2021年09月19日

お薦め映画 "Everybody's Talking About Jamie ジェイミー”

昨日は台風接近ということで
休ませてもらったが、
温帯低気圧に変化し、早い時間から
連絡をもらったお客さんには
申し訳ないことをした。
すみませんでした。


さてさて、3、4年ほど前に、ロンドン帰りのお客さんが
"Everybody's Talking About Jamie"という
ゲイのミュージカルを観て、素晴らしかったと言っていた。

その後、ブロードウェイにも移ったが、
残念ながら僕は観ることが出来ず、
つい先日、日本公演を観て、その後、
YouTubeでロンドンのオリジナルバージョンを
日本語字幕付きで観ることが出来、
その素晴らしさを堪能。


そして、以前から噂されていた映画版が
一昨日、Amazon Primeで世界同時配信され、
早速観させてもらった。

jamie-web-hero-1.jpg

ジェイミーは、イギリスの片田舎に住む
高校生で、自分がゲイであることを
カミングアウトしているけれど、
級友からはバカにされたりしている。

そんな彼の夢はなんとドラァグクイーンに
なること。
幼い頃からそんな彼を受け入れ、支えてくれた
母親と、その友人女性のレイ。
母と別れた父親は、とにかく男は男らしく、
というありきたりなノンケ推奨型タイプだった。

そして唯一、学校で彼の味方になってくれる
イスラム系のマイノリティ女子高生、プリティ。

そういう中で、夢を実現するために、
彼は大きく一歩を踏み出す。

舞台の演出家だったジョナサン・バターレルが
そのままこの映画も彼が監督をしているけれど、
これがデビュー作とは思えない舞台とは
ひと味違う緻密で、さらにゴージャスな演出。

特にジェイミーをドラァグの世界に
導く古いクイーンが、この世界は
ただ華美だけではなく、普通と
されている体制への抵抗と教えるくだりや、
自分を捨てた父親が観に行っている
サッカー場で、オネエ全開になる
ジェイミーのシーンなどが加わっている。

そしてこの映画のモデルとなった
実話の登場人物たちが出る
クレジットタイトルなども見ものだ。


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2021年08月25日

お薦め映画「ドライブ・マイ・カー」

母がまだぎりぎり健在だった5年前、
様子を見に行った時に、
神戸の映画館で観た
「ハッピーアワー」という5時間を超える
映画には度肝を抜かされた。

その人物描写の巧みさと見事な脚本。
そんな濱口竜介監督が、その次の監督作
「寝ても覚めても」、そして「スパイの妻」の
脚本に続いて作ったのが、現在公開中の
「ドライブ・マイ・カー」だ。

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村上春樹が書いた短編小説は、ずいぶん前に
読んでいて、妻を亡くした俳優が、その後
緑内障のため、自分の車を運転してもらう
一人の女性を雇う、という物語だった。

このあまりにもシンプルな話が、
この監督の手に寄って、
いかに料理されているか。
僕は興味津々だった。


映画では、俳優だった主人公の家福(西島秀俊)が、
舞台の演出家として生活をしている。
彼が俳優たちに芝居を付ける
ワークショップから本番まで。
この俳優たちが他言語を語る人々、
という設定の面白さ。
そして運転手みさき(三浦透子)との
訥々とした会話を含んだロードムービーとしても
映画の持つテーマを、ゆっくりと膨らませていく。

舞台のように会話が続くと思えば、
まるで冬の夜のような静寂もここにある。

小説で言うと、まさに行間を読む、
そんな味わい深さが、この監督の作品にはあり、
まさに映画のワンシーン、ワンシーンの
行間を読んでいく、そんな喜びが
そこ、ここに見え隠れする。

俳優観たさだけに、娯楽を求めると
ちょっと違うけれど、それでも
遥かにそれよりもぐっと来る人は
多いはず。

この冬に公開される濱口監督の
「偶然と想像」が、もう待ち切れない。

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2021年08月16日

ホラーよりも怖い「ゆきゆきて、神軍」

「ゆきゆきて、神軍」という
ドキュメンタリー映画をご存知だろうか。

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もう30年以上前の映画だから、
45歳以上の人か、若い人でも
たまたまビデオで観た、という人しか
知らないのかも知れない。

昨日は終戦記念日。
だからと言うワケでもなかったけれど、
U-NEXTにアップされていたので、
ものすごく久しぶりに観てみた。


これは第二次大戦中、ニューギニアへ
兵士として派遣された奥崎謙三。
その戦地で、上官が部下二人を射殺した
という話を聞き、戦後35年以上経つ当時、
その上官に事実を聞こうと、実妻を連れて
走り回るという内容だ。

とにかく、彼らに真実を語り、
頭を下げさせたい、そのためには
暴力も惜しまない。

この正義感に胸も打たれることは確かだけれど、
そもそもこの人は、金銭トラブルから
不動産業者を刺殺してしまったり、
昭和天皇に向かって
パチンコ玉を発射したりして、
刑に服しているだけに、かなり過激。

志を持ちながらも、徹底した
アナーキストの恐ろしさも感じさせる。

この人、映画のあと、また服役して、
2005年に病院で亡くなったらしいけれど、
死ぬまで院内でも大騒ぎをして
手がつけられなかったらしい。

そう、今回、何を言いたかったかと言うと、
この映画に映っている奥崎は
今の僕とほぼ同世代ということ。
これを観た若い頃の僕は
「ただのうるさいおじいちゃん」という
イメージしかなかった。

と言うことは、若き人々から
どう観られているか、ということを
しっかりと自覚しなければ、
そんなふうに思った。

ただ、思いながら、僕よりも年上の
郷ひろみが今日、徹子の部屋に出ていて、
何がなんだか、わからなくもなった(笑)





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2021年08月12日

郷愁と嫌悪感と恥ずかしさと

緊急事態宣言が長く続いている中で
多くの古い日本映画を観ていると、
70年代から80年代がたくさん出てくる。

昨日、高校生の時以来観た
藤田敏八監督の「赤ちょうちん」は
まさに自分の青春時代。

125724861.jpg

若き秋吉久美子と、当時カッコイイと
憧れていた高岡健二(今、観ると超ロン毛)が
飲み屋帰りに一緒になって、
東京の街から街を移り住むという内容だ。


それにしても、この時代の貧乏学生は、
トイレが共同の4畳半アパートが主流。
風呂屋が閉まるのが午前0時で
それまでにアルバイトを終え、
駆け込んで身体を洗っていたものだ。

遠方の両親に電話をしたり、遠距離恋愛をすると
10円玉を集めて、公衆電話に走るが
あっという間に切れてしまう。

着るモノは季節を通じて、2本くらいの
ジーパンを繰り返し履き、
あとはTシャツ数枚に、
長袖のモノも数枚。

ボロいスニーカーと、下駄(これは今
想像しても凄いけれど、街には結構いた)。
おしゃれを追求する、と言うよりも
こういう貧乏臭さこそが、
かっこいい、とされていた。

映画中でも描かれるように、
比較的近所に引っ越す時は、
友人に手伝ってもらって、
リヤカーで運んだりした。

辛うじて、映りが悪い室内アンテナの
小型テレビを持っていればいい。

コンビニも今ほどなかったので、
酒屋で安いウィスキーを買ってちびちびと飲む。

飲みながら、友人たちと
熱い議論を闘わせる。

当時は常に挫折感と自分への嫌悪感に
苛まれていた。

映画を観ながら、
すべてが今の20代には決してないだろう、
そんな懐かしさも覚えながらも、
世の中も、自分自身も、
己の姿に酔っていた、
ある意味、そういうちょっと気持ちの悪い
時代でもあったんだなあ、と思った。


ちなみに、この映画、かぐや姫が歌った
同名の曲をタイトルにしているけれど、
この時代、を表現している以外は、
赤ちょうちんの居酒屋も出てこなければ、
歌詞にはまったく忠実ではなかった(笑)

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2021年08月11日

映画「イン・ザ・ハイツ」のこと

2008年にブロードウェイ・ミュージカルの
最高峰とされるトニー賞をとった「イン・ザ・ハイツ」。

僕は1年半くらい後に劇場で観て、
キャストは多少変わっていたものの、
そのエネルギッシュな演出力には圧倒された。
またその後、日本でも観たけれど、
これもまた良かった。

これが映画化されると聞いたのが、3、4年前だったか。

そして日本でも無事に映画館で公開された!

p-5172.jpg

この作品の目玉は、舞台は
ニューヨークでも、出演者がほぼ
プエルトリカンということだ。

移民、難民がいかに差別され、
大変な思いをしているか、という
いささか重いテーマを持ちながらも、
明るく希望に満ち溢れた演出になっていて、
楽曲もすこぶる楽しい。

舞台では、雑貨屋を営む主人公ウスナビが
日々の生活をラップで歌いながら紹介する
シーンから始まるが、映画ではカリブ海を
バックに子供たちにNY生活を説明する。

舞台では海や子供たちなど出ないのに何故?
という疑問は、クライマックスで
明らかにされるので、これもなかなかのお楽しみだ。

シーンがウスナビのベッド、そして
街に移ってから、音楽に合わせたショットの
積み重ねが興奮を掻き立ててくれる。

ラップと書いたけれど、カリプソから
ポップソングまで名曲が並ぶ。
そんな曲に載せて、派手に見せられる
ダンスシーンが見事。
特にプールを使ったダンスなどは
映画でしか、観られない豪華版。

オリジナル舞台では、
主人公、ウスナビを演じながら、
楽曲も作り、演出もしたリン・マニュエル=ミランダは
これで火が付き、その後「ハミルトン」という
大ヒット作で、全米で有名になった。

このミランダは、この映画でもプロデュースし、
映画でも脇役ながら、キラリと光る登場の仕方。
クレジットタイトル後も、彼の1曲が
歌われるので、途中で席を立つと、少しもったいない。

もっさりと暑いこういう季節に
ぴったりで、ミュージカル好きにはオススメ。

このあと年末に公開されるスピルバーグの
「ウエスト・サイド・ストーリー」に
この興奮が続けばいいのだけれど。

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2021年07月26日

ヒッチコック映画以来の恐怖

「クワイエット・プレイス」という映画を
ご存知だろうか。
数年前に上映された、音が聞こえると
襲ってくる、というモンスター・ホラーだ。

基本的に、僕自身、スプラッター、ホラー的な
エンタメ系が大好きか、と言うと
血飛沫、痛々しいのはかなり苦手だけど、
サスペンス色が加わると話が違う。

今年になってこの続編「クワイエット・プレイス 
破られた沈黙」が公開されて、
遅ればせながら観たところ、
この2本のシリーズの出来栄えには
腰を抜かされた。


Unknown-14.jpeg

このシリーズの何がそれほど魅力的か、
と言うと、とにかく怖い!のひと言に尽きる。

それが、そんじょそこらのホラーのような
おっかなびっくりの恐ろしさだけではなく、
ドラマの伏線の貼りかた、
家族の結びつきの表現、
その上にたつ恐怖感が非常に優れている。

僕自身、昨今のホラー映画を片っ端から
観ているワケじゃないけれど、
この映画を観ながら、思い出したのは
ヒッチコックの「鳥」だった。

ひとつの家族を襲ってくる鳥の大群。
その恐怖感。
それが本作では、CGや、現在出来る限りの
見せ方を駆使しながら、伝わってくるのは
まさにそっくりだ。


一作目の「クワイエット・プレイス」では
おそらく多くの人々はモンスターに襲われ、
何故か残ったひと家族だけが、とにかく
物音を立てないように生活をしている、
というところから映画は始まる。

夫婦と3人の子供たち。
中学生になるくらいの長女は耳が不自由だ。
だから、この家族は手話を理解出来る。
これは大きなポイントだ。

なおかつ、ちょっとばかり音を立てたばかりに
末っ子がオープニング早々、モンスターに
連れさらわれてしまう。

その後、家族は、いかに音を出さないで生活をするか、
映画らしい効果音はあるものの、
劇場中のお客さんが、コーラを飲む音さえ
気にしながら、固唾を飲んでスクリーンを見つめる。

劇中、家族は思わぬところで、
大声を出さざるを得なかったり、
モノを転がしたりする。
そのたびに僕らは座席でうずくまる。

彼らが階段に突き出ている
釘を踏んだりするだけで
こちらとしてはギャアと声を出しそうになるが、
まさかの出産、そして赤ん坊の鳴き声を
いかに抑えようとするか。

パート1は、驚くべきクライマックスで終わり、
この続編では、パート1にいたるまでの、
まだ平和だった前日談から始まり、
パート1のラストシーンのあとに続くという展開だ。

コワイのは絶対無理、という人には
お薦め出来ないけれど、コワイもの見たさが
大好きな人には超お薦めの一作だ。

とは言え、残念ながら東京では
先週、上映が終了。
もっと早くここに書けば良かった。。。
少なくともレンタルや配信で1作目だけは
観られるので、良ければ是非とも。

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2021年07月22日

あり得ないファスト映画!!!

映画を携帯でそれも倍速で観る、
という若い人たちが増えている、と
聞くだけで、ゾゾっとするのに、
ここ数ヶ月問題になり逮捕者が
出ているファスト映画。

要は、映画の大まかなストーリーを
わかり易く編集し、10分や15分で
その映画がわかった気になる、
観た気になる、という代物らしい。

うわあ、世も末だなあ、なんて呟いても、
レコードがCDになり、配信になったように、
映画も映画館からテープ、DVDを通って
配信になった昨今、もうそんな事、
言ってられないのかも知れない。

今や映画館は4Dとかのアトラクション系に
飲食物と物販を付けて、儲けるのが得策みたいだ。

大音響で座席が動いたりしない限りは、
家や電車の中で、イヤホン越しに
10分で「わお!こんなラストなんだ〜。びっくり」
なんて、全部わかった気になってしまう。

そこには、セリフの間(ま)もなければ、
音楽や効果音、そして空気感からくる
デリケートな胸の震えや、
クレジットタイトルが流れ終わる時の
余韻さえないのだ。


思えば、本を読み、それについて朝まで語り、
長い手紙を書き、それが届くまで数日かかる、
というのが、つい僕の学生時代くらいまでの
出来事だった。

そんなことが、ほぼなくなってしまった今、
それを嘆いたり、残念だと思ったりすることも
若い人たちにはわからなくなって
しまっているのかも知れない。

昔は良かった的なことを言い続けるジジイには
なりたくない、そういう頭の硬さと抗いながら、
どうやって、過去の産物と現在の便利さを
享受しながら生きていくんだろうか。


始まる直前までゴタゴタが
続くオリンピック開会式前日。
コロナが大問題だったけれど、
結果的に、まったく関係ない問題が
降って沸いている。

子供の頃から、まずはワクワクした
開会式が、ここまでメチャクチャに
なってしまっているとは。
何だか、ファスト映画の延長戦上にあるようにさえ
思えてくる。

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2021年07月19日

レインボーリールの2本!

昔は「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」と言われ、
その後、「レインボーリール」と変わった
夏の映画祭が先週から始まった。

いつも店の営業と重なって
この15年、なかなかしっかり
観ることが出来なかったけれど、
今回は緊急事態宣言下で、
しっかり観ようと決意。

で、昨日観た2本が共に素晴らしく、
まだ各々上映があるようなので、
ここで紹介しておこう。


1本目は、アイルランドで作られた「恋人はアンバー」

Unknown-12.jpeg

去年作られた映画だが、舞台は1995年。
まだスマホもなかった時代。
それぞれが、ゲイじゃないの?と
常に揶揄される男子高校生のエディと
女子高生のアンバー。

二人は校内での、そういう疑いを打ち消そうと
表面的に付き合う形を決行する。

軍隊にいる父親に習って、
卒業後、軍隊に入ると決めながら
苦手な懸垂に取り組むエディ。
男勝りで、見栄えなど気にせず、
何かとガハハと大声で笑い、
怒る時はところ構わずぶちキレるアンバー。

そんな二人の目の前に
性的に刺激を送ってきたり、
恋心をくすぐる相手が現れる。
そういう事件から、二人の関係も
大きく変化していく。

四半世紀前の田舎町のこの状況と
さほど今でも変わらない部分もある
東京で暮らす僕たちを
色々考えさせられる一本だった。


もう1本は、アルゼンチン映画
「世紀の終わり」。

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これは、僕が大好きなアンドリュー・ヘイ監督の
「ウィークエンド」を彷彿とさせるような
ある意味、ファンタジックな恋愛映画。

20年の恋愛にピリオドを打って、
NYからスペインに、バカンスに来たオチョ。
また、4年前に出会った男性と結婚をした、
というベルリンから来たハビ。
この二人が、海で出会い、
色々話をしているうちに、
実は20年以上前に出会っていたことがわかる。

映画は、21世紀を迎えるよりも前に巻き戻され、
まだ男性経験もそれほどないオチョと、
彼の女友達のボーイフレンドだったハビとの
出会いが描かれる。

時間と空間を不思議に飛ばしながら、
観ている僕たちに、この二人の関係と
その行先を想像させていく。

「これ、どういう意味?」と
人に聞くなかれ。自分の中の回答を見つける、
それこそがこの映画の大きな魅力だ。


両作品とも、あと一度ずつ上映されるので、
時間と興味がある人は是非とも。


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2021年07月16日

お薦め映画「特別な一日」

なんと、1977年のソフィア・ローレン、
マルチェロ・マストロヤンニ主演の
「特別な一日」をものすごく久しぶりに観た。

unnamed-1.jpg

公開当時、僕もこの映画を観ているけれど、
マストロヤンニがゲイであることが
作品の中でかなり重要であるにもかかわらず、
このポスターにあるように、
結ばれぬ恋の物語だと思っていた(バカ)。

しかし、ここまで素晴らしい映画だったとは。

映画は、1930年代に、ヒトラーが
同盟を結ぶため、イタリアを訪問した
その一日を描いていて、オープニング、
そのニュース映像が流される。

ローレン扮するアントニエッタは、
朝、6人もの子供たちを起こし、
男尊女卑も甚だしい旦那に怒鳴られながら、
それぞれを送り出す。

街はファシズムの台頭で、ムッソリーニ万歳、
ヒトラーようこそ、と沸きに湧いている。
この日、人々はヒトラーを迎えるために
パレード、そしてお祭り参加で
アントニエッタを家に残し、
彼女の家族もいそいそと出かける。

ホッとひと息つく暇もなく、片付けや
洗い物をするアントニエッタだが、
鳥籠にいる九官鳥を窓の外に
飛び立たせてしまう。

羽ばたいた九官鳥が止まるのは、
向かいで部屋を一時借りている
マストロヤンニ扮するガブリエーレの部屋の外。

アントニエッタが、九官鳥を捕まえるために、
ガブリエーレを訪れることが、
この一日の、そして二人の出会いだった。

かつてアナウンサーだったという
ガブリエーレは、文学や音楽を楽しみ、
一見、自由を謳歌しているように見える。

そこにアントニエッタは惹かれるけれど、
ガブリエーレが実はゲイであることから、
激しい性的マイノリティへの
弾圧によって、国から出されようとしているのだ。

映画は最初から最後まで、まるで
ファシズムを唱えるスピーチや
高揚する市民の歓声が、BGMのように流れ続ける。

その中で、数々の小道具や設定の使い方。
たとえば、コーヒー豆、電球の傘、
ガブリエーレが作るオムレツ、
敗れたアントニエッタのストッキング、
そして、ボロボロになった三銃士の本、
それぞれが伏線となって、映画を生き生きとさせる。

人を弾圧、抑圧、差別をし、
意味の成さないルールに縛り付けることが
いかに愚かなことか。

この映画では、実態は伴わないけれど、
マストロヤンニの「僕は同性愛者だ」という叫びに
集約されている。

ローレン、マストロヤンニの多くの共演作の中で
「ひまわり」が最も有名だけれど、
この「特別な一日」こそ、二人の
最高傑作(マストロヤンニ自身も
そう言っているらしい)、そう思う。

機会があれば、是非。

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2021年07月07日

お薦め映画「スーパーノヴァ」

映画「スーパーノヴァ」を
公開直後に観ることが出来た。

Unknown-11.jpeg

最初このタイトルを耳にした時は、
宇宙エンターテインメント系かと思っていたら
まったく違っていた。
あとで調べてみると、同名(原題も同じ)の
サスペンスSF映画があった(笑)


ひと言で言うと、若年性認知症と診断された
ゲイのパートナーとその相手が、
二人でイギリス各地を旅をする、
というロードムービーという形になっている。

観た人からは、重いとか辛いとか
耳にしていたけれど、
僕の感想はちょっと違った。
とにかく人と人が関わること、
付き合っていくこと、とは
どういうことなのか、というのがテーマ。

これはたまたまゲイの二人
という設定だけれど、
ストレートの夫婦や恋人同士も同じ。
ある意味、ゲイという形をとっただけで、
多くの人が共感出来る、というのが新鮮だ。


「英国王のスピーチ」でオスカーを取り、
「シングルマン」でゲイを演じたコリン・ファースと、
「プラダを着た悪魔」でやはりゲイを
演じていたスタンリー・トゥッチが
この二人を演じている。

自分の死を目前に控え、それをどういうふうに
受け入れていこうかとするトゥッチ演じる
作家のタスカー。

そして、逆に彼に気遣いながら、
出来る限りのことをし、病を乗り越えようと
懸命に寄り添うのがファース演じるピアニストのサム。

二人を迎えるサムの姉とその家族たち、
恵まれた環境の中でも、確実に
誰にもやってくる死。
それをどう受け入れ、向き合っていくか。

映画はそれほどドラマチックな展開もなく、
非常にシンプルだけに、
ずしんと胸に響いてきた。

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2021年06月20日

「世界に嫌われる男 ピーター・タッチェル」を観て

ストレートの友人から、これ観た?と
Netflixで勧められたのが
「世界に嫌われる男 ピーター・タッチェル」だ。

これは、ゲイ差別に対して憤り、
立ち上がっているいわゆる「活動家」である、
一人のオーストラリア人を描いたドキュメンタリー。


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活動家と言っても、多くのリブ運動をしている人と
この人が少し違うのは、彼は自分一人だけで、
世界のLGBTに異を表現している国に
乗り込んでいき、闘いを挑んでいるところだ。

そんな彼を、オープンリーゲイで、
「ロード・オブ・ザ・リング」や
「X-メン」のイアン・マッケランが
インタビューをする、というところに、
多くの彼の活動シーンが流れる、とうい本作。


特に凄いのは、プーチンがプロバガンダ禁止法を
作ったことに腹を立て、ワールドカップ中の
モスクワで記者たちに声をかけ、赤の広場に
ひとり、差別反対のポスターを持って現れるシーン。

もちろん、彼は一時拘束されるけれど、
解放されたその後、ムスリムも含めて、
LGBTを受け入れない
多くの国に一人、挑んでいく。

彼は公務員など著名な人間を
アウティング(ゲイだとバラす)
という行動を取り、バッシングされるが
「彼ら(アウティングされたほう)は
自分がそうであるのに、真っ向から
LGBTを差別しているからだ」と抵抗する。


ハーヴェイ・ミルクもそうだけれど、
人のために立ち上がるこういう人は、
心から凄いと思わざるを得ない。

LGBT当事者の中でも、彼の行動に
多くの異議を訴える人も多いだろうけれど、
身体ひとつで、多くの恐怖と対峙する姿に
僕は強く胸を打たれた。

同性愛をどうしても受け入れられない
タッチェンの母親が
「それでも、彼を愛してやまない」
という言葉には泣かされた。

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2021年06月18日

お勧め映画「マイ・ハッピー・ファミリー」

Netflixで、結構前からとても評判が良かった
「マイ・ハッピー・ファミリー」を観た。

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この映画、タイトルだけ見ると、
ちょっとB級アメリカ映画のようだけれど、
実はジョージア(そう、かつてのソビエト
連邦の支配下にあったコーカサス地方の国)
のひとつの家族の話。


映画は50代の一人の女性が
アパートを探しているところから始まる。
そこは、電気も止まっていて、
決して綺麗とは言えないけれど、
心地よい風が通る小さなアパートだ。

実は、彼女、年老いた自分の両親と
長年連れ添った夫、
そして結婚したばかりの長女、
ネットゲームに夢中の二十歳の長男、
という家族の中で、家事とあらゆる喧騒に
まみれて生活をしている。
家事だけではなく、
昼間は学校の教師もしているのだ。

彼女の52歳の誕生日には、
聞いてもいない旦那の多くの友人たちや、
彼女の兄、その親族などが
勝手に呼ばれてサプライズパーティが
行われたりする。

そういう気遣いに嬉しい顔ひとつ出来ない彼女は、
探し当てたアパートに一人で越していくことにする。

何故、それほど家を出たいのか、
ひと言も言わない彼女に
家族は大騒ぎをし、責め立てる。

理由をまったく説明せず、
ただ、穏やかな一人の生活に
彼女はちょっとした幸福を見出す。
一人で飲むワインに、趣味のギターに歌、
そしてガーデニングに料理。

そんなある日、彼女は学生時代の友人と
バッタリ出会い、それが縁で
同窓会が開かれることになる。

そこで明らかになる、彼女が
家を出ざるを得なかった問題。

本当の幸福とは何か、家族とは何か、
夫婦とは何か。

僕らゲイとはちょっとかけ離れているような
気もしながらも、幸福を追い求める心は
変わらないのだ、とこの映画は教えてくれる。

激しくも辛い部分を見せながら、
ささやかな幸せをも感じさせてくれる。
たくさん観られているNetflixの中でも
見落とされがちな映画だけど、
良ければ、是非。

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2021年06月16日

映画「Mr.ノーボディ」のこと

何だか悶々としたブログも多い今日この頃、
昨日は映画館の大スクリーンで、それも
ヘビーで考えさせられる映画ではなく、
スカッと気持ち良いモノを観ようと
「Mr.ノーバディ」を観てきた。

Unknown-10.jpeg

これ、テレビドラマ「ブレイキング・バッド」を
観た人なら、あの悪徳弁護士をやり、
そのスピンオフ「ベター・コール・ソウル」でも
主役をやったボブ・オテンカーク主演。

これが、まさかあのドラマで毒もクセもある
ソウル・グッドマン役とは別人かと思うほど
まさかのごくごく平凡な、
いや、むしろ少しうだつのあがらない
中年男ハッチを演じている。

ベッドでは仕切りを置かれて、長年
セックスもない妻は、
車で大企業に向かう敏腕女性。
学生の息子にはバカにされ、
まだ幼い娘に少し慕われる程度。

せっかく作った食事も家族に食べられず、
日課のゴミ捨てに間に合わず、
地下鉄で職場に向かう、
淡々と仕事をする、という
この男の日々のルーティーンをパラパラと
数分のオープニングで
見せていくのが面白い。

そんなある日、この家に
若い二人の強盗が押し入る。
たまたま眠れず起きた主人公は
この二人に対峙しようとするが、
若い女性がいることに気がつき、
息子の目の前で二人を逃してしまうのだ。

この一件で、家族からもがっかり
され、職場でもこの話を耳にした同僚からも
バカにされる。

胸の中に屈辱感や、
寂しさなどを溜めたこんだハッチは
たまたま乗った夜のバスで遭遇した
複数の酔っ払った暴漢に、
怒りを爆発させる。

この映画が凄いのは、
彼が決してスーパーヒーローのごとく、
実は凄いパワーの持ち主だったというワケでもなく、
身体中傷だらけ、ボロボロになりながらも
自分が持っている最大の力で
彼らをバッタバッタと伸していくところだ。

このあと、話はロシアンマフィアにまで繋がり、
ハッチはとんでもないところにまで
入り込んでいき、壮大なアクションと
ぐっと泣かせる家族の姿も見せてくれる。

観終わって、このタイトルは???
と思ってしまうことを色々書きそうになるけれど、
ネタバレになるため、今日はこのへんで。。。

珍しくスカッとする楽しいアクション映画の紹介でした。

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2021年06月09日

お薦め映画「デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング」

コロナ禍、世界中で様々な問題が
起こっている中で、長くクローズアップ
されているのが、香港問題だ。

ミャンマーや、チベットもそうだが、
あれだけの経済大国になりながら、
それでも恐怖政治を続ける中国。
そこでIT長者の若い世代は、
政治に対して黙さなければならない
という事実を僕ら日本人は、
どういう風に受け止めていけばいいんだろうか。


そんな中で、香港のデニス・ホーという
44歳になる一人の女性が
どう生きてきたか、という
ドキュメンタリーが公開されている。

Unknown-5.jpeg

彼女は、歌手として自立し、どんどん
名声を確保していく中、
自分はレズビアンであることを公言し、
その上で大きな香港問題と対峙して、
民主活動家になるまでが描かれている。

僕はここまでスーパースターと
なっていた彼女の存在は知らなかったけれど、
ドームクラスの客席を満杯にするほどの
実力があったアーティスト。

当初、彼女はただ、歌が好きで
自分が大好きな歌手に夢を託していたのが、
まさかのビッグなスターへと転身していく。

このあとの同性愛カミングアウトや、
中国政府に対して拳をあげる彼女を
観ながら、多くのアメリカ人や、
諸外国の行動を起こすアーティストを
色々と思い浮かべる。

とても大きな影響力を持つ彼らだからこそ、
声をあげなければ、と発言する有名人だが、
日本ではほとんど見ることはない。

おそらく、大手の広告代理店やスポンサー、
そして事務所の軋轢、というモノが
そうさせているのだろうか。

下手すると、命まで奪われかねない
この香港問題で、自由と民主主義のみならず、
自分の生き方を問うている彼女の姿には
強く胸を打たれた。

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2021年05月30日

お勧め映画「アメリカン・ユートピア」

デヴィッド・バーンはトーキング・ヘッズという
グループ活動を経て、ソロでも多くの
アルバムを出しているアーティストだ。

僕はこの素敵なアーティストが大好きで、
彼のライブは東京でも、ニューヨークでも
観ているけれど、一昨年からブロードウェイで
パフォーマンスが「アメリカン・ユートピア」だ。

きめ細かく演出されたと言われる
ライブ舞台も好評だったけれど、
それが映画として撮影されたのがこれだ。

Unknown-12.jpeg

スパイク・リーの演出も、
高い評価を受けていたことで
本当に楽しみにしていた。

そして、渋谷の土曜日の夜、体験したこの映画。
これが想像を遥かに超える
上出来のパフォーマンスだった。

昔から身体をくねらせながら、
力強く歌いあげるエロチックなバーンだが、
そのバックを支えるのが11人の
多国籍なバンドメンバー。

キーボード、ギタリスト、
パーカッション奏者にコーラス。

特にあらゆるパーカッショニストがいるのは、
それぞれがアンプやケーブル、マイクスタンドなどを
排除し、ハーネスに楽器をぶら下げて、
全員が動き、踊り、歌いあげていく。
まるで、ハイエナのように、
もしくは虫のように(笑)

その見事なまでのパフォーマンスのみならず、
曲ごとに変化するライティングの妙、
シンプルかつ効果的な美術構成、
そして一曲一曲に込められた強いメッセージが凄い。

そこには移民や黒人、女性、そしてLGBT
あらゆる差別を含めた、今、アメリカが
抱えている危機的状況。

それを決して諦めることではなく、
我々の手で変えていこうと、
バーンは観客に投げかける。
そして、その解決には「繋がっていくこと」
しかないのだ、と。

楽曲"Everyday is A Miracle"の歌詞が
素晴らしい。
そこには、世の中には驚くような奇妙で面白いことが
どんどん起こり、何が普通で
何が普通じゃないか、何も
確定しないけれど、そのすべてが奇跡なのだ、と。

歌詞のすべては日本語字幕で翻訳されるから、
英語がまったく完璧ではない僕にも
しっかりと言葉が溶け込んでくる。

70歳を迎えようとしているバーンの
あまりにも若々しいエネルギーに
勇気と希望を与えられ、
その表現力に心を鷲掴みにされる。

このコロナ禍だからこそ、
ずっしりと響くこのライブ。
この秋から来年初頭にかけて、
改めて開かれるブロードウェイで再演されるようだ。

その時に、コロナがどうなっているか。
日本からあちらに行けるか。
是非とも、この目で確認したい。
心も身体も打ち震える映像体験だった。

彼のファンならずとも是非。

そう。何十年も前、彼のライブを観に行ったその日に
色々なゲイ的な事件が起こったけれど、それは
明日のブログとかで、また。

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2021年05月29日

休業要請、そして「悪い奴ほどよく眠る」

予想されたように、緊急事態宣言が
再々延長され、アルコール提供業者に
休業要請がまた出されたので、
まずはそのお知らせから。

このHPのトップにも載せますが、
今月に引き続き、来月20日まで
休業することにいたしましたので、
何卒、よろしくお願いします。

ふ〜む・・・
人生で、これほど働いていないことが続くのは
ほぼ初めてかも。


まあ、それはさておき。
昨日は黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」を観た。

Unknown-11.jpeg

僕が大学生の時に、国立フィルムセンターで
黒澤明の映画をすべて上映することになり、
(とは言っていても、当時まだ黒澤さんは
健在であり、彼が当時作っていた作品の前まで、
という意味だ)
毎日、学校とアルバイトのあみまを縫って
通い詰めた。
あまりにもくたくたで、途中寝てしまった
映画もそこそこあり、その中で
ほとんど覚えていなかったのが
「悪い奴ほどよく眠る」だった。

そういうワケで、今回初見のつもりで
観たのだけれど、さすがに黒澤映画!
エンターテインメントに徹していながらも、
あまりにも渋く、重厚な出来だった。


映画は、日本未利用の土地開発公団の副総裁、
その娘(香川京子)と、三船敏郎演じる
副総裁の秘書、西との結婚式から始まる。

あまりにも多くの記者が
そこに集っていたのは、
華々しい式を記事にするためではなく、
その公社の社員が汚職で逮捕された、
ということからだった。

この結婚式の記者たちの会話や、
その後の公社関係者の言葉から
昔、公団絡みの不正事件から
課長補佐が自殺したということや、
今回の汚職も幹部も関係している、
ということがわかってくる。


このオープニングで、人間関係の複雑さや、
話の面倒臭さを思うけれど、それは一瞬で
このあと、物語は雪崩のように
面白く展開し、クライマックスには
驚くような仕掛けが隠されている。

他の多くの黒澤作品とは
またひと味もふた味も違う三船敏郎が
人間の高潔なところと、残忍で汚れた部分を
見事に使い分けていて、
まだ 40歳にもなっていないとは
思えないほどの深い演技には興奮させられる。

そして、まるで北欧の名監督ベルイマンかと
思わせるような陰影があるモノクロームの映像、
この黒澤の演出の手腕には鳥肌が立つ。

また、この映画から今現在の
日本の状況さえ、深く考えさせられることも多くある。

さあ、もう一度、改めて黒澤作品を
しっかりと見直さなければ。
そう思わされた一作。

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2021年05月24日

映画「レニー・ブルース」について

高校生の頃に観て以来、
ものすごく久しぶりにU-NEXTで
「レニー・ブルース」を観た。

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レニー・ブルースとは、1960年代に実在した
スタンダップ・コメディアン。
それをまだ若きダスティン・ホフマンが
見事に演じている。

レニーは、当時自分も出演していた舞台で
ストリップをしていた女性に恋をし、結婚をする。
日本でも僕が若い頃、ストリップの前に漫談が
あったりして、そこに今をときめく
ビートたけしなどが出たりしていたけれど、
今はどうなんだろうか。

公開当時、僕はホフマンの演技の凄さに
ただ、ただ圧倒されたのだけど、
今回改めて観てみると、この映画の
メッセージは実に深い。

彼は漫談の中で、黒人や女性、
同性愛蔑視する言葉をどんどん使いながら、
社会風刺をし、本当の差別とは、卑猥とは
どういういことなのかを笑いに変えていく。
それが観客にどっと受けるのだ。

しかし当然、それは警察の目に付けられ、
彼は何度も逮捕されてしまう。

出所したあと、彼がどのように
その言葉の毒を毒と見せず、
どのように、観客に想像力を持たせて
笑わせていったか、は本当に見もの。

そして、終盤の裁判のシーンの過激さは
ホフマン歴史に残る名演だ。


監督はボブ・フォッシー。
少し古めのミュージカル・ファンであれば
振付師、としてもよく知られており、
映画監督としても「オール・ザット・ジャズ」で
カンヌの最高賞パルム・ドールを取った人としても有名だ。

その作風、捉えかたから、ゲイじゃないか、
と思われる人も少なくないと思うけれど、
どちらかと言うと女好きで、
なおかつ名女優グウェン・バードンとの
嵐のような結婚生活は
テレビドラマ「フォッシー&バードン」で
描かれていた。

そのドラマの中でも、かなり奔放でオリジナリティを
いかに追求していくか、というフォッシーが
描かれていたが、まさにこの「レニー〜」でも
彼の心情が生かされている。


最後に、ひと言。
僕がリアルタイムで観た際に、クライマックスで
少しホフマンの股間が
ほんのちらりと見えるシーンがあった。
それも、かなり重要なシーンで。
しかし、そこには大きなボカシが入っていたのだ。
まるで、レニーを捕まえて行った検閲のごとく。
これを、レニーが生きていたら、
このような形なら、日本で公開するな、と怒っただろう。
若い僕もそう思った。

しかし、時代は変わった。
今回のU-NEXT版では、
しっかりとそのシーンは挿入されている。
ボカシを取ってみれば、え?この程度?
というほどだったけれど(笑)

機会があれば、是非。

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2021年05月19日

故 田村正和氏と初出演映画「永遠の人」のこと

昨日、俳優の田村正和さんの訃報が流れた。
あまりテレビを観ていない僕でも
「刑事コロンボ」のアイデアを引用した
「古畑任三郎シリーズ」は、ほぼすべて観た。

ゲイ的には「ニューヨーク恋物語」というのが
評判になっていたようだけれど、僕はこれは未見。

今回の訃報で、彼はスタッフ以外の人と会うのが
嫌で、舞台はもちろん、映画にも1980年代以降、
ほとんど出なかったと言う。
凄いのは、同じ敷地内で暮らしている家族とも
一緒に食事をするのは、年に一度。
それは、彼のお父さんだった阪東妻三郎も
同様だったらしい。

そんなワケで、彼が出た映画を思い浮かべてみると、
去年、初めて観た木下恵介監督の「永遠の人」
(これがまさに田村氏の初出演だったらしいが)
一本だけだった。

彼の出番は少ないけれど、映画としては
驚くべきドラマ性と演出力で
おそらく木下作品の中でも
「女の園」と同列に並ぶ
最高傑作と言って良いと思う。

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この映画の舞台は昭和七年。
高峰秀子扮するさだ子は、
佐田啓二演じる隆という恋人がいながら、
仲代達也の平兵衛にレイプを受け、
彼の妻にさせられる。

その二人の間にできた長男の役が
田村氏で、映画では中学生から
高校生を不器用ながら演じる。

彼の芝居はともかく、映画はさだ子の
平兵衛に対する憎しみと苦しみ、
そして隆への永遠の想いを
これでもか、と描く。

1961年に作られた古臭い映画と
思いきや、ところどころでフラメンコが流れ、
モノクロームで見せられる阿蘇の風景が
あまりにも美しく、いちいち震え上がった。


田村さんのご冥福をお祈りします。

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2021年05月17日

ネットで見つけた名画の数々

ついこの前、自分で録画したきた
DVD、Blu-rayについて書いた。
その中には、映画好きな人であれば
うわっ!何故こんなモノが!?と
いう代物もそこそこあったりする。

ここ何十年も衛星放送やCSなど、
なかなか観られない古い映画などを
出来るだけチェックしているけれど、
それでも権利や放映期間の問題で
なかなか観ることが出来ない映画も多い。

増して、いくら評価が高くても、
今の若い人から名前も聞いたことがない!
と思われるような映画は
どんどん葬られていってしまう。

そんなところに登場したのが
ネット配信だった。

vod-matome-202011-top.jpg

多くの配信サイトにどんな映画が入っているか
チェックするのは楽しいけれど、
本当にキリがない。

独自の製作で水準の高さを持つNetflix、
そして幅広く新作、
旧作をかかえるAmazon Prime、
エンターテインメントに徹しているHulu、dTV、
海外のドラマ(BLなども含めて)が
強いRakuten TVや、TSUTAYA、
その他、テレビ局系のモノは、
やはりテレビドラマが山ほどある。

多くのサイトが月額料金が1000円以下から
映画1本の値段よりも安かったりする。

そんな中、他よりも少しだけ高い(と言っても
月2額2189円)U-NEXTに、
かなりの掘り出しモノが
あると聞いて、観てみると確かに凄い。

これを読んでいるほとんどの人が
あまり関心がなかったり、
聞いたこともないだろうけれど、
僕が震えた映画を並べてみると・・・

アカデミー賞にノミネートされて公開されなかった
「テンダー・マーシー」や、ゲイと噂されていた
ダーク・ボガートの「できごと」、
コスタ・ガブラスの「シシリーの黒い霧」
ずっと観たかったポーランドの「夜の第三部分」
映画祭でしか観られなかったキム・ギドクの「受取人不明」
ボブ・フォッシーの「レニー・ブルース」や「スター80」

何十年も通った名画座やら、テレビでは
とんと観ることが出来なかったモノがここにある。

つい、鬱々となるコロナ禍で
僕にとっては嬉しい出来事だ。

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2021年05月03日

映画の観かた、人それぞれ

数日前、友人宅に招かれて
巨大プロジェクターで3人で
映画を観ることになった。

僕ともう一人はソファに座って
足を投げ出したり、
寝転んだりして観ていたのだが、
家主の友人は2時間強、
ずっと立って観ていた。

彼いわく、ライトコメディや、
軽いアニメなどは除いて、
それなりにきちんとした映画は
一人でいたとしても、
集中したいために、立って観るようだ。

これには驚きながら、なるほど、と。


確かに、うちでゴロゴロして観ると、
知らず知らずのうちに、
うつらうつらしてしまうこともある。
数秒間、目を閉じてしまっていても、
なんとなく観ている気持ちでいて
しっかり自分の中に入っていないこともある。

そうそう、本を読んでいる時に、
文字だけを目で追っていて、
ふと気が付くと、文章が
理解出来ていない、それと似ている。

僕の場合、これだけ映画が好きなのに、
映画館でも必ず睡魔が襲ってくる瞬間がある。
そのために、ガムやコーヒー、目薬などを
準備して行くことは少なくない。

自宅で観る時も、出来る限り、
先にトイレに行き、部屋を暗くし、
プリメインアンプのスイッチを入れ、
極力、映画館にいる状態を作ったりもする。


人に話すと、「そこまでする?
寝たら寝たでいいじゃない。
もっと気楽に観れば」と言われたりもする。

結果的にそれだけ一生懸命観ても、
1年ほど経つと、細かいディテールなんて
ほぼ覚えていなかったりするモノもある。

いずれにしても、映画好き、と言っても、
それぞれの観かた、楽しみ方があるのだなあと思う。

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