今年でなんと30回になるという
レインボーリール東京、いわゆる
レズビアン&ゲイ映画祭が行われている。
いつも「これは!」と思う映画が
土曜日の夜に上映となり、仕事で
観られなくなってしまうのだ。
今年、週末の夜に選ばれていたのが
「大いなる自由」という
オーストリア、ドイツ合作映画。
日曜日の午前に、あと一回だけあり
友人が「本当に凄い!!!
一般公開しないかも知れないし、
とにかく観るチャンスがないので
絶対、行ってほしい」と連絡があったので
朝まで営業したその日、3時間半睡眠で
スパイラルホールに向かった。
映画は1968年、ハンスという男が
公衆トイレでのハッテンから
同性愛者をとりしまるあ刑法175条違反として
投獄させられるところから始まる。
彼の投獄はこれが初めてではなく、
45年にナチスの強制収容所、
そして57年にも公然猥褻で
捕まっていた、という過去がある。
捕まっていた、という過去がある。
映画はこの3つの時代を行きつ戻りつし、
辛くも、救いがない、そしてあまりにも切ない
時間を見せていく。
ハンスが愛を誓った男、
そして同性愛嫌悪の同室の男の心の中を
見せながら、非情な時代が描かれる。
ある意味、「蜘蛛女のキス」を彷彿と
させたりもするけれど、あの映画は
ファンタジーに溢れ、この映画は
とことんリアリズムで責めてくる。
後半、自由にセックスや
恋愛するゲイの姿を目にしながら、
本当の自由というのは、一体何なのか、
彼が自由を得る日が来るのか、
というのが描かれる。
近年にはなかなか観られなかった
ゲイ映画の傑作だと思う。
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