2024年08月15日

お勧め映画「ルックバック」

今の日本の映画興行収入の中で10本中、
7,8本が日本映画、そしてその中の
2,3本がアニメだったりする。

80年代、洋画全盛の時代を過ごした
僕としては、これはかなり驚愕。

中には、テレビで評判だったモノの映画化も
多く、日本のテレビドラマやアニメを
ほとんど観ない僕だから、どうしても
邦画を観る機会がどんどん減ってしまう。


そんな中、2年ほど前に、
お客さんから勧められて読んだ
漫画家藤本タツキ氏が描いたコミック
「ルックバック」が映画化されたと聞いた。

これは行かねばと観に出かけたら
これがまさかの58分という短編にも
かかわらず大傑作。

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(左が原作コミック、右が映画ポスター)

話は、学校新聞に四コマ漫画を描いている
小学四年生の少女藤野が主人公。
そして藤野を上回る絵力を持つ
少女京本と運命的な出会いをする。
二人は、高校の年齢になり、
デュオとして、漫画家デビューをする、
という流れだ。

何より目を見張るのが、藤野がいかに
自分の全力を振り絞って、漫画に
かけていくか、という迫力は
原作も凄いけれど、アニメならではの
表現力で見せていく。

作品は、原作にかなり忠実で、
主人公たちや周りの登場人物が語る
セリフまで、ほぼ同じ、という
徹底ぶりだ。

ただ、そこには独特のアニメの動き、
キャストの声のトーン、
そして構図や光の差しかた、
音楽の流れ方などが加わり、
キャラクターの存在感が
大きく膨らむ。

物語は、後半、大きな事件を挟んで、
二人の関係とその深さが
エモーショナルに昇華していく。

観終わったら、すぐにもう一度
観たい、そう思わせてくれる
数少ない一本だった。

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2024年08月01日

1960年代、まさかのゲイを描いた「禁じられた情事の森」

「禁じられた情事の森」

実は恥ずかしながら、この映画、
タイトルを耳にしていながら、
内容もまったく知らず、
今まで観たことがなかった。

60年代の映画でありながら
同性愛も扱った、という意味で
とても重要な作品だというのに。

原題の"Reflections in a Golden Eye"は
「黄金の瞳に映るもの」という原作から。
それを当時の配給会社が
この邦題にしてしまったのは
ポルノビデオさえなかった時代に
俗っぽく、卑猥な感じを伝えることで
人を集めようとしたのかも知れない。

この当時のポスターのコピーさえ、
日本での狙いを強く感じる。

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舞台は大戦中の陸軍基地。
マーロン・ブランドは
士官学校で兵士を育てる少佐、
エリザベス・テイラーはその妻だ。

テイラーは軍にいる夫の友人と
ダブル不倫をしている。
その友人の妻は、子供を亡くしてから
精神を壊していて、フィリピン人の
同性愛者の男性に日々、世話を頼んでいる。

ブランドは、不倫妻には目もくれず、
常に自身の身体を鍛え、顔にクリームを塗り、
鏡を見つめている。

また、ブランドが乗った妻の愛馬が暴走し、
振り落とされた際、
人のいない場所で、女性のように
顔を覆い、泣き崩れる面さえ見せる。

この馬がとても象徴的に描かれていることも
この映画の魅力のひとつだ。

馬の件でブチ切れたテイラーは
大勢が見守るパーティの中、
鞭でブランドの頬を何度も引っ叩く。
その際、ブランドは仁王立ちのまま、
M男のように屈辱に耐えたりもする。

そして、彼が家の木を伐採するように
頼んだのが。たくましく若い兵士だ。

全裸のまま馬に乗り、日光浴をしながら、
他の兵士たちとはなかなか相入れない男。
この不可思議なな青年を演じる若き
ロバート・フォスターがとてもみずみずしい。

ブランドは常に彼の行動を
少し距離を置きながら眺め、
フォスターが捨てたタバコの箱を
秘かに持ち帰り、
綺麗に皺を伸ばしたりしている。

そう。今さら言うまでもなく
ブランドが演じるのは、この時代、
変態、男色、果ては精神病とも言われたゲイなのだ。


映画はブランド、テイラー夫妻、
その不倫相手の夫婦
そして青年フォスターの5人の
サイコロジカル性への執着を
見せて、意外な展開へとなっていく。

これが当時、評価が分かれたのは
そのあまりに特異な話と
幾分、大映ドラマかのごとく
陳腐かと思うほどの大仰な演出に
あるのかも知れない。

ただ、これだけ同性愛が認知された現在、
ブランド演じる男のクローゼットぶりと
その心の中を垣間見せる術は、
とても興味深く見ることが出来るし、
同性愛者の心根にある深い傷のようなモノは
ひょっとして永遠に変わらないかも知れない。

映画は公開当時は普通に上映されたようだが、
今回の上映は全編、黄金色、というような
少し茶ばんだ画面(もちろんカラー)で
踏襲されていて、それが監督が望んだモノだと
最初に注釈があった。

好き嫌いはともかく、
一見の価値がある映画だということは否めない。

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2024年07月31日

Strangerという映画館のこと

江東区にStranger、という映画館が
出来たことは数年前から知っていた。

僕が住むのも江東区なのだけれど、
これがなかなか不便で、
電車に乗っても、ぐるりと周り、
なんと1時間弱もかかってしまう。

ただ、かなり渋いプログラムを
組んでいて、いつか行かなければ、
そう思っていた。

ところが、昨年末、代表が変わってしまい、
まだ行ってもいないのに、
これからどうなるんだろうか、などと
勝手な心配をしていた。

と言うのも、この代表が変わる際に、
ここを創設した岡村氏という人の言葉に
ものすごく打たれた。



その後、プログラムを見ると、おおかた、都内で
観られるモノ、もしくは少し遅れた名画座的な
扱いの映画が多く、少し残念に思っていた。

それが、この夏、ジョン・ヒューストンという
往年の監督の特集上映をする、と聞いて
自転車で汗だくになりながら、
劇場へと向かった(それでも30分強)。

ここがカフェも併設されている
なかなか素敵な映画館。
シネコンの小さめのスクリーンと
さほど変わらない。
菊川駅から3分もかからないし。

評判が良い「ゴングなき戦い」という
映画だけ観るつもりだった。
でも、このあと、まだ時間があったので
それでは、ともう1本観たのが
マーロン・ブランドと
エリザベス・テイラーの
驚きの「禁じられた情事の森」だった。

この映画のことは、明日にでも改めて。

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2024年04月24日

推薦映画「94歳のゲイ」

90歳を超えられているお年寄りで、
ゲイであることをカミングアウトしながら、
(女性はもちろん)一度も男性経験がない、
という男性のインタビューを、
少し前に、YouTubeで目にしたことがあった。

吉川元基監督が、大阪の毎日放送の
ドキュメンタリーとして
制作をされていたものに、その後、
2度に渡って手を加えられたのが、
この映画「94歳のゲイ」だ。

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映画の主人公である長谷川忠さんは、
大阪のあいりん地区(昔の釜ヶ崎、
安い簡易宿泊施設があるドヤ街
と言われている)ところに住まれている。

朝、昼の2回、公園で炊き出しを立ち食いし、
あとは年金で牛乳をたくさん飲んで
生活されている。

若い頃から職を転々としながら、
結婚の話などは無視して、自分が
最も楽な生き方をしてきた。

ただ、良いと思った人には声をかけることもなく、
ゲイ雑誌を目にすることがあっても、
まったくデートや性交渉にはならなかった。

そういう思いを、ただただ小説や
詩や俳句などに、したためていたのだそうだ。

6年住み続けられているあいりん地区には
好きなタイプのおじいさんがたくさんいて、
れたけで、ほっこりするのだそうだ。
若い人よりも、中高年の人を見ているほうが
安心する、と言われている。


この映画には、彼をとりまく重要な人物が二人登場する。

一人は彼のケア・マネージャーでゲイだと
カミングアウトしている梅田さん。

そして、もう一人はドキュメントを目にして
興味を持ち、東京から会いに来る
日本とアメリカのハーフのボーンさん。

このあまりにも魅力的な二人に寄って、
苦しく、重かった長谷川さんの人生が
90を超えて、少しずつ変化していく。

僕も含めて、人に絶対に知られたくない、
そう思っていたクローゼットな人の人生。
多くの先人たちのおかげもあって、
時代は刻々と変化している。

映画は長谷川さんの辛い過去に
焦点を当てるワケではなく、
やっと、この歳になり、
自分を受け入れることが出来た現在が
描かれていくのが、素晴らしい。

こういう人生があっても良いのだ。
堂々とした94歳の姿がとても美しかった。

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2024年03月28日

お勧め映画「夜明けのすべて」

なんだろう、少し重い題材であるのに、
この清々しいほどの感動は...!

どうしようもない自己嫌悪や、
人には簡単に話すことが出来ない
精神的な苦しみ、
それでも、行きつ戻りつしながら、
少しずつ歩いていくということ。

人生の機微を見事に描いているのが
この「夜明けのすべて」だ。


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内容を知らずに、評判の良さだけで観ようと決め、
最初にこのポスターを見た時には、
そうか、また若い男女の恋愛ドラマかと思った。
しかし、作品はそんな予想を遥かに裏切り、
深く心に刻みつけられる傑作となっていた。


映画の主人公は、PMS(月経前症候群)と診断され、
苛々で人が変わったようになってしまう女性、藤沢。
そして、パニック障害を患っている男性、山添の二人。
とは言っても、通常は、まったく
ごく一般的な健常者と変わらない。

二人が務める栗田科学というのは、
顕微鏡など理科教材、プラネタリウムなどを
製造している少人数の会社だ。

仕事場に通いながら、藤沢は
体調を悪くした故郷の母親を気遣い、
山添は、付き合っている恋人との関係や
元上司の心遣いに気持ちを揺らす。

デジタルではなく、16mmフィルムで
撮られた、というこの映画、
季節ごとに流れる空気感が素晴らしい。

風、雨、日差し、木々、うねる坂道、
トンネルなどが、まるで二人の心象風景のように
語り出していく。

職場の人たちは、彼らに寄り添い、
受け入れていきながら、
やり甲斐のある仕事を託している。

彼らは、そんな日常の中で、
それぞれのメンタルと、どう向き合い、
乗り越えていくのか。
二人姿を、映画は決してドラマチックではなく、
淡々と描いていく。

後半、体育館の中に彼らが作った
仮設のプラネタリウムのシーンがある。
これまた決して大袈裟ではないけれど、
あまりの巧みな語り口に、
僕はすっかり胸を掴まれた。

久しぶりに、すぐにでも
もう一度、味わいたい、そう思える映画だった。

2月から始まっているこの映画、
観るのがすっかり遅くなってしまったので
上映回数も少なくなっているけれど、
是非とも観てほしい一作。

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2024年03月20日

我が店の映画ポスター

少し前、店の電飾映画ポスター用の
OHPフィルムの件でここに書いたけれど、
色々悩んだあげく、OHP専用となると
高価なだけではなく、それ以外の
印刷に使用できなかったり。

結局、前持っていた後継機種を
考え、その会社の人が言った
「使用してみないと、印刷できるかどうか
わかりません」という言葉を
無視して、とりあえず前は
使えたのだから!ということを信じて、
その新機種を購買することにした。

設定なども、PCや携帯を使いながら
という一見、簡単なような、逆に面倒な
時間が過ぎ、やっとテスト印刷まで
漕ぎ着けることが出来た。
そして、印刷してみると、これが完璧。

ふう、ひと月ほど経過して
やっと8枚のポスターを変えることが出来た。
ほっ。

IMG_6441.jpg

それにしても、今、自宅でプリンターを
持っている人って、どれくらいいるんだろう。
フリーランスのデザイナーとかであれば、
ともかく、簡単な印刷はコンビニで
出来る時代だし。

街にはオンデマンド印刷の店があるのに、
ここでもOHPプリントは不可能と
言われたのがいまだに不思議。

それはそうと、うちの店には
現在上映しているこの電飾ポスターのほか、
僕がNYで買ってきたオリジナルの
かなり大きめの映画ポスターが
貼られている。

これらはあちらに行くたびに購買したのだが、
過去貼っていたポスターはすべて使い切り、
これをネットで買おうとすると、
物凄い高額となる。

はあ、次にニューヨークに行くのは
いつになることやら。。。

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2024年03月19日

お勧め映画「ナチ刑法175条」

もう20年前に作られたドイツ、ナチ政権下の
同性愛者を扱ったドキュメンタリー
「ナチ刑法175条」が、今週末から
いよいよ、公開されることになる。

image.jpeg

この「刑法175条」というのは、
かつてのドイツで同性愛者、特に
ゲイの性行為を固く禁止した法令のことだ。

ここでも紹介したNetflixの
「エルドラド ナチスが憎んだ理由」
http://bar-bridge.seesaa.net/article/501509175.html
でも、その当時の状況は克明に
描かれていたし、その状況下から
長く投獄されていた男を描いた
フィクションの「大いなる自由」でも、
それは克明に描かれていた。
ナチ期に厳罰化されたこの法案は、
戦後引き継がれ、1994年まで続いていた。
そして、21世紀になろうとしていた
この映画が撮影された当時、
かなり少数、生存していた数人に
スポットライトを当てている。

この映画では、自分たちを置いて
亡くなった人たちや、
その傷ついた心と、深い後遺症について
各々が、カメラの前で証言している。

もう、思い出したくもないし、
取材も受けたくないという人、
逆に失った長い時間を取り戻そうと
穏やかで幸福な日々を送ろうとする人もいる。

ホロコーストを描いた数多くの映画の中でも
見落とされがちなあまりにも悲惨な一面を見ながら、
ここといまだに繋がっているかも知れないことに
きちんと目を向けなければ、
そう思わせてくれる一作。必見です。

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2024年03月11日

そしてアカデミー賞授賞式当日!

例年、日本時間午前9時から、
オスカータイム!なのだけれど、
そこまでのレッドカーペットなどは
録画して、ギリギリまで寝ていたが、
今年は1時間繰り上げて
なんと8時から。

ということで、僕としてはかなり早起きで
オスカーモーニングを楽しんだ。

結果的には昨日書いたモノがかなり大外れで
23部門中、当たったのは13部門。

ニュース速報で流れたように、
日本からの「ゴジラ〜」と「君たちは〜」が
最優秀をとり、たぶん違うだろうと
踏んでいた僕には辛くあたる人もいるだろう。
すみません。

逆に取って欲しかった「PERFECT DAYS」は残念ながら落選。
ただ、アウシュヴィッツを題材にした
この国際長編の「関心領域」をとった
ジョナサン・グレイザー監督の
「現在、最悪の事態が起きています。
ホロコーストが拝借され
何の罪のない人々が犠牲になっています」
という言葉には胸が詰まった。

「オッペンハイマー」はさすがの圧勝で、
一刻も早く観たいけれど、ここまで上映が伸びた
理由がいまだにわからなかったりする。

個人的には想像してうぃたよりも「哀れなるものたち」が
4部門もゲットした上、たぶん今回は
ないだろうと思っていたエマ・ストーンが
二度目の主演女優賞というのは嬉しかった。

二度目と言えば、ヘンリー・マンシーニ以来、
歌曲賞を二回とったビリー・アイリッシュ。
まだ22歳というから凄い。

驚かされたのは衣装賞のプレゼンター
「バンブルビー」などのジョン・シナが
マッチョな身体を全裸のていで
現れたところ。
昔のストリーキングの映像と共に
笑わせられた。

加えて、これは気づかなかったのだが、
放映終了後、友人からの
連絡で知ったのは、助演男優賞を
去年のキー・ホイ・クワンから
ロバート・ダウニーJrが、オスカー像を
手渡されたシーン。

ダウニーは、クワンにはニコリとも
礼の挨拶もなく、無視した(ように見える)。
おそらく無意識の行為だろうけれど、
クワンがアジア人だけに、
確かに考えさせられるシークエンスだった。


このこととは別に、非常に残念だったのは、
追悼のシークエンスで、パフォーマンスを
見せようとしているせいか、
スクリーンに映った亡くなった人々の
映像や名前が小さくて、
よくわからなかったこと。

グラミー賞もそうだが、この
コーナーはかつて活躍した著名人に
思いを馳せる大切なシークエンスだ。
日本は何故、レコード大賞や紅白、
日本アカデミー賞などで
何故やらないのだろうか。

そんなことをぼんやり考えていた中で、
気がつくと、今日は、3.11。
あれから13年の月日が流れていたのだ。

人生には愉しいことだらけではない。

あの日に感じた恐怖感を思いだし
被災されたり、亡くなった方々にも
追悼する気持ちで一日を過ごさなければ、
そう思った。

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2024年03月10日

明日はアカデミー賞授賞式!

映画好きにとって、年に一度のお祭り、
アカデミー賞が日本時間、明日の朝、
放映される。

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今年は、原爆関連ということで、日本公開が
渋られた(結局、今月末やっと公開)
「オッペンハイマー」が、かなり有利と
言われているので、今日は僕の予想。

まったく興味ない人がほとんどだろうけど、
スルーしてください。


作品賞は「オッペンハイマー」(個人的には『オッペン〜』観てないので『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)
監督賞もやっぱり「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン(これは個人的にもそうだと思う)だろう。

主演男優賞も「オッペン〜」のキリアン・マーフィ
(個人的には『アメリカン・フィクション』のジェフリー・ライト良かったけれど)

主演女優賞、これは個人的にはどうしても、プロデューサーも兼ね、
全裸にまでなった「哀れなるものたち」のエマ・ストーンに取らせたいけれど、
たぶん、「キラーズ」のリリー・グラッドストーンだろう。
確かにホント、彼女も素晴らかった。
ストーンは「ラ・ラ・ランド」で取ってしまっているし。

助演男優はやっぱり「オッペン〜」のロバート・ダウニーJRなんだろうなあ。
観てないけれど、これは賛同。
助演女優はこれまた観てないけれど「ホールドオーバーズ」の
ダヴァイン・ジョイ・ランドルフが手堅いようだ。
「ナイアド」のジョディ・フォスターは
よくノミネートされたなあと感心する。

下馬表では、脚本は「オールドオーバーズ」に、
脚色は「オッペンハイマー」に行きそうな感じだ。
個人的には「落下の解剖学」や
「アメリカン・フィクション」も楽しめた。

長編アニメーションは、宮崎アニメ
「君たちはどう生きるか」に日本中の注目が
集まるだろうけれど、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダース」に
なるような気がする。(ゲイが主人公の『ニモーナ』もなかなか良かった。)

また、国際長編映画賞
これは「PERFECT DAYS」に取らせてあげたいけれど、
「関心領域」に行くような気がする。

また、視覚効果賞は「ゴジラー1.0」に入ると盛り上がるだろう。
ただ、渡辺謙が出ていた「ザ・クリエイター 創造者」がかなり強いとも言われているようだ。

美術、衣装デザインはおそらく「バービー」だろう。

メイク&ヘアは日本人のカズ・ヒロがやった「マエストロ その音楽と愛と」に
これまた注目が集まっているけれど、彼は二度取っているため、
「哀れなるものたち」に行きそうな予感。

パフォーマンスとしては、ライアン・ゴズリングが
「バービー」の"I'm Just Ken"で歌い踊るらしいのが楽しみ。
これは歌曲賞を取るんじゃないか。

昨今のオスカーと言えば、作品賞の言い間違いや
受賞者の平手打ちなど、サプライズもあった。
さあ、今年も楽しみだ。

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2024年03月04日

店の映画ぽスター表示

うちの店の一番奥の部分には
常に今、日本で今封切られている
洋画のポスターが1週ごとに2本ずつ
8本分が飾られている。

基本的には洋画のオリジナルポスターだ。
日本のモノも表示したいのだが、
おおかた、日本のモノは
出演者の顔がメインで、
その映画そのもののイメージを
デザインした雰囲気のモノが極端に少ないので、
ついつい洋画になってしまう。

店がオープンした17年前は、
しばらくゲイ関連の映画のポスター
表示し、そのあと、ミュージカル映画など
特集に分けて表示していた。

しかし、来るお客さん、来るお客さんが
あまり古い映画だと
それが仮にゲイの映画であっても、
興味を持たないことがわかった。

そんやワケで、ここ10年ほど、
上に書いたように
現在上映しているモノに変えた。


これは、OHPフィルム、という透明の
フィルムに映画のポスターを焼き付けたモノで
昔、よく学校の授業などで、レンズのシートに
図式や文章を書いたプリントをスクリーンに
映していた、あれだ。

これは自宅に僕が持っていたプリンターで
焼いていて、店を始めて2台のマシンを
使っていた。

ところが先週あたりから色の出が悪くなり、
これは買い替え時期だと言われたのだ。

しかし、OHPをプリントする、ということが
世の中、少なくなったせいか、フィルムが
あっても、それを印刷できるプリンターが
非常に少ない。

僕が使っていたプリンターもOHPを
推奨していなくて、後継機も同様らしい。
前出来たから、とは思うものの、買ってしまって
無理だとわかるのもホントに馬鹿馬鹿しい。

そんなこんなで、次のポスターの展示が
少しだけ遅くなるかも。
よろしくお願いします。
posted by みつあき at 17:06| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月28日

お勧め映画「哀れなるものたち」

僕はゲイとして生まれて、おそらく
ストレート男性よりも、セックスへの
執着が大きいと思う。

もちろん、異性愛者であれ、
同性愛者であれ、男という動物は
性的願望は、さほど変わらないのかも知れない。

ただ、性的弱者とされ、ある意味
男社会で長く虐げられていた女性に比べると、
そこに対する思いも強く、
さらにお互いに同じ性嗜好として
ゲイは自由に求め合うんだろう。


映画「哀れなものたち」は、
女性の、というだけではなく、
人はいかに自由に解放されるべきか、
という問題を、摩訶不思議に描いた怪作だ。

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この映画の主人公、ベラは、
不幸な過去をふりきろうと海に
飛び込み自殺を試みた。

その後、ゴッドウィン博士に寄って、
彼女の腹の中にいる赤子の能を
自身に移植されることで、
新たな人生を歩み始める。

まさに、女性版フランケンシュタインだ。

見るモノ、触れるモノすべてが
新鮮で、わがままで手がつけられないほどの
幼児期から、ありとあらゆるモノを
吸収し、自我を持ち、自由を求めていくまで
それほど長くはかからない。

何よりも、今回、このベラを演じる
エマ・ストーン、映画のプロデューサーも
やっていながら、ここまでやるか、という
物凄いモノを見せてくれる。

なり多くのセックスシーンには、
目をそむける人もいるほど
グロテスクに見えるかも知れない。
そんな中で、彼女は
惜しげもなく、乳首から股間まで
全裸を見せる。

彼女は「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞を
手にしているから、今回は難しいかも知れない。
おそらく世論では「キラー・オブ・ザ・フラワームーン」の
リリー・グラッドストーンだと言われているし、
おそらくそうなるだろうけれど、
僕はエマに取らせてあげたい。


奇妙奇天烈、ぶっとんだ世界観で、
毎度興奮させてくれる
ヨルゴス・ランティモス監督は
今回も華麗なる美術、シチュエーション、
メイキャップと、これまた度肝を抜かせてくれる。

余談だけれど、先日、Prime Videoで観た
「Soltburn」というこれまた奇想天外な
ゲイ(?)ムービーは、クライマックス、
性的なシークエンスでもないにも関わらず
ガッツリとモザイクが入っていて興醒め。

ただ、この「哀れなるものたち」は
映画館で上映しているにも関わらず、
前編モザイクなし。

ネットを開けば、いくらでもペニスや
ヴァギナが見られる世の中、
そろそろ、このワケがわからない線引きを
なんとかしてほしいモノだ。

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2024年01月24日

アカデミー賞ノミネート発表!

日本時間の昨夜、アカデミー賞、
ノミネートが発表された。

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去年は発表前に公開されていたモノも
多数あったけれど、今年の作品賞10本のうち
日本で観られたのは
「キラー・オブ・ザ・フラワームーン」
「バービー」「マエストロ その愛と音楽と」
そして今週から始まる「哀れなるものたち」と
来月公開の「落下の解剖学」でやっと半分。

ゲイ映画関連で言うと、バイセクシャルの
コンダクター、バーンスタインの「マエストロ」は
色々入っているけれど、評価が高い山田太一原作の
「異人たち」は無視されたようだ。

また、公開はまだ決まっていないけど、
カミングアウトしているトッド・ヘインズ監督
(『キャロル』!!)の"May December"も、
前哨戦ではかなり注目されていたのに
脚本賞のみのノミネート、残念。

ちなみに「落下の解剖学」は、
カンヌのクイア・パルムに
ノミネートされていた。

映画の中心には描かれていないけれど、
レズビアンの遠泳選手を描いた
「ナイアド〜その決意は海を越える〜」
(Netflixで観ることが出来る)の
アネット・ベニング、ジョディ・フォスターは
他の賞ではほとんど無視されていたのに
共に、主演助演女優賞に入った。

もちろん、日本では視覚効果賞に入った
「ゴジラ-1.0」、長編アニメーションの
「君たちは、どう生きるか」
海外長編映画賞の「PERFECT DAYS」
加えて、批判を浴びながらも、
メイキャップ&ヘアスタイリング賞に
ノミネートされたヒロ・カズ
(とったら、3回目)も話題になるだろう。

おそらく、13部門という最多ノミネートの
「オッペンハイマー」が、かなり強そう。
長く待たされたこの映画も3月末、
公開決定で僕も大変楽しみ。

さて、僕の予想は「オッペンハイマー」作品、監督、
主演男優、助演男優は総なめ。
主演女優は「キラー・オブ〜」のL.グラッドストーン、
助演女優は、"The Holdvers"っていう未公開の
下馬表が高いダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(長い名前!)

ただ「オッペンハイマー」未見の僕としては、
スコセッシの「キラー・オブ〜」に
頑張ってほしいところ。
リメイクの「ディパーデッド」じゃ、
あまりにも可哀想だし。

さあ、日本時間、3月11日が楽しみだ。

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2024年01月05日

2023年 配信、放映 ベストテン

一昨日は、去年公開された映画で
僕自身がこれ、と思ったベストテンを
書かせてもらったけれど、
今回は去年あらゆる配信サイトで
公開されたモノのベストテン。

もちろん、一昨年以前に配信されたモノも
たくさんあって、その中で選ぶと
これはキリがないので、これは別々に。

まず、去年の配信から

1位「西部戦線異状なし」(Netflix)

20230213111736.jpg

こんな時代だから、戦争とは愚かなことだと
胸に刻みつけられる映画。

2位以下は、
2「STILL マイケル・J・フォックス ストーリー」(Apple TV +)http://bar-bridge.seesaa.net/article/499359644.html
3「マチルダ・ザ・ミュージカル」(Netflix)
4「ディープブレス 呼吸、深く」(Netflix)
5「ブラックベリー」(U-NEXT)
6「ブラック・イナフ?!? アメリカ黒人映画史」(Netflix)
7「ワイルドキャット」(Amazon Prime)
8「アルゼンチン1985 歴史を変えた裁判」(Netflix)
9「エルドラド ナチスが憎んだ自由」(Netflix) http://bar-bridge.seesaa.net/article/501509175.html
10「ナイブズ・アウト  グラス・オニオン」(Netflix)

次点「俳優リタ・モレノ 彼女は前を向くと決めた」(Star Channel)


そして、2022年以前に、劇場、もしくは
配信で公開された初見映画のベストテン

1位「最後の日々 生存者が語るホロコースト」(Netflix)

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「西部戦線異状なし」と同様に、今だから
観てほしい一作だけれど、これは
凄まじいホロコーストを描いたドキュメンタリー。
必見。

2位以下は、

2「ベルベット・クイーン ユキヒョウを探して」(U-NEXT)
3「北(ノルテ) 歴史の終わり」(ラヴ・ディアス監督)(U-NEXT)
4「ラベンダー・ヒル・モブ」(チャールズ・クライトンス監督)(TSUTAYA DISCUS)
5「ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック」
6「ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密」(Amazon Prime)
7「美しい都市(まち)」(アスカー・ファルハディス監督)(Star Channel)
8「ナワリヌイ(U-NEXT)
9「ひとつの太陽」(Netflix)
10「ペルセポリス」(TSUTAYA DISCUS)

次点 「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」(TSUTAYA DISCUS)

去年の配信の2.4.6.7.次点
そして過去のモノの1,2,5,8は、すべてドキュメンタリー。
老いて、現実に目を向け出したっていうことだろうか。

ともあれ、今年もたくさん、観られますように。

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2024年01月03日

2023 僕の映画ベストテン

2024年は元旦、朝まで営業し、
目が覚めてしばらく経つとあの地震、
そして昨日の航空機事故。

とても新しい年とは思えない出来事が
起こってしまった。
なおかつ、元旦のブログ、そして
Xで、大変な誤った書き方をしてしまい、
読まれている方を混乱させ、
不快な思いをさせてしまったたことを
この場を借りて、心から謝罪したい。
申し訳ありませんでした。

そして、そのおかしな文章に気がつき、
注意してくれた方々、有難う御いました。

ホント、つくづく歳かなあ、なんて思う
今日この頃だけど、気を取り直して
例年のように、2023年、
僕が観た映画のベストテンを発表しておきます。

とりあえず、去年、映画館スクリーンで
公開したモノのベストテンです。
(明日以降に、配信などのモノは載せますね)

1位「大いなる自由」    http://bar-bridge.seesaa.net/article/489952234.html

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このポスターも秀逸!!!

2位以下は

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「君は行く先を知らない」
「SHE SAID シー・セッド その名を暴け」   http://bar-bridge.seesaa.net/article/496726877.html
「くすぶりの年代の記録」
「トリとロキタ」
「小さき麦の花」
「PERFECT DAYS」

次点  キリング・オブ・ケネス・チェンバレン http://bar-bridge.seesaa.net/article/500920432.html

「大いなる自由」は、実は2年前に
レインボーリールで観たモノだけれど、
きちんと劇場公開され、なおかつ
個人的には群を抜いてトップ、だと
思ったので、ここに。

また、これ以外にも、
「怪物」 http://bar-bridge.seesaa.net/article/499630603.html
「老ナルキソス」 http://bar-bridge.seesaa.net/article/499461313.html
         http://bar-bridge.seesaa.net/article/499472893.html
「逆転のトライアングル」 http://bar-bridge.seesaa.net/article/498316922.html
「モリコーネ 映画が恋した音楽家」 http://bar-bridge.seesaa.net/article/497071732.html
「福田村事件」
「沈黙の自叙伝」
「ヨーロッパ新世紀」
「コンパートメントNo.6」
など、感銘を受けた映画は多数。

「ダンジョン&ドラゴン」や「イノセンツ」
「ソフト/クワイエット」など、エンタメ系も好きだった。

今年も、どんな傑作に会えるか楽しみ。

さあ、本日、3日からBridgeはオープンです。

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2023年12月04日

お勧め映画「ニュー・オリンポスで」

今、映画館で上演中の「蟻の王」
そして「シチリア・サマー」と共に
イタリアで制作されたゲイ映画
「ニュー・オリンポスで」は
Netflixで観ることが出来る。

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劇場での2本は、ゲイを治す
矯正施設などが取り上げられていて
重い部分もありながら、これまた
見応えがある実話の映画化。

この映画は「あしたのパスタは
アルデンテ」などココメディ映画を
作ってきたフェルザン・オズペテク監督。

それだけに、わかり易く、
今回はなかなか切ない展開。
二人の男のの出会いからその後を見せてくれて
これまた実話だというから驚きだ。

表題の「ニュー・オリンポス」というのは
イタリアにあったゲイのハッテン場となっていた
映画の名画座の名前。

ここに何度か書いたけれど、
僕のゲイデビューが、まさに
そういう映画館だったから
なんとも懐かしくも、
愛おしくも感じる。

いつも、そのニュー・オリンポスで
立ちんぼをして、知り合いも多いエネアと、
そこにふらりとやってきた
ゲイであることを受け入れられてないピエトロ。

70年代の映画館で知り合った学生の二人は、
数回の逢瀬のあと、気になりつつ、
連絡が途絶えてしまう。

その後、それぞれ気になりながらも、
エネアは新しい恋人と、ピエトロは
結婚生活を送り出す。

しかし、何十年後、映画監督になったエネアと
医師になった二人は、劇的な再会を。

これを聞けば、よくあるすれ違い恋愛映画、
と想像するけれど、時代の節目、節目の
エピソードと二人の変容が想像力を刺激する。

因みに、ちょいと下世話だけど、
それぞれの局部がモザイクなし、
という意味でもオススメ笑
posted by みつあき at 16:51| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月29日

お勧め映画「ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密」

昨日、6年も前に作られていて、
日本未公開だったということで
配信で観たのが、「ワンダー・ウーマンと
マーストン教授の秘密」という映画だ。

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え?ワンダーウーマン!?
いつも、ここでは、比較的重たかったり、
渋かったり、というミニシアター系映画を
紹介することが多いのに、
DCコミックスの映画って何?
そう思う人がいるかも知れない。

これ、「ワンダーウーマン」と言いつつも、
DCユニバースの映画ではなく、
そのコミックスの原作を書いた
ウィリアム・M・マーストンの家族の実話。

ワンダーウーマンは出て来ないし、
CGや派手なアクションはない。
それ、詐欺!と思う人はいるかも
知れないけれど、だからこそ(ではないけれど)
これが思いのほか、素晴らしかった。

マーストンという人は、大学教授でもあり、
嘘発見器の先駆けとなる機械を
作った、とされている人。

そして、この映画は、まさか1940年代?と
思うほど、ジェンダーやダイバーシティが
しっかりと描かれていて、
びっくりさせられる。

このマーストン教授。結婚していながら、
オリーブという学生から助手になった女性に
惹かれていく、というところから映画は始まる。
そして、なんと教授の妻のエリザベスも
このオリーブに性的魅力を
感じ、関係を持ってしまう!


ここからはちょっとネタバレ。

3人はやがて共に住み、子供まで
(それも3人も)作るけれど、
これが近隣の住民のみならず、
世間を騒がせることになる。

そもそも、ワンダーウーマンは、同性愛だけじゃなく、
フェティッシュやボンデージ、SMなどが描かれ、
キリスト教も含む、保守系団体から抗議され、
出版された漫画を大量に燃やされたりもした。

そんな騒ぎの中、それぞれ離れて暮らし、
子供たちを異端にしたくない、という女性二人に
教授は強く語る。

「自分を恥じる気持ちは、子供たちにも根付く。
そう育てていきたいのか」
この言葉はずしんと響く。

異常とは何か。普通とは何か。
幸せとは何だろう。
現代を生きる我々に、映画は問いかける。

このマーストンを演じるのが、
ゲイだと公言しているイケメン俳優
ルーク・エヴァンスというのも興味深い。

Amazon Primeや、U-NEXTでの配信で
観ることができるので、ぜひとも。

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2023年11月22日

今年公開のLGBTQ映画

もうあと10日もすれば、12月だ。
今年は、例年になく、ゲイ映画も含めた
LGBTQ系の映画が、劇場、配信共に
広く公開された。

公開順で、並べてみると

まず、劇場で観られたモノ

洋画
アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者
ザ・ホエール ※
ガール・ピクチャー
あの夏のアダム
マネー・ボーイズ
苦い涙 ※
ペトラ・フォン・カントの苦い涙
青いカフタンの仕立て屋 ※
大いなる自由 ※
CLOSE クロース 
僕と幽霊が家族になった件
インスペクション ここで生きる 
卒業 Tell the World I Love You
I(アイ) 人に生まれて
パトリシア・ハイスミスに恋して(公開中)
蟻の王(公開中)
シチリア・サマー(公開中)
Winter Boy


邦画
世界は僕らに気づかない
ひみつのなっちゃん
エゴイスト
二十歳の息子
怪物 
老ナルキソス 

配信
ニモーナ ※
エル・ドラド ナチスが憎んだ自由 
スカウトに誓って 米国ボーイスカウトの隠蔽された記録 
ワム!
カサンドロ リングの上のドラァグクイーン
赤と白のロイヤルブルー
ニュー・オリンポスで
ファンフィク
ナイ・アド その決意は海を超える
ドイ・ボーイ 路地裏の僕ら

以上は、ゲイ(またはレズビアン、トランスジェンダー)を
主人公としたモノ。

以下は、LGBTQが主人公ではないけれど、
脇役、もしくは関連していると思われるモノ。

洋画
aftersun アフターサン 
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
TAR  ター 
ノック 週末の訪問者
ベネデッタ
沈黙の自叙伝
メドゥーサ デラックス
すべてうまいくいきますように
シアターキャンプ
天使の影
ジャン・ポール・ゴルチエのファッション狂想劇

邦画
バカ塗りの娘
首 

それにしても、1年間でこの多さ。
ひと昔前までは、年に邦洋問わず、
数本だったのに。

配信は今年配信されたモノだけなので、
これ以外この手の映画は山ほどあるから
あまりこのリストも意味がないと言えばないけれど。

いずれにしても、今年公開作は
またそろそろ名画座で上映されたり、
配信も始まるのでお楽しみに。

ちなみに※印は僕のお勧め。

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2023年11月20日

お勧め映画「エルドラド ナチスが憎んだ自由」

この夏、封切られたドイツでの
戦時中から戦後にかけて、
刑務所を出たり、入ったりした男を描いた
ゲイの名作「大いなる自由」。
http://bar-bridge.seesaa.net/article/489952234.html?1700462374

この背景で、いかにナチ、そしてその後の
ドイツが、ゲイを差別することだけでなく、
迫害していたか、というドキュメンタリーが
Netflixで観ることができる
「「エルドラド ナチスが憎んだ自由」。

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1920年代のドイツでは、
同性愛のコミュニティがあり、
性科学研究所の医師がおり、
異性の服装を着ていても、
許可書さえあれば、
街で堂々と歩いていたらしい。

そんな中、ゲイ、レズビアン、
トランスジェンダーが歌い踊り、
自由な雰囲気を謳歌していたようだ。

そこで有名なクラブ名が
「エルドラド」だったそうだ。

そこには、軍人やアスリートも含め、
性別適合者を受けた人などが
多く出入りしていたようだ。

そう、あの舞台や映画で有名な
「キャバレー」のキットカットクラブの
モデルになったのだとか。

しかし、ナチの台頭後、激しく
弾圧を受け始め、
ホロコーストで、同性愛者は
ピンクトライアングルという
マークを付けられ、
迫害されていたのは有名。

その際のナチスの目的は
映画中で「同性愛者の虐殺ではなく、
同性愛者自体の消滅だ」と
言われていたと言うから。
本当に恐ろしい。

映画は、ヒトラーの盟友、エルンスト・レームが
ゲイでありながら、ナチスで強い権力を持つけれど、
彼のその後の状況は、ある意味
ショッキングな内容だった。

今、日本でも政治的にも、
LGBTQの問題は多く語られている。

そんな中で、改めて冷静に客観的にも、
観ることをお勧めする1本。

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2023年10月25日

お勧め映画「キラーズ・オブ・フラワームーン」

ディカプリオとスコセッシ監督という
黄金コンビがまたまた傑作を生み出した。

「キラーズ・オブ・フラワームーン」がそれ。

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アメリカ先住民が、花が咲き乱れる
5月に出る満月を「フラワームーン」と
呼んだらしいけれど、その先住民
(この映画では、オーセージ族と
呼ばれる人々)が次々に殺される、
という事件の裏側を描いた一作。

1920年代、石油発掘で金がどんどん
舞い込んできたオクラホマ州に住む先住民たち。

それを快く思わなかった白人なんだけど、
複雑な経済社会で生きるためには、
白人の後見人がいなければ、
金を受け取ることが出来ない。

そういう背景を、スコセッシは
オープニングでモノクロのニュースフィルムを
見せるように描き出している。

ディカプリオはそういうオーセージ族の
女性と結婚し、いつかその受益権を
相続しようとする男アーネストの役だ。

つい先日、久しぶりにリバイバルで観た
「タイタニック」とはまったく違う、
50歳を目前に控えたディカプリオが渋い。

また、その叔父で、アーネストに
どんどん葉っぱをかける牧畜業者の役を、
これまたスコセッシ組のロバート・デ・ニーロが
相変わらずケレン味たっぷりに演じる。

そして、何と言っても、ディカプリオの妻となる
オーセージ族の女性を演じる
リリー・グラッドストーンが素晴らしい。

常に穏やかにアーネストを支え、愛し、
信じていこうとしながら、
恐れや怒りという心情を
抑えられた演技で見せていく。

そして、裕福な彼女の姉妹たちは
次々とあらゆる事故死を遂げていく、
という展開から、ドラマは
重く、悲壮感を帯びていく。

まったく知らなかった、というか
葬り去られたこのような歴史が
もう老練と言われるようになった
スコセッシによって、じっくりと
描き出されていく。

3時間半という上映時間に、
気が重くなる人も多いと思う。
でも、これはスクリーン、それも
IMAXでしっかりと観られることを
ぜひとも勧めたい。

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2023年09月28日

お勧め映画「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」

今日ここで紹介する映画は、
タイトルで十分に想像できるモノだけど、
観ようと思っている方は、
ほぼネタバレに近くなるので
注意してください。

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10年近く前に公開された映画
「フルートベール駅で」は、
サンフランシスコの小さな駅で
警官に射殺されたアフリカ系青年の映画だった。

今回の映画「キリング・オブ・
ケネス・チェンバレン」もそれと同様、
白人の警察官に殺された
一人のアフリカ系老人の話だ。

そしてなんと言っても両方が
実話の映画化というのが凄い。

双極性障害を患っている主人公ケネスが、
朝の5時半前後に、医療用の通報装置に
寝ぼけて手をかけてしまう。

「何かありましたか?」という問いかけに
ケネスは寝てしまって応えなかったせいで、
警察官3人が安否を確認しに来る。

映画は、ほぼ全編実際に通報装置を通じて
録音された音声を元に、ほぼ忠実に
再現されている。

警察3人が、とにかくドアだけ
開けてくれ、という言葉に
恐怖を感じるケネスは
「まったく問題ない、大丈夫だから
帰ってくれ」と懇願するけれど、
彼らは任務だから、と決して帰ろうとはしない。

3人の中で、最も年長で指揮をとる
白人の一人は、冷静沈着だが、
こと警察官というのは、どいあるべきか
とプライドを持っている男だ。

若い一人はすぐ頭に血がのぼり、
何かと騒ぎ出し、何をするか
わからない恐怖さえある。

新人らしきもう一人は、
常に老人の気持ちに寄り添おうとするが、
気の弱さや権力への恐怖心から
自分自身を押さえ込む。

どうしようもなくなった警察は
さらに複数の人間が加わり、
さらにケネスを精神的に追い込んでいく。

彼が殺されるまでのほぼ1時間半、
カメラは、そのやりとりを
かなりリアルに描き出していく。

まるでドキュメンタリーを、
観ている感覚は、観客である我々も
どんどん辛くなっていく。

昨夜、この映画の話をしたら、
「現実は辛く厳しいことが多いのに、
映画くらいは、ハッピーなモノを
観たい」そう言ったお客さんもいた。

確かに、そういう気持ちもよくわかる。
ハッピーとは言わなくても、
死ぬ、とわかっているところに
直撃していく映画は本当に辛い。

ただ、自分自身の心の中にどこかに
潜むちょっとした差別意識や、
上から目線のようなモノが
こういう作品を観ることによって
気が付かされることも多い。

少なくとも、権力に属していることで
良しとされる暴力(それは言葉も含めて)の
恐怖ということを改めて
考えさせられた一作だった。

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