タスクさんは、お兄さんがいるけれど、
彼がお母様と同居していたこともあり、
その辺りは、僕とも似ている。
半年経って、1年経って、
そして3年経った今も、
ふとした瞬間に母のことを思うと
店にたまに来てくれるお客さんで
一覧性双生児の人がいる。
とは言っても、彼らは片方ずつ
しか来てくれたことがなく、
2度目に来てくれた時に、前回の話をしたら、
「いや、今日、初めてです」と言い、
「たぶん、前回来たのは、兄です。」と
いうことから、彼らが双子だということが、わかった。
そんな彼らの弟君が今日、久しぶりに来てくれた。
で、今日は兄弟とその各々の恋人と4人で
2丁目に来たけれど、
他の3人は別の場所で飲んでいるので
自分一人で来た、と言っていた。
で、驚いたのは、それぞれの彼氏は
10歳ほど年上なんだけど、
彼らも双子だと言う。
それも、ふた月違いで知り合い、
4人で食事の約束をしたら、
彼らもそうだと言うことがわかったらしい。
各々の両親にもカミングアウト済みで、
6人や8人で旅行までしたことがあるというから、これまた凄い。
双子の男女カップル、というのを
すごく昔にドラマか何かで見聞きしたことはあるけれど、
実際そんな事があるなんて・・・。
本当に人生って不思議だ。
近いうちに4人で遊びに来ますよ、
そう言って帰って行ったけれど、是非、4人揃って
僕をあたふたさせて欲しいもんだ。
今日は深夜の遅い時間に、お客さんと僕の4人で、
霊感の話から、幽霊やら、お化けの話やらで
盛り上がった。
その時、僕が思い出してした僕の兄の話。
うちの兄が高校生の頃、足を怪我した友人の見舞いに
古い病院に、面会時間を過ぎてから行ったと言う。
兄の友人のお母さんが、洗濯を干したままに
して帰ってしまったので、取りに行ってくれ、と言われて
屋上にひとり、上がって行った兄。
タオルやシーツがゆらゆらと揺れている
暗い屋上の中で、何か兄の横側で人の気配がする。
それも何となくシーツなどと共に
揺れている感じがしたのだそうだ。
あまりに怖いので、見ぬふりをしながら、
彼は友人に指定された何本目かのロープから
タオルを取って、いそいそと階段に向かった。
階段を降りる際に、もういいだろうと一瞬、
その人の気配をするほうを見ると・・・
髪の長い女性が宙に浮いている!!!
兄は腰を抜かしそうになりながら、友人の部屋に
「幽霊を見た」と大声をあげたらしい。
友人も看護婦さんも笑ってとりあってくれなかったと言うが、
その後、その姿は幽霊ではなくて、病気を苦にして
首吊りをした自殺死体だったことがわかった。
そんな話でお客さんをすっかり怖がらせてしまった。
それにしても、この話、僕も本当に怖い・・・。
人の気配を感じながら、階段を降りる瞬間に
ちょっとだけ見ようとした兄の気持ちがわかるだけに、
本当に怖かっただろうと思う。
まだ夏にはちょっと早いけれど、
キモダメシな一夜でした。
今日はそれほどのトピックスがないんだけれど、
先週だったか、とっても嬉しいことがあり、
それをここに書いていなかったことを思い出した。
店を開けて2時間ほど経った時に、
古くからの友人でもあり、常連客のタケちゃんから
「これから女性、一人、連れていってもいい?」と電話。
うちは、ことさら女性を断るっていうことはないので
「ゲイ・バーだとわかって来てくれるのなら
もちろん大丈夫だよ。」と答える。
10分ほど経過して、とっても品の良い中年女性を
従えてやって来たタケちゃん。
「これ、うちの姉貴。ほんの20分前にカミングアウトした。」
まあ、うちの母親も初めとして、今まで3人ほど
お客さんのお母さんはいらっしゃったことはあるけれど、
(あ。お父さんも一人・・・)
カミングアウトしたばかりの実姉というパターンは初めて。
「とっても嬉しかった!よく言ってくれたわねえ。」と
僕とそれほど年齢が変わらないタケちゃんの頭をお姉さんは撫でた。
驚いたことに彼女は、タケちゃんに向かって
「ねえ、ねえ。貴方、私に紹介したい人がいるんじゃないの?」
そして、もっと驚くのは、
彼女は若い頃に結婚して、
もう40近い息子もいる、と言うのだ。
と言うことは、少なく見積もっても、還暦に近い。
それにしても、50前後にしか見えない美しさだ。
この小奇麗さ、若さは、こういうことをすんなり、
そしてきちんと受け入れるだけの器が、
そうさせているんだろう。
タケちゃんがお姉さんを連れて来たいという
一番最初のお店に思ってくれたことは、本当に嬉しく思った。
今月には九州に帰ってしまうお姉さんらしいけれど、
また機会を見て、是非、一緒に足を運んでほしいなあ。
そう思った。
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