よく来てくれているミツハル 50歳が
前回の連休で地方都市にある実家に
帰ったそうだ。
前回の連休で地方都市にある実家に
帰ったそうだ。
そこで自分が都内でも入っているジムに
行ってみた。
行ってみた。
実家から電車を乗り継いで30分くらい
ある、ということで、今回が初めてだった。
休みの日の夕方とあって、そこまで
混んではいなかったけれど、
割腹が良く、自分より少し年上だろう
男性と目が合う。
混んではいなかったけれど、
割腹が良く、自分より少し年上だろう
男性と目が合う。
ミツハルはどちらかと言うと締まった
筋肉質の歳下が好きなので、特にそれ以上
目で追うこともなく、トレーニングを
していた。
筋肉質の歳下が好きなので、特にそれ以上
目で追うこともなく、トレーニングを
していた。
しかし、なんだかんだとそばに寄ると
その彼がちょっと覗き込むような顔を
して、ちらちらと見る。
その彼がちょっと覗き込むような顔を
して、ちらちらと見る。
なんか嫌だなあと思いながら、
その彼の目をしっかりと見て
その彼の目をしっかりと見て
拒否感を示そうとした時に
「やっぱり、そうだ。ミツハルだろ?」と
「やっぱり、そうだ。ミツハルだろ?」と
彼が言葉を発した。
最初、まったくわからなかったが、
なんと、小学校5年、6年と
なんと、小学校5年、6年と
同級生の一人だった。
40年近くぶりだったけれど、
カツヤという名前もよく覚えている。
「おお!お前、ここのジムに入ってるの?」
そう聞かれ、「いや、東京で暮らしていて、
今、里帰りなんだ」そう言うと、
「おお!そうか、そうか。
どおりでまったく見ないと思った。
って言っても、俺もこの腹だし、
嫁から逃げるために、月に二度くらいだけど」
と笑いながら
「よし、飲みに行こう!」と元気がいい。
誘われるままに、カツヤの常連の居酒屋に
彼の車で行く。帰りは代行を頼むから
大丈夫!と笑うカツヤは、よくよく見ると
子供の頃と変わっていなかった。
ただ、どう見ても東京にはいない
いい歳の髪の毛もうっすらと禿げた親父だ。
飲みながら「お前、嫁さんは?子供は?」と
「仕事は何してる」と矢継ぎ早に聞いてくる。
仕事のことはともかく、友人にも会社の
女性一人しかカミングアウトしたことない
ミツハルは「いや、独り身だよ」と誤魔化す。
「東京ならいい女、いっぱいいるだろう。
お前、モテそうだからなあ、
一生遊んで暮らす気か?」などと
ズケズケ入ってくるけれど、
彼は彼で数年前にガンを患い、
そのことでちょっと奥さんと
うまく行っていない、そう語った。
そう言う流れで、一瞬、ミツハルも
カミングアウトしようかとも思ったけれど、
もう何十年も会っていなくて、これからも
どれくらい会うかもわからないから
今回はやめておいた。
最近、男と別れたばかりだったということもあった。
ただ、次に新しい男でも出来たら、
こいつには話せるかも知れない。
ミツハルは初めてそう思ったそうだ。
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