ここに何度か書いているけれど、
僕はロック歌手、ブルース・スプリングスティーンの大ファンだ。
貴方が尊敬をする人は?と尋ねられると、
死んだ父親と共に並ぶのが
スプリングスティーンと答えるなんて
信じられない人もいるだろう。
基本的にさほどミーハーではないと思っているし、
何事にもあまり大騒ぎしたりしないけれど、
彼だけは別なのだ。
ロック歌手ということのみならず、
彼の歌詞の中に込められた思いや、
あらゆる声明文、そしてその行動力などが、
何十年も僕を奮い立たせてきた。
そんな彼が1979年にニューヨークで参加した
NO NUKES 脱原発のコンサートのライブ映像が
完全版として数日前に発売された。
休みの昨日は、ビールを飲みながら、
しっかり、じっくりと観させてもらった。
30代になったばかりのブルースは
とてつもなく切れが良い動きと、
ともすれば人に寄っては、うざいと
思われるほどの雄叫びで観客を動かす。
それにしても、まるでスポーツ選手のような
一挙手一投足が本当にかっこいい。
かっこいいだけではなく、
その歌詞を伝えようと歌う彼の熱に
いつものように泣けてくる。
僕は18歳の頃、まだ彼が2枚目のアルバムを出す
あたりに大ファンになったのだが、
それは僕がゲイだからなのか、どうかわからない。
ただ、その頃も、アルバムを聴いては、
ただ、ただ泣けたのだ。
昨夜観ていても、彼はすこぶるチャーミングであり、
ある意味、セクシーだとも思う。
しかし、その後"Born in the USA"のアルバムを出して、
大きく筋肉を付けたブルースを含めて、
性的に惹かれたということはほぼなかった(と思う)。
ただ、当時僕がブルースを好きだと言うと、
マッチョだから?と言う人ばかりだった。
汗臭い、むさい、というある意味、
ゲイにもモテる部分はあったのだろうけれど、
そういう部分も含めて、ゲイで
ブルースを好きだという人は極めて少なかった。
多くのゲイの友達は女性歌手やグループを追いかけていた。
それにしても、僕がここまで心酔してしまうことは
10代の頃にはまったく気がつかなかったが、
今、改めて古い映像、そして新たな活も含め、
我ながら、先見の明があったのだと思ったりする(笑)
マイノリティの中のマイノリティ。
それでも、ずっと彼を追い続けていこう、
それでも、ずっと彼を追い続けていこう、
ビールのあとのウィスキーを傾けながら
休みの日の深夜、僕はそうほくそ笑んだ。
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