一昨日、来てくれたタダシが
「そう言えば、あのおじいちゃん、
お店に来てくれてる?」と僕に聞いた。
ここに何度か書いたことがあるけれど、
うちの店の前にあるマンションに
部屋を借りられている80歳超えの
お年寄りがいらっしゃっていた。
3、4年前から2年ほど、毎週のように
来てもらったりしていた。
基本的にストレート(いわゆるノンケ)だと自分では
おっしゃっていて、理系の大学を出て、
何故か、大手の映画会社に
いて、当時はバブルを迎えるまで
会社は凄い勢いだったと話されていた。
その会社にいる時に知り合った
銀座のクラブの一流ママと結婚をし、
二人で世界の色々な国を回り、
数年前に奥さんを見送ったとおっしゃっていた。
大学、就職、結婚、旅行、そして別離、
それからは息子や孫とはあまりうまく行かず、
一人単身で新宿2丁目に住まれている、
ということだった。
何故、2丁目か。
うち以外でもゲイバーは何軒か
行かれたりしていたようだが、
ゲイの話はしない。
むしろ、ちょっと嫌な顔をされたりする。
ただ、時には、「うちで飲もうよ」とお客さんを
誘うこともあり、多くの人はさすがに断っていて、
結局、バイ、またはゲイの要素があったのか、
まったくわからなかった。
80を超えたばかりにしてはかなりお元気で、
うちの店に対しても、
とても気を使ってもらえることもあったが、
同じ話を何度もしたり、その内容が
特に他の若いお客さんにとって
楽しい話題でもなく、少し困ったりもした。
ただ、2年ほど前にぱったりと
姿を見せなくなった。
ただ、店の向かい側なので、窓越しに
いらっしゃることはちらちらと見えていた。
コロナになる直前だったか、
(と言うことは、もう1年半以上前になるか)
すごく久しぶりに店にいらっしゃったことがあった。
たった半年くらいしか会わなかったけれど、
驚くほど腰が曲がり、話していることも
少し微妙にずれていたりして、
15分くらい飲んで帰られた。
それが僕が見たのが最後だった。
その後、世間ではコロナが発症し、
店を少し休んで戻ってきたら、
ほぼマンションから彼の姿を見ることはなかった。
そして今年になって、マンションには
別の人が住まれている様子が見て取れた。
息子さんたちの家に移り住まれたのか、
それとも万が一のことがあったのかも知れない。
「俺は嫌われ者だから」というのが
彼の口癖だった。
正直、少しだけ困ることはあったけれど、
僕は決して嫌いではなかった。
いずれにしても、どこかでまた
楽しいお酒を飲まれてれば良いのだけれど。
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