2019年11月20日

ゲイが苦手な映画監督

昨日、今、大変話題のNetflix制作映画
「アイリッシュマン」を観に行った。

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劇場が限られているので、
僕は吉祥寺で観ることにしたのだが、
学生時代、よくこの辺りのジャズ喫茶に
行っていたことを思い出した。

ともあれ、「アイリッシュマン」は、
スコセッシらしい手堅い演出、
そしてデ・ニーロ、パチーノの
芝居には唸らされ、
(若いメイクは辛いけれど)
老いる、ということも深く考えさせられた。

しかしながらも、同じギャング映画
というジャンルの中では
やはり「ゴッド・ファーザー」には及ばない、
そうとも思った。


映画好きな友人は「スコセッシ監督作、というだけで
評価しなければならない、
という世の中の雰囲気がいや」と
言っていたが、少しなるほどとも思う。

確かに僕自身も、スコセッシは
「タクシー・ドライバー」
「アリスの恋」それからずっと飛んで
「ヒューゴの不思議な世界」
くらいが好きな映画で、
それ以外の作品は、意外と苦手かも知れない。

そんなことを友人とメールのやり取りで
話していながら、
ふと気が付いたことがある。

いささか乱暴な言い方をすると、
この「男臭く、比較的暴力描写が多い
タイプの映画」を作る監督は、
スコセッシに限らず、結構苦手、という
ゲイが多いのかも知れない、
そう思ったのだ。

西部劇、戦争映画、やくざ映画など
女性があまり出てこない映画なのに
(だから??笑)、あまりゲイは
飛びつかない。

監督で言うと、昔のジョン・フォード、
ジョン・スタージェス、サム・ペキンパー、
深作欽二、三池崇史、白石和彌とかが
入るかも知れない。

もちろん、この前ブログにも書いた野球の話同様、
それは偏見だという意見も多いだろうし、
僕も上記の監督作の中で好きな映画も結構ある。
(特に深作監督の『仁義の墓場』など最高)

それでは、ゲイが好む映画監督とは
誰なんだろう。
これは難しい。
最近増えたゲイだと公言している人の
モノは比較的良しとされるだろうけれど、
だからと言って好きかと
言われると難しかったりする。

監督とすると、かなりわからないけれど、
ジャンルで言うと「男の闘い」ならず
「女の闘い」これをゲイが最も好きだということは
間違いがなさそうだ。

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2019年10月16日

オススメ映画「WEEKEND ウィークエンド」

最初に、LGBTの映画祭(現レインボーリール)で
上映され、その時に見逃してしまい、
その後、ぴあが主宰した映画祭で観た時には
心を熱くしたゲイムービー
「WEEKEND ウィークエンド」が
日本でやっと公開された。

320.jpg

2011年の作品なので、
なんと8年ぶりということだ。

話はいたってシンプルだ。
金表金曜日のある晩に
男が一人の男と出会い、
2日、夜を共にし、
日曜日に別れるまでの話。

酔っ払ってワンナイトスタンドに
なってもおかしくない関係。
たった3日間。
セックスの合間、合間に
行われる会話がリアルだ。

それぞれ家族への思い、
友人との距離感、
同性婚に対する考え方、
ありとあらゆる部分が違うけれど、
違うことが、
関係性をダメにするワケではない。
その違いを受け入れながらも
尊重し、リスペクト出来るか。

14階に住む男が
帰って行く男を毎度見下ろし、
その帰り方が、来るたびに
変化していく、そんな描き方が素敵だ。

ストレートに「ホモ野郎」と
バカにされ、怒りまくる男を
「放っておけよ」と無関心だった男が
ラストシーンで、罵倒された瞬間に
まなざしが変わっていくところなど
心憎い演出も魅力的。

ゲイ版「ビフォア・ザ・サンライズ
/恋人たちの距離(ディスタンス)」なんて
言われているのもよく理解が出来る。

数多くあるゲイ・ムービーの傑作の1本、
そう思う。

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2019年10月03日

サウンド・オブ・ミュージック愛が強過ぎて

さあ!!
いよいよ、明日である。
長々と仕込んできた、12周年だ。

思えば、今回企画から相談の
乗ってくれたBちゃんが、
「マスターが一番好きなモノ」を
何らかの形で見せればいいんじゃない?

そういう言葉から、そか
「サウンド・オブ・ミュージック」か、と
思ったのが、6月くらいだったか。

この映画を超えるほどの名作、秀作は数あるし、
この映画が、映画史上のベストテンなどに
入らなかったりもする。

ただ、子供の頃の僕の胸を鷲掴みにしたのは確かで、
これがきっかけで、映画自体を好きになり、
舞台ミュージカルにも魅了されるようになった。
そういう意味では、何千本と観た映画の中で
これ1本、というのはこの映画に尽きるのだ。

ゲイのみならず、ミュージカル好きな人が
「最も愛する映画」とも言われるけれど、
もちろん映画は映画。
好きな人がいるように、嫌いな人も当然いる。

昨日店に来てくれた年上の
ミュージカルやオペラ好きの
サクムラさんは「僕はこれほど
退屈する映画はなかったし、
とにかく子供が出てくる映画がダメなので
苦手なんだよね」

スタッフの中では、観たことがない、
というのも何人もいたし、
30歳前後だと、生まれる四半世紀も前の映画だから
仕方がないし、今の時代に初めて
観るとどうだろうかとも思う。

なんてことをグチャグチャと考えながら、
自分のこの映画への愛を、きちんと
伝えるためにも、良い周年にしなければ、
そう思う。
この映画が好きな人も、嫌いな人も
まったく興味ない人も、
笑ったり、泣いたり(それはないか。笑)
出来るように、頑張ります。
お楽しみに。。。。

ちなみに、明日、明後日、ブログは
お休みさせてもらいます。

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2019年08月26日

オススメ映画「ロケットマン」

今日のオススメは、
公開中の「ロケットマン」だ。

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去年、大ヒットしたロック・グループ、
クイーンのフレディ・マーキュリーを描いた
「ボヘミナン・ラプソディ」。

その映画を最初、撮った
ブライアン・シンガー監督は
ゲイだとカミングアウトしているけれど、
色々な理由が重なり、9割の撮影後、降板。
その代わりとなったのが、
デクスター・フレッチャーという監督。

この人が、今回、エルトン・ジョンの
伝記映画を撮ることになった、と聞いた時は
ちょっとどんなモノかと首を傾げていた。

B.シンガーは、ゲイであるだけでなく、
「ユージュアル・サスペクツ」は「Xメン」など、
かなり腕がある人だと僕は思う。

余談だけれど、シンガー監督は「Xメン」の頃、
今はなきゲイバー「クロノス」に来て
壁にかかっている多くのゲイの有名人たちに
いつか加わってもらえる?と
マスターのクロちゃんが尋ねると、
まだカミングアウトする前だった彼は
丁重に断ったと言う。

さて、フレッチャー監督。
この人、5年ほど前に「サンシャイン 
歌声が響く街」というスコットランド舞台の
ミュージカル群像劇を撮っていた。

そんな事もあってか、
今回の「ロケットマン」は
ライブシーンが見どころになっている
「ボヘミアン〜」と違って、
全編ミュージカル仕立てになっている。

僕がミュージカル好きだからこの映画が
良いのか、と言うと、決してそれだけではなく
(十分、ミュージカルシーンも楽しいのだけれど)
大スターになっていく、と同時に
孤独と闘う彼の姿を、ひたすら明るく
描いていることが好感が持てる。
そして、何よりもエルトンの楽曲が素晴らしい。
そして親友でもあり、作詞家バーニーが書いた
その詩が、シーン、シーンの
エルトンの気持ちを代弁する。

僕にとっては、エルトンの曲は
青春時代、聴きに聴きこんだ。
確かに若いお客さんに聴くと、
"Candle in the Wind"しか
知らないという人もいるけれど
この映画では残念ながら流れない。
(個人的に、そこまで好きな曲でもないけれど)


ありとあらゆる依存症を断ち切るために入所している
施設のシーンから始まるオープニングも素敵だった。

エルトンを演じるタロン・エガートンは
まったく口パクなく歌っているのは好感が持てたし、
バーニー役のジェイミー・ベル(『リトル・ダンサー』!!)
の成長ぶりとウマさが
とっても印象に残った。

唯一どうかと思ったのは、孤独と闘い、
愛に飢えていたエルトンが今の最愛の恋人と
どうやって出会い、子供までアダプトしたか、

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2019年08月14日

オススメ映画「トム・オブ・フィンランド」

出来る限り、ゲイを扱った映画はここで紹介したい、
そう思っているけれど、もう公開して
2週間経とうとしているこの映画。

表題になっている「トム・オブ・フィンランド」の絵は
ゲイなら、観たことがある人も多いだろう。

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映画は第二次世界大戦後のフィンランドが舞台。
広告業界で働いて、夜は自分の趣味の絵を
描き続けていた帰還兵のトウコ。

この映画を観ると、当時のフィンランドが
どれだけ抑圧され、差別される世の中だったか、
そして誰にも打ち明けることなく、
クローゼットとして生きていくしかなかった時代
だということが生々しく描かれている。

その偏見と彼が闘っていく姿は
十分に感動的であり、
あの時代は、というよりも
今でもその片鱗はあちこちに
残っているのだから。

ゲイ=女性的、というイメージを
トウコ(後にアメリカに絵が進出してから
『トム・オブ・フィンランド』と呼ばれる)が
どれだけ崩していき、またマッチョなレザーの
ステレオタイプは、まさに彼自身が
創作していったファンタジーなのかも知れない。

彼が描く絵を映画の中で楽しむことが出来る、
というのもひとつの魅力。
世界的に売られている大型写真集は、
うちの店にも飾ってあるので、興味がある人は是非。

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2019年07月16日

お勧め映画「Girl ガール」

僕が30代の頃のことを考えると、
トランスジェンダー、前で言うと
性同一障害と言われていた人たちのことを
どれほど理解していただろう。
いや、理解はともかく、存在を
どれくらい受け入れていただろう。

時代が大きく変化すると同時に、
僕自身も変わってしまっていて、
それがいつ、どういうふうに変化したのか、
きちんと覚えていない。

しかし、僕がその事について、きちんと
考えようとし始めたのは、
このブログにも何度か書き、
今やありとあらゆるLGBTの活動をしている
杉山フミノ君と、14年ほど前に
僕が手伝っていたタックス・ノットで
出会ったことからだった。

「自分にペニスがない。元々あったモノが
付いていない、という感じ、その違和感は
もう障害以外でも何物でもない、そう思った。」と
フミノ君は僕に言った。

女のコのヴァギナに自分のペニスを
挿入したり、立ち小便をする、
そんな夢を何度見たか、わからない。
そんな話も聞いた。

彼との出会いのおかげで、僕は
自分の店のスタイルを確立することが出来た、
そう言っても過言じゃない。
ゲイバーではあるけれど、
極力そこにジェンダーに関して
線引きをしないということ。

それについて書き出すと、また
とりとめない方向に行ってしまうので
その話はまたの機会で。

*******************

今、東京で上映している「Girl ガール」という
ベルギー映画は、フミノとは逆の
男性として生まれてきながら、
自分を女性だと信じて生きている
主人公ララの話だ。

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設定は現代のベルギーで
バレリーナを目指すのがララだ。
彼女は、父子家庭に共に住む父親や弟、
学校の先生、そして友人たちも
彼女がトランスジェンダーであることを
理解している。

ひと昔前のことを考えると、
彼女は物凄く幸せであるはずだ。

しかし、トランスジェンダーの人たちが
他人に受け入れてもらえるかどうか、
という事でだけではない苦しみが
どれほどあるのかを、
この映画は教えてくれる。

肉体のこと、性のこと。
それは僕らゲイやレズビアンでさえ、
理解しているつもりでも、
まったく気が付かない心の葛藤、
深い傷が横たわっているのだ。

僕らゲイは、単純に男に性欲を感じる。
その部分を、かなり乱暴に言ってしまうと、
他人がどう考えようが、
(その部分が、昨今のLGBTの社会的な問題として
物議を醸し出していることは確かだけれど)
とにかく性的な問題さえ
自分で乗り越えていけば、なんとかなる。

しかし、トランスジェンダーの人たちは
決して、そうは行かないのだ。

人に気付かれないようにひっそりと
生きる、ということだけで
済まされない問題がそこにあるのだ。

LGBTの映画として、ということはなく、
我々が共存している人たち、
それこそ少数者のことを
理解できずとも、考えていかなければ、
そう思うことが出来る傑作である。


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2019年07月15日

レインボー・リールに行けなくて

毎年、この時期にLGBT関連の映画を
積極的に公開している
「レインボー・リール東京」。

先週まで旅行に行っていたこともあり、
帰って来て色々整理することがたまっていた
この三連休が朝までの営業、という
ようなことがあって、今回は
1本も観に行くことが出来なかった。

お客さんや友人たちは、せっせと通い、
これは良かった、あれは良かったという声も。
その中で、僕がとても観たかった、
そう思うのは「1985」という作品だった。

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まさにエイズ危機という時代に、
テキサスで暮らす保守的な家族と、
ニューヨークからクリスマス休暇で帰って来た
ゲイの主人公のドラマだそうだ。
モノクロの映像は美しく、
また脚本が素晴らしかったらしい。


今まで、映画祭で多くのゲイの映画を観て
素晴らしいと思ったモノも数多くある。
"The Beautiful Thing"として
非常に評価が高いイギリス映画は
「とても素敵なこと」というタイトルで公開された。
ほかにも「トリック」「ラター・デイズ」
「ブロークンハーツ・クラブ」
「第二の皮膚」「ヨッシ&ジャガー」
「ビッグエデン」「サマー・ストーム」
「シェルター」「湖の見知らぬ男」
など、本当にその年のベストに入れたいような
作品が多く公開された。

とは言え、ビッグバジェットでもなく、
有名な俳優が出ているワケでもないので
劇場公開されるモノは少ないし、
上に書いたのは、劇場はおろか、
日本ではDVDは配信サイトでも
観ることが出来ない。

それを思うと、何が何でも、この映画祭は
外してはならないのだ。

うううむ。
ともあれ、今日の夜はスタッフの皆さん
打ち上げでホッとひと息つくのだと思う。
お疲れ様でした。

これからも、この映画祭がずっと長く続きますように。
そして、来年こそ、しっかりと追いかけられるように
スケジュールを組まなければ、と反省しきり。

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2019年06月11日

ディズニー実写化を考える

先週末から始まった「アラジン」の実写化。
お客さんでもあり、友人のタダシが
土曜日店に来てくれた時に、
早速観に行ったと言っていた。
彼は「アニメのほうが想像力が膨らむから好き」
と言っていたし、僕も思うところあるけれど
(その件に関しては、以下に書きます)
昨日、観に行った。

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ここのところのディズニーアニメの
実写化には、僕はあまり好ましく思ってない。
元々、ディズニーアニメが好きである、
ということもあって、
それをわざわざ実写化する、
というのが理解できない。

基本的に実写同士であれ、
リメイクをする、ということが
オリジナルへのリスペクトだと
思えなかったりする。

そもそも、原作があるモノ。
それは文学であれ、漫画であれ、
それを映画化した時に、オリジナルを
超えることは、まずない、
僕はそう思っている。

ただ、敢えて言うと、原作を原案として、
まったく別物として作られる作品は
オリジナリティを感じることもある。

まあ、そんなこんなを考えながらも
結果的には観てしまうのだけれど。


さて、今回の「アラジン」。

僕は3Dで作られたモノは、基本的には
3Dで観たい、そう思っているけれど、
なんと「アラジン」の3D版は
4DXの劇場でしか味わえないようになっているようだ。

そもそも4DXは、アトラクションで
映画を集中して観られない、という意味では
行きたくない。

迷いに迷って、結局4DX劇場へと足を運んだ。

感想は・・・
正直言って、悪くはなかった。
映画も、そして4DXもだ。
物凄くオリジナリティがあるか、と言われると
ほぼアニメの流れを汲んではいるものの、
国家を動かそうとする政治力についてや、
ジャスミンの存在感などに深みがある。

そして、これはアニメもそうだけれど、
ランプの魔神のジーニーが出てきてから、
俄然、楽しくなる。
七変化するキャラクターをどんどん
見せていくアニメも舌を巻いたけれど、
(これは声優のロビン・
ウィリアムスの功績が大きい)
とにかくCGマジックで
目まぐるしく見せてくれる。
ウィル・スミスが適役か
どうかは、置いておいて(笑)

そのあたりのこの映画が持つアトラクション感覚
いわゆるディズニーランドにいるような感じ、を
4DXは十二分に感じさせてはくれる。

名匠アラン・メンケンの新曲「スピーチレス」を
ジャスミンに歌わせているのは良いけれど、
ミュージカル舞台のために書かれた曲などが
入っていなかったのは個人的には残念。

いずれにてしても、観て損はない
出来となっていると思う。

とは言うものの、基本的に
4DXは観たくはない、という気持ちも
変わらないし、
今後の「ライオン・キング」や
「ムーラン」のことを思うと、
ちょっとうんざりせずにはいられない(笑)

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2019年06月04日

オススメ映画「氷上の王、ジョン・カリー」

それまでは、なかなか日の目を
見ることがなかったアイススケートを
メジャースポーツに押し上げ、
さらに芸術の域まで昇華させた
伝説のゲイの英国人スケーター、
J.カリーのドキュメンタリー
「氷上の王、ジョン・カリー」が
公開されている。

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前にここに書いた
「マックイーン:モードの反逆児」は
今年のベストとも言えるゲイのデザイナーの
ドキュメンタリーだった。
そして、この映画も同様、
天才アーティストを描いた傑作。

まさか今ほどのフィギュア・ブームが
作られるとは思わなかった1970年代、
彼は自分の表現方法で
新たな世界を作り上げたカリー。

幼少の頃、バレエに魅せられ、
その道に入ろうとしていたところを彼は
父親から女性的だと止められたらしい。
その後、フィギュアに出会い、
スポーツだということで許される。

厳しい練習に加えて、彼の華やかで
挑発的なテクニックは大きく評価され、
インブルックでの冬季五輪で金メダルをゲット。

自分に正直である彼は、インタビューで
オフレコであることを条件にカミングアウト。
しかし、この全文が心ない記者によって
全世界へと報道されてしまう。

結果的に、自分が同性愛者であることを恥じたり、
否定することはなかったようだけれど、
カミングアウトを賞賛する声と共に、
嘲笑やバッシングも受ける。
そりゃ、40年も前だから、今とは
考えられない世の中だったと思う。

それでも、カリーは自分自身のテクニックを
厳しく追及していくけれど、
87年にエイズと診断されて、
新たな試練と向き合う。

マックイーンも、カリーも
フレディ・マーキュリーや、
ロック・ハドソン同様
エイズと闘うことになったアーティストだった。

映画には、今まで表に出ていなかった
彼のパフォーマンスが多く入っているし、
また、彼が残念にも気持ちを乗せることが
出来なかった、という日本公演での
スケーティングも観ることが出来る。

以下は予告編だ。


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2019年05月14日

アベンジャーズ・シリーズのおさらい

世界中で記録的な大ヒット!という
「アベンジャーズ エンドゲーム」。

日本じゃコナンやら、ピカチュウに
抜かれているようだけど、
全世界じゃ「タイタニック」を抜いて
「アベンジャーズ」に迫る勢いというから凄い。

こういうエンタメ系映画をこのブログで
紹介することが少ないせいか、
どうやら、好きではない、と思われがち。

いや、そんな事はない!と
声を大にして言いたい。

確かに、ドカーン、バキューン、
バタッ、グシャッ!
などという観ている時だけ興奮して
あとには何も残らない、というタイプは
あまり率先して観ないけれど、
このシリーズは違う。
キャラクター設定の妙が
多くの娯楽映画を超えている。

とは言え、あまりにもシリーズ本数が多いのと、
年数がどんどん経っていく。
ゴールデンウィークあたりから
ディズニーの配信サイトで
最初から復習することにした(笑)。
クラシック映画で観なければならないモノも
山ほどある中で、我れながらどうかと思う。

まあ、他の映画と違って、一度観ているので
電車の中や、ちょっとした時間に
観ることが出来るのが配信モノはありがたい。

そんな中で優れていると思うモノをあげると
最初に登場した「アイアンマン」はやっぱり欠かせない。

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(初の色鉛筆作業←アナログ 笑
早く、ペンタブ使いこなせるようにならないと。。。)

ロバート・ダウニーJr.が
それこそ、プライベートのヤク中事件で
俳優人生が終わりか、と
言われていた矢先に出演。
やっぱり、完璧じゃないヒーローとして出てきたのが
良かった。
恋愛にもだらしなく、金の亡者でもあり、
正義や友情、チームワークに対する
考え方の違いで、キャプテン・アメリカと衝突したりする。
ガンダムやトランスフォーマーなど
ロボット型スーツにドキドキするのは
僕にもノンケ的な何かが残っているのか、
それとも、ゲイ目線で観ているのだろうか(笑)

シリーズの中で、
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は
ひと味もふた味も違う出色の出来。
ユーモア溢れる表現力は、練られた脚本も含めて
ホントに素晴らしい。

特に気に入っているのが、2作目の
オープニング。



あと、5タイトル残すばかりだけれど、
それからやっと「エンドゲーム」に辿りつく。
やれやれ。。。

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2019年05月04日

ゲイを治す!?

もう映画が始まってから少し経ってしまい、
このブログで紹介し忘れてしまった
「ある少年の告白」。

IMG_8995.jpeg

この映画では、ゲイを矯正するための
施設というモノがあり、
両親の希望もあり、そこに
入れられた少年を描いた実話の映画化。

ヒットしている「アベンジャーズ」シリーズの
最終作や、「シャザム!」などより、
この映画を観ている人のほうが多い、
というのがうちの店を表しているかもしれない。

そんな映画の話から、昨夜は「ゲイを治す」
つまりは「ストレートになる(戻す?)」ということが
出来れば、それを選ぶか、という話になった。

それなりに多くにお客さんたちは
「いや、このままで良い。」
そう言っていたけれど、
リョウサクを始め何人かは、
ストレート男子になりたい、そう言う。

「このままで良い」派は、やっぱり男の身体を
魅力的だと思いたいし、ゲイのほうが楽しく思える、
という答えが帰ってくる。

「ストレートに変わりたい」派は、
やっぱりいちいち偏見にさらされるのは
イヤだという意見や
女性と結婚し、子供が持ちたい、
そういう人もいた。

僕も。今でこそ、
まったくそうは思わないけれど、
その昔、「ノンケに生まれたら
どんなに楽だっただろう」
そう思ったことは何度もあったし、
昔の彼女にカミングアウトした時に
「二人で治していこう」なんて
稚拙なことを言ったこともよく覚えている。

子供は欲しかったけれど、
どうしても、という気持ちがあれば、
ゲイのままでも子供を作ることは
不可能じゃないし。

それにしても「治す」「矯正する」という
発想自体が、ゲイが病気である、とか
異常である、というモノだと気が付いたのが
30歳近くになってから、というのも
今思えば愚かなことだった。

それでも、いまだにそのような施設がある、
という異常さがはなはだ気持ち悪い。

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2019年04月23日

お勧め映画「先に愛した人」

配信サイトNetflixでは「LGBT映画」という
カテゴリーが設けてあり、日本では
劇場未公開のモノも多く、
観てみないとなかなか
その評価はわからない。

チェックを付けて、マイリストに
入れてみるものの、すべてはなかなか
観ることも出来ない。

そんな中で、キラリと光る
素敵な台湾のゲイ映画に巡り会えた。
これまたNetflix制作というのも凄いけれど。

日本題「先に愛した人」

英語タイトルが"Dear Ex"(拝啓、元カレ)
中国語の原題が「誰先愛上他的」(誰が最初に彼と恋に落ちたか)
っていうのも面白い。

映画は、ガンで夫を亡くした母親とその息子が
とある男(ロウ・チウというイケメン俳優)を
訪ねてくるところから始まる。

何と彼こそ、亡くなった男の彼氏で、
保険金が彼に残されていた、という話だ。

キレまくる妻と、逆ギレする男、
そして戸惑いながら、男の元に居着く少年。

この3人と、亡くなった男の過去映像が
重なって、アンバランスながらも
それぞれの関係が見えてくる。
それぞれが、失くしてしまった愛を求め、
激しくも切ないシーンが連続していく。

カラフルに彩られた映像に
下手ウマなアニメーション処理がとても可愛い。

IMG_8906 2.jpeg

台湾の街、そして彼らが夢に見たバリ島など、
じんわりと心に残るシークエンス満載で
それぞれのキャストも魅力的だ。

映画館で上映されないのが残念だけれど、
オススメの1本。
必見。


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2019年04月16日

素敵なクレジットタイトル

僕は映画が好きだけれど、
オープニングのクレジットタイトルで
心を鷲掴みにされてしまうこともある。

もちろん、クレジットタイトルが良いからと言って、
必ずしも本編が上出来とも思えないし、
最近ではオープンニングでタイトルが
出ないモノだって結構ある。

でも、3分に満たないほどの
この最初の時間こそ、
映画好きには愛おしかったりするのだ。

もっとも、僕がクレジットタイトルに
興味を持ち始めたのは、中学生の頃、
ミュージカルの「ウエスト・サイド物語」だった。

口笛とともに、黄色、オレンジ、赤、紫、グリーン、
ブルーと、色が変化しながら何本もの縦のラインが
やがてマンハッタンの外観となっていく。
ここに鳥肌がたった。


このあと、リバイバルで観た
ヒッチコックの「めまい」と「北北西に進路を取れ」。

そして、この3本が、ソウル・バスという
アート・デザイナーによるモノだと知り、
それからこの人のクレジットを
追求するようになった。

IMG_8853.jpg

すべてではないけれど、彼のタイトルを
集めたモノなどを見ているだけで幸せだったりする。


その後、またソウル・バスとはひと味違う
タイトルデザインで有名になった
リチャード・グリーンバーグ。

「エイリアン」
大好きな「ガープの世界」

そして、グリーンバーグの事務所にいたのが、
今をときめくカイル・クーパーだ。
彼はところどころに、ソウル・バス風味を
見せたりしてくれている。

「セブン」
「パニック・ルーム」
「キス・キス・バン・バン」

そんなこんなで、素敵で
優れたタイトル・バックは山ほどあって
そういう映画のクレジットを改めて
YouTubeで探したりするのは本当に楽しい。

昨日、1日観ていて
オードリー・ヘプバーンのこの3本も大好きだし

「パリの恋人」

「シャレード」

そして「マイ・フェア・レディ」

007シリーズも上げるときりがない

「カジノロワイヤル」

「ゴールドフィンガー」

「ドクター・ノオ(007は殺しの番号)」

他にはこんなタイトルも素敵だ。

「ウエスタン」
「タイピスト!」

そしてなんと言っても今年はこれかな。


昨日の休みは、映画館にも行かず、
うちで多くのタイトルバックを観て
ワインを飲んでいた。
たまにはこういう休日も。。。

さて、今日は火曜日で通常、タクヤ営業になるけれど、
僕みつあきが入ります。お待ちしております。

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2019年04月09日

オススメ映画 マックイーン:モードの反逆児

先週末から始まった、ファッション・デザイナー、
アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー。

ゲイの人たちの中では、
同様にゲイであり、
なおかつ若くして自殺したという
意味でも有名だ。


個人的な話から話させてもらうと、
この天才ファッションデザイナーが亡くなったあと、
2年後の2011年、ニューヨークのメトロポリタン美術館で
開催された回顧展に行くことが出来た。


↓これが観に行った時のブログ

ブログにも書いたように、そこには彼の持つ
圧倒的な過激さ、そして奇抜なまでの
アーティスティックなイメージで会場全体が覆われ、
感激もひとしおだった。

この映画は、普通ドキュメンタリー映画が持つ
演出や編集の効果というよりも、とにかく
マックイーンの存在感、その突出した生き方が
とっても際立っている。

alexander-mcqueen-documentary-film.jpg

さて、映画。
もちろん、かなり若い頃から撮影されている
彼自身の生活や、そのファッションを
作り出すスタイルなど
緻密に織り込まれてはいるのだけれど。

若きマックイーンは、駆け出しの頃、
デザイナーらしからぬ普通のシャツに身を包み、
いたずら好きでユーモア溢れる
どこにでもいる小太りの青年に見える。

ただ、彼がアーティスト性を自分の中に
見出してからの大きな変化、
それは彼の友人や仕事仲間たちからの
インタビューでも強く明確になっていく。

40歳という若さで死ぬ前の彼は、
見違えるほどスリムで
スタイリッシュないでたちだ。

映画の中で圧巻なのが、彼が次から次へと
披露していったファッション・ショーだ。
他のデザイナーでは決して考えられない、
一般人に着らることを拒絶しているような
衣装の数々、そして想像を超える強烈な演出。

「最高の賛美か、最悪な批判を持たなければ、
ショウをやる意味はない」
マックイーンはそう言った。

そんな彼の最後となるショーの様子は、
驚きを超えて胸が熱くなる。
必見。

予告編はこちらから

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2019年03月27日

3D映画の(かなりマニアックな)話

「ROMA/ローマ」を劇場で観て、
改めて、アルフォンソ・キュアロン監督の作品を
最初からきちんと観直そうと決意。
寡作の人なので、全部観ようとしても
さほど時間はかからない。

まずは未見のデビュー作
「最も危険な愛し方」
(原題は"Sólo con tu pareja"
日本語だと『あなたのパートナーとだけ』)
を観ようと試みる。

これは日本で未公開だった。
なおかつDVDもすでに廃盤。
Amazonで中古のレンタル落ちで買い、
先週観てみた。

このあとキュアロンとタッグを組み、
オスカー常連のカメラマン、エマニュエル・ルベツキも
この映画がデビューとなったらしい。

ちなみにルベツキは「ツリー・オブ・ライフ」や
「バードマン」「レヴェナント」などで
凄い映像体験をさせてくれた。

そして「最も危険な〜」も、
とてもこれが最初だとは思えないほどの
素晴らしい絵作りなのだ。

加えて、キュアロンがずっとこだわっている
「グリーン」が、この映画でも出てきている。
そう。ありとあらゆる部分が緑色。

これは、昨日観た二作目の
「リトル・プリンセス」など
映像のマジックの中での緑が
際立っていて、ため息が出る。

もちろん、映像だけでなく、どの作品も
ドラマもよく出来ている。
コメディタッチの「最も危険な〜」や
注目を集めた青春群像「天国の口、終りの楽園」は
両方「ローマ」と同じく、メキシコ舞台で
キュアロン自身が脚本も書いていて、本当に秀逸。


まあ、そんなこんなで書き出すときりがないのだけれど、
ここで本題。
キュアロンと言えば、「ローマ」までで
最も有名なのは「ゼロ・グラビティ」だと思う。
「ハリー・ポッター」の三作目はさらに
稼いだかも知れないけれど、これは別枠としよう。

その「ゼロ・グラビティ」劇場での3D体験は
これまた本当に素晴らしかった。

image.png

でも、これをBlu-rayで再現しようとすると
これからの4Kテレビでは
もう3Dを体験出来ない。
まだ、我が家のテレビは3Dが
観られるのだけれど、
一昨年あたりから、ほぼ3D対応のモノは
生産中止となっているようだ。

だとすると、新しく4Kテレビに買い換えると、
今まで買った3DのBlu-rayや、DVDは
もう大画面では観られなくなる。

映画館でも3Dは、人気に陰りが出来て、
本国で上映されても、
日本では上映しないモノも増えた。

何、とは言わないけれど、これ、3Dでなくても、
まったく問題ない、という映画も、もちろん結構ある。
「KUBO/クボ 2本の弦の秘密」などは
日本のみ2D上映だったけれど、
これは3Dで観たかった。

また「アバター」は元より、
「ライフ・オブ・パイ」「ヒューゴの不思議な発明」
「天才スピヴェット」
「コララインとボタンの魔女」などは
3Dこそ、堪能出来る映画なのだ。

個人的には、4Dは映画ではなく、
アトラクションだと思っているけれど、
3Dは、そのために制作されている。

プレイステーションで観ることが
可能だとわかったけれど、
やっぱり大画面で楽しみたい、そう思う。

相当、オタクなブログで申し訳ない(笑)

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2019年03月19日

壮絶な映画体験、そして大流行映画

新宿では、2丁目からほど近い
バルト9で上映している、真逆とも
言える日本映画2本を観た。

1本は、重く辛く、そして
昨今の映画ではなかなか体験出来ない
過激、かつかなりエグい
そう思われる映画「岬の兄妹」。

320-2.jpg

そしてもう1本は、上映中
最初から最後まで笑いに包まれ、
大ヒットしている「翔んで埼玉」。

320-3.jpg


本当にこれほど違うタイプの映画を
立て続けに観ると、なるほど、日本映画も
当然のことだけど、本当にさまざまだなあと思う。
そして、色々な角度から
人の好みやヒットの動向も伺い知ることが出来る。

「岬の兄妹」は、自閉症の妹と足が悪いけれど、
肉体労働をする兄の二人の暮らしを描く。
兄が仕事を解雇されることから
妹に売春をさせる!という
かなりヘビーでタブーに挑戦している映画なのだ。

目を覆わんばかりの暴力や、汚いシーンの連続に
不愉快な思いをする人も多いだろう。
でも、このドラマから、
貧困や差別、過疎、いじめなど
あらゆる問題がクローズアップされている。
気分が悪くなり、観なければ
良かったと思う人もいれば、
今年のベストワンという人もいるようだ。

かたや「翔んで埼玉」は、バカバカしいけれど、
そのアイデアの豊富さになるほど、と膝を打つ。
ところどころで爆笑させられるけれど、
個人的には映画というよりも、
テレビ的な感じが否めなかった。

東京近郊の人間ではないと
まったくわからない部分も多い。
少なくとも、外国人には何のことやらだろう。

当然のことながら、「岬〜」は上映回数も少なく、
そんなに混んでいない。
しかし「翔んで〜」はどの回も満席。

そして、仮に両方観ても、
圧倒的に支持する人や、好きだという人の多さも
「翔んで埼玉」だろう。

もちろん「翔んで埼玉」が悪いという
ワケじゃないけれど、
この現象を見て、
映画としての出来不出来は、
ヒットや、人の指示の強さや大きさではないなあ、
強くそう思った。

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2019年03月11日

映画「ローマ/ROMA」

昨日は六尺デイで僕は休みだったので、
なんと海老名まで1時間半かけて
映画「ローマ/ROMA」を観に行った。

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でも、実はこの映画を観るのは二度目。

最初にこの映画を観たのは、去年の暮れ、
動画配信サイト、Netflixでだった。
本当はどうしても、
劇場で観たかったのだけれど、
東京国際映画祭で2度上映した以外は
もう劇場公開はない、
と告知されていたからだった。

ところが、映画はアカデミー監督賞を取り、
映画関係者の中でも評判が
高いということもあったからなのか
先週、急遽、イオン・シネマでのみ、
公開が決定された。

「ハリー・ポッター」の3作目や
「ゼロ・グラビティ」で有名な
アルフォンソ・キュアロン監督は、
現在活動している映画人の中で
僕の5本の指に入る。

もう20年近く前に、ハワイのテレビで
この人が監督した「リトル・プリンセス」
を目にした瞬間、
あまりの映像の美しさに腰を抜かした。

この人が作る世界は、
ドラマ、脚本、人物描写もさることながら、
その圧倒的なビジュアル表現、構図、
そして音響など、まさに映画を
総合芸術、と言うべきモノに仕上げている。

そして、今回の「ローマ」もそうだ。

舞台はメキシコのローマ地区。
そこで1970年当時、キュアロン監督が
少年の頃、彼の家にいた
メイドの女性をモデルにして作られたと言う。

一家の白人の女主人とメキシコ人メイド、
この二人の女性に起こる悲劇、
そしてそれでもたくましく生きていく姿を
情感豊かに描いている。

モノクロで撮られた映像は
驚くほど美しく、あまりに緻密に
計算された音響もため息が出るほど見事。

数あるイオン・シネマの中で
最大のスクリーンであり、
THXという音響で観ることが出来る
唯一の劇場が海老名だった。

帰りの電車の中で、頭の中で
素晴らしい体験を再現していると
1時間半があっという間だった。

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2019年03月08日

フランスから映画監督が

昨日は、常連のヨコエ君が、アプリで
知り合ったというフランス映画監督ブリスさんを
連れてきてくれた。

アプリで会った、ということは、もちろん
ゲイで広くカミングアウトされているらしい。

僕が映画に多少詳しいということもあって、
ヨコエ君は気を効かせてくれたのだが、
これが本当に楽しい時間だった。

彼は20代の頃、「仕立て屋の恋」や
「髪結いの亭主」でお馴染みの
パトリス・ルコントの助監督をしていた、
ということでまずビックリ。

僕が鈴木清順監督のところにいた、と話すと
観たことがないと言う「陽炎座」の予告編を
YouTubeで見て、とても興味を持ってくれる。

また、彼は小津安二郎監督の
大ファンというだけでなく、
最近の是枝監督、そして濱口竜介監督も、
とのことだった。
日本でもまだまだ馴染みがない
僕が好きな濱口監督について
「彼は本当に素晴らしい」と言っていた。

ブリスさんのデビュー作は、
なんとあの名作「男と女」の
女優、アヌーク・エーメが主演だったらしく、
彼女のことは今でも
リスペクトしていると言っていた。
同様に、カトリーヌ・ドヌーヴと会った時の
話をしてくれた。

ドヌーヴがバスに!?とただ、ただ驚く僕。
彼女はすごく美人で大女優だけど、
ビッチなのでは?と僕が聞くと
そんなことはない彼女の気の使いようは素晴らしく、
そして普段バスや地下鉄に
乗っている、ということなど教えてくれた。

ドヌーヴの話からブリスさんの
彼女のベスト・ムービーは「昼顔」だと。

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そしてその監督のルイス・ブニュエルは
僕が大好きな監督の一人、と言うと
「フランス映画監督は?」と聞かれた。

渋いところで、ブリュノ・デモンとか
アルノー・デプレシャンとかかなと言うと
"Are you crazy?"と言ったあとに
"I'm crazy too"と笑ってくれた。

普通、あまりお客さんと深い映画の話は
しないけれど、まさかのフランス人監督と
これほどディープな話が出来て僕も嬉しかった。

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2019年03月06日

グリーンブック

先日のアカデミー賞で見事に作品賞をとった
「グリーンブック」を観た。

green_book_poster.jpg

このタイトルになっている「グリーンブック」とは、
1933年から30年間出版されていた
アフリカ系アメリカ人たちが、全米で
利用出来る施設を記したガイドブックのこと。

言うまでもないけれど、この頃、黒人は
白人と同様の施設をほとんど使用出来なかったのだ。

時代は、まだまだ黒人差別がところどころにある
ニューヨーク。イタリア系アメリカ人のトニー
(腹がでっぷり出たヴィゴ・モーテンセン!!)は
周りの人と同じように、黒人を快くは思っていない。
人望は厚いけれど、気が短い、そんな彼だが、
ナイトクラブがクローズされて、彼が見つけたのが、
ある天才ピアニスト、シャーリーの運転手。
それも奥人だ。

このシャーリーをやったマハーシャラ・アリは
一昨年のゲイ・ムービー「ムーンライト」と
この「グリーンブック」で二度のオスカーに輝いている。

トニーは、迷いながらも、金のためと割り切って、
差別色の強い南部のツアーに同行することになる。

文才がないトニーが旅の途中で妻に書くのだが、
それを素敵な言葉に置き換えて代筆するシャーリー、
また、そもそも心の優しいトニーが、目の前に
繰り広げられる黒人差別に、どんどん違和感を感じ、
大きく変化していくのが、この映画の見どころだ。

あれから50年経った、と言うよりも、
50年しか経っていない今の時代、
改めて「レイシズム」とは何か「ヘイト」とは何かを
考えさせてくれる。

この映画がオスカー受賞後、
「白人目線で人種問題を語った」
「オスカー史上、ワースト」などと言う
メディアも多いようだ。

僕は単純に胸を熱くしたし、
改めてこのような事実に驚いた。
しかし、当事者の気持ちになって
観てみると、違う何かが
また見えてくるのかもしれない。

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2019年02月26日

第91回アカデミー賞授賞式

2月の最終月曜日(現地は日曜日)は、
毎年、アカデミー賞授賞式だ。

僕が若い頃は、日本では生放送などなく、
辛うじて編集されたモノが数週間後の
深夜などにちらっと放映されたりした。

20年近く前は確かNHKのBSが放映。
そしてここ10年(15年??)ほどは
WOWOWが放映してくれるので
生で楽しみに観ることにしている。

3年前は店でライブビューイングをして
ワイワイと盛り上がったけれど、
去年からは月曜日、マサヤが
入ってくれたため、
去年から僕は月曜日が休み。
ゆっくりとうちで楽しむことが出来た。


さてさて、今回のアカデミー賞。
これ、という大本命がない、
ちょっと小粒な秀作、佳作が並んだ。

ここでも書いた「ROMA/ローマ」は、
オスカー前哨戦の多くの映画賞で
作品賞をとっていたけれど、
とにかくハリウッド映画ではなく、
外国語だということ。
そして何よりも、映画興行関係者には
評判が悪いNetflix制作だということが
たぶん取らないだろう、そう言われた。
そして、その通りになった。

ただし、僕が大好きなこの映画の
アルフォンソ・キュアロン監督が
監督賞を取り、
我らが「万引き家族」と闘った
外国語映画賞もこの「ROMA」が取った。

さあ、残った作品賞候補作の中で
次に下馬評が高かったのが
「女王陛下のお気に入り」。

病的なほど神経質、
かつ抜けている女王の
気にいられるために側近の女性二人が
戦い続けるという不思議な映画。
コメディ要素を取り入れながら、
いつものこの監督らしい
オゲレツかつ、どう捉えて良いか
という微妙な流れ。
これが全米の強い支持を得ているというのも
不思議だなあと思っていた。

しかし、栄冠は「グリーンブック」に。
これは、黒人がまだまだ差別をされていた
60年代を舞台に、アフリカ系のピアニストと
イタリア系アメリカ人の運転手が
全米を車で回っているうちに
多くの経験をする、というロードムービー。

僕は試写で観させてもらったが、
シンプルながらも強いメッセージがあり、
この作品が賞をとってのは
妥当だと思った。

けれど、今日になって、脚色賞をとって
大盛り上がりをした黒人のスパイク・リー監督が
「白人が偉そうに黒人を救っているだけの映画」
と文句を言っていたことを知り、
複雑だなあと思うばかり。

驚いたのが、主演男優賞も含めて、
今回の最多受賞となったのが
「ボヘミアン・ラプソディ」。
録音、音響はともかく、
編集賞は個人的には他の映画のほうが
ふさわしい気がしたけれど。

思えば、「女王陛下〜」「グリーンブック」
「ボヘミアン〜」それぞれが、LGBTが
描かれているモノだったのも面白い。

ともあれ、受賞スピーチはところどころで
泣かされたし、最も感動的だったのは
レディ・ガガとブラッドリー・クーパーの
デュエット。

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まさかの「メリー・ポピンズ・リターンズ」の
ベット・ミドラー登場には驚いたけれど、
この二人には敵わなかった。
ガガは、本当に凄い歌手に成長した、
そう思わせてくれた授賞式だった。

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