2020年06月22日

今週のお勧めゲイ映画「ペイン・アンド・グローリー」

画面の隅から隅までヴィヴィッドな色使い。
登場人物たちの破天荒な言動。
そして、驚くばかりのドラマ展開。

常にそんな趣向を凝らした映画を
作り続けているペドロ・アルモドヴァル監督。

僕が彼の作品に初めて遭遇したのが、
ゲイムービー「欲望の法則」
その後作られた「バッド・エデュケーション」に続き、
この監督の自伝的要素を含んだ三部作の
最終作が、先週から公開された
「ペイン・アンド・グローリー」だ。

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映画は、身体中をむしばむ多くの病気と
闘い続けて、新作を撮ることが出来ない
一人の映画監督サルバドールが主人公だ。

30年以上前に彼が撮った作品が
再公開され、講演を頼まれることから、
かつて仲違いした主演俳優と再会する。

彼が主演する舞台を観に来ていたのが
サルバドールの元ボーイフレンド。
何十年ぶりかの逢瀬。

また、偶然ギャラリーで目にした
少年の絵。
これは、まさにサルバドールが少年時代に
自宅の壁塗りで雇われた青年が、
描いてくれた絵だった。
その青年こそ、サルバドールの初恋だった。

そしてかつて気丈で、美しかった母が
年をとり、弱々しくなっている。

そんなエピソードのひとつ、ひとつが
どこかで繋がり、サルバドールの人生を、
彼のキャラクターを浮き彫りにしてくれる。

サルバドールは、アルモドヴァル映画には
何度も登場するアントニオ・バンデラス。
ハリウッド・アクションで
イケメン、ラテン系役者の代表だった彼も
もうすっかり年配俳優の仲間入り。
しかし、その存在感はすごい。

ちょっとおこがましいけれど、この映画を
観ながら、ついついあらゆるシーンで
僕自身、自分の過去と対面していた。
初恋や恋愛、そして友情と母との関係を。

比較的ドタバタとしたコメディ色が
強かったこの監督だったけれど、
淡く、デリケート、かつ輝かしい日々を
アルモドヴァル版「8 1/2」とも
言うべく傑作を作り上げた。

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2020年06月19日

高倉健の魅力

昨日、ヤマトちゃんと映画の話をしていて、
彼は自粛期間中、高倉健の任侠モノを
ずいぶん観た、と言っていた。

ちょっと若い高倉健。
かっこ良かったです、とヤマトちゃん。

僕は僕で、つい最近、山田洋次監督の
「幸福の黄色いハンカチ」を久しぶりに、
そして「遥かなる山の呼び声」を初めて
観たことを話した。
どちらかと言うと、中期から
後期にかけた高倉健の熟年時代だ。

正直、僕は若い頃、高倉健、ただのおっさん
(ホント失礼)としか思えず、
あの鋭い眼光、というのも、セクシーには
まったく感じられなかったのだ。

しかし。
今回、改めて観ると、いやあ、ホントに
「男」をここまで感じさせる
役者がいただろうか。
下世話だけれど、
あのピンと伸びた背筋や
ガッツリと鍛え上げられた身体、
そして太い眉、時には強く、
時には優しい瞳、そしてきりっと閉じた唇、
すべてがエロチックなのだ。

「幸福の〜」は、多くの映画賞を受賞し、
彼と武田鉄矢、桃井かおりの3人の
コンビネーションによるロード・ムービーは
今観ても、細かい部分まで
山田監督の演出は素晴らしい。
もちろん、健さんの存在も。

しかし「遥かなる〜」は、
映画自体は想像した以上でも以下でもない
出来ではあったものの、これは健さんの魅力全開。
農家で上半身を脱いで働くシーン、
激しく駆けゆく馬を乗りこなすシーンなど
まるで、高倉健のビジュアル・グラビアだ。

増して「幸福〜」は46歳、「遥かなる〜」は49歳。
あの年齢でこの肉体。
そう言えば同時期に放映されていた
テレビドラマ「あにき」でも、
あの均整の取れた体には驚いた。

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彼が亡くなった時にも、ここに書いたけれど、
健さんは、僕らゲイの間で
(たぶん、一部のストレートの人たちの間でも)
ゲイ説が根強くあった。

一度、写真誌に若い青年と一緒に
自宅に入るところを撮影された写真が
掲載されたりもしたし、
ゲイバーで出会ったとある人が
「奥さんだった江利チエミさんが、
麻雀をしながら、今日も男のところなの」と
呟いていた、という話も耳にしたことがある。

しかし、多くの話は、
どれも決定的でなことでもなく、
ある意味、どうでも良いことだ。

と言うか、仮りに彼がゲイであったとしても、
墓場まで持っていきたい、と思うそのことを
他人がどうこう、言うことではない。

それでも、ゲイから見て、
あそこまで完璧なる「男」像を造りあげた
一人の俳優の姿には、胸を打たれる。
それがあくまでも「役者」としての
表現であるとしても、素晴らしい。

まだ、まだ彼の観ていない映画は多くあり、
これからそれらの健さんに触れられることが出来る、
というのは、楽しみでもあり、嬉しいことだ。

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2020年06月11日

本日の映画「宮本から君へ」

一昨日、巨匠木下恵介監督の最高傑作と言われる
「永遠の人」を初めて目にして、その愛憎の深さと
表現力に痺れた。

これはまた是非、ここで紹介したいけれど、
今日はその翌日(つまり昨日)観た
「宮本から君へ」。

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これはテレ東系で放映されていたドラマ
(原作は新井英樹氏による漫画)の
後日談としての映画だ。

テレビドラマの映画化というのは、
基本的にはあまり進んで観たい、と
思わないのだけれど、この映画は
去年の公開作の中で抜群の評価だった。

今年の正月過ぎに名画座で観ようと思い、
その直前にドラマを一気見した。
このドラマの監督の真理子哲也氏は前に
「ディストラクション・ベイビーズ」が
あまりにも激し過ぎて、
僕にはちょっとトゥーマッチだった。

このテレビドラマも同様、
やはり大声で怒鳴り散らし、
胸ぐらを掴んだりするシーンも多く、
やっぱりヘビーだった。
ただ、主演の池松壮亮が魅力的で
結局最後まで観てしまった。

しかし観終わった時には、名画座で終わり、
それからコロナ問題が始まってしまった。

そっか。いつか配信で流れたら、と
思っていたのと、あれくらいのテンションで
また映画館で観るよりも、
配信のほうが、精神的にも良いか、
なんて、考えていたら、映画館再開。

なんと店のすぐ近くの劇場(テアトル新宿)で
昼間のみ上映していることを知り、駆けつけたのだ。


前置きがすっかり長くなったけれど、
映画もテレビとたがわず、いやそれ以上に
暑苦しく、過激、おまけにテレビ放送では
無理なほどのバイオレンスシーンが盛り込まれ、
途中、いや、これは無理、
そう何度も思った。

映画は、テレビドラマの後半で知り合った
蒼井優との熱い恋愛を軸に
彼女の前の男、そしてひょんなことから
知り合う社会人ラグビーをやっている親子
(父がピエール瀧)などを
中心に、激しい愛憎劇が繰り広げられる。

余談だけれど、ピエール瀧出演している
という理由で、文化庁が出す予定だった
助成金をとり下げた、という酷い話も
この映画の逸話として聞いていた。


池松君も凄いけれど、蒼井優も負けてられない。
掴みかかり、殴り、汚い言葉を吐き捨てる。
観ながら、ついつい優ちゃんが実生活で
夫になったばかりの山里氏の顔が
思い浮かんだりもする。

そんな猛烈なシーンの重なりが、
いよいよ、クライマックスを迎える。
この映画の中で最も辛く、キツく、
観ているこちらの全身が硬直し、
最も疲れてしまう場面だ。

くたくたになり、もうやめてくれと
こちらは心の中で叫びながら、
手に汗握り、心臓をバクバクしたあと、
最後の池松君の顔のアップに
おいおいと嗚咽したくなるほど
泣けてくる。

自分でもうまく説明出来ない
感情の揺さぶられかた。
3Dよりも、4DXよりも身体に、
そして心にズシズシッと響いてくる。

ある意味、とても好きになれない、
もう二度と観ることもないだろうと思う。
それでも、半日経ち、一日経った今、
この映画のありとあらゆるシーンが蘇る。
何故なのか。

クレジットタイトルを観ながら、
宮本演じた池松を、蒼井優を、
そして映画を抱きしめたくなる。
本当に、本当に、不思議である。

今から60年も前に作られた
「永遠の人」のあまりの衝撃に打ちのめされ、
これが傑作だということは間違いない、
そう思ったけれど、この「宮本から君へ」は
日本の恋愛映画史上に残る傑作だ、
そう思う。
すべての人には勧められないけれど、
これを読んで興味があれば、是非。

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2020年06月08日

愛しのミニシアター

僕が中学生や高校生の頃の映画館と言えば、
いわゆる封切りのロードショー館と、
それから半年、1年遅れて観られる名画座の
2つのパターンだった。

もちろん、まだ複数の劇場を持つシネコンなど
なかった時代で、指定席もなかった。

どの映画館にも長蛇の列が出来、
2時間並んで入って眠ってしまい、
入れ替え性じゃないから、もう一度観る、
というような時代。

それが大学に入る頃から、
岩波ホール、そして新宿に出来た
シネマスクエアとうきゅうなど
ちょこちょことミニシアター
(その頃は単館上映劇場と言っていた)
なるモノが出来てきた。

そこは、入ったら何度も観られる
というモノではなく、完全に入れ替え制
というシステムだった。
有名俳優が出ていたり、凄い予算が
かけられた大作や、アメリカ映画ではなく、
聞いたこともないような小さな国の映画や
低予算で作られた日本映画も上映されていた。

中学、高校時代はアクションやパニック映画、
有名な俳優が出ている恋愛映画を追いかけて
いたけれど、大学に入り
ちょっと背伸びをした僕にとっては
有難い場所だった。

中にはB級でチープだけれど、
その安っぽさが逆に楽しいモノや、
もちろんアート系の前衛映画もあった。

何よりも、観ている間だけ楽しい、とか
泣ける、という売りのモノではなく、
ずしんと胸に響く
想像力を膨らませる秀逸なドラマに
数多く出会うことが出来た。

そんなミニシアターが、このコロナウィルスの
影響で、大変な状態にあると言う。
劇場もそうだけれど、配給会社、
そして制作会社も同様。

うちの店自体も、なかなか大変な時に
そんなこと考えている余裕があるのか、
と言われるけれども、そういう数々の映画に
よって、僕自身は作られたと言っても
過言ではない。

僕も参加させてもらった
クラウドファンディングによって
ここ数ヶ月は生き延びることが出来たと聞くけれど、
まだまだ余談を許さない状態。

少しずつ劇場もオープンするらしいので、
配信やDVDだけでなく、また劇場通いを
しよう、そう思う今日この頃だ。

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2020年06月03日

本日のTVムービー「ブライト・ライツ:キャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズ」

僕が外国人に自分の名前を説明する時に
「"Bright Lights"っていう意味なんですよ」
と伝えたりするのだけれど、
そのままの映画のタイトルを
Amazon Primeで見付けた。

邦題は「ブライト・ライツ:
キャリー・フィッシャーとデビー・レイノルズ」

スターチャンネルでは「星になった母娘」
というサブタイトルがついて放映されていたようだ。

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これはタイトルにもあるように、
「スター・ウォーズ」で一躍世界の人気者になった
キャリーと、「雨に唄えば」や多くの映画で
50年代ハリウッドの大女優だったレイノルズ母娘。

この二人が、一昨年末に1日違いで
亡くなったことはショッキングな出来事だったけれど、
比較的その直前までの二人を追いかけながら、
それぞれの生い立ちや結婚、
そしてハリウッドでの成功を
独特な視点で描いている。

デビーの夫で、キャリーの父親の
エディ・フィッシャーも50年代、
多くの女性ファンに
黄色い声で騒がれたシンガー。

しかし、彼はデビーの親友であった
エリザベス・テイラーと恋に落ち、
それが離婚につながる。
後にフィッシャーはギャンブルで破産、
年老いてから、娘のキャリーに金の無心に
来ていたこともわかる。

娘への満ち溢れるデビーの愛と、
その母のステージにまであげられる
キャリーの苛立ち。
そして10代の頃からのドラッグ依存。

二人の確執は、その後、キャリー自身が
脚本を書き、メリル・ストリープと
シャーリー・マックレーンによる
「ハリウッドにくちづけ」という映画となる。


オタクでガラクタ趣味のキャリーの家と
大理石とガラスで囲まれただだっ広いデビーの家。

セレブリティと派手好きなデビーが
次々とオークションで落とした
モンローのあのスカートがめくれた衣装、
そして何よりも恋敵だったリズの
「クレオパトラ」の楽屋での椅子には
笑わせられる。

また「スター・ウォーズ」から
遠のいていたキャリーが
死ぬ数年前に、ファンへのサインや
写真撮影に「ありがたい」と
丁寧に応じるのには泣かされる。

とにかくハリウッドと距離を置いたキャリーと
いつまでもトップの座に君臨し続けたいと思うデビー。

最後の何年かは、隣同士に住み、
まさか、ひと足先に逝くことも知らずに
キャリーが老いた母親を気遣う姿には
胸を打たれる。

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2020年05月31日

本日の映画「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」

自粛期間中、Netflixは、
テレビシリーズ、映画とも、
ずいぶんお世話になったけれど、
これはその中でもベストと思えたくらい
チャーミングな映画
「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」
(なんじゃ、このサブタイトルは!)

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アメリカの片田舎に住む
チャイニーズの女子高校生エリー。

父親は博士号を持っているのに英語が話せないため
仕事をしないで、家のテレビで古い洋画ばかり見ている。

エリーは家計を救うため、学友のレポートなどを
請け負ったりしている。
そんな中、アメフト選手で
ちょっとすっとぼけた男、ポールから
ラブレターの依頼がくる。

その相手というのが、クラス1の美人、
アスターに渡したいので、
彼女がグッとくる文章を、と。
しかし、実はレズビアンのアリーも
アスターに片思い中だった。

とは言うものの、ポールの代筆や、
スマホのチャットも代わりに送る短文の中で
どんどんアリーの個性が出てくる。

デートとなると、うまく話せないポールなのに、
あまりにも素敵なチャットの言葉ひとつひとつに
惹かれていくアスター。

この微妙な三角関係の描きかたが素敵だ。

登場してくる多くの映画や本の話、
ノートに書かれる文字や、
壁に描かれる絵・・・
ポールが作るタコス、
エリーが漕ぐ自転車、等々
ドラマをつむいでいく細かな演出が
ひとつ、ひとつ意味を持っていて
その謎解きをしていくのも楽しい。

こんな片田舎の高校でも、やっぱり現代。
決して常識にはとらわれずに生きる人たちの
ロマンチック・コメディとして秀逸だ。
必見。

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2020年05月30日

オタクの涙

今まで、僕は多くの映画を、
BSやCSで録画してきた。
モノに寄っては、30年近く前に
放映された映画をVHSに録画したり、
それをDVDに焼き直したり。
ここ20年はDVDに、そして
ここ10年はBlu-rayに焼いて保存。

週に2、3本は観ていない名画や
観たけれどもう一度観たい映画が
放映されていて、それをどんどん録画。

そしてハードディスクが
いっぱいになる前に焼く。
焼いては、名前を書き、ファイルに納め、
パソコンであいうえお順に管理をする。

とは言っても、スクリーンで映画を観たり、
評判が良いテレビドラマなどを観たりしていくと、
焼いたモノは溜まる一方で、まったく観られない。

これは、動けなくなった時の老後の楽しみだな、
なんて思いながらも、それがいつ来るのか、
それまでほとんど封印か。。。

そんなふうに考えていたら、
このコロナ騒ぎ。

店を開けられなかったのは悔しいし、
収入もまったくなかったけれど、
この期間、多くの溜まったビデオを
毎日観ることが出来たのは幸せだった。

新しい発見もあれば、想像していたモノと違ったり、
特に若い頃観た映画の誤認識は驚いたり。


ただ、そういうDVDやBlu-rayの中で
10枚に1枚くらいは、読み込めない、
再生できないというのが出てくる。

ダビングして、ファイルに入れると、そこで
安心してしまうのか、録画後、すぐに
確認もしていないのが問題だ。

ワクワクドキドキしながら、
うちにある3台のデッキ、ひとつ、ひとつに
入れてみると(もう、超オタクがバレる。笑)、
全部再生不可能。
布で丁寧に拭いたりしても、無理。

最近は配信もあるし、最悪、
どうしても観たいモノはDVDレンタルなど
探してみたりするけれど、
再生不可能なモノに限って、
どこにも見つからず貴重な作品だと、
愕然としてしまう。

とは言っても、その何十倍、何百倍と
観なければならない(仕事かよ。笑)映画が
多過ぎる。
そのたびに、1日48時間あれば、
そう思う日々。

さあ、とは言ってもオープンまであと2日。

Blu-rayをデッキに入れる以上に
ワクワク、ドキドキしてきた。。。

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2020年05月29日

本日の映画「七人の侍」

店のオープンも決まり、
今後はあまりゆっくりと長い映画も観ることが出来ない
と、今回、久しぶりに選んだのが
黒澤明の「七人の侍」だ。

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え?
今さら?
何故???などと言われそうだが、
僕自身、学生の時に映画館でリバイバルを
観た以来、何度観たのだろう。

数々の世界映画の歴代オールベスト10で
必ず上位に入り、
何度もベストワンになっているのだから凄い。

とは言っても、
今回は15年ぶりくらいに観たけれど、
何度観ても、この多くの絶賛は
十分、理解が出来る。

芸術的なことも十分含めて
もの凄く面白く、興奮覚めやらぬ
エンターテインメント大作になっている。

休憩も入れて、3時間半近くだが、
どこも切ることが出来ないほど。
脚本、撮影、照明、編集、役者の動き、
そのすべてが計算し尽くされているほどに完璧。
まったく無駄がない。

戦国時代の農村で盗賊と化した野武士たちと
戦うべく、力を貸してくれる侍を求める農民たち。
そして集められるのが、非常に個性的な七人だ。

その中でも、菊千代役の三船敏郎。
他の黒澤映画では、渋い演技や
ミステリアスな部分も見せる彼は
ここでは無鉄砲でやんちゃ、
ちくいち大騒ぎをして異彩を放つ。

IMG_3497.JPG7985df64.jpg

彼の輝かんばかりの芝居は
魅力的とかいう言葉を
取り越して、狂犬、荒馬のごとしだ。

いつも大口を叩き、強気でバカ明るい菊千代。
そんな彼が、一度だけおいおいと泣くシーン。
ここは何度観ても胸が引き裂かれそうになる。

もちろん、彼以外の役者たちも、
ひとりひとりが個性的で、
書き出したら止まらなくなってしまいそうだ。

特に志村喬、宮口精二の二人など
こういう芝居が出来る俳優、
今、いるのだろうか、と思うほど
緻密で深い。

映画は侍たちを集め、野武士たちとの
合戦準備を前半に、そして合戦が後半という
作りになっている。

後半の合戦シーン、夏の収穫後の山村が
舞台となっているが、これが撮影が伸びて
真冬の雪を溶かして、土砂降りの雨という設定。

ここで半裸で六尺、お尻丸出しの三船も含め、
さぞ寒かっただろう、と裏話にも感激だ。

とにかく、映画好きなら、
決して見落とせない傑作。
未見の人には是非とも、しっかりと
腰を落ち着けて、観てもらいたい一作だ。

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2020年05月27日

本日のTVムービー「ミス・アメリカーナ」

今年になってNetflixで配信が始まった
テイラー・スウィフトの
「ミス・アメリカーナ」が話題だ
というから観てみた。


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これ、ライブ、コンサートを中心に
したモノかと思いきや、そうではなく
彼女が音楽好きな少女から
ポップス界のカリスマになり、
いかに変化をとげたか、
というドキュメンタリーという仕上がり。

彼女の新しいアルバムの制作過程を
中心に置かれていて、ノーメイク、
普段着で、どんどんメロディーや歌詞を
溢れさせるシーンは、唸らせてくれる。

彼女の人気は凄く、世界各国でスタジアムクラス、
日本でもドームのチケットがすぐ完売。

とは言っても、その裏側で、
有名になってしまったからこそ味わう
大きな悩みや苦しみがあった。

まだ19歳でスターダムに
躍り出た彼女が、MTVの音楽賞を受賞した際
ラッパーのカニエ・ウエストに
「これはビヨンセが取るべきだ」と
大衆の面前で言われた有名なハプニング、
常にファンやパパラッチに追いかけられ、
20代半ばで、多くのSNSでバッシングを受け、
1年間、休業を決意するシークエンスなど
多くの著名人が経験することだろう。

それまで、保守的なカントリーシンガーとして
常に美しく、良い子である、というアイドルを
演じなければならなかった彼女。
しかし、自分の生まれ故郷で、差別発言を
繰り返す女性議員の存在を知り、
強く政治発言もするようになっていく。

昨今の日本でも、
SNSバッシングによって生じた自殺した女子レスラーや
政府へのアンチテーゼを強く持った女優などのことを
ダブらせて考えずにはいられない。

人はいかに傷つき、そしてその傷から
どう立ち上がっていくことが出来るか。
テイラーは、ただのシンガーソングライターではなく、
一人の女性として、メッセージを投げてくる。

「観客が半分になっても、彼女は太ったと
揶揄されても、私は私である」と
見違えるように強く変わるテイラーは
本当に魅力的だ。

ドキュメンタリー後半では、
同性婚にも強く支援するテイラーと
やはりNetflixのリアリティー番組「クイア・アイ」の
ゲイ5人とミュージック・クリップを
作る姿もあって、楽しめる。

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2020年05月25日

本日のゲイ映画「ララミー・プロジェクト/語られた真実」

NetflixやHuluが出る前に、
それなりに問題視されるようなドラマや
放映など絶対無理だった
過激なシーンなどで注目されていたのが
HBOというテレビ局だ。

そのHBOが制作し、日本では衛星放送、
CSだけで放映された
「ララミー・プロジェクト/語られた真実」を観た。


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98年にアメリカ、ワイオミングで
21歳の大学生が、ゲイであることを理由に
二人の男から暴行を受け、亡くなった。

事件の2年後に、ニューヨークの劇団が
ワイオミング州のララミーで、
事件をとりまく人たちにインタビューし、
それを元に舞台が作られた。

そしてさらにその2年後に
同じ脚本、そして同じ演出家で
作りあげられたのがこのドラマだ。

一瞬ドキュメンタリーかと
見間違うようなオープニングから始まる。

舞台同様、役者たちが
インタビューするのが、
亡くなった学生の友人たちは元より、
学生を治療した医者、保安官、
神父、農場主、主婦などだ。
これを、有名無名の役者たちが
リアルに再現している。

その中には、もちろん彼に同情し、
悲しむ人も多くいながら、
「ゲイだから当然」というような
アンチも何人も証言する。

20年前とは、言いながらも、
さすがにここまでのヘイトや
反対派が多いことにびっくりだ。

こういうところを観ると、
アメリカがいかに広く、
田舎町はまだまだ変わらないし、
ヘイトはいつまで経っても
強くNOと訴えてくることも見えてくる。

キャストには、クリスティーナ・リッチ、
ローラ・ダーン、スティーブ・ブシェミ、
ベン・フォスター、
そしてピーター・フォンダなどなど。
加えて、映画好きだと、
え?あの人も?この人も?
とわかるような名バイプレイヤーたちが
ほんの少しだけ顔を出している。

この悲劇を力に変えて
変化していくことを望む強い意志を
見せるのがこのドラマの素晴らしさだ。
ラストは本当に泣ける。

しかしながら、現在、あれから
いかに世の中が変化したかと同様、
逆にまったく変わっていないことも
よくわかる。










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2020年05月23日

本日の映画「バリー・リンドン」

去年公開された映画
「キューブリックに魅せられた男」
というドキュメンタリーが
あまりにも素晴らしくて、
初公開以来、久々に
名匠スタンリー・キューブリックの
「バリー・リンドン」を観た。

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「魅せられた男」は、
この「バリー・リンドン」で
オーディションで非常に重要なポジション
(主役のバリーの種違いの息子の役)を
勝ち取ったレオン・ヴィタリを追った記録映画。

その後、彼はキューブリックが作る映画の
スタッフに就き、自分の全身全霊を込めて
監督に人生を捧げたのだ。


さて、この「バリー・リンドン」。
当時、「ある愛の詩」や「ペーパー・ムーン」で
一斉を風靡したイケメン俳優
ライアン・オニールが主演。
彼は『パートナーズ』で
ゲイに扮した警官も可愛かった。

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オニールが扮するのは、18世紀半ばの
アイルランドの農家出身の青年バリー。
彼はその後、ありとあらゆる経緯を踏み、
大富豪の未亡人と結婚するまでへと
のし上がっていく。

有名な七年戦争を背景に、略奪と決闘、
華やかなブルジョアの生活を
まるで当時の西洋美術を見せるように
じっくりと描かれている。

ヘンデルのサラバンドに載せて、
どこを切っても、美しい画角。
NASAの全面協力という
ロウソクだけで撮影したという映像。
建造美術、衣装の緻密さ、その豪華さ
追求された様式美。

その美しさとは裏腹に、ドラマの中では
裏切りや嫉妬や復讐など、
ネガティブな感情が
ドロドロともつれ合っていく。

バリーが、自分の身分を変えるために、
湖で裸で愛を語り合う軍人二人の
軍服を盗むシーンがある。
こんなちょっとした同性愛シークエンスが
入っていたのはすっかり忘れていてびっくり。

こんな映画を3時間超えの二部構成として見せる。
インターミッション、つまり途中休憩あり。

思えば、最近の映画、3時間を超えても
休憩が入らないのは、その時間を惜しんで
あと1回分、入れたいからなのか。
昔は映画も、優雅に観られた。

それにしても、この映画のみならず、
「アイズ・ワイド・シャット」
「シャイニング」「博士の異常な愛情」等々、
すべてが粒揃いの名作。
そしてそのジャンルも時代背景も幅広い。

完璧主義、と言われた男の凄さは
どのシーンをとっても、
しっかりと伝わってくる。
長い自粛生活で作る豊かな時間を
何十年も経って再び、与えてくれた。

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2020年05月21日

本日の日本映画 山口百恵・市川崑の「古都」

先日ここにも書いた「鍵」が素晴らしく、
改めて市川崑の映画を色々観ていこうと決心。
数々の名作を観ながら、そう言えば!と
未見の山口百恵主演の
「古都」を観ることにした。

image.png

僕は山口百恵とは、ほぼ同世代だが
彼女の映画は、「伊豆の踊子」「潮騒」
「ふりむけば愛」の3本だけ。

この中では「伊豆の踊子」
それまで何本か作られているこの作品、
船に乗って島を離れる書生を
踊り子が走りながら見送る涙の場面がラスト。

しかし、百恵版は、数年後、旅館で
踊る彼女に入れ墨を入れた半裸の男が
抱きつくスローモーションから
ストップモーションという
凄いエンディングだった。

潮騒は初々しい三浦友和の褌シーン
見たさに観ただけ(笑)で、
「ふりむけば愛」は、大林宣彦監督だ
ということで観たけど、
彼らしくケレン味たっぷり。


さて、「古都」は、山口百恵が
結婚引退が決まって
最後の記念作品として制作された文芸作で
後に市川崑が撮った「細雪」(素晴らしい!)の
試作とか言われたようだ。

それまでの百恵友和映画と違い、
友和との恋愛が軸に置かれているワケではなく、
別々に育った双子のふた役を
百恵が演じるというのがメインだ。

川端康成の原作が持つ日本の伝統や美しさを
市川崑は、京都の街や、
北山杉の鬱蒼とした樹々や、
そぼ降る雨など、独特の映像美で見せていく。
ただ、原作も含めて、話が面白いかと言うと、
それほどでもない(笑)

三浦友和は結婚してから
俳優としてどんどん良くなった気がするけれど、
この頃は、ハンサムさが売りなだけ。

それに比べて、山口百恵の表現力は、
当時21歳だったとは思えないほど、
深みがある芝居を見せる。
ヘア、メイクや衣装などもあるけれど、
まったく違う環境で育った同じ顔でも
異なる二人の演じ分け。
これを観るだけでも価値がある。

この前の年に、市川崑は
「病院坂の首括りの家」で
百恵と同級生の桜田淳子に
双子の役もさせている、
というのが面白い。

山の雨の中、二人の百恵が
折り重なるようになるシーンや、
同じ布団で寝るシーンなど、
お互いに共に生きていけない悲しさを
見せながらも妙にエロチック。
レズビアン的、とか言うと
怒られてしまうんだろうか。

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2020年05月19日

本日のゲイ(?)映画「メルシィ!人生」

ついこの前ここで取り上げた「昼顔」も
フランス映画だったけれど、
今回はゲイネタ(そう、ネタとして使われていて
ゲイ映画のジャンルに入るのかは微妙
なので「?」を付けた)
そんなフランスのコメディ「メルシィ!人生」。

Unknown-1.jpeg

フランス本国では、ダニエル・オートゥイユ、
ジェラール・ドパルデューという
2大ビッグスターが出演している、ということで
大ヒットしたようだ。


原題の"Le Placard"というのは
クローゼット、という意味。

オートゥイユ演じる、気弱な中年男ピニョンは
コンドームの会社の経理をやっているが、
リストラの危機によって自殺まで考えている。

そんな彼に「自分はゲイだということにしたら
それを理由に会社側は首に出来ないから、
そうしてみれば?」
そんなアイディアを出すのが
隣に引っ越してきた、それこそ自身が
ゲイだという初老の男。

そもそも、ピニョンを退職させようとしている
会社のラグビー・チームに入っている
ゲイ嫌いのサンティニ(これがドパルデュー)。

ゲイだと噂になるピニョンを
バカにして、差別主義者として
リストラに合うのは自分かも、
とサンティニは表面的に心を入れ替え、
同性愛支持者としてピニョンに近づく。

映画のキモは、このあたり。
まったくゲイではないストレートたちが、
いかにゲイを許容して、受け入れていくか
それがこの映画のメッセージでもあり、
いちいち笑える。

特にクネクネしているワケではない
ピニョンに対して
「やっぱり。そうだと思っていた」とか
「あの歩き方は絶対そうだ」とか語る同僚たち。
勝手なストレートのゲイへの偏見や思い込みが
見え隠れし、当事者も含めて爆笑するはず。

これ、2001年公開、というので
ほぼ20年前の映画。
それを思うと、凄い。

ピニョンの離婚した妻とその息子との関係も、
登場し、彼がゲイであったら、という話から
その関係性が大きく変化するところなど
本当によく寝られている。


ちなみにこの映画の監督、
フランシス・ヴェベールは
なんとあの「Mr.レディ、Mr.マダム」や
ライアン・オニールがゲイの警察官に
扮する「パートナーズ」、
そして大ヒットし、舞台劇にもなった
「奇人たちの晩餐会」を作っている。

彼自身はゲイではなさそうだが、
どれも同様のテイストが盛り込まれていて、
なるほどなあ、と膝を打った。

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2020年05月17日

隠されていること、誤魔化されていること。映画「セルピコ」を観て

アル・パチーノが「ゴッド・ファーザー」の
翌年に主演した「セルピコ」を
これまた久しぶりに観た。

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ついこの間観た「狼たちの午後」の
ルメット監督とパチーノが
あれより前に組んだ映画だ。


子供の頃から社会のために頑張る
立派な警察官に憧れ、警察学校に入り、
無事警察官となるパチーノ扮するセルピコ。

彼が配属されたニューヨークの警察署では
駐車違反の揉み消しからはじまり、
幹部が犯罪者を見逃すなど
汚職にまみれていることがわかる。

それは小さな街のデリから、
ギャング団までも含めて、
警察への裏金によって、
あらゆることが見て見ぬふりを
されているのだ。

違和感を感じるだけではなく、
激しく抗議をするセルピコは、
次々と警察の仲間たちを
敵に回してしまう。

付き合う女性に遠のいて行かれ、
ホームレスから引き取った犬だけが
彼の傍らにいるという
孤独と戦う姿は切なく、泣かされる。

これは1970年当時、
アメリカではびこっていた警察の
腐敗を暴いた全米史上初の警察官だった、
という実話の映画化。


今、この映画を観て
いかに一般市民や国民が
時の権力者と言われる人たちから、
隠されていることや誤魔化されていることが
どれほどあるのだろうか。

自分がセルピコのようになれるかどうかは
ともかく、彼と同様に正義や真実を
世の中にさらそうとする動きに
決して目を逸らしてはならない、
この映画は強くそれを教えてくれる。

今の時期だからこそ、この映画と
再び出会えたことは嬉しかった。

余談だけれど、「アマデウス」で
サリエリをやったF・マーリー・エイブラハムが
一人の刑事役で出演。クレジットはされていないので
まだ映画デビューのあたりだろう。

パチーノもエイブラハムも
今年80歳。それには驚いた。
二人とも、若い、若い・・・。

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2020年05月15日

本日の映画「昼顔」

あ。今回、久しぶりに観た映画「昼顔」。

先に断っておくけれど、数年前に
テレビドラマから映画化された
日本のモノじゃない。
これ、結構評判になったけれど、僕は観てません。。。

ではなくって、今から50年以上(!)
前に作られたカトリーヌ・ドヌーヴ主演の
超現実的耽美派映画って言われるフランス映画だ。

image.jpeg

ドヌーヴって、僕の中学生の時は
「スクリーン」などの映画雑誌で
オードリー・ヘップバーンと常に
1位、2位を争う女優だった。
(いつの時代だよ。笑)
ホントにこれほどの若さで
まるで整形してるのかと思うほど美人。


さて、このドヌーヴが演じるセブリーヌは、
ハンサムな若い医師の妻。
幼少期に中年男性に悪戯されたトラウマから
セックスに対しての不安感を隠しきれない。

妻を愛する夫は、彼の気持ちを尊重しているが、
実は、セブリーヌ自身、夜ごと見る
夢の中で、夫や他の男たちから
サディスティックに責められている。

彼女は自身の性的な感情を
再認識するかのように、人から聞いた
売春宿に行き「昼顔」という名前をもらう。

この原題となっている"BELL DE JOUR"というのは
直訳すると「真昼の美女」。
先日の邦題の話ではないけれど、ここで「昼顔」と
付けた配給会社のセンスはなかなか良かったと思う。

映画は、彼女がその売春先で出会う男たちと
夫、そして夫の友人を交えて
大変な方向へとドラマは流れていく。

途中、ドラマに挟まれる
彼女の夢や想像、そして現実の交差
という見せかたが、とってもうまく、
映画が終わっても、
キツネにつままれたような
不可思議な気持ちとなる。

この監督、ルイス・ブニュエルは
僕が好きな映画監督のベスト5に入る人。

「皆殺しの天使」や「欲望のあいまいな対象」
同じドヌーヴ主演の「哀しみのトリスターナ」とか
すべてが「昼顔」同様、ヘンテコ。
でも物凄いインパクトで
魅力的な作品群を作っていて、
そんなモノが好きな人には是非ともお勧めする。





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2020年05月11日

映画タイトルの流行

この前、映画の邦題の付けかた、
サブタイトルについて、など書いたけれど、
今日は、タイトル付けにも流行があった、
という話だ。


1940年代、50年代は、漢字二文字のタイトルが
非常に流行っていて、
特にそれは恋愛映画に使われたようだ。

「哀愁」「黄昏」「慕情」「旅情」「喝采」「断崖」
「余命」「追走」「裏窓」etc.

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また、70年代から80年代にかけては
「愛と〜」シリーズがわんさか。

「愛と青春の旅だち」「愛と哀しみのボレロ」「愛と喝采の日々」
「愛と哀しみの果て」「愛と宿命の泉」「愛と栄光の日々」
「愛と復讐の挽歌」「愛と追憶の日々」

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image.pngimage.png

この「愛と哀しみのボレロ」の
原題は「それぞれの人生」
というような意味らしいけれど、
このポスターの表現のしかたは
まったく違う。

このあと、90年代になると、オリジナルをそのまま
カタカナにしたタイトルが増えた。

「ア・フュー・グッドメン」「アウト・フォー・ジャスティス」
「エニイ・ギブン・サンデー」「ウエディング・バンケット」
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」「インデペンデンス・デイ」
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

原題は違うのに、それ風なカタカナタイトルもある。
「ザ・エージェント」「ベスト・キッド」「ネゴシエイター」
「アウトロー」「プリティ・ブライド」「ハートブルー」とか。

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image.pngimage.jpeg

こういったモノを逆に英語に直訳して、
あちらの人に伝えると、
笑ってしまうモノも多いんだろう。

もちろん、外国映画の原題だって、
日本人の僕らからすると、
すごく不思議なタイトルも多いのだから。

また、そのあたり、調べてみて、
ヒマなうちにアップでもしようか、と(笑)

それにしても、昨今の邦題の流行って
どういう流れなんだろう。
あまりピンと来ない。。。

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2020年05月10日

本日のLGBT映画「シークレット・ラブ:65年後のカミングアウト」

これまた、すぐにここで紹介するけれど、最近
「Hollywood ハリウッド」というテレビドラマを制作した
ゲイの大プロデューサー、ライアン・マーフィの
「シークレット・ラブ:65年後のカミングアウト」が
先月末からNetflixで配信された。

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70年付き合ったレズビアンカップルの
人生を描いたドキュメンタリーだけれど、
これが同性愛者という視点から
非常に良く出来ている。

二十歳前後で知り合った二人は、
基本的には家族や職場、友人たちの前では
ごくごく普通の友人同士として生きてきた。

なりを潜めて生きる二人だが、
8ミリで撮られた楽しそうな映像の数々。

年上のテリーは、女子のプロソフトボールの選手。
これは後にマドンナなどが出た「プリティ・リーグ」の
モデルになったリーグだったようだ。

映画は80年代を過ぎ、彼女たちがやっと
自由な気持ちでカミングアウトするところから
映画は始まる。

彼女たちが振り返る1940年代が
いかに同性愛者への差別などが酷かったか
わかってくる。


そこには摘発、逮捕、自殺、
さまざまな出来事があったことが露呈されてくる。

辛い時代を超えて、2000年代を過ぎて
今度は老後という問題が二人に
大きくふりかかってくる。

若いほうのパットの理解者でもある
姪御さんが加わり、3人で涙ながらに
意見の違いをぶつけ合うシーンは辛くなる。

そしてひっそりと隠し持っていた
二人の多くのラブレター、
そして80歳を超えて多くの友人に
囲まれての結婚式には泣かされる。

彼女たちが大変な時代を生き抜いたことは
心から胸を打つし、その愛の貫きかたも
とても素晴らしい。

ひとつだけ思ったのは、経済的に
非常に恵まれている人たちであるということだ。
女性二人で、ここまでの生活が出来る人は
たぶん世界の中でも少ないのではないか。

もちろん、だからと言って、
この映画が描きたかった愛の尊さには
なんの違和感もなければ
もちろん、否定することもないのだけれど。

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2020年05月08日

本日のアニメーション映画「父を探して」

子供の頃からディズニー・アニメが好きだったり、
宮崎駿も好きなモノは繰り返し観ているけれど、
日本国内でも膨大な量のアニメには
とても付いて行けていない。
思えば、去年大変なことがあった
京アニの作品も観ていない。
邦陽問わず、もっと広く
優れたアニメーションを観たい、そう思う今日この頃。

ここ数年で僕を夢中にしてくれたのが
ブラジルで作られたアニメ「父を探して」だ。

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アカデミー賞にもノミネートされていながら、
日本公開されたのは小さな映画館で
朝一回の上映という残念な形だった。

少年の目を通した社会や環境問題を
クレパスや、切り絵、色鉛筆で描かれた
その映像マジックに痺れた僕は
DVDで繰り返し観ていて、今日もまた観賞。


幸せに送っている両親と少年、という3人家族。
その後、列車で出稼ぎに出る父親を追って、
少年は初めて世界へ出るという話だ。

そこで彼が目にするのは、
過酷な重労働をさせられている人々や
派手でキラキラとしていながらも虚構に満ちた社会。
自然破壊に商業主義、そして独裁国家。

かつて、父親がフルートで奏でた
メロディの記憶を辿りながら、
父親と共に自分を探していく。

ブラジル産と言っても、セリフはなく、
とにかくイマジネーションの限りをつくした
映像と、どこまでも想像力を広げていく音楽が魅力的だ。

シンプルかつ美しい色彩で描かれる田舎の風景と
派手で細かいながらも、
黒を基調とした都会の風景の違い。

人々を愚弄し、締め付ける体勢派と、
そこでのたうち、苦しむ民衆。
しかし、元を辿れば、すべて少年と同じ子供だった。
同様に、そのふた通りの生き方は
どちらも少年の未来であることに
思わず鳥肌がたってしまう。


Amazonではレンタル500円と少し高いけれど、
十分見応えがある一作。
鬱屈した日々を送る中に、
きっと素敵な刺激を与えてくれるはず。

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2020年05月06日

本日の映画「仁義なき戦い」

自分が若い頃、映画の中で、
かっこいいおっさんと
思っていた俳優が、時間が経過して
同じ作品を観ると、いかした兄貴となり、
今度、その年齢を自分が追い抜いてしまうと、
やんちゃな若い衆みたいになったりする。
映画って不思議だ。

この休みの間に、物凄く久しぶりに
「仁義なき戦い」の5本のシリーズを観賞、
菅原文太が、まさに上に書いたようで
改めて惚れ直した。

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それにしても、やくざ映画。
西部劇、戦争映画、時代劇、史劇なんかと共に
多くのゲイは、苦手だという人も多いだろう。

僕もさほど得意ではない。
暴力描写もそうだけれど、
いわゆるノンケ男の
勝つか負けるかという
闘いの中に、ほとんど心躍るモノはない。

「ゴッド・ファーザー」が
公開されたあとだったせいか、
血飛沫が飛び散り、主要な人物が
どんどん殺されていくのは、
それまでの仁侠映画以上の壮絶さ。

でも、この映画が公開される前の
いわゆる高倉健や鶴田浩二主演のやくざ映画で
描かれている渡世の美学、ヒーロー然とする
モノはここにはない。
むしろ、辛いほどに切ない青春群像劇で、
その昔の「やくざってカッコいい」など
ほぼ感じる部分もない。

「唐獅子牡丹」を聞きながら、映画館で
「ケンさんっ」と声をかけていた60年代の時代とは
確実に違うのだ。

とは言え、それでも菅原文太はかっこいいのである。
それは、やくざとして、ではなく、一人の男として。

そもそもはみ出しモノの集団であるのに、
その組織の中でいいように使われ、
ハミ出たモノはどんどん犠牲になっていく。

それを許せないのが、文太扮する昌三だ。
やくざ社会に救われ、裏切られ、報復しながらも
それでもやくざとして生きていく男。

躍動するカメラワーク、そして血飛沫の中に
見える孤独感や、世の中に対する怒りは、
その後、菅原文太が社会活動家として
発言していたことにもどこか繋がっているのかも知れない。


ゲイ的にも・・・
天井から撮られたファックシーンで
全身に鯉の刺青を乗せた締まった文太の肉体。

また、刑務所内で、梅宮辰夫と兄弟の契りを
交わすシーンなど、その手のシークエンスが
好きな人たちは、生唾を飲み込むはず。

IMG_3358.jpg

しかも、どの映画のどこを切り取っても
「兄貴」という言葉が連呼されるのも
人に寄っては、とてもアガるかも(笑)

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2020年05月04日

本日のゲイ・ドキュメンタリー映画「サーカス・オブ・ブックス」

Netflixで去年、作られたばかりの
ドキュメンタリーがなかなか面白かった。
タイトルは「サーカス・オブ・ブックス」。

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タイトルになっているのは、60年代に
LAにオープンしたゲイ・ポルノ専門店の名前。

いわゆる雑誌から始まり、ビデオからDVD、
そしてありとあらゆるアダルト・グッズを
販売していたLAのゲイタウンにあったショップ。

いわゆる2丁目のルミエールという感じの店だ。

つい去年の2月にクローズしたこの店は
なんと、ゲイシーンなどに
まったく興味がない二人の子持ちの
ストレートの夫婦が経営していた。

そもそも、新聞記者だった女性と
映画の特殊技師だった男性が
ユダヤ教のパーティで知り合い、結婚。

夫の仕事がうまくいかなくなり、
妻が知り合ったアダルト誌ハスラーの
編集長ラリー・フリントの提案から
その雑誌を売るということになった。
それがいつのまにか、
ゲイ専門の店へと変貌した。

彼らは店に来るお客さんや従業員を通して
ゲイの人々と楽しく、にこやかに接する。
店内はハッテン場も兼ねた店となり、
二人はそれもさほど気にせず、商売を続ける。

娘と息子との家族団欒では、
まったく仕事については触れられない。
うちの真横では、18禁のモノばかりを
扱っているのにもかかわらず、だ。

もちろん、そこにはエイズパニックや、
ネット社会への移行による経営難にも見舞われる。

80年代を知っている僕たちには
懐かしいジェフ・ストライラー(!!)が
大きく変化して登場して驚かされる。
(ジェフのペニス大のディルドなど
日本のショップでも売られていたもんなあ。)


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後半、敬虔なユダヤ教で保守的な妻は
ある瞬間から、自分の中の同性愛蔑視や嫌悪に
気が付き、悩み、苦しむ。

そのきっかけになるシークエンスは、
この映画のクライマックスにもなっていて、
ショッキングでもあり、胸を打たれるはず。

ストレートでも、ゲイでも、自身の胸の中にある
「どうしても許せないこと、認めないこと」に対して、
いかに寛容になっていくことが出来るか。

この映画自体を、大人になった二人の娘が
非常に客観的に作っている、ということも凄い。

店主であり老いた母親が、
毅然と店じまいをするラストシーンは
泣けて仕方がなかった。

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