カミール君、24歳はイラン人のお父さんと
日本人のお母さんに間に生まれ、
イランに8年、アメリカに4年、あとは
イランに8年、アメリカに4年、あとは
日本で暮らしていたらしい。
彼のお父さんは、1990年代後半に、
日本に移民としてやって来て、
お母さんと出会い、結婚したそうだ。
確かにその時期、都内の至る所で
イランの人たちの姿を見た覚えがある。
カミール君は、そういった
彼らの中の一人の息子だった。
カミール君はゲイであり、アメリカで
知り合った日本人とのハーフの恋人と
日本でこの3年付き合っている。
イランで過ごしていた中学、高校時代、
教えられる内容はほとんど日本と変わらなかった。
ただ、そういう中で、コーランや
イスラムに関しての徹底的な授業と
イスラムに関しての徹底的な授業と
その裏で行われている同性愛者や女性への
差別に関して、いたるところで耳にしていたらしい。
カミール君の父親が、なんとなく彼自身、
男性に興味を持っていると感じたのか
「イランでは、同性愛は死刑になる、キスや抱擁を
しただけで、何十回もの鞭打ちがある」
と、心配をして、絶対男に手を出すな、
何度もそう言われ続けたと言う。
しかし、子供の頃から男性にしか性的興味を
持てなかったカミール君は、
その後アメリカの大学に
入学し、同性愛が決して異常では
ないことを初めて知ったのだと言う。
それがほんの6年前のことだった。
カミール君は日本の同性愛についても
かなり勉強をしていて、日本のゲイは
昔「鶏姦」(けいかん)と言われていたこと
知っていましたか?と言う。
明治初期には、日本でも9年ほど
違法であったこともよく調べていた。
ただ、その当時は、肛門性交に関してのみ
厳しく罰せられたらしいけれど、
今のイランよりはずっとましだったと。
多くの外国人の人が店に来てくれるたびに
ゲイに対しての各国の違いを耳にするけれど、
改めてイランの現状をきちんと
当人から聞いたことは初めてだった。
世界の中で、同性同士が愛情を持ったり、
セックスをしたりすることは、まだまだ
オープンなことではないのだ、
改めて自分たちが持てる自由を強く感じた。
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