昨夜、店は六尺デー。
かなり賑わっているという話を耳にしながら、
僕はうちで選挙特番を見ながら、
色々思うところもあった。
コロナに寄って、政治不信を思った人や
さらに今後の政治に期待を抱く人、
それぞれなのだと実感しながらも、
次々と出てくる結果に一喜一憂した。
結果が出揃った0時過ぎから
気持ちを切り替えるために
アル・パチーノ主演で、70年代後半の
ゲイシーンを描いた映画「クルージング」を
リアルタイム以来、久しぶりにDVDで再見した。
この映画、ゲイの殺人鬼、そして
作品内で描かれる差別的描写などが
長い間、問題となっていた。
監督はそれこそ、ゲイ・ムービー「真夜中のパーティ」を撮り、
オスカー受賞作「フレンチ・コネクション」
そして「エクソシスト」が大ヒットした
ウィリアム・フリードキンだ。
時代はエイズが流行る直前。
NYで次々と起こるゲイ男性の殺人事件。
その囮捜査に選ばれたのがアル・パチーノ扮する
スティーヴ。
彼の役をフリードキンは、当初
リチャード・ギアを考えていたけれど、
パチーノの熱烈な要望から彼に決まったらしい。
それでも、この微妙な役柄に、
劇中のスティーヴ同様、
パチーノはとても悩んだという逸話もある。
映画が凄いのは、なるほど、40年以上も前の
ゲイバーもこれほどだったのだ、と
その性描写はリアル。
ジーンズにレザージャケットや、
ハーネス、そしてブーツを履いた男たちは
ビールを片手にくんずほぐれつしている。
おそらく当時のストレートの人たちは
この映画を観て、かなり複雑な気持ちになっただろう。
僕自身も映画館で、四方八方を気にしていた
という覚えがある。
増して、殺人鬼とのSMに近い描写や、
かなり問題になったと言う
パチーノが囮捜査している最中に
捉えられた男と共に、
署内でケツ割れサポーター一丁の
マッチョ黒人男性に平手打ちをくわされるシーンなど
かなりディープだ。
今、見ながら、とても出来が良いとは
思えない作品ながら、ゲイの本質が
決してそのままとは言わないまでも
それなりに詳細に描かれている、
そう感じさせられる一作で
改めて観てみて、良かった、そう思った。
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