2019年03月19日

壮絶な映画体験、そして大流行映画

新宿では、2丁目からほど近い
バルト9で上映している、真逆とも
言える日本映画2本を観た。

1本は、重く辛く、そして
昨今の映画ではなかなか体験出来ない
過激、かつかなりエグい
そう思われる映画「岬の兄妹」。

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そしてもう1本は、上映中
最初から最後まで笑いに包まれ、
大ヒットしている「翔んで埼玉」。

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本当にこれほど違うタイプの映画を
立て続けに観ると、なるほど、日本映画も
当然のことだけど、本当にさまざまだなあと思う。
そして、色々な角度から
人の好みやヒットの動向も伺い知ることが出来る。

「岬の兄妹」は、自閉症の妹と足が悪いけれど、
肉体労働をする兄の二人の暮らしを描く。
兄が仕事を解雇されることから
妹に売春をさせる!という
かなりヘビーでタブーに挑戦している映画なのだ。

目を覆わんばかりの暴力や、汚いシーンの連続に
不愉快な思いをする人も多いだろう。
でも、このドラマから、
貧困や差別、過疎、いじめなど
あらゆる問題がクローズアップされている。
気分が悪くなり、観なければ
良かったと思う人もいれば、
今年のベストワンという人もいるようだ。

かたや「翔んで埼玉」は、バカバカしいけれど、
そのアイデアの豊富さになるほど、と膝を打つ。
ところどころで爆笑させられるけれど、
個人的には映画というよりも、
テレビ的な感じが否めなかった。

東京近郊の人間ではないと
まったくわからない部分も多い。
少なくとも、外国人には何のことやらだろう。

当然のことながら、「岬〜」は上映回数も少なく、
そんなに混んでいない。
しかし「翔んで〜」はどの回も満席。

そして、仮に両方観ても、
圧倒的に支持する人や、好きだという人の多さも
「翔んで埼玉」だろう。

もちろん「翔んで埼玉」が悪いという
ワケじゃないけれど、
この現象を見て、
映画としての出来不出来は、
ヒットや、人の指示の強さや大きさではないなあ、
強くそう思った。

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2019年03月11日

映画「ローマ/ROMA」

昨日は六尺デイで僕は休みだったので、
なんと海老名まで1時間半かけて
映画「ローマ/ROMA」を観に行った。

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でも、実はこの映画を観るのは二度目。

最初にこの映画を観たのは、去年の暮れ、
動画配信サイト、Netflixでだった。
本当はどうしても、
劇場で観たかったのだけれど、
東京国際映画祭で2度上映した以外は
もう劇場公開はない、
と告知されていたからだった。

ところが、映画はアカデミー監督賞を取り、
映画関係者の中でも評判が
高いということもあったからなのか
先週、急遽、イオン・シネマでのみ、
公開が決定された。

「ハリー・ポッター」の3作目や
「ゼロ・グラビティ」で有名な
アルフォンソ・キュアロン監督は、
現在活動している映画人の中で
僕の5本の指に入る。

もう20年近く前に、ハワイのテレビで
この人が監督した「リトル・プリンセス」
を目にした瞬間、
あまりの映像の美しさに腰を抜かした。

この人が作る世界は、
ドラマ、脚本、人物描写もさることながら、
その圧倒的なビジュアル表現、構図、
そして音響など、まさに映画を
総合芸術、と言うべきモノに仕上げている。

そして、今回の「ローマ」もそうだ。

舞台はメキシコのローマ地区。
そこで1970年当時、キュアロン監督が
少年の頃、彼の家にいた
メイドの女性をモデルにして作られたと言う。

一家の白人の女主人とメキシコ人メイド、
この二人の女性に起こる悲劇、
そしてそれでもたくましく生きていく姿を
情感豊かに描いている。

モノクロで撮られた映像は
驚くほど美しく、あまりに緻密に
計算された音響もため息が出るほど見事。

数あるイオン・シネマの中で
最大のスクリーンであり、
THXという音響で観ることが出来る
唯一の劇場が海老名だった。

帰りの電車の中で、頭の中で
素晴らしい体験を再現していると
1時間半があっという間だった。

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2019年03月08日

フランスから映画監督が

昨日は、常連のヨコエ君が、アプリで
知り合ったというフランス映画監督ブリスさんを
連れてきてくれた。

アプリで会った、ということは、もちろん
ゲイで広くカミングアウトされているらしい。

僕が映画に多少詳しいということもあって、
ヨコエ君は気を効かせてくれたのだが、
これが本当に楽しい時間だった。

彼は20代の頃、「仕立て屋の恋」や
「髪結いの亭主」でお馴染みの
パトリス・ルコントの助監督をしていた、
ということでまずビックリ。

僕が鈴木清順監督のところにいた、と話すと
観たことがないと言う「陽炎座」の予告編を
YouTubeで見て、とても興味を持ってくれる。

また、彼は小津安二郎監督の
大ファンというだけでなく、
最近の是枝監督、そして濱口竜介監督も、
とのことだった。
日本でもまだまだ馴染みがない
僕が好きな濱口監督について
「彼は本当に素晴らしい」と言っていた。

ブリスさんのデビュー作は、
なんとあの名作「男と女」の
女優、アヌーク・エーメが主演だったらしく、
彼女のことは今でも
リスペクトしていると言っていた。
同様に、カトリーヌ・ドヌーヴと会った時の
話をしてくれた。

ドヌーヴがバスに!?とただ、ただ驚く僕。
彼女はすごく美人で大女優だけど、
ビッチなのでは?と僕が聞くと
そんなことはない彼女の気の使いようは素晴らしく、
そして普段バスや地下鉄に
乗っている、ということなど教えてくれた。

ドヌーヴの話からブリスさんの
彼女のベスト・ムービーは「昼顔」だと。

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そしてその監督のルイス・ブニュエルは
僕が大好きな監督の一人、と言うと
「フランス映画監督は?」と聞かれた。

渋いところで、ブリュノ・デモンとか
アルノー・デプレシャンとかかなと言うと
"Are you crazy?"と言ったあとに
"I'm crazy too"と笑ってくれた。

普通、あまりお客さんと深い映画の話は
しないけれど、まさかのフランス人監督と
これほどディープな話が出来て僕も嬉しかった。

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2019年03月06日

グリーンブック

先日のアカデミー賞で見事に作品賞をとった
「グリーンブック」を観た。

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このタイトルになっている「グリーンブック」とは、
1933年から30年間出版されていた
アフリカ系アメリカ人たちが、全米で
利用出来る施設を記したガイドブックのこと。

言うまでもないけれど、この頃、黒人は
白人と同様の施設をほとんど使用出来なかったのだ。

時代は、まだまだ黒人差別がところどころにある
ニューヨーク。イタリア系アメリカ人のトニー
(腹がでっぷり出たヴィゴ・モーテンセン!!)は
周りの人と同じように、黒人を快くは思っていない。
人望は厚いけれど、気が短い、そんな彼だが、
ナイトクラブがクローズされて、彼が見つけたのが、
ある天才ピアニスト、シャーリーの運転手。
それも奥人だ。

このシャーリーをやったマハーシャラ・アリは
一昨年のゲイ・ムービー「ムーンライト」と
この「グリーンブック」で二度のオスカーに輝いている。

トニーは、迷いながらも、金のためと割り切って、
差別色の強い南部のツアーに同行することになる。

文才がないトニーが旅の途中で妻に書くのだが、
それを素敵な言葉に置き換えて代筆するシャーリー、
また、そもそも心の優しいトニーが、目の前に
繰り広げられる黒人差別に、どんどん違和感を感じ、
大きく変化していくのが、この映画の見どころだ。

あれから50年経った、と言うよりも、
50年しか経っていない今の時代、
改めて「レイシズム」とは何か「ヘイト」とは何かを
考えさせてくれる。

この映画がオスカー受賞後、
「白人目線で人種問題を語った」
「オスカー史上、ワースト」などと言う
メディアも多いようだ。

僕は単純に胸を熱くしたし、
改めてこのような事実に驚いた。
しかし、当事者の気持ちになって
観てみると、違う何かが
また見えてくるのかもしれない。

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2019年02月26日

第91回アカデミー賞授賞式

2月の最終月曜日(現地は日曜日)は、
毎年、アカデミー賞授賞式だ。

僕が若い頃は、日本では生放送などなく、
辛うじて編集されたモノが数週間後の
深夜などにちらっと放映されたりした。

20年近く前は確かNHKのBSが放映。
そしてここ10年(15年??)ほどは
WOWOWが放映してくれるので
生で楽しみに観ることにしている。

3年前は店でライブビューイングをして
ワイワイと盛り上がったけれど、
去年からは月曜日、マサヤが
入ってくれたため、
去年から僕は月曜日が休み。
ゆっくりとうちで楽しむことが出来た。


さてさて、今回のアカデミー賞。
これ、という大本命がない、
ちょっと小粒な秀作、佳作が並んだ。

ここでも書いた「ROMA/ローマ」は、
オスカー前哨戦の多くの映画賞で
作品賞をとっていたけれど、
とにかくハリウッド映画ではなく、
外国語だということ。
そして何よりも、映画興行関係者には
評判が悪いNetflix制作だということが
たぶん取らないだろう、そう言われた。
そして、その通りになった。

ただし、僕が大好きなこの映画の
アルフォンソ・キュアロン監督が
監督賞を取り、
我らが「万引き家族」と闘った
外国語映画賞もこの「ROMA」が取った。

さあ、残った作品賞候補作の中で
次に下馬評が高かったのが
「女王陛下のお気に入り」。

病的なほど神経質、
かつ抜けている女王の
気にいられるために側近の女性二人が
戦い続けるという不思議な映画。
コメディ要素を取り入れながら、
いつものこの監督らしい
オゲレツかつ、どう捉えて良いか
という微妙な流れ。
これが全米の強い支持を得ているというのも
不思議だなあと思っていた。

しかし、栄冠は「グリーンブック」に。
これは、黒人がまだまだ差別をされていた
60年代を舞台に、アフリカ系のピアニストと
イタリア系アメリカ人の運転手が
全米を車で回っているうちに
多くの経験をする、というロードムービー。

僕は試写で観させてもらったが、
シンプルながらも強いメッセージがあり、
この作品が賞をとってのは
妥当だと思った。

けれど、今日になって、脚色賞をとって
大盛り上がりをした黒人のスパイク・リー監督が
「白人が偉そうに黒人を救っているだけの映画」
と文句を言っていたことを知り、
複雑だなあと思うばかり。

驚いたのが、主演男優賞も含めて、
今回の最多受賞となったのが
「ボヘミアン・ラプソディ」。
録音、音響はともかく、
編集賞は個人的には他の映画のほうが
ふさわしい気がしたけれど。

思えば、「女王陛下〜」「グリーンブック」
「ボヘミアン〜」それぞれが、LGBTが
描かれているモノだったのも面白い。

ともあれ、受賞スピーチはところどころで
泣かされたし、最も感動的だったのは
レディ・ガガとブラッドリー・クーパーの
デュエット。

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まさかの「メリー・ポピンズ・リターンズ」の
ベット・ミドラー登場には驚いたけれど、
この二人には敵わなかった。
ガガは、本当に凄い歌手に成長した、
そう思わせてくれた授賞式だった。

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2019年02月12日

映画「バーニング 劇場版」

「ペパーミント・キャンディ」「オアシス」
「シークレット・サンシャイン」
「ポエトリー アグネスの詩」
今まで作られたどの映画も見応えある傑作。
そんな韓国の名匠イ・チャンドンが
村上春樹の短編小説「納屋を焼く」を
映画かしたのがこの「バーニング 劇場版」だ。

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NHKが制作をし、去年の年末BSの4K放送記念番組として
放映されたけれど、それが53分短い短縮テレビ版。
ってなワケで、この映画には「劇場版」という
サブタイトルが付いている。

主人公のジョンスは、父親が暴力事件を起こして
三番沙汰になっているため、小説家志望だけれど、
田舎にある実家で牛の世話をすることになる。

そんな彼が商店街でバッタリ会う幼馴染のヘミ。
整形したという綺麗になった彼女に
ジョンスは惹かれていき、関係も持つ。

しかし、その後、アフリカ旅行から帰国した
ヘミに寄り添うように現れるのが
洗練されたイケメンのベン。
(テレビドラマ『ウォーキング・デッド』の
あのグレイを演じたスティーブン・ユアン!)

ほぼ遊びながら暮らしているんだ、と言いながら
超高級マンションに住み、外車を乗り回すベン。

ジョンスが、牛小屋を掃除している時に
ヘミとベンはジョンスの古い家屋に尋ねてくる。
そこでマリファナを吸いながら、ベンは
「役にたたない汚れたビニールハウスは、
焼かれるのを待っている。
だから僕は火をつけるんだ。」

そんな意味深な言葉。
小説の「納屋」は「ビニールハウス」と
言葉を変えながらも、村上春樹のシンプルながら
深い世界を、映画ならではの広がりを持たせて
ハルキ・ワールドを見させてくれている。

ジョンスは、ヘミに恋心を
打ち明けることが出来るだろうか。
また、ベンが「ビニールハウス」
と意味するモノとは何だろう。

不思議な展開と共に、
どんどん想像力を膨らませてくれる作品。
ワケわかならない!と頭を抱える人もいるのかも。
でも、僕は好きだった。

今、成田です。
今日からインドへ。

留守もBridgeはスタッフが守ってくれています。
10日間、よろしくお願いします。

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2019年01月25日

2019年度アカデミー賞ノミネートの発表

今週の月曜日、今年のアカデミー賞の
ノミネートが発表された。

今年は大注目、大本命というのがなく、
多くの賞レースでも、色々な作品、俳優が
賞を分かち合っている。

とは言っても、僕の大好きな
アルフォンソ・キュアロン監督の
「ローマ/ROMA」は10部門に
ノミネートされていて、
多くの作品賞を取っていて
かなり有力視されているようだ。

キュアロンと言えば、
「リトル・プリンセス」の美しさには
度肝を抜いたし、最も知られている
「ハリー・ポッター」シリーズ、
「ゼロ・グラビティ」の完成度の高いこと。

ただ、今回の「ローマ」は
監督の生まれ故郷メキシコで作られていて、
スペイン語の映画、つまり英語圏じゃない
ということで、作品賞が微妙とも思われている。

アカデミー賞の歴史の中で、外国語圏で作品賞を
とったのは、フランス映画の「アーティスト」。
ただし、この映画には、ほぼセリフがなく、
そういう意味じゃ、外国語映画ではなかった。

お客さんのエイジは、「アーティスト」が
映画の出来としても、何故作品賞をとったか
わからないと言っていたけれど、
これには僕も同意(笑)

加えて「ローマ/ROMA」は
日本では劇場公開されずに、
東京国際映画祭で2度上映されただけ。
あとはNetflixで配信でもう観られるという、
いろんな意味で曰く付きの映画だ。


また、多くの賞レースで、主演男優賞を
取っている「魂のゆくえ」のイーサン・ホーク。

「ビフォア〜」シリーズや、「ガタカ」
そして去年の「しあわせの絵の具」など
超イケメンではないのに、ついつい泣かせてくれて
僕も大ファンだ。

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今回、まったく無視されていて、
ノミネートなし。これは残念。
どうやら、公開時期の問題もあって、
オスカー会員があまり観ていない
ということが理由らしい。
こういう事はよくあるようだ。

もちろん、そんな中、
われらが日本から「万引き家族」が
外国語映画賞にノミネートされたのは嬉しい。
圧倒的な人気の「ローマ」に行くのが
妥当な気がするけれど、
個人的には「ローマ」が作品賞、
「万引き〜」が外国語映画賞、となるのが
最も喜ばしい結果だ。

あと楽しみなのは、
主題歌賞にノミネートされている
「アリー スター誕生」の
レディ・ガガのパフォーマンスだ。
彼女の主演女優賞は、強敵オリヴィア・コールマン
(『女王陛下のお気に入り』)、
そしてグレン・クローズ(『天才作家の妻』)
がいるのでかなり微妙だけれど、
出来れば、主題歌は映画と同様、ブラッドリー・クーパーと
会場で歌ってほしいもの。

さまざまな憶測やら、楽しみも含めた
アカデミー賞授賞式はちょうどひと月後の
2月24日(日本時間25日)。
また、今年もテレビに釘付けになりそうだ。

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2019年01月17日

Queen フィーバー

もう随分前からのお客さんであり、
トロントのプライド・パレードで
バッタリ会ったりもしたサクマちゃんが
昨夜、来てくれた。

サクマちゃん自身のことを語り出すと
このブログが10本くらい書けてしまう
(ところどころで書いている部分もある)
けれど、今回はクイーンについて。

サクマちゃんは、
トランスジェンダーのM to F
(男性から女性になった人)であり、
ロック・グループ、クイーンの楽曲を歌う
Queerというグループのボーカリストでもある。

トランス女性なのに、
何故フレディ・マーキュリー?
と思う人もいるのかも知れないけれど、
サクマちゃんが目指すのは、
宝塚の男装のようなトランスらしい。

ま、そのあたりもともかく、
ここでも紹介した映画
「ボヘミアン・ラプソディ」の
超大ヒットによって、
彼女のところにもオファーが続々
来ているらしいし、
NHKのラジオ特番や、
クローズアップ現代にも
出演していたので、僕もビックリした。

彼女を含めたグループは、他県での
ホールライブ(それも2時間のフル)とか、
あらゆるところから招聘のオファーが
来ているとのこと。凄い。

当初、7億円目標だった映画「ボヘミアン〜」も
来週には100億を超える勢いで
リピーターも続出しているという。
思えば、僕はこの映画で
「一般的にはともかく」なんて
書いたけれど、まさに一般受け
してしまった。

店に来るお客さんも、泣いた、興奮した
との声も多数。

おまけに、まさかのゴールデン・グローブの
作品賞をとったし、日本で先駆けていた
応援上映(みんなで歌いながら観るらしい)
がアメリカにも飛び火。
先週から"Sing Along”バージョンが
上映されていて、あちらでも劇場で
観客の歌声が行われているとのこと。

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ここまでのフィーバーぶりは
"アナ雪”こと「アナと雪の女王」を
思い出すが、あの映画は日本で
250億を超えたと言うから凄すぎる。

この両作品に言えるのは、
「アナ雪」は、2D、3D上映、
そして「みんなで歌おう」SING ALONG版、
「ボヘミアン〜」も、通常、IMAX、
DolbyAtmos版、応援上映版と
リピーターが続出していること。
ただし、「アナ雪」は子供を巻き込んでだから
さらに強いのかも知れない。

クイーン、フレディ・ファンのサクマちゃんとしては
自分のライブにお客さんが来てくれるのは
嬉しいけれど、色々なことが
描ききれていないあの映画を
手放しで大絶賛は出来ないと言う。

フレディの人生、という部分で
ゲイやHIVを描ききれていないということも
ありながらも、僕は今回の映画は
「歌の力」のパワーであり、
だからこそのヒットだと思う。

ちなみに、LIVE AID後の部分を
描くパート2の噂も出ているらしい。

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2019年01月02日

2018年 映画ベストテン

恒例の2018年、僕が観た映画の
ベストテンを載せておきます。

1位 ザ・スクエア/思いやりの聖域
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2位 ROMA/ローマ
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3位 しあわせの絵の具/愛を描く人 モード・ルイス
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4位   万引き家族
5位 アリー/スター誕生
6位 君の名前で僕を呼んで
7位 カメラを止めるな
8位 ゲッペルスと私
9位 リメンバー・ミー 
10位  シェイプ・オブ・ウォーター  
次点 パディントン2  

1位の「ザ・スクエア/思いやりの聖域」は、
現代アート美術館のキュレーターの男の中の
心の中の善と悪を想像を絶する
シチュエーションで描いた作品。
たぶん、まったくダメ、という人と
凄い!という人、真っ二つに分かれる(笑)

2位の「ROMA/ローマ」は、劇場公開せずに
Netdlixの配信で鑑賞。
今年のアカデミー賞かと言われるのは理解できる。
モノクロームの美術品とも思えるカメラワーク、
そしてドラマ中の家政婦の心の動きに酔わされた。
映画館で是非、きちんと観たい。

3位の「しあわせの絵の具/
愛を描く人 モード・ルイス」は
上位3本では最も多くの人に
オススメ出来る1本かも。
障害を持った画家の妻と
ぶっきらぼうで人付き合いの悪い漁業商の
尊いラブストーリー。
泣きに泣いた。

他にも「モリーズ・ゲーム」「スリー・ビルボード」
「判決、ふたつの希望」「聖なる鹿殺し」
「ビガイルド/欲望のめざめ」「LOVE,サイモン」
「犬ケ島」「スターリンの葬送狂騒曲」
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」
「レディ・バード」「イカロス」
「彼の見つめる先に」「ゴッズ・オウン・カントリー」
「ニッポン君VS泉南石綿村」「BPM」など
素晴らしい作品がたくさんあった。

邦画でどうしても入れたかったのは「かぞくへ」
低予算でここまで臨場感を持てた映画は
なかなかなかった。ある意味「カメラを止めるな」
よりも好きだったかもしれない。

また、今年も素晴らしい映画に巡りあえますように。

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2018年12月31日

「伯林(ベルリン)漂流」トークショー

昨夜は、ずっと前に頼まれていた
今泉監督の映画「伯林(ベルリン)漂流」の
上映後のトークショーに
ゲスト出演させていただいた。

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ゲストとして監督、出演者、
カメラマンの田口さんなどと
一緒に話をさせていただいた。

思えば、店以外で人前で話す、というのは
店がオープンした直後、
アクタからの要請で出演した
「HIV陽性者の手記のリーディング」以来。

元々、人前で話す、というのは
かなり苦手だったが、
慣れというのは恐ろしいモノで、
店に立つようになってから
あの昔の極度な緊張などからは
ちょっと解放されたような
感じになっていた自分がいたから不思議だ。


まあ、それはさておき。
映画は、ベルリンを舞台に、
今泉監督自身が演じるコウイチが
ゲイバーのハッテンスペースで
複数の男たちとセックスをする
リョウタと出会うところから始まる。

うちに滞在しろと言ったはずの男に
放り出されたリョウタだったが
コウイチの好意から
コウイチ自身のアパートで暮らすことになる。

毎日携帯の出会い系アプリで
男と遊びまくるリョウタだが、
部屋に戻って、昼間のセックスを
コウイチに報告しながら、
どんな事をやったのか、
肉体で再現するのが日課となる。

リョウタに惹かれていくコウイチだが、
それを知ってか知らずか、
出会ったオランダ人と
恋に落ちるリョウタ。
結局、アパートを出て行ってしまう。

一人残されたコウイチの元に
かかってくるのが、元恋人で
HIV感染者でもあるミオからの電話。
コウイチのお母さんが病に倒れ、
帰国しないかという。

ミオもリョウタも快楽主義で
セックス依存症のように見えながら
やっぱりどこかで愛を求めている。

二人に別れを告げたコウイチが
求めているモノは一体なんだろうか。

孤独と闘うということ。
共にいても、違う人間を
いかにして受け入れることが出来るか。
ほとんど素人という役者を使いながらも、
深いテーマに向かって
映画は動いていく。

ポルノという表現を使って
自分なりの映画を作り続けたいという
今泉監督。
あらゆる質問を投げかけながら
僕なりの感想を伝えることが出来たのは良かった。

ハードコア・ポルノゆえ、
なかなか多くの人の目に触れることが
出来ないのが本当に残念だ。


さてさて、思えば、これが
今年最後のBridgeのブログとなります。
来年、2019年も、皆様にとって
良い年になりますように。

また、Bridgeでお会いしましょう。
(今夜はぶっ通し営業ですよ)

***********************

posted by みつあき at 12:59| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月26日

映画「アリー/スター誕生」

今まで何度も映画され、
そのたびに主演女優を中心に
話題となった"A Star Is Born"。
往年の女優、ジャネット・ゲイナー、
ミュージカルファンの永遠の恋人
ジュディ・ガーランド、
そして名歌手バーブラ・ストライサンドに
続いて、今回、3度目のリメイクの
白羽の矢が立ったヒロインはレディー・ガガ。

ちなみに、ジュディ、バーブラは
ゲイ・アイコンとして有名。
ガガは、バイセクシャルであることは
多くの人に知られている。

そして、今回の映画化が、僕的には
最も良い出来だと思うのに加えて、
今年観た映画の中でも出色だと思った。

表題の「アリー」は
別にいらないと思ったけれど(笑)

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今回のガガは、いつもの奇抜で破天荒な
出で立ちから一転。
シンプル、かつ驚くほどの演技力で、
観客を圧倒させてくれる。
この好演は、来年発表される
アカデミー賞主演女優賞にも
確実にノミネートされそう。

というか、そうか、レディー・ガガ、
本当はこんな顔だったのだ、と改めて
スッピンに近い素顔を見せてくれ、
いつものガガの印象とはまったく違う。
歌手として、
または派手なパフォーマーとしての
ガガが苦手とか興味ない、
という人にも今回の彼女の存在感は大きいはずだ。

映画は、歌手に憧れていたガガが演じる
アリーが、有名な男性シンガー、ジャクソンと
恋に落ち、彼のおかげでどんどん世界から
注目を集め、彼を追い越すほどの大物になる。
片やビッグだった男は酒やドラッグに溺れ、
ボロボロになるという人生の皮肉を
描いている。

そもそも、ガガの起用を決めたのが、
相手役のジャクソン演じる役者でもあり、
製作、そしてこの映画を初監督した
ブラッドリー・クーパー。
ガガと共に、素晴らしい生歌を劇中で披露し、
いやおうなしに興奮させてくれる。

特に全米チャートを賑わしたデュエット
「シャロウ」は、二人の歌唱力もさることながら、
胸が鷲掴みにされるほど感動的。

想像以上の大ヒットを記録した
「ボヘミアン・ラプソディ」が
大躍進しているので、
ちょっと分が悪い。
もちろんここで紹介した「ボヘミアン〜」の
楽曲のインパクトは眉唾ものだけれど、
映画としては、この「スター誕生」のほうが
よく出来ている、そう思う。


「アリー/スター誕生」↓

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2018年12月17日

彼が愛したケーキ職人

不覚にも、この映画の事を
まったくノーチェックで
(今、思うと、タイトルからゲイが
関わる映画?という
予想は付いたかも知れないはずなのに)
公開ひと月以上経った昨日、
クリスマス・イルミネーションの恵比寿で
観てきた。

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(日本のポスターとオリジナル 随分違う)

映画はドイツのベルリンと
イスラエルのエルサレムが舞台。
両方とも、僕がここ数年間に
行った土地だったので
非常に懐かしい気持ちを感じながら
観ることが出来た。


映画はベルリンに出張中の
イスラエルの男性が
カフェで会ったケーキ職人の若い男性と
そういう関係になるところから始まる。

イスラエル人は妻子持ちで、
ドイツの青年とは不倫の関係、
ということになる。

彼はエルサレムと
ベルリンを行ったり来たりして
愛人(?)関係を続けるが、
突然、連絡が取れなくなってしまう。

ケーキ職人は何度も携帯の留守電に
メッセージを残すが、そのままだ。

エルサレムまで出向くと、
結局彼は交通事故で死亡した事がわかる。

その後、若い彼はエルサレムに
新しく出来たカフェで働くことになるのだが、
その店の主人は、なんと死んだ
彼の奥さんだった。

二人が死んだ彼との繋がりを
知ってしまうの。
そしてこの二人はどう関わっていくか。


こう書くと、少しサスペンスフルにも
感じられるだろうけれど、映画は実に
静かに穏やかに、
まるで小説を読んでいるかのように
綴られていく。

僕の個人的な友人たちに感想を聞くと、
映画の展開に、リアリティが欠ける、という意見と
残された者の孤独を、こういうふうに
描いた傑作、という意見とに分かれているようだ。
僕は両方の意見がよく理解出来た。

あなたはどう感じるだろうか。

色々とこれは、と思う部分も
あったけれど、観て損はない映画だと思う。


「彼が愛したケーキ職人」↓

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2018年11月27日

「ゴッズ・オウン・カントリー」

今年のLGBT関連の映画祭レインボー・リールで
観た時に、どうしても紹介したかったのが
この「ゴッズ・オウン・カントリー」。

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ただ、映画祭では2度しか上映されず、
一般公開もされなさそうだったので、
ここでは取り上げなかった。

しかし、来月、都内のシネマート新宿で
行われる「のむコレ」という映画祭で
たった数回だけ上映されることが決まった。
本公開ではないことが残念だけど、
こういう形でも公開されるのは
本当に喜ばしい。

この映画は、去年、欧米で公開されて
今年日本でもヒットした
ゲイ映画「君の名前で僕を呼んで」と
共に、新しいゲイムービーとして
高い評価を受けたモノ。

舞台は、イングランドの北部
ヨークシャーの田舎町。
祖母と体調が悪くなった父親と共に
酪農を営む青年ジョニー。
彼は孤独で疲労がたまるストレスを
行きずりの男たちとのセックスで
晴らしている毎日だ。

そこで、彼の仕事を助けるべく現れるのが
ルーマニア出身の移民、ゲオルゲ。
無口で野生的な男。
しかし、羊の世話や、農場のことのみならず、
料理もうまいゲオルゲ。

自分の同性愛である、ということを
性処理としてしか考えなかったジョニーは、
かつて経験したことのない
切なさを味わっていく。

アンドリュー・ヘイ監督の「ウィークエンド」や
この映画のようなゲイの金字塔と
思われる映画が一般公開やDVD化も
されないのは本当に残念。
この機会に是非。

上映日は4日間だけしかないようなので、
興味がある人は要チェックです。

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2018年11月24日

伯林(ベルリン)漂流

昨日は、「伯林(ベルリン)漂流」という映画を
撮った今泉監督が、店に来てくれた。

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今泉監督とは、店に入る前からの知り合いで、
うちの店の1周年パーティを
撮影してもらったりもした。

一昨年の夏、僕はベルリンにいた。
敬愛するブルース・スプリングスティーンの
ライブを観るために、初めてのドイツの地を
踏みしめたのだった。

その時に、偶然のように表題の
「伯林(ベルリン)漂流」の
撮影をしていた今泉監督など撮影班が
現地に入っていた。

ベルリン到着後、僕は2日目の朝、
スタッフが泊まるアパートにお邪魔し、みんなに挨拶。
ひと月近く滞在していた監督などから
ベルリンの街の様子を耳にした。

僕はこの日の午後、博物館島と言われる美術館が
集う場所に動き、そのあと、撮影隊と合流し、
少しだけ出演してくれないか、という監督の要望に
応えるべく、映画「ベルリン天使の詩」で有名な
勝戦記念塔の下で待ち合わせをした。

しかしながら、僕が美術館で財布を落としたために
撮影班と会うのは断念。
30分後に財布は無事に出てきたのだが
何ともボケた結果に。

そんな事もあり、結果的にうちの店での
撮影でほんの数秒のカットだけ
出演している。

そんな「伯林(ベルリン)漂流」は
この夏、渋谷の外れにあるイベントスペースで
ひっそりと上映されたけれど、
年末、改めて上映されることが決まった。

僕も何故かトークショウに
出ることにもなった。
一応ポルノ作品ではあるけれど、
原作、脚本は、「弟の夫」の
田亀源五郎氏。
是非、堪能していただきたい。


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2018年11月19日

映画「いろとりどりの親子」

サンダンス映画祭で評判になっていた
「いろとりどりの親子」
"Far from Tree"という
アメリカのドキュメンタリー映画を観た。

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子供の頃からゲイであることを
悩み続けた、アンドリュー・ソロモン。
彼は全米300もの、マイノリティと
その家族にインタビューした
ノンフィクションを書いた。
これはその原作を元に6組の
家族を撮影したドキュメンタリーだ。

ダウン症、自閉症、低身長症、
殺人を犯した子供の親、
そして同性愛者である自身の姿などなど。

彼らを産んだ親の喜びと共に、
育てていく間に起こる大きな試練、
とても想像出来ない問題や
苦しみが横たわっている。

自閉症の子は成長するに連れ、
毎日大きなかんしゃくを起こし、
誰が何を言っても聞き入れることが出来ない。
「どうしていいか、わからない」と
母親が途方に暮れるシーンは
観ていても本当に辛い。

ただ、そんな時期もありながらも、
病院に通い、少しだけ心を
落ち着かせることを覚え、
彼はタイピングで
自分の言葉を表現する、
ということを覚えていく。

他の子供たちも同様に、
多くの困難をいかに
乗り越えて生きていくか。
それを親と共に学んでいく姿が
ここには描かれている。


この映画を観て感じるのは、
いわゆる「普通である」
「健康である」「正常である」などと
思っている多くの人たち(自分も含めて)が
実はまったくそうではないということだ。

何が普通か。
何が健康で、正常なのか。

「普通」
そう思い込んでいるのは自分だけで、
すべての人は人と違い、
そこに「普通」と「普通じゃない」
という差なんて、実はまったくない、
そう気付かされる。

精神であれ、肉体であれ、
ちょっとした違和感は
誰しもある。
それと「病気である」と診断される事
そこに多少のギャップがあるだけであるだけで、
すべての人が他者とは違う
他者から見ると、すべての人が変人なのだ。

違いを恐れず、怖がらず、
それを受け入れていき、
受け入れてもらうことこそ、
それぞれの幸せをもたらすのだ。
それを心底、学ぶことが出来る映画だった。

「いろとりどりの親子」HPと予告編↓

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2018年11月16日

映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」

本日から、歌川たいじさん原作の映画、
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」が
全国の映画館で上映された。
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早速、初日に
僕も観させてもらうことにした。

歌川たいじさんことウタちゃんは、
僕がBridgeをオープンする前に
世話になったタックス・ノットで
もう20年以上前に知り合ったけれど、
6年ほど前に発売されたこの原作を読むまで、
彼の生い立ちのことは、僕自身
まったく知らなかった。

映画でも描かれているが、
原作に書かれている
歌ちゃんのお母さんから受けたDVや
言葉の暴力は、かなり衝撃的だ。

何故にここまで、と思うほど
お母さんは、歌ちゃんをののしり、
叩き、気持ち悪がり、不快さをぶつける。
「あんたなんか産まなきゃ良かった」
そんな言葉までぶつけられる。

自分の話で恐縮だけれど、
両親の愛情に育まれ、いつも
「お前を愛している」なんて
アメリカ映画みたいな言葉を
かけられ続けた僕にとって、
歌ちゃんの世界は、また違う
テレビドラマや小説の世界のようだった。


映画で、歌ちゃんを演じる俳優の太賀君
(何故か君付け。笑)。
「ほとりの朔子」や「淵に立つ」でも
十分証明済みだったけれど、
彼の存在感が本当に素晴らしい。

基本的には、わかり易すぎるテレビ的演出や、
恥ずかしくなるほどの
お涙頂戴満載の映画が
ちょっと苦手な僕だけど、
太賀君の見事な芝居と
御法川監督の微妙に抑えた演出は
不覚にも何度か涙した。
もちろん美し過ぎる吉田羊の母親も良い。


原作では、母親の激しさだけではなく、
学校での同級生からのいじめ、
庇ってくれない教師、
施設で暴れる少年の逃亡や死亡など
今の時代では考えられないほど酷い部分を
盛り込むことが出来なかったのは
さらにどんどん膨らんでしまうだろうから
これは仕方がなかったと思う。

また、漫画に出てくる主人公がゲイであることを
小説や映画で描かなかったことも
テーマが絞れていて良かった。

いずれにしても、
こういう環境の中で、あの人なつっこく、
大らかで、優しい歌ちゃんが
何故、生まれたのか。

高校も中退し、
工場や工事現場などで働いた彼が
一流企業の営業マンを経て、
売れっ子漫画家になるという事の奇跡。

そこには、友人や最愛のおばあちゃん
(このエピソードも本当に良い)など
人との繋がりが、その奇跡を起こしたのだ
ということを感じる瞬間。

愛情を与えられなかったことからの
憎悪を、倍の愛情にして返す、という歌ちゃんの形。

原作を読み、この映画を観て、
改めて、愛情を注がれた自分の人生、
両親には心から感謝しなければ、
そう思った次第。

素敵な映画をありがとう。

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2018年10月30日

映画「ボヘミアン・ラプソディ」

来月公開されるロックバンド、クイーンの、
と言うよりも、フレディ・マーキュリーの
生涯を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」の
試写をひと足先に観させてもらった。

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クイーンは、僕が高校生の頃に
「キラー・クイーン」を初めて耳にした。
それまで聴いたロックとは
まったく違う音色に興奮させられた。

大学生になり、旅行先のロンドンで「オペラ座の夜」
「華麗なるレース」2枚のアルバムを書い、
その重厚、かつまさに華麗なロックオペラに
心酔し、擦り切れるほど聴いた。

その後、来日公演にも3度行き、
その何度目かに、フレディが
ゲイであることも知った。
親しくさせてもらっている
バー、九州男さんにフレディが
来たことも、翌週か翌々週に
店に行った際に聞き、
地団駄を踏んだのも良い思い出だ。

映画は「Xメン」などの監督で
ゲイだとカミングアウトもしている
ブライアン・シンガー。
意外と俗っぽい演出だけれど、
何よりも改めてクイーンの楽曲、
フレディの歌声
(ほとんど彼の生歌が入っている)には
痺れさせらる。

クイーンを今の30歳以下の人たちは
まったく知らないのだろうか。
数年前、テレビドラマ「グリー」の
第1シーズンの最終話で
「ボヘミアン・ラプソディ」が
流れるシーンは素晴らしく、
そこで知った若い人もいるかも知れない。

今回、僕が驚いたのは、
フレディがペルシャ系インド人
ということだった。
ずっとイギリス人だと思い込んでいたけれど、
彼の恋人ジム・ハットンが書いた伝記
「フレディ・マーキュリーと私」には
そんな事、書いてあったっけ?

そして、彼はその事にコンプレックスを持ち、
また歯が出ている事も悩みの種だったようだ。
映画中、その歯のおかげで
音域が広がり、高音が出るのだ、
と言うシーンは笑える。

彼が45歳の時にHIVで亡くなったことは
有名だが、今回、この映画ではそこは深くは
描かず、オープニングとラストで
クイーンが復活した「ライブ・エイド」の
コンサートを完璧に再現しているのが心憎い。
ここでの"We Are The Champion"には
不覚にも泣きそうになってしまった。

一般的にはともかく、
クイーン、そしてフレディのファンには
たまらない映画だと思う。

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2018年10月27日

マッケラン氏の言葉

イワサキさんは、
ロンドンに仕事で行った時に、
ゲイの友人に食事に誘われた。
そして、レストランに行くと、
同じ席に、なんと「Xメン」や
「ロード・オブ・ザ・リング」の
イアン・マッケランが座っていたのだと言う。

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マッケランはゲイとして
カミングアウトしているのは有名で
ロンドンのプライド・パレードの先頭を
歩いたことも僕もよく知っている。

イワサキさんの友人が
なんと古いマッケランの友人だったらしい。

その食事中に、イワサキさんに
「日本の映画、演劇界のゲイ事情はどうか」と
聞かれたらしい。

彼は、演劇や映画の世界はよくわからないが、
「日本では、オネエタレントや
女装のゲイの人がよくテレビに出ていて、
俳優や歌手などで広くカミングアウト
している人はほとんどいない。」
と伝えると
イアンは「それは本当に残念だ」と
言っていたらしい。

イアンは「ゲイだからと言って、
すべての人がカミングアウト
するべきではない。そう思うけれど、
人の前に出る有名人こそ、
勇気を持って、アウトするべきだと思う」
と言ったと言う。

それはカミングアウト、
ということだけではなく、
著名であればあるほど、
良くも悪くも人の目に触れるし、
影響力もある。

そういう意味では、良いと思うこと、
世の中に理解してもらうべきことを
きちんと表現するべきだ、
そう言っていたと言う。

マッケランは実直で
本当に真摯な気持ちを
初めて会うイワサキさんに
ぶつけてくれたらしい。


確かに、インターネットで
「日本の有名人 ゲイ」と調べても、
みんなが知っている人はとても少ない。

逆に、欧米ではどんどんと
カミングアウトする人が出てくる。

もちろん、バーでは、あの人がゲイらしい、
というまことしやかな話も出るし、
火のないところに煙はたたない、
と言いながらも、
ゲイや良い男はすぐにゲイにしたがる、
という話もわかるから、いつも話は
半分に聞いている。

たまに聞くのは、カミングアウトなど
してしまえば、仕事が来なくなる。
それが怖くて、絶対出来ない、と
言っているという話だ。
少なくとも、一度
「売れた栄冠」を手にした人たちは
ものすごくデリケートに考えるようだ。

映画や、テレビドラマの主演をする俳優や
女優が、いつの日かカミングアウトする日が
この日本にもやって来るんだろうか。

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2018年10月09日

「男はつらいよ」の楽しさと残念さ

なんと、ここ1年半ほどかけて、
渥美清の「男はつらいよ」シリーズ
48作品をすべて観た。

僕が若い頃、夏休みやお正月の
日本映画と言えば寅さんで、
今のようにシネコンの
指定席がなかった時代だけに、
映画館には長い行列が出来たりしていた。

40歳以上の人はテレビも含めて、
何本かは観ているはずだ。

映画は、連続したドラマではなく、
どれを観ても、一作品として独立しているので
一作ごとに、十分楽しめる。

とは言っても、最後の数本は
吉岡秀隆演じる寅さんの甥っこ、
満男の恋愛ドラマとして
繋がりがあったことは
あまり知られていない。

と同時に、数本観ただけで、寅さんが
その時代を代表する「マドンナ女優に恋をして
ふられる」というワンパターンのマンネリ、
という印象も強いのかも知れない。

ところが、きちんと観ていくと、
これがそれぞれに、まったく流れは違い、
時には寅さんがふられているワケではなく、
マドンナは寅さんを好きなのに、
照れがあったり、自分から引き下がる
ということも多数あったりするのだ。

何よりも、素晴らしいのは渥美清の演技。
脚本を現場には持ってくることはないらしく、
セリフは完璧に入っていると言う。
テキ屋のシーンなどは、
ほぼアドリブというのもホントに凄い。

他の役者とやり合う時の
間(ま)のとりかた、
一人で語る流暢、
かつ職人芸と思うほどの芝居は
何度観ても、唸らされる。

寅さんを観ながら、ゲイ的なモノを
感じることは何もなかったけれど、
今さらながら「え...?」と思う光景があった。

42作目の「男はつらいよ ぼくの伯父さん」だ。

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笹野高史扮するバイクに乗る中年男が
バイクで怪我をした甥の満男を救う。
そして同じホテルの部屋に泊まるのだが、
いきなり深夜に女装して、
満男に迫る、というシーンがある。
これはさすがに、今なら、かなり問題になるだろう。

ゲイなら男のコを目にすると迫りたくなる、
というのは良しとしても、
ゲイ=女装する、というイメージを
植えつけてしまう。
加えて、それがお笑いの要素として
描かれているというのが、とても残念だった。

もちろん、このシリーズで
そういう思いになったのは
ほぼこのシークエンスくらいで
基本的には世界に名だたる
映画シリーズであることは
言うまでもなく、48作のほとんどが
観るに値する作品であることは間違いはない。

来年、2019年に、50周年を記念して
新たな作品(それもフルキャストで)が
公開されるのは本当に楽しみだ。

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posted by みつあき at 23:59| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月02日

映画「愛と法」

大坂の下町で、法律事務所を開いている
ゲイのカップルを描いた映画
「愛と法」を観た。

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日本人というのは、空気を読む、
ということを尊ぶ国民。
人に迷惑をかけない、
いやな気持ちにさせない。
その不快になる相手が
仮りに一部の人間であっても、
その気持ちを配慮する。

それは一見、親切で優しい、
そう思われるかも知れない。
でも、そんな中、気づかないうちに
我慢をし、ストレスを溜めてしまい、
それが逆にネットを炎上させる
ということにつながっていくような
そんな時代になっていることは確かだ。


この映画は、そんな現代の日本人に
物申す青年弁護士二人のドキュメンタリーだ。
二人はゲイだということを公言し、
その上で多くの弱者の弁護を買って出る。

もちろん、依頼人はLGBTなどだけには
限らない。
親の都合で戸籍を持つことが出来なかった人、
自己表現するアート作品をわいせつだと
逮捕されてしまう造形作家、
(この『ろくでなし子』さんのくだりは
とっても面白い)
国歌斉唱の時に、席を立たなかったことで
言及された教師などなど。
彼らの元には、体制がそっぽを向くような
問題を抱える人たちが弁護を依頼しにくる。

これらの問題に頭を抱え、悩みながらも、
真摯に向き合い、解決していこうとする
彼らの姿を中心に映画は描いていく。

問題のひとつ、ひとつは非常に興味深く、
どうなっていくか、と目を見張るシーンも多い。
二人の生活と、その問題が同時に進行していく
演出が、人によっては散漫に見えるかも
知れない。

ただ、実生活でも、この二人が
過去、反対した姻族や友人たちに
いかに受け入れてもらい、
協力してもらえるようになったか、
という過程は、感動的だ。

また、彼らの元に転がり込んで来た居場所を
失った一人のストレ=トの若者との
3人の生活から見えてくる真実も
とても興味深く、
それこそ、彼らの人と成りが見えてくる。

うちの店にも何人もの弁護士を
やっているお客さんが来てくれるが、
これを見ると、改めて彼らへの
尊敬の念を抱かずにはいられない。

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posted by みつあき at 19:34| Comment(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする