2026年03月06日

映画『ウィキッド 永遠の約束』について

1年前に公開され、スリリングでハートウォーミングな
ミュージカル表現が話題を呼んだ「ふたりの魔女」に
続き、ついに『ウィキッド』の第二部
『永遠の約束』が公開された。
前作の余韻があまりに強かっただけに、
この続きをどれだけ待っていたことか(笑)


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(ってか、この上のポスター見てみると、
なんと3D版まである!!!これ、アメリカだけ?)

おそらく今回のアカデミー賞に合わせての
他国よりも遅れての公開だったのだろう。
けれどオスカーノミネートがまったくなかったのは、
個人的にはものすごく残念な結果だった。

もともとそれほど長くない舞台版の第二部に、
新曲2曲を入れてたことも含めて
少し冗漫だという批評もあるけれど、
僕はむしろ肯定的だ。

とりあえずは、前作についてのブログはこちら。

http://bar-bridge.seesaa.net/article/512067104.html?1772786287

この前編では、グリンダとエルファバ、
本来交わるはずのない二人が、いつしか
親友になっていく姿が描かれていた。

この後編では、前作でエルファバと恋仲に
なるかと思われたフィエロ
(ゲイとカミングアウトしている
ジョナサン・ベイリー、一部と同様
かっこいい!!!)が、
なんとグリンダと共に
オズの国の象徴して祭り上げられる。

さらにフィエロは「エルファバをとらえて始末せよ」
という任務まで与えられてしまう。
揺れ動くフィエロの心が、
物語に切ない影を落とす。

そんなドラマの裏側では
『オズの魔法使い』でおなじみの
ドロシーやブリキ男、ライオンらも
黄色いレンガ道に登場。
彼らがこの物語とどう繋がっているのか
そこはこの映画の楽しみのひとつ。

そしてこの映画は両作品の接点を
楽しむだけじゃない。
現代の監視社会や他者排斥といった問題を
ファンタジーの中に織り込みながら、
敵対する存在として語られた
二人の魔女の物語がフィナーレへ向かう。
その行方は、前作と合わせて
しっかり泣いてしまう。

第一部で圧倒的な存在感を放った
“Defying Gravity”の余韻が
この映画でもしっかりと引き継がれている!

『ウィキッド』ファンの人、ただちに劇場に。

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2026年02月26日

映画「センチメンタル・バリュー」から考えたこと

あと、半月でアカデミー賞が決まる。
おそらく今年の作品賞は
「ワン・バトル・アフター・アナザー」
が有力視されていて、僕もそう思うけれど、
この映画と並んで、作品賞にノミネートされた
「センチメンタル・バリュー」が公開されている。

IMG_7922.JPG

このタイトルは、直訳すると「感情的価値」
でも実際は「お金では測れない大切なもの」
という意味で使われることが多いようだ。

映画のオープニング。
主人公のノーラは舞台の開演直前、
突然身体が動かなくなる。
ステージに立てないほどの硬直だ。
その原因は、ずっと抱えてきた家族の記憶あ。
優しかった母。支え続ける妹アグネス。
そして、去っていった父親。

母の追悼の席に、突然その父が現れる。
謝罪も反省もないままだ。
しかも映画監督である彼は、
ノーラに出演を持ちかける。

どれだけ傷つければ気が済むのか。
そう思う側と、「そこまでのことは
していない」と思う側。

この感情のズレは、
きっと誰の人生にもある。

家族だからこそ、深く傷つく。
でも、家族だからこそ、
簡単に切ることができない。

これを観ながら、僕も店でも
たまに自分が感じることを思い出していた。

そんなつもりで言ったワケではない。
軽い冗談のつもりだった。
場を和ませたりするつもりが、
強い言葉に聞こえてしまったのかもしれない。

お客さんは傷つき、離れていってしまう。
こちらには理由がわからない。
けれど、彼にはきっと、
はっきりした理由がある。

この「ズレ」は本当に難しい。

家族に限らず、人と人の間には
いつも微妙な温度差がある。
自分でも「たいしたことじゃない」
と思うことが誰かにとって、
ものすごく不愉快な、
または触れてほしくない傷かもしれない。
まして、お客さんなのだ。

仮に僕がそれに気付いて、
謝罪や反省しながらも、
ひょっとすると、
また続けてしまうのかもしれない。
人は変わらないのだろうか。

僕にとっての「センチメンタル・バリュー」は何なのか。
それを、もう一度ちゃんと
考えよう、そう思った。

そんなことを考えさせてくれる映画。

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2026年02月02日

お勧め映画『クイーンダム/誕生』

今、日本のあらゆる地域が豪雪に
見舞われて大変だと言われている。
ロシアにも同じような豪雪地帯がある。
そこに、滑りそうなハイヒールを履き、
坊主頭に真っ白なバレエダンサーのような
衣装をまとった主人公ジェナが立ち、
ポーズを取りながら写真を撮影している。
この強烈なシーンが『クイーンダム/誕生』
のオープニングだ。

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モスクワからおよそ1万キロ離れた
マガダンという小さな街に住む、
21歳のノンバイナリーのゲイ
(つまり「男性を好きになるけれど、
自分自身の性を男や女と決めたくない」という立場)
そんなジェナが、どのような生きかたを
選んでいくかを追ったドキュメンタリーがこれだ。

彼女は、身体を締め上げるテープや有刺鉄線で
自らをぐるぐる巻きにするなど、
かなり過激なスタイルで通行人を驚かせる。
警備員に追い払われたりもする。

これを見ていて思い出したのが、
もう30年ほど前、僕がまだ店を始める前。
銀座を歩いていたとき、180センチほどの
背丈で女装した男性を見かけた。
胸の谷間(おそらく整形によるもの)を
しっかりと見せ、ぴったりとした
ホットパンツ(死語か笑)を履き、
お尻を突き出すようにして
ショーウィンドウを眺めていた。

まだ「トランスジェンダー」や「ドラァグ」
という言葉が一般的ではなかった時代のことだ。

あのとき、「なぜこんな格好で歩いているんだろう、
嫌だなあ」と思ったことを覚えている。
その後しばらく経ってから、世の中には
本当に様々な人がいて当然だと理解できるようになり、
自分の中にそんな偏見が生まれたことを
恥ずかしく思ったものだ。

ただ、人の心の中にある「自分と違うものへの
嫌悪感」は、おそらく今も、
そしてこれからも完全には消えないだろう。

映画の中のジェナは、「自分の思うままに
生きる」という強い意志のもとに
過激なファッションをまとっている。
しかし、ウクライナ戦争が始まると、
彼の衣装は反戦を訴える“武装の鎧”へと変化する。

大好きな祖父母にどうか理解してほしいと
願いながら、世の中と戦い続ける彼女の心は傷だらけだ。
そしてジェナは反戦デモの中で逮捕される。

これを観ながら、僕はロシア政権を批判し、
獄中で亡くなったナワリヌイ氏の
ことを思い出した(彼を題材にした同名の
ドキュメンタリーも必見!)。

世の中の理不尽さに「おかしい」と
声を上げる気持ち。そんな不屈な精神を
持ち続けることがどれほど難しいか。
沈黙し、事なかれ主義に陥っている
自分も含めた多くの日本人に、
多くのことを問いかける映画だ。

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2026年01月22日

ゲイ映画『SEBASTIAN セバスチャン』について

ここのところ、以前より映画の話が
多くなっているかもしれないけれど、
今年は面白かった作品や、これは
良かったと思える作品を
積極的に取り上げていこう、そう思った。

また、内容はどうであれ、LGBT作品も
できるだけ紹介していきたいなあ、
そう思うところ。
そんなことを考えながら観たのが、
ロンドンを舞台に小説を書くために
男たちに身体を提供する
『SEBASTIAN/セバスチャン』だ。

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これを観てすぐに思い出したのが、
30年以上前に書かれた「Yes,Yes,Yes」
というゲイの男娼を描いた小説。
ただ、あれは作家本人が「色々言われるけれど、
決して自分の話ではなく、自分はストレートだ」
と断言して、なんだか興醒めしたことも
ついでに思い出した。

別にゲイを描く際、作家や監督、俳優が
ゲイである必要はまったくない。
それでも、ゲイが創作し、同様の俳優が演じると、
リアリティも増せば、少し安心したり
してしまう。

この映画の監督ミッコ・マケラも、
主演のルーアリ・モルカも
オープンリー・ゲイなのだそうだ。
「セバスチャン」と名乗る主人公は、
実際は小説家を目指す青年マックス。
彼は母親にも出版社の人間にも、
決して自分の性的指向は話していない。
もちろん、自分を買ってくれる
相手にも小説のことも一切話さない。

本人としては、あくまで小説の
ネタのためと割り切って性を売るけれど、
話は思わぬ方向へと運ばれていく。

おそらく若い頃だったら、
彼と自分を重ねて観たりしたんだろうけど、
今は当然のように、彼を買う側の
中高年にぐっと気持ちが投影されて、
思わず苦笑してしまった。

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2026年01月17日

お勧め映画「CROSSING 心の交差点」

トランスジェンダーの姪を探す
中年女性と若い青年の旅を描いた
『CROSSING 心の交差点』は、
地味ながらもしみじみと
心に沁みる映画だった。

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ジョージアで妻と義理の弟と暮らす
男の元に、彼の元教師だったリヤ
という女性が現れる。
彼女は亡くなった妹の最期の願いを
果たすため、そしてかつてぞんざいに
接してしまったことを謝罪するため、
トルコ・イスタンブールにいる、
と聞いた姪を探しに行くと。

彼女と交流を持ったことがある
という元教え子の若い弟アチに
付き添ってもらい、二人は
イスタンブールへと向かうことに。

若くあらゆることに好奇心を持つアチと、
人生に疲れ、ただただ姪との再会だけを
求めるリヤとの関係が、それぞれの
心模様を映し出していて興味深かった。

自分の母親がいないアチと、
子どもを持ったことがないリヤ。
どう接していいのかわからず、
時に喧嘩腰になりながらも、
旅は続いていく。

また、捜索の大きな手がかりとなるのが、
トランスジェンダーの弁護士エヴリムと
その仲間たちの登場だ。
彼らと接することで、二人は知らなかった
世界と改めて向き合っていく。
性的マイノリティに対する偏見と
誤解から解き放たれていくプロセスに
イスタンブールの街の佇まいとが重なり合い、
この物語にずっしりとした余韻と、
ほんの少しの爽やかさを与えてくれた。

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2026年01月09日

お勧め映画「コート・スティーリング」

今年しょっぱなにお勧めするのが、
新しい年に相応しい(そして僕には珍しい)
ぶっとびハラハラドキドキ
アクション・クライムムービー
「コート・スティーリング」だ。

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この監督、アロノフスキー、
話題になった「ブラック・スワン」は
ちょっと苦手だったけれど、
来月リバイバル上映の「レクイエム・
フォー・ドリーム」や「π(パイ)は
圧巻のサスペンス映画だったし、
究極のゲイ映画とも言える「ザ・ホエール」も
なかなかの傑作だった。

今回のは、そんな彼が肩の力を抜いて
ぶちかました息つくヒマもないほどの展開。
そして楽しさに、観終わった瞬間、
拍手喝采を送りたくなる
コメディ・サスペンスになっている。

この覚えにくいタイトル、
「コート・スティーリング」って、
野球で言う「盗塁失敗」つまり
チャンスを掴もうとしてコケる、
まさにこの映画の主人公そのものだ。

映画の舞台は90年代のニューヨーク。
元プロ野球のホープだったけれど、
車の大事故で、球界を退き、
バーテンをやっている主人公のハンク
(『エルヴィス』のオースティン・バトラー
→童顔過ぎるのが残念だけどスジ筋マッチョ)

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ボロアパートに住む彼が隣人の猫を
預かることになったことから、
犯罪の渦の中へと予想外の展開。
突然現れるキャラ、不条理なドタバタに
銃撃戦の炸裂する、という
「巻き込まれ型クライム」だ。

容赦ないバイオレンスで、観てるこっちが
痛くなるのだけど、このハンクが
過去やらかしたことへの反省や後悔、
その負け犬からの脱却、その底に
流れる彼の優しさがグッと来る。

2026年のスタートダッシュはこれ。

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2026年01月03日

新年の挨拶と2025年 映画ベストテン

あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

4日間の休みは部屋の掃除や片付け、
紅白を見たり、と、過ぎてしまえば
あっという間の正月休みだった。


さて、今年の幕開けは、例年恒例の
僕の去年観た映画のベストテン。

ウィキッド ふたりの魔女
http://bar-bridge.seesaa.net/article/512067104.html

ブルーボーイ事件
http://bar-bridge.seesaa.net/article/519044503.html

ワン・バトル・アフター・アナザー
エミリオ・ペレス
ハード・トゥルース 母の日に願うこと
アイム・スティル・ヒア
教皇選挙

「ウィキッド〜」は、2000年代に
作られたミュージカル映画の中で
ベストと言える作品。何度観ても驚きがあった。

あとは順不同かも。
これら以外でも入れたかったのが
以下の作品。

選挙と鬱
新世紀ロマンティクス
ブラックドッグ
聖なるイチジクの種
リアル・ペイン 心の旅
トレンケ・ラウケン
能登デモクラシー

邦画で評判が良かった
「みんな、おしゃべり」と
「この夏の星を見る」は見逃して残念。

以下は配信のベストテン

トレイン・ドリームズ(Netflix)
ブラザーズ・ラブ(Netflix)
スーパーマン/クリストファー・リーヴの生涯
ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!(Netflix)
レベル・リッジ(Netflix)
パーフェクト・ネイバー 正統保護法はどこへ向かうのか(Netflix)
KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ(Netflix)
立ち退き回避のススメ (Prime Video)
デフ・プレジデント・ナウ(Netflix)
スポイラー・アラート 君と過ごした13年と最後の11ヶ月(Netflix)

ドラマは「阿修羅のごとく」
そして「アドレッセンス」が群を抜いて素晴らしかった。

今年も素敵な映画とたくさん出会えますように

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2025年11月20日

お勧め映画「ブルーボーイ事件」

公開前、この映画のことは、
恥ずかしながらほとんど知らなかった。

それが今回、紹介する「ブルーボーイ事件」だ。

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当初、なんとなくトランスジェンダーを扱った
作品だと耳にしていたけれど、
過去に観た類似の邦画には
僕にとって心に残るものがそれほどなく、
それほど期待せず、映画館に向かった。


舞台は1964年、僕のよう正直(笑)
東京オリンピック直前の東京。
当時、風紀を守ろうとする政府は、
売春の取り締まりに力を入れていた。
そうした中、女性として売春をしながら、
戸籍上は男性というトランスジェンダー
(当時は「ブルーボーイ」と
呼ばれていたらしい)を摘発した。

しかし、「男だから」という理由では
警察は彼らを、逮捕できなかった。
そこで、性転換手術を行なった
医師に目をつけ、「手術が売春を
助長したのではないか」と責任を問う。
これが事件の発端だったという
実際に起こった話のドラマ化だ。

以前、ドラッグ・クイーンのバビ江ちゃんと共に、
うちの周年パーティにも出演してくれた
イズミ・セクシーが好演している。

最初の15分ほどは軽いドタバタ劇のように
感じたけれど、その後、物語は一気に
緊張感に包まれていき、ラストの裁判では
胸が熱くなり、思わず涙腺がゆるむ。

イズミちゃんのみならず、中村中、
そして主演の中川未悠の熱演も
本当に素晴らしい。


単純にLGBTQを描いた映画というだけでなく、
法廷劇としても非常に質が高く、
他国でも高い評価を得られるであろう、
それくらいのレベルだと思う。

人からどう見られるのか。
人と同じ生き方をしなければならないのか。
自分をどう受け止め、自分らしくいられるのか。

ゲイを含むLGBTQのみならず、すべての人たちに
「自分のアイデンティティとは何か」を
問いかける傑作。是非、劇場に。

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2025年11月14日

映画「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」のこと

今日、街に待った「スプリングスティーン 
孤独のハイウェイ」が公開された。

image.jpeg

ここに何度か書いたように、僕は学生時代に
高円寺のロック喫茶(今はもうどこを探しても
ないだろう)で耳にした一人のロック歌手に、
人生が変わるほどの衝撃を受けた。

荒削りながらも、魂をむき出しにした歌声。
雷に打たれたとは、まさにあの瞬間のことだった。
傑作『明日なき暴走』“Born to Run”を歌う
ブルース・スプリングスティーンこそ、その人。

今日公開されたこの映画は、そんな彼を
モデルに据えているけれど、よくある
「ロックスターの軌跡」としては描かれていない。
むしろ、『ザ・リバー』(ヒットシングル
“Hungry Heart”収録)のナンバーワンアルバムを
出した彼が、その裏でどれほどのトラウマや
内面の葛藤に苦しみながら、次の作品を
生み出していったか、その真実に迫っている。

幼い頃のブルースを支配していたのは、
アルコールと精神の病に蝕まれた父の激しい暴力だった。
唯一の拠り所は、常に味方であろうとした母親の存在。
ブルースはそんな複雑な過去の記憶と、
決して癒えない痛みを背負いながらも、
周囲のスタッフやファンから「
次なるヒット」を期待され続けていた。

追い詰められた彼がたどり着いたのは、
自分のアパートの寝室だった。
そこでアコースティックギターを手に、
暗く重い世界観に挑み、それはやがて
『ネブラスカ』という傑作アルバムへと姿を変えていく。
マネージャーであり盟友でもある
ジョン・ランドゥの支えを受けながら、
彼は音楽を通して自らの心に
「許し」を生み出していく。それがこの映画だ。

あまりにも思い入れが強いため、
つい客観性を欠いてしまう。
映画として今年のベストではないかも
しれないけれど、か弱かった自分を
ある意味で育ててくれ、「ゲイの自分で
いいのだ」と示してくれたのが
ブルースその人だった。
そんな思いで、最後まで画面を見続けることができた。
関心があれば、ぜひ。

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2025年10月30日

映画監督 大木裕之さんの訃報

昨日、親しくしている映画監督の
今泉さんが、彼の35周年映画祭の
フライヤーを届けてくれた。

今回の映画祭は、10月14日に
亡くなられた今泉さんとも
深い交流の深かった監督、
大木裕之さんの追悼上映も
兼ねているという話で、
僕は今泉さんのFacebookで数日前に
そのことを知ったのだった。

大木さんは、自身がゲイであること
を早くからカミングアウトし、
強い個性をもった映画作家だった
(今泉監督もずっとオープンリーだ)。

「あなたがすきです。だいすきです。」や
「たまあそび」など、ピンク映画の枠を超えて、
極めて興味をひかれる作品を
多数生み出してきた大木監督。

まだ僕が30代、彼が20代だった頃、
渋谷PARCOで開催された
「レズビアン&ゲイ映画祭」で
彼の作品が上映された。
その時、ロビーで突然「僕の
映画に出てくれませんか」と
声をかけられたことが、
今でも記憶に残っている。

当時は自分もクローゼットだった上、
まったく自信もなくて、丁寧に断ったけれど、
なぜあの初対面のタイミングで
声をかけられたのかは、今もわからない。

その後、何十年か経ち、お客さんに
連れられて、うちの店に来てくれた。
派手なシャツにジャージという
ラフな格好で現れ、自分の映画や
創作について多く語ってくれた。
僕を映画に誘ったことは、
まったく覚えていなかったけれど(笑)

その後、何度か遊びに来てくれたり、
自作の映画上映の手作りポスターも
持ってきてくれたりした。

今泉さんによると、9月くらいから体調を
崩しており、ひと月余りで
亡くなったとのことだった。
身寄りのない状態で、通夜や葬儀は
長年のパートナーが
しっかりと仕切られたという。

直接話した機会は数回だったけれど、
その明るさと実直さは、今も心に残っている。
心より、ご冥福をお祈りします。

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2025年08月22日

推薦映画「KNEECAP/ニーキャップ」

エロいブログを書き続けていると、
アクセス解析を見るたびに
「エロティックなカテゴリー
」ばかりが伸びている。
いや、ほんと、こういう傾向って面白い。

今日は久しぶりに映画の推薦をしようと。
「KNEECAP/ニーキャップ」って作品。

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ほとんど誰も知らないみたいで、
映画好きの友人たちにも「何それ?」
って返される。それぐらい認知度が低い。

知ってる人がいても、「ああ、ラップか
ヒップホップの映画だろ。興味ない」って
冷たい反応を受ける。

でも、この映画はアイルランドの歴史や
紛争について考えさせられるだけじゃなく、
コメディとしてもかなり面白い。
今年観た中でベスト3に入ると思ってる。

アイルランドは長くベルファスト紛争が
続いていて、実は2022年までアイルランド語の
法制化への抗議運動まであったらしい。
つまり「古いアイルランド語はもう使うな」
っていう政策があって、それになんだ!と
立ち上がった音楽好きな三人の
男たちが主人公のドラマだ。

物語で歌われるのは全部アイルランド
語のラップ。中身は国のこと、家族の問題、
暴力、ドラッグ、セックスと、
何でも題材にしてぶっちゃける。

しかも、彼らは実在の人物。
アイルランドであっという間にヒットを
連発して有名アーティストになった
実績があって、その若き売れない時代も含めて
、自分たち自身がこの映画に出演してる。
かなり画期的だ。

映画はアニメやポップな文字を交えつつ、
過激で楽しいドラマが続く。
とにかく、騙されたと思って観てみてほしい。

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2025年08月16日

世界で一番観られた映画

大ヒットしている映画「国宝」が、
これまた大ヒット作「南極物語」の
興行き録を抜き、「踊る大捜査線 THE MOVIE2」に
次ぐ第2位となったことが話題になっている。

映画好きの僕にとって、毎週のように
更新される映画興行のランキングは
へえ!なるほど、今、こういうのが
好まれているんだね、と興味深かったりする。

「国宝」はともかく、「踊る〜」のような
テレビドラマの映画化が最も配収が多い
というのも、どうなんだろう、この国は。

僕自身、ヒットする娯楽作品を
半分も観ていないことが多いんだけど、
世の中でどれほどの人が観ているか、
というのは興行収入では測れない、
常々、そう思っていたりする。

時代に寄って、映画料金は当然ながら変化する。
だから、映画代金が高くなった昨今、
50年前の映画よりも稼いでいるのは当然なのだ。

だから昔大ヒットした「スター・ウォーズ」や
「風と共に去りぬ」なんかよりも「アバター」や
「鬼滅の刃」などが収入的には1位に
なってしまうワケだ。

それでは過去も含めて、どんな映画に
人が集まったのか。
聞くところに寄ると、日本では2350万人を
集めた1965年の市川崑監督の「東京オリンピック」が
最高観客数と言われているらしい。

面白いのが、全世界で最も多くの人に観られた
映画を調べてみると(4年前の統計だけれど)
高倉健が主演した「君よ噴怒の河を渡れ」だそうだ。
なんと、世界で8億人が観たそうだ。


これ、先日、北京に行った際に、万里の頂上に
連れて行ってくれた日本語堪能な運転手の人が
日本では誰も知らないこの映画は、中国では
50歳以上の人は、当然のようにみんな知っている、と。

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これが中国版ポスターと日本のモノ、高倉健よりも
中野良子のほうが大きいのが面白い。

中国で、文化大革命直後に封切られた初めての外国映画、
ということもあって、高倉健は長い間、中国では
忘れられないヒーローとなったらしい。
公開されたのはもちろん知っているけれど、
僕自身もこれは観ていない。

上のウィキベディアの寄ると、この映画に
ついでのベスト4は中国での大ヒットで
ほとんど世の中で知られていない作品。
そしてやっと4位に「風と共に去りぬ」
5位に「スター・ウォーズ」が入ってくるのだ。

そして、2000年代以降を見てみると
12位に「アベンジャーズ エンド・ゲーム」が。
これにも驚いた。「アバター」も抜いているのだ。
この上までに入っているアメリカ映画などは
何度もリバイバルされていて、その総合だけど、
この「エンド・ゲーム」はまだ1度しか上映されていないのだ。

なんて、こういうのを眺めているだけで
楽しくなってくる僕はやっぱりかなりのオタクである(笑)

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2025年04月04日

お勧め配信映画「ブラザーズ・ラブ」

先日、このブログで紹介した
「湖の見知らぬ男」には、続々と
ブログを読んだりしてくれたお客さんが
それぞれの感想を持って、店に来てくれて
なかなか嬉しい今日この頃。。。


さてさて、2年ほど前にアメリカで
公開されて話題になった
ゲイ映画「ブラザーズ・ラブ」が、
ひと月ほど前からNetflixで配信されていて、
これがとっても面白い。

IMG_2191.JPG

原題の「Bros」は、兄弟という意味よりも、
ノンケが「おめえなあ」とか軽いノリで
相棒を呼ぶときに使う言葉だ。
映画ではアフリカ系アメリカ人が
友達同士で頻繁に使う場面がよく出てくる。

主人公のボビーは、上のような言葉を使い、
ノンケぶったりし、体を鍛えたることだけで、
文化についてろくに語れないゲイを
日頃からバカにする男だ。

そんな彼が、アーロンというマッチョな青年と出会う。
アーロン役を演じたルーク・マクファーレンは、
マッチョなイケメン好きにはたまらないタイプで、
彼を見るだけでもこの映画の価値があり、
珍しく僕の推しの俳優となった!

彼が画面に登場するたびに、まさに"Bros"と
叫びたくなってしまう(笑)


IMG_2194.JPGIMG_2193.JPGIMG_2192.jpgIMG_2195.JPG

ボビーは、軽薄なゲイをバカにしつつ、
ポッドキャストでLGBTQについて激しく語る。
この過激な言動が、その後映画の
重要なポイントにもなってくる。

一方、アーロンは筋肉を見せながら
ダンスフロアで踊り、3Pなどを楽しみつつも、
昼間は弁護士として働いている男だ。

二人は特定の恋人を作らないと断言しながらも、
次第に惹かれ合っていくというストーリーだ。

この映画ではボビーが構想する
LGBTQ博物館の面白さも際立っている。
それに加えて、出演者のほとんどが
LGBTQ当事者である点も注目すべきポイント
(ベン・スティラーやクリスティン・チェノウスなど一部例外あり)。

さらに、「トーチソング・トリロジー」の主演や
舞台「ヘアスプレー」のママ役で有名な
ハーヴェイ・ハイアスタインもちょい役で
出演しているのが彼のファンとしては嬉しい!!

多くのラブコメや現実社会の恋愛と同様、
この映画でも全く異なる人間同士がどこを敬い、
どこを赦して関係を築いていけるかが鍵となっている。

それにしても、ルーク君、この映画の撮影当時、42歳!
とってもそんなふうに見えない。
もちろん、この主演二人も、実生活では
ゲイとしてエンジョイしているようだ。
(カップルではない!)

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2025年03月26日

改めて「湖の見知らぬ男」

ここ数日い、あらゆる意味で多くの人、
特にゲイに観てもらいたいと思って
珍しくSNSでプッシュした映画が
「湖の見知らぬ男」だ。

IMG_2112.JPG

この作品は、12年ほど前にフランスで
制作されたアラン・ギロディ監督の
ゲイムービーで、監督自身もカミングアウトしている。

日本ではいくつかの映画祭で公開されていて、
俺も過去に2回観たことがあり、
このブログでも以前紹介した。

今回改めて強く薦めたいと思った理由は、
この映画がポルノグラフィかと見紛うほど
大胆な性描写(勃起したペニスやフェラ、
射精などを完全に見せている)を
修正なしで一般公開していることだ。

IMG_2093.JPGIMG_2095.JPG
IMG_2094.JPGIMG_2096.JPG

一応、限られた時間(夜一回のみ)と
一館での公開ということで、
特集上映的な扱いなのかもしれない。

ただ、敢えて書いておきたいのは、
そういう興味だけで観に行ってほしいわけではなく、
むしろそんな興味からこの映画の真髄を
味わってほしいという気持ちだ。

映画は、昼間からフランス郊外の
ハッテン場となっている湖に
集まるゲイたちを描いている。

やっているのをただ見てしこる人もいれば、
全裸を見せつける露出狂もいるし、
複数で組んずほぐれつしている連中もいる。

性的なことだけを楽しむ人が多い中で、
それとわかりながらどこか恋愛を
求めているのが主人公の青年フランクだ。

そんな多くのゲイたちを見ながら、
既婚者で太った中年のアンリはた
だフランクと語ることで気持ちを落ち着かせている。

そんな中、フランクの前に現れたのが、
ヒゲをたくわえ、筋肉を見せつける
ミッシェルというイケメンだ。

フランクはミッシェルと関係を持ち、
ずっと一緒にいたいと言葉を交わすが、
ミッシェルは会うたびの性交渉だけで
十分だと言い放つ。

その状況の中で殺人事件が起きる。
この事件をきっかけに「愛とは何だろうか」
という問題が浮き彫りになっていく。
事件が起きるワンカットはあまりにも素晴らしく、
目に焼きついて離れなかった。

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2025年03月19日

お勧め映画「ウィキッド ふたりの魔女」

昨年、ちょうどトランプが再び大統領選に
勝利したというニュースが飛び込んできた頃、
本国でヒットしていたミュージカル映画
「ウィキッド ふたりの魔女」の
試写を観る機会を得た。

原案となった「オズの魔法使」も
オリジナルの舞台版も何度も観ているだけに、
この映画をどれほど待ち望んでいたか。

その期待を裏切らない2時間40分という長さ、
そして完成度の高さ。想像を超える
カタルシスに身震いさせられた。

それから2ヶ月あまり。
試写はDolbyAtmosで観たが、
今回はIMAXレーザーでの鑑賞。

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どれほどの種類のポスターがあるんだろう笑


映画は「オズの魔法使」の物語から始まる。
悪い魔女が死に、それを喜ぶ市民たち。
そして、そこに降り立つ良い魔女グリンダ。
この冒頭シーンから物語は展開していく。

アリアナ・グランデ扮する
善い魔女とされるグリンダと、
シンシア・エリヴォ扮する
悪い魔女、エルファバ。

それぞれの異なる生き方を
選びながらも、友情を
育んでいく姿が描かれる。

緑色の肌を持って生まれ、
人々から差別され、孤独な人生を
送ってきたエルファバ。

何不自由なく育ち、自分の容姿や
人気のことしか考えていなかった
ブロンドのグリンダ。

見た目も性格も対照的な二人が、
それぞれ何をきっかけに
どのように変化していくかが
丁寧に描かれている。

彼らが住む世界には
言葉を話す動物たちが共存じている。
しかし、ある時から彼らは市民権を失い、
社会から追放されていく。

その矛盾に立ち向かうのが、
「悪い魔女」とされるエルファバだ。

この舞台が初演されたのは湾岸戦争中。
当時はアメリカとイラク、
それぞれの「正義」を問う
メッセージと言われていた。

しかし、2025年現在、
「黒人が仕切る国は便所」
「有色人種の女性議員は辞めろ」
「アメリカには男と女しかいない」
などと差別発言を繰り返すトランプ政権。

その混乱ぶりを深く憂う作品として
僕は受け止めた。

普段なら政治発言を強くする人が出る
グラミー賞やアカデミー賞でも、
今回は名指しでトランプを批判する声は
聞かれなかった。

それほどまでに、民主主義を守り続けてきた
アメリカが、この権力者に押し潰されそうに
なっているようにも見える。

そんな中で、この映画と出会えたことは
大きな意味を持つと思う。

もちろん、細かく計算され、美術や
衣装も素晴らしい。
CGに頼らず、9万本ものチューリップを植えたり、
回転する大学の図書室や
エメラルドシティへ向かう列車など
手作り感溢れるセットにも感動する。

舞台で堪能したミュージカル
ナンバーもそのまま収録されていて、
とりわけラスト15分超えの
Defying Gravity”は圧巻で、鳥肌が立った。

そしてこの物語は、
"悪い魔女”とは誰なのか、
そんな問いを、観る者に
静かに突きつけてくる。

まさかの今回がパート1だけ、
ということにも
すっかり納得してしまう出来だった。

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2025年02月17日

お勧め映画「聖なるイチジクの種」

この時期、多くのアカデミー賞絡みの映画が
劇場で公開していて、これは、と思うモノも
多いけれど、今回はイラン映画
「聖なるイチジクの種」を紹介。

IMG_0858.jpeg
このタイトルの「イチジクの種」とは
仏教やヒンドゥーでは「聖なる木」
旧約聖書では「原罪」という意味を持つらしい。

映画は、イランの数少ない高級マンションに住む
一家をめぐる話だ。

ありとあらゆる制限を求められるイランで
何故高級マンションかと言うと、
この主人
は革命裁判所の判事なのだ。
貞淑(であるはず)の妻と、
大学生と高校生の娘が二人いる。

多くの反政府主義者の学生たちに
死刑判決を伝えることに
ストレスを抱える父親だが、
その彼に身を守るように与えられた
一丁の拳銃。

それがこの家でなくなってしまうことで
彼は家族に対する疑心暗鬼が広がり、
家族それぞれの隠された側面が
浮き彫りになる展開は
この国が持つ問題を表面化していく。

イチジクの種は、銃、または伝統的価値を表し、
それがどんなふうに、家族、または国家に
大きな影響を及ぼしているか。

果たして銃はどこにあるのか。
そして、銃を失い、マンションを離れ、
逃げ惑う家族はどうなっていくか。

見応えがある1本だ。

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2025年01月29日

映画の記憶

子供の頃からずっと映画が好きで、
どれくらい映画館に通い、
どのくらいの映画を観たんだろう、と
よく考える。

途中で眠ってしまったことも結構あるし、
好きな映画は2度、3度と観ることもある。

ただ、好き過ぎて、良かったモノを
何度も観るよりも、ついつい新しいモノ、
まだ観ていない旧作を
観ようとすることが多い。

若い頃からそんな観ていない映画を
追いかけて当時は二番館、三番館と
言われる名画座に通ったものだ。

ただ、その後、世の中は、
テレビでやった映画を
録画できるようになり、
DVDで買うことも出来るようになった。
そして、今や、配信で
いくらでも観られる時代だ。

だから、さらに同じモノを繰り返し
観ることを避けてしまう。
一度だけ、それも次々と観ていない映画を
追っていくと、逆に観たモノを
すぐに忘れてしまったりする、

映画を語る、ということに関して
僕がリスペクトしているのが
ラッパーの宇多丸氏だ。

彼の批評眼の鋭さや、その着眼点、
そして何よりも記憶力の凄さは
とても真似が出来ない。

ストーリーのみならず、細部に渡り、
よくも次から次へと過去作の話が
出てくるものだと心から感心する。

そんなことを考える中で、
良かった、胸を掴まれたとしか
言えないような録画しっぱなしや
配信されている映画を、改めて
観ていこう、そう心に決める2025年だ。

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2025年01月03日

あけまして、おめでとうございます 2024映画ベストテン

本年もよろしくお願いします。


さて、さて僕の恒例の去年観た
映画ベストテン。

10年以上前は、洋画、邦画を
分けてアップしていたけれど、
思えば、映画枠としては同じ。

そういう中で今年は、
1位も含めて、邦画が4本も入った

2.二つの季節しかない村
3.オッペンハイマー
4.瞳をとじて
5.ゴッドランド GODLAND
6.悪は存在しない
7.デューン 砂の惑星PART2
8.アイ・アム・ア・コメディアン
9.異人たち
10.ルックバック
次点 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリデー

そして、ブロックバスター系
娯楽映画は「デューン」と「ルックバック」しか
入っていない、といういかにも僕らしい。

また、配信のベストテンは以下。

1.喪う(Netflix)
2.ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド Road Diary(Disney +)
3.陪審員2番(U-NEXT)
4.アメリカン・フィクション(Prime Video)
5.サウザンド・アンド・ワンU-NEXT)
6.シカゴ・ダイアリーズ(U-NEXT)
7.LONDON CALLING ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー(JAIHO)
8.ジョン・ウィリアムズ 伝説の映画音楽(Disney +)
9.ポップスが最高に輝いた夜(Netflix)
10.アイ・アム・セリーヌ・ディオン 病と戦いの中で(Prime Video)


なんと、我ながら音楽関連が多い。
でも、それ以外の映画はほぼ昨年の初公開モノ。
機会があったら、是非。

ともあれ、今年も良い年でありますように。

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2024年11月21日

邦画がヒットするのは何故

50代のケイスケちゃんは大の映画ファン。
お父さんが映画好きで、小学生の頃、
「E.T.」やら「ランボー」やら
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」やら
80年代のアメリカ映画を片っ端から
観て、どんどん心酔していったようだ。
ケイスケちゃんいわく、
それにしてもここ何年も
何故みんな、映画館で洋画を観なくなって
しまったんだろうか、と。
確かに、70年代から2000年になるくらいまで
洋高邦低と言われるほど、洋画全盛時代だった。
思えば、70年代はテレビの黄金時代と言われ、
映画を観るなら、派手で豪華な洋画、と
思われていたのかも知れない。
昨今の洋画離れは、コロナ禍で
洋画の大手配給会社が制作を中止した、
ということとや、字幕を読むのが面倒、
という若い人たちが増えたこと、
また、日本のアニメが火付け役となって
邦画にお客さんが流れた、とも言う。
配信が増えた、というのはその一因とも
言われているけれど、これはあまり
邦画がヒットしている理由には
ならないかも知れない。
個人的には、洋画の大作が、
続編やシリーズものが増えた、
というのは面白くなくなったと思う。
今年で言うと、あれだけ評価も高く
支持もされた「マッド・マックス」や
「ジョーカー」の続編も、それほど
人を集められなかった。
もちろん、そういう映画も観ているけれど、
多くのうちのお客さんが知っているように、
僕自身、あまりアメリカのブロックバスター
大作をそれほど好まないからなあ。
もっと地味なミニシアター作品に
人が集まれれば良いのだけれど。



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2024年08月15日

お勧め映画「ルックバック」

今の日本の映画興行収入の中で10本中、
7,8本が日本映画、そしてその中の
2,3本がアニメだったりする。

80年代、洋画全盛の時代を過ごした
僕としては、これはかなり驚愕。

中には、テレビで評判だったモノの映画化も
多く、日本のテレビドラマやアニメを
ほとんど観ない僕だから、どうしても
邦画を観る機会がどんどん減ってしまう。


そんな中、2年ほど前に、
お客さんから勧められて読んだ
漫画家藤本タツキ氏が描いたコミック
「ルックバック」が映画化されたと聞いた。

これは行かねばと観に出かけたら
これがまさかの58分という短編にも
かかわらず大傑作。

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(左が原作コミック、右が映画ポスター)

話は、学校新聞に四コマ漫画を描いている
小学四年生の少女藤野が主人公。
そして藤野を上回る絵力を持つ
少女京本と運命的な出会いをする。
二人は、高校の年齢になり、
デュオとして、漫画家デビューをする、
という流れだ。

何より目を見張るのが、藤野がいかに
自分の全力を振り絞って、漫画に
かけていくか、という迫力は
原作も凄いけれど、アニメならではの
表現力で見せていく。

作品は、原作にかなり忠実で、
主人公たちや周りの登場人物が語る
セリフまで、ほぼ同じ、という
徹底ぶりだ。

ただ、そこには独特のアニメの動き、
キャストの声のトーン、
そして構図や光の差しかた、
音楽の流れ方などが加わり、
キャラクターの存在感が
大きく膨らむ。

物語は、後半、大きな事件を挟んで、
二人の関係とその深さが
エモーショナルに昇華していく。

観終わったら、すぐにもう一度
観たい、そう思わせてくれる
数少ない一本だった。

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