ヤスハルはご両親にとても大切に
育てられて、数年前にお父さんを亡くした。
今、健在のお母さんは85歳。
地方都市で、お一人で暮らしていて、
一人息子のヤスハルとしては
とても気がかりだそうだ。
お母さんはとても気丈な方で、
心配すればするほど、大丈夫!と
元気な答が返ってくるらしい。
他のお年寄りを見て「あのお婆さん」と
人ごとのようにおっしゃるらしいけれど、
それはうちの母もそうだった。
ヤスハルが最も気に病み、悔やんでいるのは
亡くなったお父さんや、健在のお母さんに
孫の顔を見せることが出来なかったことだと言う。
30歳前後では、何度も結婚の話を聞かれ、
本当に面倒だったけれど、40も過ぎた頃からは
そういう話はまったくなかったようだ。
しかし、彼の心の中では、いつも
申し訳ない、という気持ちだったと言う。
僕がよくこのブログに書くように、
僕自身、悔やみがあるのは、
自分まで繋がってきた、このDNAを
残せない無念さだったりすることだ。
ある意味、それは僕個人のわがままだけれど、
ヤスハルは、単純にご両親への想い、
というところで、つくづく
優しいなあと思った。
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