ほとんどゲイバーに行ったことがなく、
このブログを見つけて来てくれた。
座るやいなや、「あまりお金がないので、
一杯だけしか飲めなくてすみません」
とウーロンハイを頼んでくれた。
ここまで気を使ってくれる若い人は
とても珍しく、好感を待った。
モトキ君はとある小さな会社で職人を
やっていて、地味ながらも自分の
スタイルでモノを作っていく作業服は
とても楽しいと言う。
しかし、数ヶ月前に、地方都市に住む
ご両親が、何らかの詐欺にあったようで、
かなりの借金を背負わされたらしい。
一緒に住む妹が、父親からモトキ君には
絶対言うなと言われたようだ。
ただ、結果的にどうしようもなく
彼女から連絡が入ったと言う。
それからモトキ君は、本職とは別に
宅配と居酒屋でアルバイトをして、
毎月送金するようになった。
よほどネットで見つけた売り専でも
しようかと思ったらしい。
ただ、好きな人やタイプの人でないと、
興奮出来ない自分がわかっているので、
向いていないと納得したと言う。
ただ救いは昼間やっている本職が、
なかなか先輩は厳しいけれど、
かなりやり甲斐があること。
ふと、大好きなジョニ・ミッチェルの
「青春の光と影」のタイトルが
頭をよぎったけれど、むしろ
まだまだ何でも出来る、という
輝きが、ネガティブな部分を
消し去っているんだな、そう感じた。
ふた月に一度くらい少しだけ時間が
取れるので、また色々報告をしに
来ます、と帰りがけの笑顔が
なんとも眩しかった。
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