2021年05月29日

休業要請、そして「悪い奴ほどよく眠る」

予想されたように、緊急事態宣言が
再々延長され、アルコール提供業者に
休業要請がまた出されたので、
まずはそのお知らせから。

このHPのトップにも載せますが、
今月に引き続き、来月20日まで
休業することにいたしましたので、
何卒、よろしくお願いします。

ふ〜む・・・
人生で、これほど働いていないことが続くのは
ほぼ初めてかも。


まあ、それはさておき。
昨日は黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」を観た。

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僕が大学生の時に、国立フィルムセンターで
黒澤明の映画をすべて上映することになり、
(とは言っていても、当時まだ黒澤さんは
健在であり、彼が当時作っていた作品の前まで、
という意味だ)
毎日、学校とアルバイトのあみまを縫って
通い詰めた。
あまりにもくたくたで、途中寝てしまった
映画もそこそこあり、その中で
ほとんど覚えていなかったのが
「悪い奴ほどよく眠る」だった。

そういうワケで、今回初見のつもりで
観たのだけれど、さすがに黒澤映画!
エンターテインメントに徹していながらも、
あまりにも渋く、重厚な出来だった。


映画は、日本未利用の土地開発公団の副総裁、
その娘(香川京子)と、三船敏郎演じる
副総裁の秘書、西との結婚式から始まる。

あまりにも多くの記者が
そこに集っていたのは、
華々しい式を記事にするためではなく、
その公社の社員が汚職で逮捕された、
ということからだった。

この結婚式の記者たちの会話や、
その後の公社関係者の言葉から
昔、公団絡みの不正事件から
課長補佐が自殺したということや、
今回の汚職も幹部も関係している、
ということがわかってくる。


このオープニングで、人間関係の複雑さや、
話の面倒臭さを思うけれど、それは一瞬で
このあと、物語は雪崩のように
面白く展開し、クライマックスには
驚くような仕掛けが隠されている。

他の多くの黒澤作品とは
またひと味もふた味も違う三船敏郎が
人間の高潔なところと、残忍で汚れた部分を
見事に使い分けていて、
まだ 40歳にもなっていないとは
思えないほどの深い演技には興奮させられる。

そして、まるで北欧の名監督ベルイマンかと
思わせるような陰影があるモノクロームの映像、
この黒澤の演出の手腕には鳥肌が立つ。

また、この映画から今現在の
日本の状況さえ、深く考えさせられることも多くある。

さあ、もう一度、改めて黒澤作品を
しっかりと見直さなければ。
そう思わされた一作。

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posted by みつあき at 18:47| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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