2023年02月24日

お勧め映画「逆転のトライアングル」

リューベン・オストルンドっていう
スウェーデンの映画監督がいる。

この人は「フレンチアルプスで起きたこと」
そして2作目「ザ・スクエア 思いやりの聖域」
の2本で、不可思議で残酷だけれど、
先がまったく読めないサプライズの中で
独特な風刺を、とくと見せてくれた。

上のような流れに、スウェーデン映画?と聞くと、
なんだか小難しそうな感じがするけれど、
基本的には、ブラックなエンターテインメントとした
作りになっているから大丈夫。

ただ、かなり過激、下品、下劣という
ある意味、ダメな人はまったくダメかも。
でも、僕は大のお気に入りの監督なのだ。


前置きが長くなっちゃったけれど、
今回も、この「逆転のトライアングル」
(原題は"Triangle of Sadness"
美容業界での眉間の皺を刺すらしい)という
これまた異様な世界観を持ちながら、
楽しませ、そしてじっくりと
個々の人生について、考えさせてくれる。

triangle_of_sadness_ver2.jpg


映画は、男性ファッションモデルを男性カールが、
ファッションショーの観客席で
著名人が来たために、良い座席を
外されてしまうシーンから始まる。

そんな彼が、インフルエンサーとして
稼いでいる彼女ヤヤと、リッチな夕食の
支払いを払う、払わないで揉める。

そう。彼はどこかで自分は一流の
仲間入りをしているような気分でいながら、
日常の中では、金を持っているほうが払うという
ケチくささも露呈する。

人からすると、ちっぽけでくだらない
とされるこの喧嘩は映画始まってすぐに
さらりと描かれるけれど、
この二人の関係が、
映画の後半、どうなるかが見ものだ。


ありとあらゆる富裕層が
乗っている豪華客船の旅に便乗するこの二人。
もちろん、そこにはお客様は神様!とする
スタッフたちが、自分たちもいつかは
そんな金持ちに!と言わんばかりに、てきぱきと動き、
その階下で働く有色人種の裏方に指令を送る。

それぞれの立場や感情がうごめくさまは、
少し長いながらも飽きさせないけれど、
このあと、大きな事件に寄って
すべての境遇が変化していく。

まさに現在、問題になっている格差社会の分断を
こういう形で描いているのが、僕にとって
とても魅力的だった。
まだ2月と今年も始まって2ヶ月だけれど、
早くもベストテン候補の1本だ。

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posted by みつあき at 19:01| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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