2021年05月13日

義理の妹からの電話

昨日、古くからの友人のヒサムネから
「ちょっと怖いことがあったんだけど、
電話していいかな」そうLINEが来た。

何、何???と尋ねると、
早速かかってきたヒサムネの声は
3、4年ぶりとは思えないほど
まったく変わらず、とりあえずは
元気そうでホッとした。

「それが、俺の死んだ弟の話なんだけど」
と切り出した。

そう、ヒサムネの弟さんは5、6年前に
まだ40歳という若さで奥さんと子供を残して
亡くなったことは聞いていた。


ついこの前、奥さんから連絡があって、
「突然、弟の友人というのが、
線香を上げさせてもらいたい」と
家にやって来たのだそうだ。

「同じ会社の方ですか?」と聞くと
「いえ、違います。」と言ったっきり、
詳細を話さない。

「それが、こんな事言うのもなんだけど、
ヒサさん(ヒサムネのこと)みたいな
雰囲気の人なの」そう義理の妹は言う。

え?どういう意味かときちんと聞くと、
その彼がゲイなのじゃないか、と。

そう。死んだ弟にも、その奥さんである彼女にも
ヒサムネはカミングアウトしていた。
でも、何故、彼がゲイだと思ったのだろう。


もう5年以上も経っているのに、
突然やってきて、仏壇の前に手を合わせながら、
泣きじゃくり、それで弟の話は何もせずに
帰って行ったのだということだったのだ。

「せっかく来てもらったから、
お茶も出したし、少しは彼の話も
聞きたかったけれど、ただ、ただ
彼の写真を見ながら泣くばかりで」
ということだったらしい。

今さら、亡くなった弟がゲイだったとか、
その彼とどういう関係だったのかを
聞いたところで、彼は戻ってこないことは
よくわかっている。
でも、どうしても気持ち悪い話だったと言う。

ヒサムネは、死んだ弟が
ゲイだと認識したことはないし、
おそらく違うだろう、そう義理の妹に
伝えたのだけれど、なんとも
奇妙でちょっと怖い話だったと話した。

世の中には不思議なことがたくさんある。

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2021年05月11日

祖父と父、そして僕

数日前に、うちの父と母の出会いと、
何故、その父はプロ野球を好んで
観なかったのか、を書いた。

今日も改めて、そんな我が父の話。
彼は母と出会った化粧品会社の営業として
入社する前までは、大学卒業後、
祖父がやっていた海洋サルベージ
という仕事を手伝っていた。

これは海で沈没船を引き上げる、という仕事で
まだ戦後まもなかった当時、
かなり儲かったようだった。

しかし、祖父の女遊びの
激しさがあったからかどうか、
仕事は段々と厳しくなり、会社は倒産。
父は、就職活動をして決まったのが
母も入った化粧品会社だったらしい。

父は京都で暮らした大学時代、
女性にはずいぶんモテたようだった。
僕が言うのもなんだが、
父も母も若い頃は美男美女で
(それで、何故にあなたは?と言わないで。笑)
双方、それなりに良い思いを
したのではないか、と。

ただ、父は母と出会ってからと言うもの、
おそらく女性関係はなかったような気がする。
それには女ぐせが悪い祖父のことがあったのと、
とにかく母を大事にしていたのだろう。

だから、母への嫉妬も強かったようだ。
母がセールスで出る際には
そのほとんどが女性客であることが
わかっていても、とにかく母に
男性を近づけない。

うちに来る御用聞き(こうして書くと
めちゃくちゃ死語。いわゆる訪問販売系)の
人たちにも、絶対に玄関は開けるな、
という父の言葉を母は守り続けていた。

だから、父の死後、年老いた母を
見守りに来る民生委員の男性とかを
うちに入れる、入れないということで
僕と電話で言い争ったこともあった。

そして、父自身、仕事柄、自分の周りに
女性が群がるのも嫌がっていたそうだ。

確かに、父は部下や男友達が多く、
彼らをよくうちに招いており、
その折に、彼らが母を褒めていることを
嬉しそうにしていた。

どうでも良いことではあるけれど、
本当に父は結婚後、母以外の女性と
そのような関係を持たなかったのだろうか。

たまに、父も実は男が好きなのでは?
そう思ったことさえあったくらいだ。

ただ、常に僕たち子供たちと
母を「愛している」と口癖のように
言い続けていたことは嘘ではなかったのだろう。

ゲイとして生きる僕にとって、
父の存在は大きく、憧れではありながらも、
なかなか受け継ぐことが出来ないのが
少しだけ悲しくもある。

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2021年05月07日

父と野球の話

想像通り、緊急事態宣言延長になる、
というニュースが朝刊のトップに躍り出た。

そうだろうことはわかっていたけれど、
目の当たりにすると、やっぱり気が重く、
そんな気力を取り戻すように、
運動をしたり、本を読んだり、映画を観たり、
と同時に、今後の店の展開などを考える日々だ。


このブログも、お客さんとの会話の面白さを
書くことも出来ず、映画の話ばかりするのも
どうかと思い、野暮ながらも自分自身のことや、
考えていることを書き連ねていくしかないかなあ、
段々そんなふうに思ってきた。


昨日、母のことをチラリと書いたけれど、
うちの両親が僕にとって、どういう親で、
どんな家庭だったのか。


うちの母は前の夫との間に二人子供を生んだ。

前の夫は母に激しい暴力を振るう
当時有名なプロ野球の選手であったらしい。

兄に聞くと、大きな池に投げ込まれたり、
太腿でタバコの火を当てたり、それは
酷い状態だったようだ。
そんなこんなで、母は離婚に踏み切った。
まだ戦後10年が経つか経たない当時、
離婚を決意するのは大変だったと思う。

また、二人の子供を育てるのは大変だろうと
弟夫妻が長男を養子として引き取ることになった。


そんな母親の前に、颯爽と現れたのが
3歳年下の父だった。

父は、母が一人で何とか稼ごうと入社した
化粧品会社に入ったばかりの社員で、
二人は東京、祐天寺での社員研修で
出会ったようだ。

父の死後、僕が母を連れて祐天寺に行った時に、
母は「わあ、懐かしい」とつぶやいた。
そして、夜、部屋を抜け出して、
父とデートした時のことを僕に語った。

「お寺から見える満点の星空の下で、
お父さんが話す話は
本当に素敵だったのよ」と。

Unknown-5.jpeg

父は母とすぐに一緒になりたい、と言ったが、
離婚したばかりの母の両親もそうだったが、
子連れのバツイチと結婚しようとする
父の両親は当然のように猛反対だったと言う。

二人は結婚式をあげることはなく、
籍だけ入れて、駆け落ちをし、僕が生まれた。

父は次男である兄にも精一杯の愛情を
与えたけれど、当然、父にとっての
第一子の僕の誕生は
ものすごい喜びようだったようだった。

それは僕のために作った写真のアルバムと
達筆なコメントを見ると、今更
感謝の気持ちしかない。

IMG_5627 2.jpg

僕が少年時代、誰もが「巨人の星」という
漫画に熱狂し、プロ野球中継を
同級生たちもテレビにかじりついて観ていた。

幼い頃、一切プロ野球などに
まったく関心を持たない父を
恨んでいたものだ。

僕は長いこと、母が父の前に
結婚をしたいたことなど
まったく知らなかったのだ。

ただ、二十歳を超えて
兄から母の前夫の話を聞いた時に、
父がプロ野球を見なかった
その理由がやっとわかり、
申し訳なく思ったのだった。

ゲイであることを自覚した今となっては、
僕自身、野球に関心を持たなかったのは、
そんな父のせいではなく、僕自身の問題だと
それも含めて、今さら父には謝りたい。
この歳になって、そんなふうに思う。

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2021年04月25日

驚きの家族制度

今日から、国と都から休業要請が出されて
来月の11日までお休みとなる!
そんな前日。

15時オープンすぐから、
懐かしい人、いつも来てくれる人たちが
残念だねえ、寂しくなるねと顔を見せてくれて
とても嬉しく、有り難く思った。


そんな中で、38歳になった
常連のイイダちゃんと
一緒に来てくれた友人のタカヤが
「マスター、イイダちゃんの家族の話、
聞きました?」と僕に尋ねる。

え?と聞き返すと、面白い、と言うよりも
彼のようなまだ40にも満たない人の
子供の頃(35年ほど前)なのに、
驚くような家族制度を耳にした。


北陸地方で生まれ育ったイイダちゃんは
お父さんのご両親(つまりイイダちゃんの
祖父母)と、彼のご両親とお姉さんの
6人で暮らしていたようだ。

しかし、イイダちゃんも含めたお母さんと
お姉さんの3人(いわゆる当時のおんな、こども
と言われた3人)は、なんと玄関から
家に入ることが出来なかったのだと言う。

いわゆる勝手口から、
御用聞きの人たち(死語?)のように
家に入っていたのだと言う。

だから、玄関から入ることが出来るのは
祖父母とお父さんだけ。

それは食事の摂りかたも同じで、
イイダちゃんとお母さん、お姉さんは
台所で食事をしたけれど、
祖父母とお父さんはテーブルで食べる、
という具合だった。

風呂の順番ももちろん、イイダ家の家訓は
そこここに、厳しいモノがあったらしい。

そんなイイダちゃんが高校に上がる頃、
おじいさん、おばあさんは亡くなってしまった。

それから生活はガラリと変わった。
お父さんと共に、お母さん、イイダちゃん、
すべての人が玄関から入り、
共にテーブルで食事が出来るようになったと言う。


僕の子供の頃の時代でさえ、
そこまでのことは
あまりなかったけれど、
うちの祖父母の家に行くと、
祖父がいないと食事は始まらなかったし、
一番風呂も、必ず祖父からだった。

東京に長く住んでいると、そういう話は
ほとんど耳にしないけれど、
それでもこういう家族制度って
まだまだ蔓延っているのだろうか。


そんな話をしながら、営業時間は過ぎ、
2021年4月最後の営業は終わった。

お客さんたちと少しの間、
会えないのは残念だけれど、
ブログは出来る限り、書くつもり。
ほぼ映画配信の感想や、僕のくだらない日常に
なるかと思いますが、よろしくです。


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2021年04月15日

ゲイカップルの引っ越し

長い友人でもあるタダシが、テレワークになり、
パートナーの彼と一緒に、
神奈川の地方都市に移り住む、
と聞いたのが去年の今頃だったのだろうか。

初夏の間に、あちらで何軒かの
不動産を周り、やっと山側にある
住居を見つけたのだと聞いた。

それから、あれよ、あれよという間に
引っ越しが決まり、それから車を買い、
犬を飼い、年末にはのんびりとした
素敵な生活に変化したようだ。

パートナーも医療関係に所属しているせいで
すんなりと新しい仕事場が見つかったようだ。

驚いたのは、家を探す時に
不動産に「私たちはゲイのパートナーなのですが、
それでも構わない、という大家さんをお願いします。
あとあと揉めるのが嫌なので」
と伝えたと言う。

タダシの性格や伝え方もあったのか、
そんなこんなでどの不動産屋でも
嫌な思いをした、
ということはなかったのだと言う。

また、移り住んで、近所の人たち、
犬の散歩で知り合う人たちも、
何か尋ねられたら、自分たちは
兄弟や友人でもなく、パートナーだと
伝えているのだけれど、ここでも
まったく変な風になったことはないらしい。

地方都市で、特に他の地域から
移り住んだりするだけで、
問題が起きる、ということを
耳にすることもある。

そして、もちろん、そういうことを
いちいち伝えるのは意味がわからない、
という人もいるかも知れない。

しかし、タダシの話を聞くと、
そこはいかに誠意を持って表現するか、
そしてそのカップルが、一般の夫婦や
恋人同士と変わらない、ひとつの家族である、
そういうふうに伝わるか、
ということなんだと思った。

タダシのような気持ちが伝わることによって、
世の中が変わっていけばいいなあ、
そう感じた。

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2021年04月04日

ふたたび親族の仲

一昨日、あまりに仲が良い兄弟の話を
書いたばかりだけれど、
昨日、東海地方に住むセイヤと
久しぶりにメールをやり取りし、
彼の兄弟関係は少し複雑なようだった。

セイヤのご両親が近年亡くなったのだが、
彼のお兄さんもセイヤと同じく独身で、
長年公務員で東京に勤めているらしい。
そういう理由もあり、セイヤは
お父さんの会社を継いでいる。

コロナが蔓延し、ほぼテレワークになって
そのお兄さんが実家に戻ったのだが、
ほぼ三食、セイヤが作るのだそうだ。

料理が好きなセイヤだが、
かなりグルメな兄は
セイヤの作るモノに対して、
何かと意見を言うらしい。

だったら自分で作れよ、と思いながらも
あまり険悪になるのも、と思って
我慢する日々なのだそうだ。

なおかつ、お父さんが亡くなった後、
相続税について、
墓、仏壇、そして永代供養、
資産、そして土地の名義変更、
それはほぼすべて兄がやらずに
セイヤがやってきたのだそうだ。

穏やかなセイヤは文句も言わずに
それらをやってのけていると言うから凄い。

また、後継がいないため、
実家の多々あるモノを少しずつ
終活に向かって整理をしているのだとか。

話を聞いていると、お金に困ることは
なさそうなのが何よりだけれど、
逆に残されたモノはほとんどない僕としては
そのほうが楽だったりするのだ、と
つくづく思った。

本当に、ゲイにも
それぞれの家庭事情がある。

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2021年04月02日

親族の仲

僕と同世代のヤマノイちゃんは、
男ばかり三人兄弟の真ん中。

このブログにもよく書くけれど、
兄弟や家族間で結構問題が多い人も
多い中で、ヤマノイちゃん兄弟は
すこぶる仲が良いとのこと。

つい最近も兄弟で山登りをして、
美味しいモノを食べて、色々語ったとか。

そして、その兄、弟の子供たちも
みんな成人しており、
ヤマノイちゃんの御両親が亡くなった今、
三兄弟、子供たちと共に食事をしたり、
ということもかなり多いらしい。

ただ、ヤマノイちゃんは誰にも
カミングアウトしていない。
結婚だとか、彼女は?という
話もずいぶん前から出てこない、
ということは何となく
わかっているのではとも思うようだ。

そんな中で、一人の甥っ子は、
何か自分と似ているような、
ひょっとしたらゲイではないか、と
思われるふしがところどころにあるとも言う。

二人で食事をしても、
おそらく親(ヤマノイちゃんの兄)よりも
ヤマノイちゃんと話していたほうが楽なのだろう
そう感じたりするらしい。

万が一、彼がストレートだとしても、
自分のことは受け入れてくれるような気がする、と。

近いうちに、食事帰りにでも
連れて来るかも、と言ってくれていて、
写真を見せてくれたのだが、
あまりにヤマノイちゃんに似ていたので
本当に驚いた。

会えるのが、楽しみだ。

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2021年03月30日

亡くした元カレの家族との関係

コロナ禍になって、多くのお客さんに
なかなか来てもらえないのはとても残念だ。

ただ、前なら深夜に残って、個人的な話を
色々聞いていたのが、最近は人が少ない
早い時間に来てくれて、まったりと話す、
というのが日常になっている。


昨夜も一番最初に来てくれたのは
2年ぶりくらいのヒサフミだった。
地方都市に住む彼は、出張もあって
月に一度ほど東京に来るのだが
これくらい空いてしまったのは
初めてなのだと言う。

ヒサフミには、3年前まで
ガンを患っているパートナーがいた。
まだ20代なのに、ガンを宣告されて2年で
亡くなったと言う。

宣告された時に、ヒサフミと一緒にいたい
という彼は、両親に自分がゲイであることを
カミングアウトしたと言う。

その彼のお兄さんも含めて、
家族はしっかりと受け入れ、
その後、ヒサフミはみんなで
その彼氏を看病し、看取ったらしい。

彼が亡くなってからも、彼の家族は
ヒサフミの事を受け入れてくれ、
いまだによく食事をしたりしていると言う。

自分の親にはカミングアウト出来ずにいながら、
元カレの両親と一緒にいるほうが
気が楽だとも。

その御両親は「早く良い人が見つかるといいね」
そう言ってくれるのだそうだ。

まだまだ同性愛嫌悪する人たちは多いけれど、
こういう年配者もしっかりと存在していることを
僕たちは心に留めておかなければならない。

ヒサフミの話を聞いて、そんなふうに思った。

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2021年03月20日

兄弟の確執

昨日、久しぶりに顔を見せてくれた
タクミちゃんが来るやいなや
「昨日、すごく不愉快で
気持ち悪い夢を見たんです。」
そう言った。

それが、実兄と濃厚なセックスを
している、という夢だったらしい。


38歳のタクミちゃんは、その4歳違いの兄と
非常に仲が悪いらしい。
子供の頃からソリが悪く、どうしても
ぶつかってしまい、二十歳を超えてから
ほとんど口を聞かなくなったようだ。

実家を出てから、ほとんど会わなくなり、
盆や正月も、兄も帰省することがいやで
ずらして帰ったりしていたのだそうだ。

しかし、数年前、お父さんが若くして
亡くなった時に、兄の奥さんも含めて
遺産の問題などで揉めそうになり、
タクミちゃんは遺産を放棄したらしい。

残されたお母さんはまだ元気で、
兄夫婦が面倒を見ている。
それでなかなか母親に会いに帰れないのが
今のタクミちゃんの大きな悩みだと言う。


そういうお兄さんとのセックスする夢。
それもものすごく気持ち良くて、
夢の中の兄は優しく、自分も
無我夢中で彼に抱きついていたのだとか。

人はここまで不可解で不思議な夢を
見るものなのだろうか。

ともあれ、「お兄さんとの関係を
考えろという意味なのかも知れないね」
僕はタクミちゃんにそう言ったが
「いやあ、さすがに無理ですよ。
僕が良くても、彼は今さら僕を
受け入れないんじゃないかな」

家族の確執というモノは
そんじょそこらのことでは
解決できないのかも知れない。

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2021年03月18日

同性婚の行方

昨日、同性婚が民法で認められていないのは、
違憲であるかを問うたという
日本で初めての裁判が札幌であった。

全国5箇所で進められていた訴えの中で
この最初の判決が「憲法違反である」
のが、札幌地裁の裁判長の判断だった。

これは長年、同性愛者が異性愛者と
同等の法で守られるべきだ、と
多くの先人の方たちが頑張ってきたその証であり、
第一歩だと思うと、とても感慨深い。


ただ、僕自身がいつも思うのは、
結婚、という儀式、そして制度そのものが
これからの時代、本当に必要なのか、どうか
ということだ。

たびたび国会でも問題になっている夫婦別姓も
そうだけれど、いわゆる事実婚という形であっても
それは結婚と同等の権利は与えられない。

配偶者としての証明ができないことで
超えられないことが山のようにある。

そもそも、家制度から始まった、
この結婚という制度に長く縛られているから
頭を抱える問題も増えてしまうのだ。

愛し合っているから、共にいたいから、
という理由だけでは、何も超えられない。


でも、だからと言って、今の現状から
すぐに結婚制度をなくすことはまず不可能だろう。
結婚に紐ずくすべての規則を軽くすることも
なかなか難しいと思う。

まずは、異性愛者と横並びに出来る法律である
同性婚を受け入れてもらい、
そこから結婚という制度を今一度、
考えるべきじゃないか。
僕はそう思う。

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2021年03月13日

未曾有の事態で大切なこと

ベンちゃんは、四国地方に実家がある
IT系で働く35歳。

実は去年の年末に実家に帰ろうとしたら
彼の母親から「こういう時期だから
今回はやめて。お父さんも持病があるし」と言われ、
帰省は断念した。

孝行息子のベンちゃんは、
毎年、正月、お盆は必ず帰省していて、
去年のお盆、そして今年の正月と
帰らなかったのは、上京して初めてらしい。

正月が終わり、2月に入った頃、母親から
高熱が出て、PCRを受けに行ったら
コロナだったと連絡があった。

「お父さんも受けたけれど、
今のところ、大丈夫だから
私だけ入院をすることになった」と言う。

ベンちゃんのお母さんは70歳。
入院先の病棟では、本当に病院スタッフが
ものすごく良くしてくれるけれど、
自宅に一人残しているお父さんを
毎日心配していると言う。

ベンちゃんは、こういう時に
実家に帰る事ができず
一人東京で悶々と仕事をしていることに
とっても自己嫌悪になるのだと言う。

日々、ベンちゃんは、ご両親とは
それぞれ、携帯のビデオ通話で話をするようだ。

自宅で自炊をしていながら話す父親や
入院先でテレビを見ながら話す母親。

一昨日、お母さんは「震災から10年。
あの時に津波で流された人や、
残されたご家族を思うと、
コロナになっても
こうして、病院で過ごすことが
出来る私は幸せだと思う」
そう言いながら、しゃくりあげて泣き、
ベンちゃんも、もらい泣きしたらしい。

震災に、大型台風、そしてコロナ。
次々に起こる未曾有の事態や
想像していなかったことが、
これからもあるだろう。

それに打ち勝っていくのは、
ベンちゃんやご両親が
こうやって繋がっているように、
人と人との関係や、そこに生まれる
愛情なんだろうなあ。
そんなことを思わずに
いられないベンちゃんの話だった。

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2021年03月07日

とっても不思議、でも魅力的な家族

昨日来てくれたショウゾウ30歳と
トモヒコ 32歳は仲良しの友人同士。

ショウゾウは、1年半ほど前から
ちょこちょこと店に来てくれて
「僕、空気読めなくてすみません」などと
いつも言っている。
さほど気にはならないけれど、
確かに不思議なキャラクターでもある。

変なところで、
おかしななつっこみを入れたり、
いきなり下ネタを言ったりする。

それで怒るお客さんはいないし、
ドン引きするほどでもないので、
特に問題も起きていないので
まったく大丈夫なのだが。


そして、昨日、トモヒコの話を聞いて、
このショウゾウの在り様にほほう、と
思うようなことがあった。

それはトモヒコがショウゾウの実家に
呼ばれた時に、トモヒコのご両親に
とっても驚いたと言うのだ。

70歳前のお父さんと
60歳になるお母さんは共に、
ゲイであるショウゾウも
トモヒコもド〜ンと受け入れていることも
確かにビックリした。

しかし、それに加えて、
食中でも下ネタあり、
普通なら中高生が喜ぶような
ドギツイ話あり、という
度肝を抜くような会話がどんどん飛び交う。

たとえば、トモヒコが
「今日、遠い駅まで必死になって
自転車を漕いで行きました」と発言すると
ショウゾウのお母さんが
「え?大切なアナル、大丈夫?
ちゃ〜んと大事にしなきゃいけないわよ」
と言われると。

それに対して、ショウゾウが
「エロババア、うるさいよ!」と叫ぶ。

こういう部分だけ切り取って話すと
なんと下品でめちゃくちゃな家族か、と
思われるかも知れないけれど、
トモヒコいわく、そこには何とも言えない
愛情が溢れ、家族の絆を強く感じたのだそうだ。

確かにショウゾウ自身、そこにはいなかった
2歳年上のお姉さんも含めて
そんな家族が大好きだと言う。

去年、ショウゾウが少しの間だけ、
一人暮らしをした時に、
そんな家族と離れて、寂しくて泣きながら
友達に長電話をしたことも聞いた。


誰もがひと味もふた味も違う、
色々な人生がそこにある。

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2021年01月28日

パートナーであるということ

先日、このブログにも書いた91歳で
亡くなられたAさんの告別式が親族と
親しい人たちで行われたようだ。

パートナーのMさんは、とても
しっかりされていて、テキパキと
葬儀を取り仕切っていらっしゃったらしい。

50年近いパートナーを失くされて、
悲しく辛かったんだろうと想像していたけれど、
すべてをやり切ったというある種の
清々しささえ感じていたのではないかとのこと。

Aさんは、それなりに名前がある方だったので、
各メディアの訃報欄掲載も、Mさん御自身が
そのまま記事に使用できるようにまとめたモノを
送られたようで、とてもしっかりされていたとも聞いた。

素晴らしいのは、おふた方とも
残されているご親族がその関係を
きちんと受け入れられているということだ。


そんなMさんにお悔やみのメールを
お送りしたら、すぐに返事をいただいた。

そこには「僕たちの48年は本当に早かった。
今年、49年目、あと1年で50年目とは
思っていましたが、去年在宅酸素を設置してから
本人も病人だと認識したようで、
目に見えて体力が落ちていきました。」
とあった。

それでも日曜日ごとに、車椅子で近所まで出かけて、
途中は歩くという事を続けられたらしいけれど、
歩く距離はどんどん短くなったらしい。
それでも、今まで近いのに、まったく
歩くことがなかった街並みを散策することに関心を持たれ、
地図まで買い込んで楽しまれていたようだ。

暮れの12月には、体調を崩されていても、
洗濯や、食事の後片付けも一緒にされていたようで、
いつもは人を集めるお正月は
「なんだか新婚のようだ」と、
お節をつままれていたらしい。

その2日後、倒れられ、
2週間で逝かれたようだけれど、
Mさんは仕事を休み、自宅で看護し、
最後の晩まで添い寝でき、
自宅で看取ることが出来たことを
幸福に感じられているようだった。


同性婚など、ままならないこの日本で
お二人のようにこういう形でお別れが
出来たのは本当に幸せなのかも知れない。
パートナーであるということは、
ストレートであれ、同性愛者であれ、
ごくごく自然なことなのだ。

こういう話を聞くと、あとに続く我々は
きちんと学んで、生活に、そして世の中に
生かしていかなければならないなあ、
そう思う。

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2020年08月23日

ゲイが子供を持つということ

このブログにも何度か書いたけれど、
最近は日本でも、ゲイやレズビアンで
子供を育てているカップルが
少しずつ出てきているという話を
耳にするようになった。

最近、よく来てくれるケイジと、
たまたまそんな話をしていた。
僕がずっと子供が欲しかったと伝えると
彼はそんなことを思ったことはないと言う。
しかし、彼自身、かつて子供を育てる
という流れになりそうになったことがある、と
ひとつの出来事を話してくれた。

ケイジが昔、つきあった相手が
子供好きで、二人で子供を育てたい、
よくそう言っていたと言う。
そんな夢物語のような話を
ケイジは特に真剣にも聞いていなかった。

しかし、その彼氏とケイジの妹と3人で
飲んだことがあった。

ケイジの妹は、なんとレズビアン。
彼女はその元彼の前で、突然
「私はたぶん結婚はしないけれど、
子供を産みたい」そう言ったらしい。

そこから、ケイジの元彼と妹は
人工授精の話で大いに盛り上がっていく。
当のケイジは、子供なんて出来てしまったら、
その元彼が自分よりも子供のほうに
興味がいくのでは、と気が気でない。

結局、その話は立ち消えとなり、
その後、ケイジとその彼も別れた。

しかし、もしその彼と妹の間に
子供が出来ていたら、別れることも
なかったのかも知れない、
人生って不思議なモノだ、
ケイジはそう言った。

同性愛者同士の兄弟(兄妹も含めて)は、
今まで何人も見聞きしてきたけれど、
さすがにケイジのような話は
耳にしたことはなかった。

諸外国では、意外と普通に
ありうる出来事なのかも知れない。

同性愛者が子供を持つことを
単なるわがままだ、という人は多い。

しかし、望まれて生まれてくる子供たちは
おそらく深い愛情に包まれて
幸せなのではないか、そう思うのも、
僕の身勝手な考え方なのだろうか。

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2020年08月18日

亡き父と姿なき息子と

ボディビルダー(とは言っても、もちろん
ちゃんとメインの仕事がある)
マサムネちゃんが、半年ぶりに来てくれた。
「お!!身体、また大きくなったね」と言ったら、
「いやあ、7キロくらい太っちゃったんです。
トレーニングも3ヶ月ほどしていなくて」と。

これくらい大きくなると、筋肉なのか、
贅肉なのか、ちょっとわかりづらい。
僕から言わせると、太ることが
出来る人は羨ましい(笑)


そんなマサムネちゃんと色々話していると、
父子家庭だった彼は、お父さんから
とっても大切に育てられたらしいが、
そのお父さんも一昨年、
お亡くなりになった。

若い頃、水泳のコーチをしていた彼は、
子供たちに教えながら、
ああ、自分も結婚していたら、
これくらいのコがいるんだろうなあ、
そう思っていた。

自分に子供がいたら、お父さんも
とても喜んだのに、と思うと
辛くもなり、残念にも思うらしい。

そして、近年、うちの店に来る
25歳前後のコたちを見て、
「あの時、自分が教えていたコたちが、
今はこれくらいに
なっているんだなあ」
そんなふうに思うと、愛おしさが募ると。

その愛おしさが、恋愛や性的なモノなのか、
それとも、単に子供を作ることが
出来なかった悔恨なのか、
よくわからなくなったりするとのこと。

そういう気持ちをふりきるために、
またボディビルを頑張っていかなければ、
そんなふうに呟いていたマサムネちゃんだった。

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2020年06月25日

旧友からの連絡

一昨日、旧友から少し長文のメールが
届いた。85歳になられる彼のお母様が
突然逝去されたという連絡だった。

彼とは、僕が30代の頃にバーで知り合った
友人で、知り合ってまもなく、もう一人の
友人と彼の自宅で飲んだことがあった。
結局、彼のうちに泊めてもらい、
翌朝、お母様に朝食を作ってもらった。

彼のお母様にお会いしたのは
後にも先にも、その一回だけだった。
朗らかで優しく、ああ、東京で
生まれた友人は、こういう環境で
過ごしてきたんだなあと、
不思議な感慨深さを
感じたことをよく覚えている。

出会った直後、旧友は
勤めていた会社を辞め、
お父様のやっている稼業を継ぐことになった。

仕事の上でもぶつかり続けた
お父様が4年前に亡くなって、
その後、お姉様も難病になり
亡くなられたことも、店に来てくれた時に
ゆっくりと話してくれた。

次々と亡くなった家族のことは
彼と共に、お母様もずいぶん
気落ちされていたようだが、
ここ1年ほどで落ち着いてきた、
そう言っていた。

コロナのこの時期、
ちょうどふた月前に電話で元気かと聞いた時には
「僕が感染をして、母には
移したくないので、本当に外に出ていない。
買い物すら、ネット通販なんだよ。
でも、母も僕もとても元気」
そう言っていた。

しかし、今回の彼のメールには、
「その日もいつもと同じように
僕と一緒に朝食と昼食を食べ、
『美味しいわ』と僕を喜ばせるようにしていた。
食後はいつも少し昼寝をするので、
彼女の部屋へ連れて行き、3時のお茶で
呼びに行くと、すやすやと寝ており、
起こそうとしても無理で、
結果、くも膜下でだった」とあった。

僕らくらいの年齢になると、
両親や近い人たちの死に
いやでも向き合わなければならない。

うちの父や食道癌で残された命も
耳にしていたし、母の場合は
介護施設で、少しずつ体調の変化も
見て取れた。
心の準備は出来ていたけれど、
その悲しみは大きかった。

そう考えると、今の彼の気持ちは
大変大きなモノだと思う。
そしてこの時期、あまりきちんとした
葬儀も出来なかったことを思うと
これもまた無念だっただろう。

この場を借りて、お悔やみを申し上げます。

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2020年06月21日

トラウマからの脱却

セイヤちゃんは、仕事男。

とっても若い頃から、恋愛や
趣味など脇目もふらず、
とにかく自分が伸びること、
そして評価を受けることを目指して
一心不乱にやってきた。

ただ、最近は、それで果たして良かったのか。
これからは、もう少し自分のプライベートな
時間を楽しむことのほうが必要なのでは、
そんなふうに思うとのこと。

そんなセイヤちゃんのお酒を
いただきながら土曜日の深夜、深く
(ホント、うちの店、遅い時間がダメ。。。)
ゆっくりと彼の話を聞いた。


絶対に誰にも文句を言わせないほど
完璧に仕事をこなしてきたセイヤちゃん。
彼の話を聞くと、
俺は仕事もプライベートも
抜け抜けだったよなあ、と
頭をかいていた僕とは偉い違い。

しかし、よくよく聞いてみると、
そこにはもう自分の頭から
切り離してしまいたい、
彼のお父さんへの思いがあったようだ。

ほとんど愛されたという
覚えがないだけでなく、
子供の頃の激しい虐待。

僕にとっては映画の中の出来事のようだ。

憎悪、嫌悪、不快感、苦悩・・・
そんなモノを超えてセイヤちゃんは
ただ、ただ、そういうトラウマを超えて、
父を切り離していかなければ、
そう思うようになったと言う。

店で色々な話を聞くと、ご家族との
関係がなかなかうまく行かず、
本当に辛い青春時代を送った
ということをよく耳にする。

幸せなことに愛に育まれたと思う僕には
それを赦す、などという権利はない。
もちろん、それぞれ辛い思いをした
人たちがそれをいかに浄化していくか、
ということなのだろう。

セイヤちゃんが、そこから一歩
踏み出し、自分を見つめ直そうとしている姿に
ただ、ただ胸を打たれ、
店を出る頃には朝日が登っていた。

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2020年06月09日

家族それぞれの苦しみ

一昨日、北朝鮮に拉致された
横田めぐみさんのお父さんの
横田滋さんが亡くなられた。

めぐみさんが13歳で連れ拐われて43年。
その時、お父さんは45歳だったのだそうだ。

それなりに高齢になられていたとは言え、
共に頑張ってこられた奥様の早紀江さんや
息子さんたちは、どれほど辛いことだっただろう
と思うと、本当に切なくなる。


今回のことから、ひとつ、思い出したことがあった。
僕が店をやる数年前に、友人の家で
ホームパーティがあり、招かれたことがあった。

そこで見ず知らずの人が何人かいて、
その中で地方都市から来ているカップルがいた。

そのカップルの一人のお姉さんが
ちょうどめぐみさんが拉致された頃に
彼の住む土地の海辺に散歩に行ってから
帰って来なくなったという話を聞いたのだった。

めぐみさんなどと同様、彼の家族は
捜索願いを出したが、数ヶ月後
たぶん溺れたのだろうと思っていたら
数年後に拉致の話に繋がったようだった。

その彼は、ちょうどその前後に
両親にカミングアウトし、
それが問題で、家を出たのだそうだ。

ニュースで拉致事件のことが明るみになり、
小泉政権下で、拉致された方々が帰国された。
いてもたってもいられない彼は
家族に連絡をとったが、彼の兄は
帰ってこなくて良い、
そう言ったらしい。

片や、お姉さんはとにかく帰国するべく
親族が大きく動いており、
片や、彼はもう帰って来なくて良い、
そう言われる複雑さ。

まったく違う理由であれ、家族にとって
二人の子供が家から離れてしまったことで
さらに辛くなっているのかも知れない。

僕は、その時、一度しか会っていないけれど、
彼がその後、どうなっているのか。
また、今回の横田滋さんがお亡くなりになって
何を感じているのだろう。

コロナウィルスに伴うあらゆる問題、
それ以外にも問題になっている多くの政治的案件、
すべて、苛立つことだらけだけれど、
少しでも早く解決に近づくようにならなければ。
そんなことを思ったここ数日だった。

横田滋さん、心からご冥福をお祈りします。

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2020年03月31日

ひとりで暮らす、ということ

昨日、友人を連れて
久しぶりに来てくれたタケル、30歳。
先月から新しい仕事場に移ったようで
ちょっと落ち着いた感じだった。

しかし、それと同時に一緒に住んでいた
家族が他県に移動したため、
3日前から一人で暮らし始めたと言う。

タケルは一人暮らしになる、というのは
初めてで、夜、仕事から帰宅して
一緒に来た友人に電話。
話しながら「寂しい」と
泣き始めたのだそうだ。

笑ってはいけないけれど、可愛いなあ
そう思った。

かく言う僕は、中学を卒業してから、
親と離れて、高校の寮生活を送った。
その後、大学に入った東京では、
厳しかった寮生活から逃れて、
ウキウキと一人の生活を楽しんだ。

狭い部屋でも初めての生活。
誰にも邪魔されず、小さな城だった。

だから、一人が寂しい、という気持ちに
ほとんどなったことがなかった。

それから人と過ごすことなど
考えたことはなかったけれど、
30代後半から図らずも、
同居することになった。

ただ、タケルに限らず、
昨今のコロナウィルスの問題などで
ストレスが大きく、それも影響して
寂しさがつのる、ということも
きっとあるのかも知れない。

あなたは寂しがり屋?
それとも一人でいたい派だろうか。

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2020年03月12日

カミングアウトの理由

昨日、看板を見て、初めて来てくれた
という珍しい友人同士の二人、
ムラキ君とセイゴ君。

37歳で同い年という二人は
9年前に2丁目のバーで知り合い、
帰りに一緒に帰ることになった。

と言うのが、まだ東京に来たばかりの
ムラキ君が当時世話になっていた
友人のアパートの隣りに
セイゴ君のアパートがあった、
というサプライズ。
それから二人はグ〜ンと
仲良くなったらしい。

セイゴ君が、ムラキ君の地方都市の
実家に行ったのが2年前。
もちろん、その頃はご両親も
二人がゲイだとは知らなかったけれど、
非常に素敵な歓待を受けたとのこと。

その頃は?と尋ねると
「そうなんです。ワケあって
数ヶ月前にカミングアウトしました。」
とムラキ君。

その理由は、彼のお母さんの妹さんの旦那さん
(つまりムラキ君の叔父さん)が、
地方都市の議員をやっていて、
その都市がパートナーシップ法を取り入れ、
彼が担当をすることになったらしい。

なおかつそれを前後して、
ムラキ君が「同性婚が決まればいいな」という
ツイートがリツイートなどで拡散。

どこで叔父さんと繋がり、
それがいつ両親の耳に入るか、ということから
カミングアウトを決意。

ほぼ僕と同世代というご両親は
特に驚くこともなく、
あ、そうなの?頑張りなさい、
という感触だったとのこと。

七転八倒したムラキ君は
とりあえずホッとしましたと笑っていた。

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