昨夜来てくれたショウヘイ君。
子供の頃、大変な読書好きだったらしい。
彼が中学生くらいの頃に読んだ本で
非常に心惹かれたモノがあったという。
時代はまったくわからないけれど、
とあるヨーロッパの国の監獄が舞台だそうだ。
一人の男がそこに収監された。
そこでは、ありとあらゆる国から囚人がおり、
それぞれが自国の言葉で
話をしているのだそうだ。
色々な言語が飛び交い、少しずつ
男は他国の言語も理解するようになる。
そこで会った一人の男の話は非常に面白く、
機知に富んでいたという。
主人公は、その魅力的な男と、
いつかお互いに出獄したら、
彼が住む国で、会おうと約束したらしい。
その男が先に出所、その何年かあと、
主人公も監獄から出て、彼から聞いた
国へと向かう。
ただ、どこを探しても、
その国らしき場所はなく、
色々探しても、あの男が
話していた言語すらなかった、
という物語だったそうだ。
ショウヘイ君は、そんな古典文学って
聞いたことはないですか?と聞かれ、
僕や他のお客さんはまったく
耳にしたことはない、そう答えた。
彼はどうネットを駆使しても、
その話には行き当たらないと言う。
ひょっとして、自分の妄想や思い込みで
その話を頭の中で作り上げたのかも、と
笑っていた。
どなたか、そんな小説を読んだことが
あるだろうか。
ひょっとして、とても有名な文学だったりして。
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