミリー。

市議会選挙に出ようとする父親、
加えて、母親は、アビーに
彼氏は?結婚は?ご家族は?と質問攻めにする始末。
この母親役が、いつまでも若い
メアリー・スティーンバージェン!

そこに黒人の夫を持つ姉や
少し風変わりなオタク妹なども勢揃いする。

おまけにアビーと出会う前まで
ハーパーが付き合っていた彼氏や、
初体験したレズビアンの元カノまで出てくる。

コメディ・タッチで、次々に爆笑するハプニング。
この先、どうなるの?と思って観ていると、
驚くべき大団円にドラマは転がる!!


脚本も書いている監督のクレア・デュヴァルは
女優をしながら、オープンリーゲイだそうで、
なるほど話がとてもリアルに練られている。

ハーパーのキャラクター設定や
今さらながらのあからさまなゲイ差別に
ちょっと疑問を持ちながらも、
僕的には久しぶりに楽しめた
LGBTQムービーだった。


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2021年03月12日

噂の「花束みたいな恋をした」

去年から映画館は、ずっと「鬼滅の刃」が
トップを走り抜けていたけれど、
ここに来てそれを抜いた、というのが
邦画「花束みたいな恋をした」だ。


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ヒットしているから傑作、
名作なんてことは別にない、
と普段から思っている僕だが、
脚本が「東京ラブストーリー」「カルテット」の
坂元裕二氏だと聞いて、どんなもんだろうかと
劇場に駆けつけた。


映画は菅田将暉扮する麦という大学生と
有村架純扮する絹という女子大生が
喫茶店で再会するところから始まり、
その5年前、終電に乗り遅れたこの二人の
出会いのシーンに繋がる。

朝までやっているという居酒屋に
駆け込んだ二人は、それぞれが
かなりのサブカルオタクで、
2015年当時流行っていた本、漫画、
音楽、映画などの価値観をぶつけ合い、
大いに盛り上がるのだ。

そこからの5年間。二人が恋に落ち、
共に住み、就職し、別れ、という経緯が
こと細かく描かれていく。

映画に入ってくる山のような数々の
サブカル・タイトルが好きな人には
ドキドキされるだろうし、
それを知らずとも、恋愛をした人なら
誰しも「ある、ある」を納得させられ、
大いに頷けるシーンが流れる。
アドリブもかなりある、と言われる
この流れが実に良い。

また、これを観ると、「恋愛」というのは
ゲイだの、ノンケだの関係なく、
そこに共有出来るコトと、出来ないコト、
価値観と現実感の狭間にあるモノ、
そして相手を許すことと
許せないことなどが
ギュッとつまっている。

二人がそれぞれナレーションを
している、という作りも好感を持ちながら、
それ故、その部分だけ作り過ぎ感が
否めないのは残念だった。

それでも、2020年代の恋愛映画として
深く記憶される1本には違いない、
そう思う。

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2021年03月05日

何故「愛と喝采の日々」は、ゲイの支持が得られなかったか

学生の頃、観た「愛と喝采の日々」を
昨日、リアルタイム以来、久しぶりに
DVDで観返した。

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当時はそれほど感じなかったけれど、
改めて観ると、この映画、
ゲイが唸らせられる要素が多くある。

でも、あまりゲイ・フェイバリット映画
と言われることはない。
何故だろう。そう思いながら観た。


ストーリーは、かつてバレエダンサーとして
友人でもあり、ライバルだった二人の女性が
何十年も経ち、再会するところから始まる。

一人は結婚し、子供がすでに
トップのバレリーナになろうとしている。
そして、一人はトップに君臨し、
まさに華やかに引退をしようとしている。
そんな二人がこの再会におって、
過去の確執をぶつけ合うという話。

この二人は、いかにもゲイ好みの女優
シャーリー・マクレーンと
アン・バンクロフト。

マクレーンと言えば、
古くは「アパートの鍵貸します」や
「スウィート・チャリティ」で
コケテッシュな女性を演じ、
近年は「ココ・シャネル」
「ダウントン・アビー」で
しっかりと貫禄を見せる大女優。

片や、バンクロフトは、「卒業」での
ミセス・ロビンソンや「奇跡の人」の
サリバン先生、そしてゲイ映画
「トーチソング・トリロジー」の
息子を認めない母親などでも有名だ。

娘を演じるレスリー・ブラウンや
その相手役のミハエル・バリシニコフは
当時、注目を集めたトップ・バレエダンサー。

劇中で、ここまでにバレエの
シーンを見せる映画はあまりない。
特に鍛え抜かれたバリシニコフの
見事な高さを見せる跳躍は、今観ても
拍手を送りたくなるほど。
数年後、来日公演の彼には
完璧にノックアウトされた。

ちなみにバリシニコフは後年、
「セックス・アンド・ザ・シティ」の
主人公キャリーの終盤での彼氏役としても有名。

また、マクレーンの旦那を演じた
トム・スケリット。
髭面の甘いマスクはゲイ好みだが、
この映画の中でも過去、
同性愛者だと噂がたったとされる男を演じる。

その噂を否定する意味で、二人は結婚に
踏み切ったとも言われた設定が興味深い。


そしてクライマックスで見せるのが
女優二人のつかみ合い。
シャンパンをぶっかける、
バッグを投げつけ、殴る、蹴る。

過去、多くの女優同士の争い、ぶつかり合いが
映画で表現されて、そのいくつかは
ゲイが好きな映画やドラマと言われている。
「イブのすべて」「ショーガール」
邦画の「疑惑」などなど上げればきりがない。

ただ、この「愛と喝采の日々」が
他の映画と違うのは、お互いに心から
リスペクトし合い、認め合った上での
ぶつかり合いだ。

マクレーン、バンクロフト、
双方ともに、決して意地悪で
嫌な女、ではないのだ。

そんなこんなで、ゲイが好きなのは
心底、意地悪な女が、これでもかと
剥き出しにする、という部分にあるのかと
僕なりに解釈し、
そのあたりの理由がゲイ好みではなかったのかも。

それにしても、この映画、
1977年のアカデミー賞で10部門に
ノミネートされて何も取れなかった。
おそらく「スター・ウォーズ」が取ると言われ、
ウディ・アレンの「アニー・ホール」に
流れた年だった。

それでも、十分楽しめる一作だと思う。

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2021年02月18日

オススメ映画「サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜」

例年なら今頃、映画界は
アカデミー賞の話題で
盛り上がっている時期だけど、
今年はコロナの影響で
4月に延びてしまった。

それでも今年は春先に封切られる
「ノマドランド」が
圧勝する、と言われているけれど、
俳優部門で、主演男優、助演男優で
ノミネートはもちろん、
おそらくこの二人、
と言うのが、「サウンド・オブ・メタル
〜聞こえるということ〜」
に出演しているリズ・アーメッドと、
ポール・レイシーだ。

他の作品もそうだけれど、今回のオスカーは、
劇場公開できなかった映画が多いこともあり、
半数以上が配信になりそうだ。

そういうワケで、この映画もAmazon Primeで
早速観ることが出来た。

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ポスターにもあるように、主人公ルーベンは
ロックバンドのドラマー。
オープニングからヘビメタの大音量で始まるから、
ここで引いてしまう人もいるかも知れない。
でも、ちょっと我慢して観続けてほしい。

そう。この映画はまず、ここまで耳をつんざく音を
観客に聴かせることに意味がある。

そう。そのルーベンは次第に耳が聴こえなくなり、
結果的に日常の音声は、
ほぼ認識出来なくなってしまうのだ。

ドラマは、この聴力を失った視界で
この主人公と同じ体験をさせながら進んでいく。

金髪、ピアス、タトゥーという出立ちと共に、
何かとキレ易いルーベンは、この状態に
耐えられず、ありとあらゆるモノに
当たり散らす。

バンド仲間のガールフレンドの勧めで
ろう者の支援コミュニティに入ることになるのだが、
ここでもなかなか他者と渡り合うことが出来ない。

しかし、ここにいる老人のジョーとの
言葉を使わないキャッチボールから
ルーベンは、音がない世界での生き方を
考えていく。


うちの店にも聴覚障害のお客さんは結構いらっしゃる。
こういう映画を観ると、その不便さ、大変さも
強く感じるけれど、それにも増して、
聴覚を失ったあとに味わう感覚。

精神的なことも含めて多くの病で
失ってしまう何かを、人はどうやって埋めていくのか。
それを乗り越えていくのか。

それがルーベン、もしくは映像を通して
我々は学び、実感出来ていく。

出来れば大音響の映画館で観てみたい、
そんなことを思わせる一作だ。

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2021年02月11日

お薦め映画「すばらしき世界」

今日から始まった日本映画「すばらしき世界」。
これ、佐木隆三氏が描いた
「身分帳」の映画化だけれど、
かなり早いけれど、個人的には今年のベストかも、
というほどの出来栄えだったと思う。

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演出は「ゆれる」や「ディア・ドクター」
「永い言い訳」など、どの映画も
人間の生き方を問う、という意味で
抜きん出た才能を持つ、西川美和監督だ。

映画は、ちょっとしたことで
殺人をしてしまった男が
刑期を終え、刑務所から
出所するところから始まる。
この男、三上を演じるのが役所広司。

出所後、三上は真っ当に
生きていこうと努力するのだが、
これがなかなかうまく行かない。
彼を受け入れる側の社会の問題もそうだが、
すぐカッとする彼自身の性格も問題だ。

彼をとりまく人間もきめ細やかに描かれる。
身元引受人の弁護士夫婦、
三上のドキュメンタリーを
作ろうとするテレビ制作者、
ひょんなことから知り合うスーパーの店長、
そして過去繋がっていたヤクザの組長。

あらゆる誘惑との闘い、
過去を切り離したいともがく苦悩。


はみ出した人間が、
いかにして人に受け入れられるか、
またそういう人間を
いかに受け入れることが出来るか、という
両方の角度で描かれているのが秀逸だ。

この三上と、ゲイを同列に扱うのは
かなり飛躍しているのかも知れないけれど、
ある意味、ゲイもアウトローで
世間からはみ出ている、そう思う人も
いるのかも知れない。
そんなふうに考えていたら、
とても複雑な気持ちになった。

「身分帳」はヒットするタイトルとは
思えないけれど、「すばらしき世界」って
ベタだなあ。
それでも、人は「すばらしき世界」を
求めて生きているのかも知れない。

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2021年01月26日

今日のゲイ・ムービー「マダム」

10日ほど前から、オンラインで始まった
「マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル」。
その中の1本でもあり、Amazon Primeでも
観られるドキュメンタリー映画「マダム」を観た。

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このポスターから、え?女装の映画?
などと思う人もいるかも知れない。

いやいや。
これは監督も兼ねているゲイである主人公の
ステファン・リトゼール監督の94歳の祖母を
中心に、自分との関係を描いた映画だ。

ちなみに、フレンチ・フィルム・フェスと
言いながら、この監督はスイス人であり、
ほとんどがスイスで撮影されている。

ブルジョアで生まれ育ったけれど、
良い結婚とは言えなかった女性だった祖母だが、
自分の息子夫婦(ステファンの両親)や
その子供たちに恵まれて、
趣味の油絵を描きながら、
なかなか幸福な生活を送っている。

ステファンは幼少期から、自分が男性に
関心があることをわかりながらも、
自分はゲイではない、いつかは
結婚し、子供を持つモノだと信じている。

僕も含めて、多くのゲイ男性が若い頃に
悩み、自分に言い聞かせていたりすることだ。

永世中立国であるスイスに、徴兵制がある
ということを、恥ずかしながら僕は知らなかった。
そんな兵役の中でも、
ステファンは悶々とし続けていた。

映画は彼が、成長するにつけ、
男性に恋をし、肉体関係を持ち、
そして受け入れていく、その過程を
自分の父親が趣味だった8ミリフィルムや、
自身のホームビデオによって
明らかにしていく。

この映画のクライマックスは、
保守的で同性愛者を
決して認めようとしない父親、
そしてある意味、世間知らずの祖母に
自身のことを伝えることが正解なのか、
否かという部分である。

祖母への愛、祖母からの愛は
偏見や嫌悪を超えることが出来るのか。

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2021年01月22日

「続・ボラット」という破茶滅茶映画のこと

昨日、バイデン就任式のことを書いたけれど、
つい先日、旧トランプ政権をおちょくった
「続・ボラット 栄光ナル国家だった
カザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
(長っ)という映画をAmazon で観た。

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これ、14年前に上映された、下品で紛い物と
批判されながらも、めちゃくちゃ面白いと
話題になった「ボラット 栄光ナル国家
カザフスタンのためのアメリカ文化学習」の
続編なのだ。

このボラット、という主人公は、
架空でもなんでもないのに、あり得ない国として
描かれるカザフスタンのジャーナリストという設定。
前作はアメリカを取材する、という内容だったが、
今回はカザフスタンを傷つけたという
理由で強制収容所に入れられていた
彼が汚名をはらすべく、
はたまたトランプ政権下のアメリカに行く話。

「レ・ミゼラブル」のテナルディエとか、最近上映された
「シカゴ7裁判」の主演をした
サシャ・バロン・コーエンがこのボラットを
やっているのだが、製作、原案、脚本はすべて彼。

自らのおちんちんや、お尻まですっかり見せて
(ちなみに前作は、Youtubeで無修正なのに、
さすがに今回はボケボケの修正)
体当たり演技、と言うよりも、
ありとあらゆる設定が、
これ、ありなの?という凄まじい内容だ。

以下、ちょっとネタバレ

副大統領のペンスがスピーチをしている会場に
「ペニス!」と呼び、娘を貢ぎモノとして
背負っていったかと思いきや、
トランプの弁護士(旧ニューヨーク市長)の
ジュリアーニを、ドッキリ番組さながら、
娘に手を出すのか、と思うようなシーンまで
撮影している。

Qアノンでトランプ絶賛の連中に組みいったり、
ホロコーストの犠牲者に、ホロコーストは
偽りだったか、と問いかけたりと
本当にめちゃくちゃだ。

これをアイロニーたっぷりの政治批判映画と
思うか、それともただの悪趣味と取るか。
興味があれば、是非。

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2021年01月20日

夢の時間を追いかける

またまた、昼間書いたブログが
飛んでしまって、今日は店を閉めてからの
書き直し。

一昨日来てくれたセイジが、
秋田県の大館市にある映画館の話、知っています?
と聞いてきて、いや、知らない、と答えた。

その映画館とは、「御成座」と言って、
もともと1952年に作られた劇場らしいけれど、
一度、2005年に経営難で閉館したようだ。

しかし、2014年、千葉の電気工事をする会社の
社長が目を付け、リオープン。

その劇場が、なんと週末、東京の上野から
大館まで無料のバスを出し、
映画を観てもらい、また東京まで
戻ってくれる、というサービスがあるのだそうだ。
とは言え、途中休憩を含めて、片道14時間。

運転は支配人と従業員が
交代でするらしい。
バスは島根県の木次町の
ローカルバスを買い上げたモノだったが、
去年、老朽化のため、新しいバスに代わり、
今ではリクライニングも付いているようだ。

コロナ禍でバスは密を避けるため、
限られた人数での運行らしく、
どうやら、長く満席が続いていると言う。

とは言え、往復28時間。
運転する人は、大館、上野の往復を含めると
その倍の時間を要するワケだ。いやあ、凄い。

基本的に、お客さんは映画代金だけらしいが、
映画がない時間に、比較的安い料金を払って、
その大スクリーンでゲームや、
カラオケをしてもらっても良いとのことだ。
また、とりあえず近くの宿に宿泊してもらい、
一日観光をしてもらって、東京まで送る、というシステム。
そういう意味では、少ないながらも、
大館市の観光にも役立っているようだ。

それでも、決して儲けが出る仕事ではない。
三重県伊勢市なんかにも
家族経営の映画館があることも聞いたことがあるが、
おそらく同様だと思う。


経営する人も、観に行く人も、
この混沌とした世の中から
少しだけでも夢のような時間を得るために
そこにいる、ということは
金銭以上の幸せな空間なのかも知れない。

セイジも、少し空いてきたら、
是非とも、そのバスに乗って行きたい、
そう呟いていた。

夢の時間を追いかけて。

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