今日ここで紹介する映画は、
タイトルで十分に想像できるモノだけど、
観ようと思っている方は、
ほぼネタバレに近くなるので
注意してください。
10年近く前に公開された映画
「フルートベール駅で」は、
サンフランシスコの小さな駅で
警官に射殺されたアフリカ系青年の映画だった。
今回の映画「キリング・オブ・
ケネス・チェンバレン」もそれと同様、
白人の警察官に殺された
一人のアフリカ系老人の話だ。
そしてなんと言っても両方が
実話の映画化というのが凄い。
双極性障害を患っている主人公ケネスが、
朝の5時半前後に、医療用の通報装置に
寝ぼけて手をかけてしまう。
「何かありましたか?」という問いかけに
ケネスは寝てしまって応えなかったせいで、
警察官3人が安否を確認しに来る。
映画は、ほぼ全編実際に通報装置を通じて
録音された音声を元に、ほぼ忠実に
再現されている。
警察3人が、とにかくドアだけ
開けてくれ、という言葉に
恐怖を感じるケネスは
「まったく問題ない、大丈夫だから
帰ってくれ」と懇願するけれど、
彼らは任務だから、と決して帰ろうとはしない。
3人の中で、最も年長で指揮をとる
白人の一人は、冷静沈着だが、
こと警察官というのは、どいあるべきか
とプライドを持っている男だ。
若い一人はすぐ頭に血がのぼり、
何かと騒ぎ出し、何をするか
わからない恐怖さえある。
新人らしきもう一人は、
常に老人の気持ちに寄り添おうとするが、
気の弱さや権力への恐怖心から
自分自身を押さえ込む。
どうしようもなくなった警察は
さらに複数の人間が加わり、
さらにケネスを精神的に追い込んでいく。
彼が殺されるまでのほぼ1時間半、
カメラは、そのやりとりを
かなりリアルに描き出していく。
まるでドキュメンタリーを、
観ている感覚は、観客である我々も
どんどん辛くなっていく。
昨夜、この映画の話をしたら、
「現実は辛く厳しいことが多いのに、
映画くらいは、ハッピーなモノを
観たい」そう言ったお客さんもいた。
確かに、そういう気持ちもよくわかる。
ハッピーとは言わなくても、
死ぬ、とわかっているところに
直撃していく映画は本当に辛い。
ただ、自分自身の心の中にどこかに
潜むちょっとした差別意識や、
上から目線のようなモノが
こういう作品を観ることによって
気が付かされることも多い。
少なくとも、権力に属していることで
良しとされる暴力(それは言葉も含めて)の
恐怖ということを改めて
考えさせられた一作だった。
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