2023年02月15日

映画のインターミッション

昨夜、劇場でやっている「タイタニック」を
リアルタイム以来、観に行った。
IMAX、それも3Dで上映していて、
ジェームズ・キャメロン監督自ら
監修したという25周年記念バージョンだった。

IMAXや3D効果は、もともとそういう風に
作られていないだけに、残念ながら
特にすごいとは思わなかった。
しかし、ベタベタであざとい演出と
わかっていても、
主演二人の恋愛模様、そしてあの時代に!と
思われる特殊効果は、改めて良く出来ている、
こりゃヒットする、と思った次第だ。

驚いたのは、3時間を遥かに超える
この映画にインターミッション(つまり
休憩時間)がなかった、ということだ。
あ、そうだったっけ、と。。。

そう。最近、3時間超えの大作映画は
「RRR」「アバター」「バビロン」と
次々と公開されているけれど、
どれもインターミッションがない。

特に「RRR」など、途中に休憩が
入っているにも関わらず
(ほとんどの長いインド映画には
オリジナルでは入っている)、
日本で公開する時はそのまま繋いで
上映される。
もう膀胱が破裂しそうだし、
とにかく一服したい、飲み物買いたい
という人も多いだろう。

それでも、一日の上映回数のために、
過去の何本かのインド映画や、
名作「ライトスタッフ」が
バッサリカットされた事を思うと
まだ良いのかも知れない。

それにしても、「風と共に去りぬ」や
「ベン・ハー」などそこまで古くなくとも、
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」など
インターミッション入った映画が懐かしい。

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2023年02月12日

お勧め映画「対峙」

もう1年以上前に、アメリカで
話題になり、でもあまりにも地味な作品で
日本では公開出来るのだろうかと
思っていた"Mass"「対峙」が
公開された。

mass_xlg.jpg

このあまりにも地味なタイトル、
まるで小劇場の舞台劇か、と思うほどだったけれど、
確かに前編演劇のを見ているようだった。

メインの役者は4人。
高校生銃乱射事件を起こした加害者の少年の
両親と、被害者の少年の両親。

謝罪と嫌悪、憎悪と赦し、そして双方にある
絶望的とも言える深い悲しみ。

ぶつかり合い、それでもどこかで
受け入れることが出来るのか。
両者ともの子供に対する愛情、
どれだけあの子を愛していたか、
それを吐き出すことで
まるで死んだ子を取り戻すかのような時間。
それが、ほぼリアルタイムで描かれていく。

そこには事件が起こった背景になった
映像や、ニュース、外部からの情報などは
一才入らず、彼らの言葉を頼りに
我々は事件の全貌を少しずつ見えてくる。


あまりにも悲惨な出来事。
多くの人がほぼ経験はしてない、
しかしながら、ことの大小あれども、
十分想像できるような世界がそこにある。

たとえば友人の過失を責める者と
かばうことなど、この日本でも
小さな現実を思い起こす人もいるかも知れない。

また、世界中で起こる言われない殺人事件、
その被害者は、いかにしてその実現を
赦すことが出来るのか、と考える人もいるだろう。

キリスト教のベーシックな教えが
生活の基盤になっている人も多い欧米人と
無宗教な人間も多い日本人との差を
強く感じるかも知れない。

結末まで見て、納得する人も、
涙を抑えられなくなる人もいれば、
どうしても腑に落ちない人もいるだろう。

しかし、そういうセンシティブな問題を
こういう形でとりあげた製作者、監督に
僕は強く敬意を感じた。

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2023年02月04日

ここにもいたシネフィル(映画狂)

コロナ禍、ぶらりと尋ねてくれた
トオルさんは僕よりもひと周り下だ。

2年ほど前に来てくれた時に
壁際にズラリと並んだ新作の映画ポスターに
興味を持ち、店に貼ったほとんど誰も
知らない「鳥類学者」という映画のポスター
(映画祭でしか上映されていないゲイ監督の
無修正版映画)にも反応するという
数少ないお客さんのタイプだ。

それから何度か店に来てもらったものの、
多くのお客さんの前で、そんなディープな話も
出来ずに終わっていたが、
一昨日は寒くて、最初の何組かと話をしたあと、
トオルさんと二人、かなりディープな映画話で
盛り上がった。


僕くらいの世代は、まだビデオやゲームもなく、
子供時代、そこに時間を費やすことを知らなかった。

だからなのか、映画館で幕が開くのを待つ
(ってか、今、映画館の劇場に幕が付いているところって
どれくらいあるんだろう)。

僕は幼少の頃から、両親が好きだった
「サウンド・オブ・ミュージック」を
レコードで聴きまくり、
小学校6年から中一くらいに映画熱に火がついた。

中学生の時には親に図書館に行くと言いながら、
大阪の戎橋や大毎地下という名画座に通った。

高校時代は邦画と洋画2本立ての一館しかない、
という街で3年間を過ごしたが、その反動か
東京に出て来て、大学生活の傍ら、バイトをして
フィルムセンターや都内でまだまだあった
多くの名画座を荒らしまくった(笑)


そんな僕よりも少し下のトオルさんは、
地方都市で高校まではほとんど映画は
テレビで観る娯楽大作くらいで、
大学に出てきてから映画にハマったのだと言う。

今やビデオを通り越して、配信の時代だけれど、
彼が凄いのはほぼスクリーンでしか
映画を観ないということ。

僕もトオルさんも似ているのは、
映画を監督で観る、という癖が付いてしまっていること。

内容がどうであれ、この監督、と思えば
その人をとことん追いかける。

そして驚き、嬉しかったのは、日本では
ほとんどきちんと公開されていなかった
インド映画の巨匠、グル・ダッドが好きかと思いきや、
70年代のアメリカエンタメ映画監督、
ドン・シーゲルの特集を都心から少し離れた
小さな映画館まで観に行っているとの話。

いずれにしても、店ではほぼ出来ない
オタク話が店でひっそりと出来たのは嬉しかった。

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2023年02月01日

映画「イニシェリン島の精霊」について

先週から始まった「イニシェリン島の精霊」。

Unknown-1.jpeg

アカデミー賞前哨戦のゴールデングローブ賞の
ミュージカル・コメディ作品賞にノミネート
されていたのは不思議に思う。

個人的にはスピルバーグの「フェイブルマンズ」と
逆じゃないかと。

まあ、そのあたりは置いておいて、
この映画はすべての人に勧められるモノではい、
そう言っておかなければならない。

これはコメディはおろか、ホラーにも近い
残虐的な部分も多々あったりもするところも。


映画は、1920年代のアイルランド紛争の時代。
その紛争とはかけ離れたアイルランドの孤島、
当時のイニシェリン島が舞台だ。

この小さな島で、妹と暮らす中年男パードリック
(少年っぽい表情だったコリン・ファレルが
いまだにそういう顔を見せて演じるミドルエイジが
素晴らしい)が、仲が良い友人、コラムを
尋ねていくところから始まる。

しかし、このコラムはパードリックを無視し、
家の中にも入れることはない。

その後、いつも行く酒場の店主に尋ねても、
またそこで再会するコラムに語りかけても、
無視を繰り返される。

そしてそのうちに、これ以上、
近づけば、お前の指を一本ずつ折る、と
詰め寄られる。


この映画は「拒絶の痛み」を描きながら、
人と人のわかりあえなさ、
そしてそこから生まれる憎悪、怒りを
これでもか、と描き出す。
それはアイルランド紛争と重なるという人もいる。

あまりにも美しいこの島の風景が、
その「怒り」に寄って、血生臭く、崩れゆく。


自分自身の人生を考えても、
友人、お客さんんとの関係上で、
決してないとは言い切れないだけに切ない。

誰もが経験しうる関係性の問題を
考えずにはいられない、不思議な一本だと思う。

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2023年01月28日

今年のアカデミー賞ノミネートについて

今週の火曜日(現地時間月曜日の夜)に、
今年のアカデミー賞のノミネートが
発表された。

2010年から、作品賞は10作品以内、と
言われ、数年は10本選ばれていたけれど、
ここのところずっと9本。
今年は久しぶりに10本選択された。
個人的には2009年までの5本で
十分だと思っているのだけれど。

さて、作品賞は以下の10本だ。


この中で、僕は公開前のモノも含めて
7本観ている。

下馬評では「エブリシング・エブリウェア・
オール・アット・ワンス」という
英語をカタカナ表記した最も長い?と
思われるタイトルのモノが獲る、と言われている。

個人的には、ドッと疲れてしまったけれど、
周りで観た人たちは「楽しかった」「凄かった」を連発。

ただ、過去もこれは獲る!と言われていた映画が
番狂せということは何度もあったので
こればかりは、わからない。
去年の「パワー・オブ・ザ・ドッグ」や
過去も「ROMA/ローマ」、「スリー・ビルボード」や
もっと遡れば「ブロークバック・マウンテン」なんかは
他の多くの賞に輝きながら、無視された。


個人的にNetflixで放映されている「西部戦線異状なし」
と、昨日から劇場で始まった
対抗馬「イニシェリン島の精霊」
(この2本に関しては近々、紹介します)のほうが
好みだった。


いずれにしても、アカデミー賞に限らず、
多くの賞レースというのは、本当に厳選なモノか、
裏がまったくないのかは、わからない。
特にどこかの国の賞なんかは、
ヒットはしたものの、多くの人が
え?これが?と思うようなモノが
作品賞を獲っていたりもする。

とは言え、僕が子供の頃なんかは、まったく生で
観ることが出来なかった華やかな授賞式を
目にできる時代になったのは嬉しい。

賞に集う監督や俳優たち、そして
磨かれ抜いたスピーチの数々や、
時にはビッグニュースになったりする出来事
(去年のウィル・スミスのように)なども含めて
年に一度のお祭りを楽しみたい。

今年は3月12日(日本時間13日)。

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2023年01月19日

お勧め映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」

今日、紹介したいのは、先週から始まった
「モリコーネ 映画が恋した音楽家」という映画だ。

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エンニオ・モリコーネという作曲家を
知っている若い人たちってどれくらいいるんだろう。

と言うか、今の映画好きな若い人たちの
知っている作曲家って誰なんだろう。

僕の若い頃は、ニーノ・ロータや、
フランシス・レイ、ヘンリー・マンシーニ、
ミシェル・ルグランなどは、曲だけ聞けば、
作曲家や映画を知らずとも、
一般的にああ、これか!というほど
有名な楽曲だった。

もう、今や映画音楽がスタンダードに、
という時代じゃないし、映画を思い出して
そのテーマ曲が流れてくる、というのは
今や日本映画の主題歌になっているような
J Popくらいなのかも知れない。


話を戻すと、このエンニオ・モリコーネ。
僕が最初に知ったのは、テレビで
「夕陽のガンマン」や「荒野の用心棒」
「シシリアン」などの古い映画を観た時に、
耳から離れなくなった曲たちだ。

そして、僕よりも少し若い人たちも
「ニュー・シネマ・パラダイス」や
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」
「海の上のピアニスト」などは
聴いてみたら、耳馴染みがあるだろう。
CMなんかで使われることも多いし。


さて、そのモリコーネが、いかにして、
その名曲群を作り出し、多くの監督が
何故にこの人をチョイスしたのか、
そして音楽家も含めて、多くの著名人が
この人を称賛し、永遠である、と証言したか。

この映画では、彼自身のインタビューと、
周りの人々証言、
そして彼の音楽が使われている
映像がこれでもか、と流されていく
ドキュメンタリーの傑作(と言ってしまおう)だ。

そもそも、映画音楽の巨匠とされている
モリコーネだが、元々クラシックから
前衛的な音楽の数々挑戦していた。
そこから行き着いた映画音楽が、
多くの音楽家に寄って、「あのような
軽いモノを作って」と嘲笑されていた、
という話は驚かされる。

かつてのアヴァンギャルドと言われた音が、
たとえば、口笛や、鐘の音、日常に流れる
あらゆるモノ音などに変化して、
作品に生かされていく。

そして驚くなかれ、彼はキーボードや
楽器を奏でることなく、頭の中で創作し、
それを譜面に起こしていく、という作業を
続けていったと言うから凄い。

あの名匠キューブリックが「時計じかけのオレンジ」で
彼を起用したかったらしいが、とある出来事から
断念した、という事を、モリオーネ自身が
悔やんでいたように、この映画を観た
多くの観客も残念に思うはずだ。

とにかく、ここまで優れた
ドキュメンタリーとは思わなかった。
先日紹介した「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」同様、
1月から素晴らしい映画が公開されているのは嬉しい。

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2023年01月13日

お勧め映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」

本日(13日)から始まった
「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」。

これは、数年前、アメリカ映画界の#Me Too 運動の
きっかけになった映画プロデューサーを
鋭く告発していった二人の女性ジャーナリストを
描いたモノで、非常にリアルで
強く心を揺さぶられた。

Unknown-5.jpeg


告発されたハーヴェイ・ワインスタインは
多くの女優を含めて女性たちに
セクハラした疑いが出て、
それを二人の女性ジャーナリストが、
あらゆるプレッシャーにもめげず、
突き詰めていくというドラマだ。

ワインスタインと言えば、
「恋におちたシェイクスピア」
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、
「シカゴ」「英国王のスピーチ」
「アーティスト」などでアカデミー作賓賞を
数々とっただけじゃなく、
その他のタイトルを見ても、誰もが知っているモノが
ズラリと並ぶ。

「恋におちた〜」の際に、恋人のグウィネスに
このワインスタインが手を出したことを知った
ブラッド・ピットが、彼に「殺す」と訴えた話は
有名だった。
ただ、そんなピットが、その後、ワインスタイン製作の
「イングロリアス・バスターズ」に出演したことや
許せないと妻だったアンジェリーナは伝えたりもした。

そのピットが、奮起したのか、今回の映画の
プロデュースを買って出ているのも
とても興味深い。


アメリカ映画の告発モノの多くが
すべて実名、それにはいつも感心させれる。
ドキュメンタリーでもないのに、
役者が実在の人物の名前を堂々と語り、
演じることこそ、嘘くささが消え、
どこまでもリアルさが見てとれる。

そこには毎朝新聞もなければ、
山田総理大臣のような名前もない。笑

あらゆる事件を暴いていく二人も凄いけれど、
それこそ実名を出して、自分たちの
冒された苦難を恥を偲んで
出していく被害者たちには涙してしまう。

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2023年01月02日

2022年に観た旧作・新作 ビデオ配信 映画

昨日は、2022年に観た最新作映画の
個人的なベストテンを載せたけれど、
今日は配信やビデオで観たモノを。

この中で「君がそばにいたら」と
「ヒヤシンスの血」はゲイムービーです。


1.「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」


P-5100.jpg


「クイーン&スリム」

君がそばにいたら

https://www.youtube.com/watch?v=0v_YPrTy3QI


ハミルトン

https://www.youtube.com/watch?v=c5uSQZumrS8


西部戦線異状なし(1930)

https://www.youtube.com/watch?v=0jN5i2fwv-M


利休

https://www.youtube.com/watch?v=TJ-W1xYAu7Y


ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い

https://www.youtube.com/watch?v=te6XqAEXJvs


ヒヤシンスの血

https://www.youtube.com/watch?v=J30EGyQVIlk


ザ・レスキュー タイ洞窟救出の奇跡

https://www.youtube.com/watch?v=xAum_qp15UI


あの夏のルカ

https://www.youtube.com/watch?v=eE_6HCwwlao


本日は、新春六尺デー、お楽しみください。


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2023年01月01日

謹賀新年 2022年 映画ベストテン

あけまして、おめでとうございます。

昨夜の大晦日も多くのお客さんに来ていてだき、
有難うございました。

本年は明日がタクヤの六尺デー。
明後日は火曜日なので、タクヤデーが
Bridgeの通常営業となり、
私は4日からということになります。
本年もよろしくお願いします。


さて、今年も恒例の映画ベストテン。

さすがに一昨年は休みも多かったので
年間に観た作品数は435本と凄かったけれど、
去年は274本とガクンと減った。
その中で劇場公開された新作映画は
162本だった。あとは配信とかビデオだ。


とりあえず、劇場公開作のベストテンは以下のとおり。

1「戦争と女の顔」

2「マイスモールランド」

3「ウエスト・サイド・ストーリー」

4「荒野に希望の灯をともす」

5「C.R.A.Z.Y」

6「チェチェンへようこそ ゲイの粛清」

7「ベルファスト」

8「FLEE フリー」

9「ブルー・バイユー

10「RRR」

次点「ダウントン・アビー 新たなる時代へ」

明日は、配信で観た映画、ビデオで観た古いモノなどの
ベストテンをアップします。

今年も良い映画に出会えますように。

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2022年12月14日

映画「泣いたり笑ったり」から考えること

一昨年のイタリア映画祭で上映されて
見逃していた「泣いたり笑ったり」を
やっと観ることができた。

Unknown-1.jpeg

イタリアの大富豪家族と、
漁師をやっている労働者階級の
ふた組の家族が、とある出来事で
海辺の別荘に集まる。

蓋を開けると、なんと家長である
父親同士が同性愛者で、結婚を
する!というので大騒ぎとなる。

これが、全編いかにもイタリアらしい
笑いに満ちたテイストで描かれていくけれど、
そこに流れるのは、ストレートが
持ってしまう、ある意味、
当たり前の感情だったりする。

5年前にシビル・ユニオンという
結婚制度を同性にも与えたイタリアで、
そのことに反対はしなかったものの、
父親の結婚には異を唱える富豪の娘。
もちろん、漁師のイケメン息子も猛反対だ。


この映画を観ながら、ずいぶん前に
大学の同級生に僕がカミングアウトした時の
ことを思い出した。

僕の友人は「お前がそうであるのは
まったく問題ないし、俺は差別はしない主義。
でも、いざ自分の息子がそうだったりすると、
それは反対するだろうなあ」そう言った。

要は受け入れてもいないし、
認めてもいないのだ。
しかし、まったく同性愛者と関わることのない
人生で、そう感じるのは当然かも知れない。
僕はそう思った。

いつもこういう話が出た時に
「自分の親が『実は自分はマゾヒストで
異性から吊るされて、叩かれたりするのが
好きなのだ』とカミングアウトされる、
おそらく自分が同性愛者だ、と家族に
告白した時に、彼らが受ける衝撃、
というのはそういうモノだ」
と思うようにしている。

SMが悪い、ということじゃない。
ただ、それくらいショッキングなことなのだろう。

それほどインパクトがあることを
伝える、ということはよほど覚悟して、
相手の気持ちを思いやった上で
きちんと話す、ということなのだ、
この映画を観て改めてそう思った。
posted by みつあき at 18:36| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年11月10日

「ブエノスアイレス」のこと

映画「ブエノスアイレス」が、と言うか、
この映画を作った監督ウォン・カーウァイの
特集上映が、大変な評判で、まさかの
上映時間を多くし、なおかつ劇場も増やし、
拡大公開をした、と聞いた。

僕も15周年のバタバタで、再見することが
出来なかったけれど、観に行ったお客さんは
あまりにも混んでいて、驚いたと言っていたから
本当にヒットしたんだろう。

「ブエノスアイレス」と言えば、
僕は日本で初めて公開された時にも観に行ったけれど、
その前に観に行ったことがあった。
それはもうずいぶん前のブログに書いていた。



店に来てくれるショウヤちゃんは、
「ブエノスアイレス」が好き過ぎて、
アメリカに転勤で行っていた時期に、
アルゼンチンに行った。

映画に登場するバー"SUR"にどうしても
行きたかったということで、
このタンゴが流れる店に到着した瞬間、
鳥肌がたったのだそうだ。
店主はずっと変わらないらしいのが凄い。

なるほど、開業55年というお店のホームページを
見ても、素晴らしい。


そんな話を聞いて、是非とも
アルゼンチンに足を運びたい、
僕もそう思った。
それにしても、この円安。。。
どうにかならないものか。
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2022年10月29日

シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ

「シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ」を観た。

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これはコロナ前に封切られた「シャイニー・シュリンプス!
愉快な仲間たち」の続編。
前作は、ゲイ叩きの罰則で、ゲイの水球部の
コーチに送られたイケメンマッチョが
右往左往するような映画で
それなりに楽しかった。

が、今回は、ゲイのオリンピック、ゲイ・ゲームスが
東京で行われる、ということで
意気揚々と東京に向かう!という話。

だが、水球の壮絶な戦いを観たい、と思う人や
それこそ↑のポスターのような男たちの裸が
これでもか、と観られるか、と思う人の気持ちは
おそらく愕然としてしまうほど裏切られる。

まず、東京のゲイ・ゲームスは、ほぼ描かれないのだ。
試合はおろか、東京の街の風景さえ。

まして、この映画の監督は、過去、日本で撮影された
アメリカ映画に影響を受けて、日本で映画を作ることは
夢のよう、とか謳われていたから、これは
裏切り行為でしょう、と言う人も多いだろう。


とは言え、これを観て、僕がとてもがっかりしたかと言うと、
それはなく、むしろ前作を超えたとさえ思った。

あまりネタバレはしないようにするけれど、
今回、東京に着く前に、ロシアに留まることに
なったチームの面々は、そこで思わぬ差別、
虐待とも言える仕打ちを受ける。

そう舞台はほとんどロシアなのだ。

この映画の中には、子供の頃からいじめられ、
ずっとクローゼットでいた男が、
ゲイではなく、ストレートになりたい、
そう思ったりするシーンがある。
僕も昔そうだったように、
同性愛者の中にはそんなことを
考えた人も少なくない、そう思う。

ロシアを始め、イスラム諸国や、アフリカなど
まだまだLGBTQに対する強い反発があることを
この映画ではたっぷり笑いを交えて
強く批判をしている。

まるで、007か!?と思わせるような
(それは言い過ぎ)アクションならぬ
アクティブシーンも交えて、
僕は楽しみながら、とても心を打たれた。

色々な意見で分かれるところかも知れないけれど、
個人的には勧めたい一作だ。

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2022年08月31日

お勧めゲイ・ムービー「スワンソング」

去年から今年にかけて、2本の"SWAN SONG"
という映画が話題になって、「グリーンブック」で
ゲイを演じたマハーシャラ・アリの「スワン・ソング」
(こちらはApple TVで配信中)ではなく、
それこそ、究極(笑)のゲイ・ムービー
「スワンソング」が公開中だ。

日本では、去年の東京国際映画祭で上映されて、
僕は観逃していたけれど、やっと劇場で
観ることが出来た。
ちなみにこちらはタイトルに中黒「・」が
入らないほう。。。

Unknown.jpeg

映画は怪優とも言えるウド・キアーが、
老人ホームで、次々と規則を破る
ゲイのパットを演じている。

彼は200本近くの映画に出演しているけれど、
これがなんと初主演らしくて、
その絶妙な芝居がさすがのベテラン、
もう、拍手、拍手なのだ。

パットがホームで、イライラする日々を
送っているある時、共和党の大富豪の女性の死を
彼女の弁護士が伝えに来る。

パットはかつて、最高級と言われる
ヘア・ドレッサーでもあり、
ゲイバーのショウにも出演したりしていた。

弁護士は、そんな彼に彼女の遺言で、
25000ドルで最後のヘアメイクを
してほしいという話を持ってきたのだ。

最初は首を縦にはふらなかったパットだが、
意見が違い憎かった彼女に復讐する気持ちで
死化粧をするため、こっそりと
ひとり、ホームを抜け出す。

(このあと少しだけネタバレになります。

ここから映画は、オハイオという小さな街を
ある時はヨタヨタ歩きで、ある時は
電動車椅子で走り回り(このシーンが素晴らしい)、
ちょっとしたロードムービーとなる。

そして、彼が会う多くの人たちから
あまりの時の大きな変化に出くわすのだ。
そんな中、彼は過去の栄光と苦渋を、
まるで自分が死ぬ前の走馬灯のように思い出す。

そこには、亡くなったパートナーから
相続を許されなかったけれど、
ゲイバーでゴージャズに女装していた時代があり、
今はスマホのアプリで出会い、
子供を二人で育てる男たちの姿まである。

とは言え、発展トイレで性器をくわえようと
していることは変わらなかったりするのだ。

とにかく、そういったゲイ活動の衰退、
そしてリベレーションの遂行。
あらゆるここ30年のゲイシーンを、
この名優がある時は物悲しく、ある時は力強く、
まさにゴージャスに演じ、見せつけてくれるのだ。

先日の「C.R.A.Z.Y」と共に必見だ。

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2022年08月22日

「ハリウッド版 『ラ・ラ・ランド』ザ・ステージ ライブ・イン・コンサート」

コロナになる前に、ハリウッドで2日間だけ
開催された「ハリウッド版 『ラ・ラ・ランド』
ザ・ステージ ライブ・イン・コンサート」が
日本でも上演(上映?)された。

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中身がどんな代物とも知らず、あの映画の魅力だけで
僕は行くことを決め、昨夜の最終公演に出かけた。

基本的には映画をフル上映し(途中休憩が入る)
その音にシンクロする、という意味では
昨今、流行りのコンサート版上映という奴だ。

ただ、今回のバージョンは、映画の作曲家、
ジャスティン・カーウィッツが指揮をする
フルオーケストラに加え、ジャズバンド、
サントラで演奏を担当した
ランディ・カーバーのピアノも入る。

そして60名もの男女混合コーラスに、
10人ほどのダンサーが歌い、踊る。
またシークエンスごとにライティングが変化したり、
背景に星空が広がったり、火花が出たりと
スペクタクルな演出が続く。

もちろん、この映画の見事な楽曲が
生オケで聴くことが出来たのは至福の喜びでは
あったけれど、改めてこの映画が
いかに素晴らしい作品かということが
しっかりと確認できたことが
何よりも嬉しいことだった。


映画は大渋滞のハリウッドの高速で
すれ違った男女の出会いと
その後の人生を描いている。
男はジャズクラブの経営を夢見ており、
女は女優に憧れている。
二人の関係はどう作られ、
どう変化していくのか。


以下、ネタバレ

これが公開された時に、店では
評価が結構分かれた。

ネガティブな意見としては
「ミュージカル映画でハッピーだと
思って観に行ったら、ハッピーエンドではない
ということにがっかりさせられた」
という声が聞こえてきた。
ただ、僕、個人としては、これ以上ない、と
思われるほどのハッピーなエンディングだった。


ハリウッドのカフェでウェイトレスをしながら
何度もオーディションに通い、ことごとく落とされるミア。
ジャズクラブでモダンなピアノ演奏をしたいが、
陳腐なクリスマスソングを求められて愕然とするセブ。

二人はお互いの夢を尊重し、共に暮らし出すが
成功にはほど遠く、ちょっとしたことで
ぶつかってしまったりもする。


結果的に、ミアは女優になるべく
パリに行くことを決意し、
セブは初心に戻ってジャズにこだわることも決意する。
お互いに「ずっと愛している」という言葉を残しながら。


5年後、大女優となったミアは別の男性と結婚し、
偶然やはり成功を収めている
セブのジャズクラブに足を踏み込む。

かつて何度も聴いたセブの演奏を耳にしながら、
もしあの時、二人が一緒になっていれば、
そんなイメージが流れる。
切なくて、辛い。

曲が終わり、座席を立ちドアから出ようとする
ミアとセブは見つめ合い、やがて二人は微笑む。
そう、これで良かったのだと。

映画は見事なまでの伏線を入れながらも
強いメッセージを放っていく。

決して一緒になれずとも、あの時、あの瞬間に
共にいたことがなければ、お互いに今の
幸せもない。結果よりも過程なのだ。

いくら愛し合っていたとしても、人はいつか死ぬ。
どちらかを残して、どちらかが先に死ぬ。
別れることを苦しむよりも、
出会ったことを感謝することで
二人は十分に報われるのだ。

改めて、この映画をこれからも何度も観ながら、
僕はある幸福感をリフレインするだろう、
そう思った。

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2022年08月03日

埋もれていた傑作「C.R.A.Z.Y.」

HIV感染、余命30日と告知され、
メキシコまで治療薬を求める映画
「ダラス・バイヤーズクラブ」で有名な
ジャン=マルク・ヴァレ監督。

彼は去年の年末、ケベックの山小屋で
不審死を遂げたというけれど、
彼の初期の作品で大きな評価を
与えられていた「C.R.A.Z.Y.」が
やっと日本でも公開されている。

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時代は1960年代から70年代のカナダ。

生まれたばかりのザックは、
父親から息子の一人に
抱かれようとした瞬間、
病院の床に落とされてしまう。
彼はそこから数奇な運命を辿っていく。

ザックの家族は、心配性の母親と、
クールでかっこいいブルーカラーの父親、
そしてザックも含めて、
男ばかり5人の子供たち。

勉強ばかりしている兄、
運動ばかりしている兄、
かなりぶっとんでいるはぐれ者の兄、
そして両親から愛されている弟。

そんなガチャガチャとした中で
敬虔なクリスチャンの父親は、
パッツィー・クラインや流行歌の大ファンだが、
軍の施設で働いている。

サングラスが似合い、常に車を洗う
父親をかっこいいと思っていた
ザックだが、幼少の頃からなんとなく
自分がゲイではないかと気付く。

しかし、父親の「男は男らしくしろ」
という言葉に翻弄され、悩んだあげく青年期を迎える。

このあたりは、僕自身の父親が
同じくクリスチャンでオペラや映画を愛し、
それでも僕に「男というモノは」と
説いていた幼少時の時を思い出し、
胸が痛くなった。

自分自身を受け入れられないザックと、
さらに受け入れようとしない家族。

その葛藤の末、ザックはどういう道を
歩いていくのか。

時にはスタイリッシュな映像処理や、
高揚させてくれるほど次々と流れる音楽
(これがまさに僕の高校、大学時代に流行ったモノ)
そしてペーソスに溢れた脚本が素晴らしい。

多くのゲイを扱った映画でも、かなり一級品かと
思われるこの映画が、17年近く
日本で公開されなかったのが不思議だ。

時間があれば、是非とも。

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2022年07月20日

近年、ゲイムービーの傑作「大いなる自由」

今年でなんと30回になるという
レインボーリール東京、いわゆる
レズビアン&ゲイ映画祭が行われている。

いつも「これは!」と思う映画が
土曜日の夜に上映となり、仕事で
観られなくなってしまうのだ。

今年、週末の夜に選ばれていたのが
「大いなる自由」という
オーストリア、ドイツ合作映画。

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日曜日の午前に、あと一回だけあり
友人が「本当に凄い!!!
一般公開しないかも知れないし、
とにかく観るチャンスがないので
絶対、行ってほしい」と連絡があったので
朝まで営業したその日、3時間半睡眠で
スパイラルホールに向かった。


映画は1968年、ハンスという男が
公衆トイレでのハッテンから
同性愛者をとりしまるあ刑法175条違反として
投獄させられるところから始まる。

彼の投獄はこれが初めてではなく、
45年にナチスの強制収容所、
そして57年にも公然猥褻で
捕まっていた、という過去がある。

映画はこの3つの時代を行きつ戻りつし、
辛くも、救いがない、そしてあまりにも切ない
時間を見せていく。

ハンスが愛を誓った男、
そして同性愛嫌悪の同室の男の心の中を
見せながら、非情な時代が描かれる。

ある意味、「蜘蛛女のキス」を彷彿と
させたりもするけれど、あの映画は
ファンタジーに溢れ、この映画は
とことんリアリズムで責めてくる。

後半、自由にセックスや
恋愛するゲイの姿を目にしながら、
本当の自由というのは、一体何なのか、
彼が自由を得る日が来るのか、
というのが描かれる。

近年にはなかなか観られなかった
ゲイ映画の傑作だと思う。

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2022年06月15日

お勧め映画「FLEE フリー」

アニメーションのドキュメンタリーなど
ほとんど聞いたことがない。
最初、耳にした時に、何故なんだろうと
思ったけれど、登場人物の身元がわかってしまう、
という理由から、そうなったということだった。

ある意味、新しい試みに邁進したのが
この映画「FLEE フリー」だ。


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ここでの「フリー」は逃亡、という意味だ。
そう。この映画の主人公、アミンは、映画の中で
逃げる、逃げる、逃げ切っていこうとする。

生まれ育ったアフガニスタンから、難民として
たどり着いたロシア、そしてそこからの逃亡。



この映画を観て強く感じるのは、
まさに今のウクライナも同じだけれど、
この日本の東京でヌクヌクと生きる自分と
あまりにもかけ離れている、
この21世紀の世界観だ。

それはおそらく、つい近いはずの北朝鮮や、
ウイグルやチベット、パレスチナの人々を
目にすると同様だと思う。

加えてアミンは子供の頃から自分は
同性である男性に惹かれている、ということだ。

そんな国に住んでいたアミンが
自分の家族にカミングアウトするシーン、
そしてそれ以降の描写は、グッとくる。

日本も含めて自由に同性同士恋愛や
セックスをしている国に住んでいると
およそ理解できないだろう、そう思う。

しかしながら、それでも移民や難民に対して
非道な扱いをし、同性愛を国として
認めようとしない我が国のことも
深く考えさせられた。

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posted by みつあき at 23:51| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年06月09日

ゲイ映画について

ここのところ、店のインスタグラムや
Facebookで、うちの店に置かれている
僕個人が貯蔵(ということでもないか。笑)
していたゲイ映画のパンフレットを5冊ずつ
上げたりしている。

かなりの量があって、
出来るだけ、古いモノと新しいモノを
並べているつもりだ。

ただ、難しいのは、古い映画に関しては
当時観た人たちがあ!これは!!!と
懐かしがったり、、その時代を
感じ取るモノが多いけれど、
新しいモノは量も多いけれど、
心に残っているモノが意外と少ない。

増してBLが流行り出してからは、
BL映画とゲイ映画の差が
わからなかったりもする。

逆に名作とも言えるような
古いゲイ映画を伝えても、
若い人から「え?聞いたことがない」
という声も結構聞こえる。

映画でゲイが主役だったり、
脇にでも登場することが、当時の僕らからは
ドキドキさせられたのが、
今現在は普通になってしまった。

これは喜ばしいことだけど、
逆にもう「ゲイ・ムービー」
というカテゴリーは
なくなっていくのかも知れない。

そんな中、「マスターの一番好きな
ゲイ映画は?」と尋ねられることもよくある。

まだまだ理解されなかった時代に、
強く生きていくゲイの姿を描いた
「トーチソング・トリロジー」も好きだし、
それこそ、偏見しか持っていなかった
イギリスの炭坑夫たちが、ゲイの募金活動に
救われてパレードに参加する
「パレードへようこそ」も泣けた。

しかし、僕の場合、これ一本となると
やっぱり「ブロークバック・マウンテン」
かも知れない。

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今はなきヒース・レジャーが演じたイニス。
結婚をし、騙し騙し生きようとしていた
彼の姿に、結婚をしようとしていた
若い頃の自分が重なり、
まさに僕自身の映画だと思うのだ。

あなたのこれ1本はなんだろう。

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2022年06月06日

難民問題と「マイスモールランド」

高く評価されていることを耳にして、
公開ひと月経っているけれど
「マイスモールランド」という
映画を観に行った。

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映画は埼玉県に住むクルド人家族を
中心に、クルド人たちのコミュニティ、
彼らをとりまく日本人たちの交流、
そこで見えてくる根深い移民問題を
まるでドキュメンタリーのように、
描いているドラマだ。

「クルド人」という名称は知っていたけれど、
恥ずかしながらこの映画を観るまで、
その人たちがどういう人種であるのか、
まったく知らなかった。

ウィキベディアによると、
人口約4600万人と言われるクルド人は
トルコ、イラン、イラク、シリアなどに
移住する国家を持たない
世界最大の民族だと言う。

過去、クルディスタン王国や、
クルディスタン共和国という
名称で国家として機能していたこともあった。

しかし、20世紀後半には文化的圧力によって
政治勢力が誕生し、結果的に
クルド人たちはありとあらゆる国に
移住せざるを得なかったようだ。


主人公は17歳の高校生サーリャ。
母親を数年前に亡くしてから、父、妹、弟と
日本にやって来た。

クルド人としての誇りを失わないように、と
父親の教えから家では、
子供たちはクルド人として
祈りを捧げながら生活をする。

しかし、サーリャはクルド人ということを
高校、アルバイト先など、
周りの多くの人たちに隠し、
聞かれるとドイツ人だと語る。
それほど知られていない
民族であるからなのだろうと最初思ったが、
難民であることを知られると
どんな問題になるか、という
恐怖感がそうさせているのだろう。

そんな彼女の家族のもとに、難民申請は通らない
という連絡が入り、彼らは居住している埼玉から
動くことができない上、
彼らは仕事も出来なくなり、
そのうちに父親は入館施設に入れられてしまう。

彼女が初めて好きになるバイト先の青年、
その母親、バイト先の店長、高校の友人たち、教師、
アパートの大屋、そして家族を支える弁護士など
それぞれの描きかたが見事だ。

サーリャを演じる嵐莉菜の演技力は抜きんでており、
かつ彼女の実の家族が、映画中の家族として
出演しているのも凄い。


実際、日本に住む2000人あまりのクルド人たちだが、
難民認定を申請をしているものの、
ほぼ通ることはないようだ。

加えて、日本の難民認定率は
世界的に低く、なんと2021年は2500人近くが
申請を出し、認定されたのは74人だそうだ。
他国と比較してもすこぶる少数だ。

そもそも認定の定義、というモノが
どれだけ迫害を受けているか、その可能性が高いか、
政府から命まで狙われている証拠があるか、
というようなかなり限定的なことらしい。

ウクライナからの難民を
受け入れようとしている今、
それが広く他の難民に
行き渡るようになるのかどうか。

あらゆる資源が限りあり、
世界が大きく変化している中だからこそ、
弱者にきちんと目を向けていかなければ
ならない、そんな時代に入っているのだと思う。

日本人だからこそ、観なければならない一作。

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2022年04月25日

「ホワイト・ホット アバクロンビー&フィッチの盛衰」

「アバクロ」と言えば、うちの店を
オープンした頃、多くの人たちが
こぞって着ていた。

特に筋肉質からガチムチのゲイには人気らしく、
まだ日本には店舗がなかったから、
みんな通販で購買していた時代だ。

ハワイのショッピングセンターにある
アバクロでは、ものすごい列を成して、
アジア人の若者たちも並んでいた、と聞いた。

特にブルース・ウェーバーが撮影した
男性ヌードの大きな紙袋は、
そこここでよく目にした。

そういう僕も友人からプレゼントで
いただいたり、自分で買ったりもしたものだ。

それから数年経ち、日本でも銀座に
アジア初のアバクロ店が出来、
あの独特の匂いは、四丁目の交差点でも
匂う、とみんなが言うほどだった。

しかしこの店が出来た頃からだろうか、
街でも店でもアバクロを着ている人を
少しずつ見かけなくなっていた。

JUN、VANというアイビーファッションから
ボートハウス、そしてPAPAS、POLO、
カルバンクライン、トミー・ヒルフィガー・・・

僕が若い頃からのゲイが好きな
ブランドの変遷、アバクロを
見なくなってしまったのも、そのひとつかと思っていた。

ただ、ちょうどその頃、CEOの
マイク・ジェフリーズが「黒い色の
洋服は売らないし、従業員にも着させない」とか
「太った人には着てほしくない」と
発言して、問題になり始めたことは
確かに記事などで目にしていた。

そんなアバクロの盛衰を描いた
「ホワイト・ホット」をNetflixが配信された。

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この映画では、そのクローゼットなゲイだった
ジェフリーズの差別主義
(モデルや店員は、白人以外は使わない)や、
性的虐待(B.ウェーバーと共に、モデルに
次々と手をかけた)ということが暴かれていく。

噂には聞いていたけれど、これほど酷い
事実があったとは。

デザインも素敵で、縫製もしっかりしていただけに
今さらながら本当に残念。

現在のアバクロは2017年にCEOが変更されて、
差別もなく、大きなサイズのモノも
売り出し、変貌を遂げようとはしているようだけれど、
まだまだ尾は引いていくかもしれない。

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