2024年11月13日

Vaundy ライブ

周年パーティーも終わり、
翌日の周年六尺スペシャルデーは
タクヤとスタッフ(一人はお客さんでもあり
友人のケイイチ)に任せ、
(改めて、六尺デーに来ていただいた
お客様たちもありがとうございました)
その日は僕は待ちに待った
Vaundyのライブを観に行った。

IMG_0162.jpg

現在、24歳というVaundy。
僕が最初に彼を知ったのは、
遅まきながら、一昨年末の
紅白歌合戦だった。
ヒット曲はあったものの、
まだ世間に姿さえそれほど
知られなかった時期のようだった。

そして、「怪獣の花唄」のパフォーマンスを
観た時に、これはきちんと
聴かなければ、そう思った。

思えば、数年前に見たKing Gnuも、
紅白でハマったバンドだった。

過去、僕は自分よりも若い人の
ライブにはもちろん行ったことがある。

海外のアーティストの年下は多いけれど、
国内の年下のライブは、
宇多田ヒカル、MISIA、Perfume、
中孝介、ミスチル、スピッツ
くらいなのかも知れない。
(ゲイに人気の竹原ピストルも、
平井堅も、マッキーもない。)

そういう意味でも、Vaundyは最年少。
会場に来ている人たちも、自分の息子、
いや孫のような年齢の人などだらけ。

しかし、かつて観た多くのライブの中でも
ベスト5に入るだろう素晴らしいモノだった。

彼が幼少期からティーンエイジャーになるまで
どれほどの楽曲を聴き、
いかにこれほどの完成度の高い
ワークが出来るようになったのだろうか。

とにかく、形容しがたいほどの高揚感だ。
その見事なまでのポップスタイル、
絶妙なコード進行に乗せられた歌詞のゆらめき、
そのアクティブな肉体の動き、
そしてエネルギッシュという言葉を超えた
度迫力のボイス・パフォーマンス。

僕が20代の時に、最愛のブルース・
スプリングスティーンを
観た時のように痺れてしまった。

かなり取りにくいチケットだったようだが、
次回のツアーも是非、行きたい。

久々に興奮冷めやらず、強い余韻に
唸らされた夜だった。

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2024年02月19日

小澤征爾さんを偲んで

僕がちょうど体調を壊してしまった先週、
世界的な指揮者、小澤征爾氏の訃報が流れた。

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そして4日間、ゴロゴロウダウダとしていながら
普段まず見ないテレビを見ている中で、
小澤氏の特集番組が何本か組まれていた。

僕が彼の指揮を実際に観たのは、
20年以上前に、松本でサイトウキネンが
オペラ「ピーター・グライムス」をやった時だ。
後にも先にも、これ一度きりだというのが
今思うと、とても残念だ。

今、思えば、ほぼ今の僕と同世代くらいだったのか、
それは、それは物凄い迫力、かつ可愛らしくも
動く様子は、非常にオリジナリティを感じさせ、
今でもリアルに蘇ってくる。

ちょうど僕が観たのと同じ時代だろうか、
ウィーンで収録されたウィーン・フィルの
ニューイヤーズコンサートが、
昨夜、放映されていた。

改めてクローズアップされる彼の表情から、
その力強いコンダクトぶりは、
とても60歳を超えているとは思えなかった。

2時間を超えるあいだ、指揮台に立ち、
大きく上下に腕を振り切り、
身体を前後左右に揺らす。

華麗とも言えるその動きは、スポーツ選手とも
言えるし、プラス小澤氏独特の音楽哲学で
溢れかえっている。

ようやく、回復してきた僕自身、
この番組を見て、こんなことしている場合じゃない、
そう思ったのは確かだ。

小澤氏の生き方や努力奮闘への
足元には及ばないけれど、
自分が出来ることを、まだまだ
やり続けなければ、そう思えた番組だった。

さあ、本日からまた店に出ます。
よろしくお願いします。

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2024年02月09日

今年のグラミー賞、そしてテイラー・スウィフト

大雪が降った月曜日の朝
(アメリカでは日曜日の夜)
グラミー賞が放映された。

2月のグラミー、3月のアカデミー。
6月のトニー賞授賞式は、いつも
楽しみに観ているが、今回の
グラミー賞は格別だった。

誰が受賞するか、と言うよりも、
やっぱりこの授賞式は何よりもパフォーマンス、
そして美術セットやライティングの
素晴らしさにある。

去年、”First Car"のリバイバル・ヒットで
登場したカントリーのルーク・コムズ。
ここにオリジナルを作詞作曲、そして
本人が歌ったトレイシー・チャップマンが
サプライズ登場、ルークと共に歌うシーンは涙もの。

僕は彼女を、88年東京ドームが出来たその年に
ブルース・スプリングスティーンなどと共に
"Human Rights Now"というアムネスティの
イベントで観ている。

そして、ここのところ、どうしちゃった?と
思っていたマイリー・サイラスが
去年の大ヒット”Flowers"を引っ提げて、
他では歌ったことがない、というこの曲を大熱唱。
本人、これでポップ・ソロ・アーティストのみならず、
最優秀レコード賞まで獲った。

彼女の父親、ビリー・レイ・サイラスが
カントリー歌手で大ヒットする前は
男性ストリッパーとして有名だったなんて、
もう誰も知らないだろうなあ。

あと、ラスベガスで球体のスフィアドームで
観客たちに凄い視覚体験をさせているU2も
観ることが出来たけれど、これ、
いつか観に行きたい。
ただ、400~500ドルっていうから凄いけど。

追悼のシーンでは、去年亡くなった
シネイド・オコナーの"Nothing Compares 2 u"を
涙ながらに熱唱したアニー・レノックス、
故トニー・ベネットの映像と共に
歌ったスティーヴィー・ワンダー。

そして、なんと言っても、今回の目玉は
80歳になったジョニ・ミッチェルが
「青春の光と影」を歌い、
そのあとビリー・ジョエルが30年ぶりの
新曲を歌ったというシークエンスだった。

IMG_6078.jpeg

これ以外のパフォーマンスも含めて、
今回のグラミー、本当に素晴らしいの
ひと言に尽きた。

加えて、フランク・シナトラ、スティーヴィー・ワンダー、
ポール・サイモンの最優秀アルバム3回受賞というのを
超えて4回目の受賞となったテイラー・スウィフト。

この2日後(つまり今週の水曜日)から、東京公演、
という凄まじさ。
これは、どうしても観に行かなければ、とリセール
チケットを探して、昨日、挑んできた。

3時間15分、45曲をメドレーなしで
ほぼフルコーラスという凄さだった。


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2024年01月07日

日本語は宇多田ヒカルから

昨日、ニューヨークから来てくれた
ヴェトナム系のティン君 32歳。
カタコトだけれど、
日本語を話すことが出来る。

うちに来ていただく日本語を話す外国人の
多くのお客さんは、アニメから学んだ、
という人が多い、とこのブログにも書いた。

ただ、ティン君は、10歳の頃、
日本のJ POP好きな従姉妹
(彼女は嵐の大ファンだったらしい)が
宇多田ヒカルを聴いていて、
一瞬にして打ちのめされたそうだ。

それから、彼女の曲をどんどん
ダウンロードした。
この、10歳でダウンロード、というのが
時代を感じさせてくれる(笑)。

そこから、日本のあらゆることを学んだらしく、
今回、4回目の来日らしい。

J POPが好きで、宇多田をはじめ、
色々聴きかじり、最近では藤井風まで
聴いていると言う。

ただ、ティン君が残念だと思うのは、
あちらで多くのアメリカ人が、アジアのPOPSは
韓国のモノがヒットチャートを踊らせていること。
日本の楽曲には、なかなか目を向けることがなく、
誰も知らないのが残念だと言う。

確かに、日本の楽曲で、ビルボードチャートの
ベストテンに入ったのは、1963年の坂本九のみ。

片や、韓国は2012年にPSYが「江南スタイル」が
2位になってから、BTSで爆発的に火が付き、
今や、多くのアーティストがトップ40を
目指すようになっているらしい。

単に、世界マーケットを意識した韓国と
自国だけで勝負しようとする日本の
違いだろうけれど。映画も同様だった。

ただ、この年末に来て、「ゴジラ-1.0」と
「君たちはどう生きるか」が全米の興行収入の
チャートの上位に入り、オスカーにも
ノミネートされる可能性も高いようだ。

アメリカで評価されることだけが良いとは
思わないけれど、それを超えて世界で高く評価される
新たな日本の文化で勝負できるようにならなければ、
ティン君と話をしながら、そう思った。

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2023年07月01日

旅日記 番外編 愛しのブルース・スプリングスティーン その2

よく僕が店や、ゲイの友人たちに
彼のファンだと話をすると、
「え?何故?”Born in the U.S.A.」と
拳を振り上げるおっさんでしょ?
暑苦しいとか、何故ロック?と
言われることが多かった。

彼がもう少し若い頃は、
マッチョだから?と言われることもあった。
たぶん海外でも、ゲイの彼のファンは
それほど多くないと思う。

しかし、彼は過去、Adovocateという
ゲイ雑誌のインタビューで語ったように、
LGBTQの痛みを想像し、
映画「フィラデルフィア」の
主題歌も歌っていた。

因みに、現在、公開している「ガーディアンズ・オブ
ギャラクシー vol.3」のエンドクレジットの
「バッドランド」が流れる。

「貧しき人は金持ちになろうとし、
金持ちは王になろうとし、
王はすべてを支配しなくては満足できない
俺はこんな場所を抜け出したい
俺が今まで何を手にしたのか
きちんと理解したいんだ」
という歌詞には、泣かされる。


今回、何万人も入る満席のスタジアムの中で
偶然にも、またまた良い席を
手に入れることが出来た。
良い席というよりも、ほぼかぶり付きの
前から4人目くらいの立ち見なのだが。笑

普通、ライブに行っても、出来るだけ座りたい
そう思うのに、ブルースはまったく
そう思わないのは不思議だった。


オープニング、このツアーでは初めて歌うと
言う"Ties That Band"という
大好きな曲で幕を開けたものの、
少し声が枯れていて、高音も出ず、
疲れているのか、やっぱり年齢かと心配をした。

しかし、その後、4曲、5曲と歌っていくうちに
まったくそういう不安も消え去り、
彼はまったく想像を超えるほどの
前と変わらぬステージングを見せてくれた。

IMG_2480.jpegIMG_2485-c9cf6.jpeg

ライブの中身もたっぷりと語りたいけれど、
おそらく店のブログに書くことは
少しはばかられるので割愛しよう。

しかし、彼はそのところどころで、
ありとあらゆるメッセージが
託された歌を、時には激しく、
そして時には切なく歌い上げた。

いずれにしても、この年齢で
このパワー、バイタリティ。
そして僕の胸を激しく掴み取ってしまう
説得力とその深さに、いつもながらに、
いや、それ以上にすっかりやられてしまった。

おそらく彼はまだまだライブを続け、
シャウトし続けるだろう。

加えて、彼よりは若い僕が、今、
そしてこれからも、まだまだ多くのことが出来る、
決して屈することなく、自分の在りたい姿を
きちんと追求していかなければならない。

そう強く思えた貴重な体験だった。
予定を変えて本当に良かった。

長々と読んでくれた皆様、
ありがとうございました。  

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2023年05月13日

J POP 歌詞かメロディか

昨夜は賑やかだった午前を回って
1時過ぎに、20代から60代までの
年代がそれぞれ何人かずつ残っていて、
どんな曲が好きなのか、という話になった。

22歳で初めて来てくれたミチオ君は
僕がまったく知らないアーティストと
その曲をあげていた。
1歳上の23歳のエトウちゃんは
彼のお母さんが聴いていたと言う
SPEEDやMAXが好きだと言っていた。

その曲のサビを聴いたら僕もわかるものの、
逆にもうその頃あたりから
聴くモノと聴かないモノが
はっきりしていたんだとわかった。

40代中盤のカズオは、彼が10代の頃から
現代までのJ POPをしっかりと聴いていて
なんでもよく知っていて、
年上、年下、みんなに対応できる。

そして50代のユウスケと、竹内まりやの
歌詞の素晴らしさを話しだす。

そこで、彼らの話を聞きながら、
僕自身、どんな曲もメロディの良し悪しで
好き嫌いがあり、歌詞の意味をほとんど
わかっていないことに気がついた。

それはそもそも洋楽が好きだったから
自然とそういう脳になっていたのか。
しかし、最も好きなアーティストである
ブルース・スプリングスティーンの歌詞は
日本語訳も含めて、かなりしっかりと
頭に入っていたりする。

以前、サザンの桑田佳祐氏が
「自分は歌詞をあまり考えず、
メロディ優先で曲を作っていた」

確かに、特に彼が作った初期の歌は
語呂合わせ的なことや、韻を踏むこと、
そしてまるで英語の歌詞に聞こえるような
日本語を当てはめたりすることで、
特に歌詞に深い意味はなかった。

ただ、昨日、カズオにきちん歌詞と聴けば、
どれだけ素晴らしい楽曲か、改めて
理解出来たりする、と言われた。

その後、Apple Musicで色々が楽曲を流しながら
歌詞を堪能すると、確かに
少し世界観はグ〜ンと広がる気がした。

って、今さら???

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2023年03月29日

ビョークのライブを観て

お客さんのケイゾウちゃんに誘われて、
昨夜、東京ガーデンシアターで
ビョークのライブを観た。

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東京ガーデンシアターは、我が家から
歩いて15分、自転車で5分という場所にあり、
有明アリーナもほぼ同様。

オリンピックがあったとは言え、
よくこんな場所にこれほど素敵な
ライブ会場を作ってくれた、とまずそこで感激。

その前に、いつオープンしたのか、調べてみたら
なんと1年半も前。
(そりゃそうだ、オリンピックに合わせて
造られているはずだから。)
ここであれば、さほど興味ないモノでも
散歩がてらにふらりと来てみれば良かった。


さてさて、ビョーク。
彼女は熱狂的なファンと、「え?あの
暗く重い「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の
主演した女の子だよね?」という人、
もちろん、まったく知らないという人もいる。

メロディ重視でポップ感がある、という
ヒット曲があるワケでもなく、
一般的にはいささかとっつきにくいとも言われる。

デビュー当時は、前衛的、革命的、斬新という
騒がれた彼女も、もう57歳。
僕自身は10年ほど前に、やっぱり
別のお客さんと科学未来館で観たけれど、
それも凄まじい迫力のライブだった。

そして、今回、ほぼ日本武道館と同じほどの
キャパだけれど、ちょっと海外の
オペラシアター風(と言うのは言い過ぎか)。

今回は「オーケストラル」という
オケと共に公演したモノと、
「コーニュコピア」というこれまた
実験的なかつ奇抜なライブになっていた。

まだあと1回公演があるので
細かいことは書かないけれど、
とりあえず感じたことだけ。


日本の声楽グループが最初に出てきて
「さくら」を歌ったけれど、これが
日本を代表するあの曲!?と思うほどの
妙なテイストの合唱。
ここでもうすでに鳥肌がたつ。

彼らが何曲か披露したあと、
天使のような衣装に
まるで新体操選手かのような動きで
フルートを操るグループ、
と同時に、ビョーク登場。

去年、5万人の観衆がマスクをして
声を出さずに観ていたレディ・ガガの時とは違い、
大きな声援が飛ぶ。

レース状のカーテンの間から見える
ビョークと、そのカーテンに映し出される
数々の映像。

その歌声は、年齢を考えさせないほど
以前と変化がなく、それどころか
コーラスと微妙なバランスを保ちながら
ぐっと聴かせ、幻想的な演出で見せつけてくれる。

いつもながらに、驚愕なステージングで
ここまで陶酔するのは、なかなかない。

もし、まだ当日券などあれば、
関心がある人、是非とも体験してもらいたい。

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2023年01月07日

日本の歌詞と英語の歌詞

アメリカ人のスティーブは、古くからの
同世代の友人で、30年ほど前に
共にニューヨーク、ロンドンと
演劇巡りの旅をしたことがあった。

日本に長く住んでいる彼は、
日本人以上に日本的なモノも愛し、
なおかつ日本語と英語の違いなどを
面白く説明してくれたりする。

そんなスティーブが昨日店に来てくれた。

英語の歌は一音符にひと単語が多く、
日本語の歌は一音符に一語ということから
基本的にそれぞれの歌を
ほぼそのまま訳して歌うよね、
と歌の話を始めた。

それはミュージカルなどが好きな僕も
常々感じることで、海外の舞台を日本で
上演する時に、よくもあれだけの分量を
日本版として作るなあ、と感心したり、
モノに寄っては、かなり無理が
あるなあと感じたりもする。

昔から、ほとんどの英語の歌は
韻を踏む、ということに終始している。
それは歌詞を作る時に、非常に大変だと言えば
そうではあるものの、作詞家をする人は
楽しんでやっている事も多いだろう、と。

驚いたのは、同じ単語でも、
メロディに寄っては使えないという話だった。

たとえば、ビートルズの「イエスタデイ」という曲の中で、
“Yesterday” と歌われる音階と
これがミュージカル「アニー」の”tomorrow”という音階は、
共に3つの音符で歌われるけれど、
単語のアクセントの違いから、それが共に置き換えられた音階で
歌われることはないらしい。

しかしながら、最近のラップなどの出現で
そのあたりもかなり変化をしているらしいけれど。

なかなか興味深いけれど、文章で伝えるのは難しいですね。

いずれにしても、今さらながら、
興味深い英語の歌の話を色々と聞くことが出来て、
なるほど!と膝を打った。

posted by みつあき at 16:46| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年01月04日

去年の紅白

大晦日、例年店の営業で、
バタバタとしていて
せっかく付けている紅白歌合戦も
あまり観たり、観られなかったり。
しかし去年、意外とゆっくり観られたのは
お客さんが分散して来ていただけたからだろうか。


ヨーロッパのEMAアワードや、
アメリカのグラミー賞などある意味、
あちらの歌合戦の演出は、
常に暗い中のスポットライトを
中心としたモノに加えて、
あまりにもスタイリッシュなダンスと
声量のある歌手がメインだったりする。

また進行役は、大人のジョークを交えて
スマートに進んでいく感じ。

逆に、日本の紅白はひたすら
ライティングは眩しいほど明るく、
元気で頑張ろう的な演出。
子供からお年寄りまで楽しめる、
という方向なのか、司会者の挨拶も
清く、正しくという流れだ。

どちらが良いのか、わからないけれど、
いつ観ても、日本のこういうショウは、
朝の「行ってらっしゃい的なワイドショー」と
似た感じなんだな、と思ったりする。
(背景がおもちゃっぽく、子供が
喜びそうな色とりどりのグッズが並ぶ)


さてさて、そんな中で、注目だった
キーちゃんこと、氷川きよしの
ファイナルステージは
美しきメイクばっちりとひきずりドレスか思いきや、
男性ロッカーだったので、え?これで終わり?と
ちょっと残念だった。

ジャニーズや乃木坂をはじめとした
グループ歌手たちの多さに
オジサンは誰が誰なのかまったくわからず、
楽屋はどれほどのことになっているのかと
いらぬ心配をしてしまう。

その中でひと際、光を放ったのがVaundy。
数年前にやっぱり紅白で観た
King Gnuもそうだったが、
ここで初めて観た僕にとって、
アルバムを買おうと思うほどの熱量だった。

話題のユーミン50周年は、なるほど
若い頃のユーミンと共演させたのは
ずいぶん前の美空ひばりのAIよりは
ずっと進歩した感じで、
旧ユーミンの伴奏から
今のユーミンに「ひこうき雲」が
引き継がれていくのは良かった。

そうそう。あと加山雄三。
いくらか声量が衰え、見た目も
変化したとは言え、あの85歳は凄い。
ゲイとしては(加山氏がそうだという意味じゃなく)
目標にしたい人だけれど、
今の次点でまったく負けてるかと(笑)

それを言うと、僕と同世代の(向こうのほうが
少し上だけど)桑田佳祐率いる5人のバンド
(大友康平、原由子も加えると6人)は
個人的には今回のベストだった。

それぞれが驚くほどかっこいい。
世良公則はどこまでも渋く、
佐野元春なんて、若い頃よりも良いほどだ。
まさか高齢者枠に入っているとは
まったく思えないおじいちゃん達。
ライブでなかったのが
最も残念なことだったけれど。

紅組トリを務めるMISIAはいつものように
その歌声は、他を圧倒するほどでさすがだけど、
途中のディズニーメドレーを含めると
彼女の持ち時間は凄い。
いつも思うのだけれど、歌の持ち時間は
どんなふうに決まっているのだろう。

あと、集計発表で蛍の光が流れたのも
初めてで、白組優勝と言っても、
あっという間に終わった感は
そもそもの演出だったのだろう。
ラストの盛り上がりが、ゆく年くる年に
繋がる、という意味じゃ、エンディングこそが
個人的には最も好きな時間だったのだけど。

そんなふうに色々なことを考えさせたり、
なんだかんだ言いながらも、楽しめた
今年の年末だった。

しかし、男女、ということで
もう線引きすることもいつかなくなる、
それこそ、いつもジョークで言っていた
桃色歌合戦になるのだろうか。

新年早々、くだらない話を。

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2022年11月28日

ジャズの話

昨日は、PCを持ち歩けず、
久々にブログ、アップ出来なかった。
すみません。

一昨日の土曜日は、遅い時間に、
ジャズピアニストのコウイチさん 50歳が
来てくれて、ジャズの話に花が咲いた。

彼は、子供の頃からエレクトーンを習い、
その頃、あまりにもかっこ良い二十歳くらいの
女性が、弾きまくっていて痺れたのだそうだ。

それから自分流に弾くことを覚え、
エレクトーンからピアノへ、
クラシックからジャズへと転向。

それからジャズをたくさん聴いたのだそうだ。

僕は松江の山奥にあった田舎の高校から
大学で東京という大都会に出てきて、
好きな音楽ならなんでもトライしようと、
ロックからジャズまでとにかく
聴きまくろうと思った。

当時は、ネットもなければ、もちろん
YouTubeだって見聞き出来ない。
レコードも今と変わらず、
LP1枚買うのに、2500円くらいする。
それなら、と250円くらい払って
ジャズやロック喫茶に行き、
粘り粘って、音楽を聴き続けた。

当時は、マイルス・ディヴィスが
新しい扉を開き、チック・コリアや
ハーヴィー・ハンコックというフュージョン系が
大活躍をしていた頃だ。

当時高円寺に住んでいた僕は、その街の
洋燈舎(ランプしゃ)や、As Soon As、
吉祥寺の赤毛とそばかす(素敵なネーミング!)、
新宿のDIGやDUG、そして木馬亭など
多くのジャズ喫茶に通った。

子供の頃からクラシックやポップスを
聴き慣れていた僕にとって、フュージョン系の
ジャズより、スタンダードのモノのほうが
ずっと楽しく心地よいとわかったのは
随分あとになってからだった。

いずれにしても、音楽がなくなると、
何故生きてるのかわからなくなる、という
コウイチさんの言葉は、聴いているだけで
楽しんでいた僕にはズシンと響いた。

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2022年09月05日

レディー・ガガ The Chromatica Ball Tour

昨日は8年ぶりに来日した
レディー・ガガのコンサートに行って来た。

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思えば、ライブコンサートは去年の筒美京平トリビュート以来だろうか。
そして、ガガは、日本では4回目。
あとニューヨークで、トニー・ベネットと
素晴らしいライブを体験したのが、
これも7年前になる。

彼女のライブを最初に観たのは横浜アリーナ。
その時には、突飛な演出に加えて、
あまりの歌唱力には驚いた。
激しいダンスを踊るけれど、
当然の事ながら一切口パクはない。

その流れはあれから基本は変わらず、
さらにパワーアップされた演出、
そしてセット、何よりも
30も後半に差し掛かった存在感
(僕が観ていたのはまだ20代だった)には
圧倒された。

オープニング、”Bad Romance”は、
うちの店の5周年でプロの振付師に
お願いし、夏の暑い日に練習した楽曲で、
これを聴くといつもあの日々を思い出す。

また、うしろのサブステージ移動して、
「LGBTQの人々に捧げる」とピアノを
奏でながら歌ったのが、バラード調の
“Born this Way”
また、2度観て大興奮だった映画「アリー/スター誕生」からの”Shallow”には泣かされた。

あらとあらゆる社会情勢にきちんと反応し、
たとえ自身が傷つけられても、
堂々と歌い続ける彼女は
数少ない尊敬できるアーティストだ。

これから彼女のライブを何度体験出来るのだろう、
そんな少し寂寞感さえ感じる素晴らしい
ライブだった。

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2022年07月11日

エルヴィス・プレスリーについて

「ムーラン・ルージュ」や
「華麗なるギャツビー」のリバイバルなど
キラキラした派手な演出で有名なバズ・ラーマンが
「エルヴィス」というプレスリーの伝記映画を撮った。

今の若い人たちは、プレスリーの名前など
知っているんだろうか。
素朴な疑問だ。

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プレスリーは僕が生まれた頃には
ロックンロールの大スターであり、
高校に上がる頃には「オン・ステージ」とか
「オン・ツアー」という
ライブドキュメンタリー映画が公開されて、
正直、僕はそれで初めて彼を知ったのだが、
30代中盤にして、もう北島三郎ばりの(笑)
大物になっていた。

今見ると、スパンコールをいっぱい付けた
それこそ日本の演歌歌手のような、
ちょいと恥ずかしい、でも豪華な
衣装で身を固めていた。

どちらかと言うと中年女性に黄色い声をあげられ、
ステージに群がる彼女たちの唇にキスをする。

デビュー当時には、テレビ映像では
腰から下を映すな、と言われた腰を大きく
グラインドし、大股を開いて熱唱。
そして割れたジャンプスーツの胸元から
したたる汗は、若い僕には生唾モノだった。

そう。当時の彼は僕にとって
性的なアイドル以外の何者でもなかったのだ。

その後、改めて観た「ブルーハワイ」や
「ラスベガス万歳」の頃の青いいかにも
青春スターよりも、成熟した彼
(と言っても、30代なのだ)は、
ずっと大人の魅力だった。

今だと鼻に付くだろう、
自分がどれほど愛されているか、
よくわかっているそのナルシスティックささえも
僕のエロい部分をぐっと刺激した。

42歳でのエルヴィスの死を、僕は
初めてのヨーロッパ旅行先のロンドンで知った。
余談だけど、マイケル・ジャクソンの死を
知ったのもロンドンだった。


今回の映画は、30歳を過ぎたオースティン・
バトラーが、かなりそっくりに演じてはいるし、
おそらくプロデューサー役のトム・ハンクスと
共に、来年のオスカーノミネートもあり得るだろうけれど、
それでも本人の魅力にはほど遠い。

映画はとても良くできているとは思うけれど、
この監督のミュージック・クリップばりの編集や、
ファスト映画や予告編のようなドラマの
すっ飛ばし感は、評価が分かれるところかも知れない。

ただ、エンディングに出てくる実在のエルヴィスは
亡くなる数ヶ月前で、体重も増え、セクシーさとは
ほど遠い。それでも、これほどまでに
熱を感じるのは何故なんだろうか。


今、思うとエルヴィスこそが、僕が初めて
かなり年上の外国人にエロさを
感じさせてくれた人だった。
僕にとってはノスタルジックな思いを
投げかける映画になっていた。

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2022年06月01日

KKPP KYOKO KOIZUMI POP PARTY の放映を観て

今年で芸能活動40周年という
小泉今日子のライブを観て、素晴らしかった
という声をずいぶん多くのお客さんたちから耳にした。

で、その模様が先週、WOWOWで初放映される、と
聞き、録画したのでそれを観た。

Unknown.jpeg

去年だったか、松田聖子について、このブログに
書いたことがあった。
80年代、彼女の楽曲は名曲の宝庫であり、
その歌声、微妙なニュアンスの表現力も含めて、
やはり唯一無二のアイドルであると。

確かに松田聖子は、美空ひばり、山口百恵、
安室奈美恵と並ぶ、日本歌謡史に残る
女性歌手であると思う。

しかし、今回、小泉今日子のライブを観て
思ったことがあった。
彼女は決してレジェンドなどにならずとも、
アイドルを経て、これほどまでに等身大で
身近に感じることが出来る数少ない一人であると。

とは言え、絶対に口パクなどに頼ることもなく、
原曲と同じキーで歌うことが出来るその素晴らしさ。
彼女は40代の時に、友人たちと
いつもカラオケで歌いながらよく飲んだと言う。
それが彼女の喉を鍛えさせ、
若い頃と同じ、いやそれ以上にまで
成長させたのかも知れない。

50代後半に入った彼女が「なんてったってアイドル」や
デビュー曲「私の16才」そして「学園天国」と
いった当時でしか歌えないような楽曲も
妙に大人っぽいアレンジではなく、
かと言って、アイドル然とした歌い方でもなく、
まさに今の小泉今日子らしさ、を
表現するのだ。

以前にもここに書いたように、
僕自身、歌謡曲アイドルにはほぼ興味がなかった。
関心があったとすれば、楽曲がどれだけ
僕の心に響いてくるか、ということだった。
今回の小泉今日子のライブは、
まさにズンズンと僕の胸を強くノックした。
そして僕はしっかりとノックダウンされた。

これほどまでに、このライブ会場に行けば
良かった、と後悔したこともなかった。

今回のツアーは終わってしまったし、
このような絶妙なセットリストを
もう観ることは出来ないかも知れない。
でも、次の機会、彼女のライブを
するとわかった時には、必ず会場の片隅で
しかとこの目で確認したい、
そう思った。

ありがとう。小泉今日子

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2022年05月23日

時代遅れのRockn'Roll Band

何ヶ月か前に、ここにも書いたけれど、
土曜日の深夜に放送されている
桑田佳祐のラジオをよく
店の帰り道にradikoで聴いている。

結果的に、日曜日のニュースなどで
観た方も多いかも知れないけれど、
その放送で、サプライズな楽曲が流された。

桑田と共に、佐野元春、世良公則、Char、
そして何と歌謡界から野口五郎、という
同い年の面々が集い、バンドを結成し、
「時代遅れのRockn'Roll Band」という
曲が作られたということだった。

IMG_8931.JPG

桑田佳祐は、結成当初からファンであり、
僕のベスト・アーティストのスプリングスティーンの
流れを引き継いでいたこともある佐野元春は
一時期、思い入れもあった。
世良公則とCharは、テレビ「ザ・ベストテン」で
観ていたくらいで、ヒット曲しか知らない。
野口五郎は、近年、これも好きな岩崎宏美嬢と
ライブを共にしており、今でもキーを変えない
という歌声は素晴らしいと思っている。

そんな野口五郎は、若い頃からギターを愛用し、
物凄い数のギターのコレクションがあると聞く。
だから、歌謡曲歌手でありながら
(デビューはなんと演歌だった!)、
ロック魂がきちんと宿っているらしい。

そういう彼らが、一堂に介しての楽曲。
いかにも桑田氏らしいメロディに、
それぞれの個性的な歌声が乗り、
これが一度聴いたら忘れられないほどの
ポップロックに仕上がっている。

僕よりも年上ではあるものの、ほぼ同世代の彼ら。
妙に嫉妬を覚えながら(って、お前は何者だよ)、
この大きく変化した時代の中で
どれほどの世代にこの曲が届くのだろうか
なんて、考えながらの日曜日が過ぎていった。

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2022年02月25日

桑田さんのラジオから感じること

土曜日の深夜、「桑田佳祐のやさしい夜遊び」
というラジオ番組がある。

今さらながら、言うまでもなく、
サザン・オール・スターズの
メインボーカルでもあり、
ソロアーティストの
桑田さんがほぼ生放送で
27年も続けている番組だ。

僕はこの放送を店の営業もあって、
生で耳にする、ということが、
長い間、ほとんど出来なかったけれど、
コロナになってからよく生で
聴くようになった。

彼の軽妙で一見(一聴か)笑ってしまうような会話が
週末の落ち着いた夜に響くのは
何とも楽しい。

しかし、それを遥かに超えて、
彼のこの番組の選曲が
まさに僕の好みそのものなのだ。

桑田さんと僕は1歳違い。
学年で言うと2学年違う。
つまり、僕が中学校1年の時に、
彼は3年生だったということだ。

桑田さんは、中高生から大学生の頃にかけては、
日本のフォーク、歌謡曲などには
ほとんど興味がなく、洋楽ひと筋だったと言う。

そして業界に入って、日本の楽曲の素晴らしさに
目覚めたらしいのだ。

僕自身も、まさに背伸びをしていた10代から20代。
もちろん、中学生当時、日本のフォークには熱をあげていた
ところもありながら、僕は高校生になってから
洋楽ロックに火がついた。

もちろん、その時点で、名盤と言われている60年代、
70年代の楽曲も次々と聴き、大学に入ってからは
さらに熱が上がった。

ビートルズ、ストーンズ、ソロアアーティストでは
ロッド・スチュアートから、エルトン・ジョンなど、
ブリティッシュロックから入り、
その後、アメリカのビーチ・ボーイズ、
そしてウエスト・コーストサウンド。
そこから、僕はスプリングスティーンに入ったのだった。

桑田さんの番組には60年代から70年代の
邦洋織り交ぜて、色々流れてきて、
改めて80年代のポップス全盛になる前の
楽曲たちに心震わされてしまう。

そういう中で先週かけられた日本のフォークの数々。
  • 悲しくてやりきれない ザ・フォーク・クルセダーズ
  • 春のからっ風 西岡たかし+泉谷しげる
  • 赤い橋 浅川マキ
  • 傘がない 井上陽水
  • カレーライス 遠藤賢司
  • 竹田の子守唄  赤い鳥
  • 今日までそして明日から 吉田拓郎
  • 教訓T加川良

こういうモノを聴きながら、ちょっと
遠ざかっている新しい日本の楽曲も
どんどん耳にしていこう、そんなふうに思った。

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2021年11月24日

マイノリティの中のマイノリティ

ここに何度か書いているけれど、
僕はロック歌手、ブルース・スプリングスティーンの大ファンだ。

貴方が尊敬をする人は?と尋ねられると、
死んだ父親と共に並ぶのが
スプリングスティーンと答えるなんて
信じられない人もいるだろう。

基本的にさほどミーハーではないと思っているし、
何事にもあまり大騒ぎしたりしないけれど、
彼だけは別なのだ。

ロック歌手ということのみならず、
彼の歌詞の中に込められた思いや、
あらゆる声明文、そしてその行動力などが、
何十年も僕を奮い立たせてきた。


そんな彼が1979年にニューヨークで参加した
NO NUKES 脱原発のコンサートのライブ映像が
完全版として数日前に発売された。

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休みの昨日は、ビールを飲みながら、
しっかり、じっくりと観させてもらった。


30代になったばかりのブルースは
とてつもなく切れが良い動きと、
ともすれば人に寄っては、うざいと
思われるほどの雄叫びで観客を動かす。

それにしても、まるでスポーツ選手のような
一挙手一投足が本当にかっこいい。
かっこいいだけではなく、
その歌詞を伝えようと歌う彼の熱に
いつものように泣けてくる。

僕は18歳の頃、まだ彼が2枚目のアルバムを出す
あたりに大ファンになったのだが、
それは僕がゲイだからなのか、どうかわからない。
ただ、その頃も、アルバムを聴いては、
ただ、ただ泣けたのだ。

昨夜観ていても、彼はすこぶるチャーミングであり、
ある意味、セクシーだとも思う。
しかし、その後"Born in the USA"のアルバムを出して、
大きく筋肉を付けたブルースを含めて、
性的に惹かれたということはほぼなかった(と思う)。


ただ、当時僕がブルースを好きだと言うと、
マッチョだから?と言う人ばかりだった。
汗臭い、むさい、というある意味、
ゲイにもモテる部分はあったのだろうけれど、
そういう部分も含めて、ゲイで
ブルースを好きだという人は極めて少なかった。

多くのゲイの友達は女性歌手やグループを追いかけていた。

それにしても、僕がここまで心酔してしまうことは
10代の頃にはまったく気がつかなかったが、
今、改めて古い映像、そして新たな活も含め、
我ながら、先見の明があったのだと思ったりする(笑)

マイノリティの中のマイノリティ。
それでも、ずっと彼を追い続けていこう、
ビールのあとのウィスキーを傾けながら
休みの日の深夜、僕はそうほくそ笑んだ。

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2021年11月18日

なくしたイヤホン

先日、駅の電車のレール上に
無数のイヤホンが落ちているという記事を読んだ。
駅で取り外して落ちてしまうケースが
結構あるようだ。

でも、そうだとすると気がついているはずなのに、
駅員の人などに頼んで、取ってもらったり
しないのだろうかとちょっと不思議な気がした。


そんな記事を読んだ直後、お客さんのアキトが
店に来る途中か、うちの店の中でイヤホンを
片方だけ落とした、ということで
探し出した。

images.jpeg

最初はトイレや自分が座っていた
座席周辺を探していたけれど、
彼のはAppleのAirpodsなので、
iPhoneから「探す」を使い、
その後、音を鳴らそうと駆使していた。

結局、iPhoneの地図上では、
うちの店ではなく、
路上にあるとわかったけれど、
どこを探しても見つからず、
人通りが多い路上で音を鳴らしても
小さな音なので聞こえなかったようだ。

結局、片耳分だけまた買い替えたらしいけれど。

しかし、多くの人は片方だけ失くす、
というよりは、充電ケースに
入れたまま、どこかに置き忘れたり
ということが多いと思う。
かく言う僕も、そのひとり。

その場合は、この「探す」という
音が鳴らないらしい。
もし出て来たら、耳の中で
そのAirPodsが鳴り続ける仕組みだ。

まあ、片方だけでも、そういうシステムが
あるだけ、有難いのだが。。。

昔のヘッドフォーンなら、ほぼ
なくす、落とすなんてことはなかったけれど、
モノが小さくなると、なくしてしまいがち。
気をつけないと。

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2021年11月04日

松田聖子は永遠のアイドルか

今年、松田聖子は40周年を迎え、
アルバム制作、ライブツアー、
そして多くのメディア出演などこなしている。

そんな中、昨日は部屋を片付けながら
radikoのスイッチを入れると
FMで「今日は一日”松田聖子”三昧」という
8時間半に渡る番組を放送していた。


小、中学校、歌謡曲全般はよく聴いていたけれど、
高校に入り、洋楽に傾倒して、
僕はアイドル歌手にはまったく興味を
持てなかった。

ただ、仕事が忙しくなる25歳前後までは
街を歩けば、歌謡曲、ニューミュージックが
そこここでかかり、否応なく80年代J POPは
耳馴染んでしまっていた。

そんな中で、松田聖子の存在は、やはり大きく、
歌の途中で微妙に変化するハイトーンの声質は
新曲が発売されるたびに、さらに磨きがかかった。

そして何よりも僕が感心したのは、
彼女の楽曲の提供者のメンバーの凄さ、
そしてそのメロディを、
他のアイドルには見れれない聖子独自の歌い方で
運んでいく、という素晴らしさだった。

それはヒットシングルのみならず、
アルバムにも大瀧詠一、松任谷由実、
細野晴臣、財津和夫、南佳孝、尾崎亜美など
錚々たるアーティストの
楽曲が並び、80年の彼女の楽曲は
名曲の宝庫だった。

あとにも先にも、僕がアイドル歌手のアルバムを
買ったのは、松田聖子ただ一人だった。

image.jpeg


昨夜の放送は、そんな彼女のシングルヒットだけではなく、
流される多くの楽曲について、中川翔子や、森口博子、
藤井隆、小泉今日子などが細かく語る。

そこには聖子のかなり多くの作詞を担当した
松本隆や、財津和夫、そしてあのザ・ベストテンの
スタッフとして働いていたという秋元康などが
インタビューに答えていた。

後半、サプライズで登場した松田聖子は、
60歳になるとは思えないはつらつとした
受け答えと、これだけ長くトップとして
君臨しているにもかかわらず、
スターらしからぬ謙虚さが素晴らしかった。

最近では声が出なくなった、ライブでは口パクが多い、
などネットで叩かれたりもしている。
しかしながら、美空ひばり、山口百恵、安室奈美恵と並ぶ
日本の4大女性アーティストと言われる中で
確実に永遠のアイドル像を守ってきた
唯一無二の現存している歌手としても、
過去の業績も含めて輝き続けるのだろう。
そう思った。

この番組は、あと6日間ほど
まだ聴くことが出来るようなので
興味がある人は是非。


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2021年09月11日

世代で変化するポップス、J POP

昨日も30代、40代、50代と
かなりバラついたお客さんたちが
来てくれていた。
その間、80年代から比較的新しいモノまでの
ビルボードチャートを流していたのだけれど、
さすがに知ってる、知らないで大きく分かれていく
というのはなかなか面白かった。

80年代と言えば、ビデオはVHSやベータの
まだカセット式テープの時代。
そして音楽は、MTVが始まり、
洋楽は小林克也氏のベスト・ヒットUSA、
J POP(当時はまだ歌謡曲、ニューミュージックと
言っていた頃)は、ザ・ベストテンの時代だ。

ジョージ・マイケルやマドンナが流れると
おお!という人もいれば、
バックストリートボーイズや、
スパイス・ガールズにアガる世代もいる。

ただ、30代は両方とも知らなかったりするし、
50代以上になると、2000年を超えると
もう、わからなかったりもする。

そう。アリアナ・グランデ、
ジャスティン・ビーバーとなると
名前は知ってるけれど、楽曲はわかならいという人も。


邦楽で言うと、中森明菜で大騒ぎする人もいれば、
SPEEDで懐かしい!という人もいる。
それが、ピンク・レディとなると
全世代が知っていたりするから、さすがだ。


僕も洋楽は、比較的70年代から現代までの
ヒット曲は、大体、耳にしているはずだけれど、
邦楽に関しては、新しくなればなるほど、
(と言うか、2000年代以降は)
てんで、わからなかったりする。

特に最近に若い人たちは邦高洋低で、
洋楽も聞かないし、洋画も観ない、
という人たちが圧倒的に多い。

それぞれの時代の思い入れはあるものの、
完璧に時代は大きく変化しているのだなあ、
そう思う。

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2021年08月23日

Home Coming コンサートを観て

日本時間の昨日、朝(ニューヨーク現地時間18時)から
セントラルパークで、コロナ後初の大規模コンサート、
"Home Coming"が開催された。

開催の趣旨としては、コロナのパンデミックから
回復する際に、地元の企業や組織を支援することを
目指す、というライブだったようだ。

出演者の中では、僕の敬愛する
ブルース・スプリングスティーン出場、ということで
僕もCNNで楽しみにして観ていた。

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オープニング、ニューヨーク・フィルが「キャンディード」を
演奏し、アンドレア・ボッチェリ、
サンタナ、マッチボックス・トゥウェンティのロブ・トーマス、
LL.クールJ、そしてアース・ウィンド6ファイア(!!)などのあと、
キラキラのバリー・マニロウが登場。

これが78歳!?というほど、郷ひろみバリのダンスで
「コパカバーナ」を歌い、「哀しみのマンディ」を
歌い出した途端、それまで降っていた雨が
雷と共に土砂降りとなり、
観客は外に移動を促され、ライブは中断。

このCNNの番組のキャスターは、
ゲイでカミングアウトしているアンダーソン・クーパー。
女性キャスターと二人で進行をしているのだが、
とても驚いたのが、二人に焦りや、
動揺した様子はかけらもない。

心配した感じもなく、
もう少し待てば何とかなるでしょうと言いながら、
今までの出演者に対する話などで繋ぐ。
途中、途中で、天気予報のキャスターも入る。
それから約2時間後、中止が決定されたのだが、
本当に凄いと思ったのは、そこに行き着くまで
残念とか、悔やまれるようなネガティブな言葉は
一切なかった。

むしろ、こういう形でも今日、開催されたことは
意義があった、というコメントが並ぶ。

また、スプリングスティーンも含めた残りのキャストが
楽屋裏で、演奏を開始した、という微笑ましい話も
交えながら、こんな突然の事故についても、
こういうふうに乗り越えていくのが
アメリカなんだなあと感心。

ただ、番組の途中、スプリングスティーンと共に
歌う予定だったパティ・スミスが声だけで出演。

「まだコロナが終わったワケではない。
そういう意味では、このイベントに出演することを
とても悩んだ。しかし、それも踏まえて
未来に向かって闘うために、ここに来た。
コロナのみならず、世界中の多くの困難を
祈るためにも、大切なイベントだった」
と語っていたのが印象的だった。

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