昨日、徹子の部屋を見ていたら、
去年コロナで亡くなった岡江久美子さんの
娘で女優の大和田美帆氏が出ていた。
彼女は母親の死をどのように受け止め、
その苦しみを乗り越えていくのは、
母のような明るさで
子供を育てていくことだと言い、
何だか泣けて仕方がなかった。
年をとると、涙腺が弱くなる、
そんなことを周りの大人から聞きながら、
そうだろうか、なんて
ついこの間まで思っていたけれど、
確かに近年、かなり涙もろく
なったような気がする。
映画館でもそうだけれど、配信や
ビデオ、テレビを観ながらも、
ついつい泣いてしまう。
特に親子の話を聞くと、
自分に子供がいないせいなのか、
それとも父や母とのことを思い出すのか、
途端に泣けてきてしまう。
以前に、ここに書いたことがあるけれど、
店をオープンして、AiSOTOPE LOUNGE
(当時は「バー非常口」)というクラブで、
1周年のパーティをした。
その時、まだ健在だった
うちの母が僕にはまったく知らせず、
サプライズで登場し、
本当に驚かされた。
その時はみんなから泣かないの?と
言われたものだけれど、特に涙は出なかった。
その長い宴が終わり、
ホテルで休んでいた母を伴って、
自宅に戻った。
朝10時頃だったか、ひと息ついた時に
「本当にお疲れ様」と母に言われた瞬間、
どっと涙が出て、止まらなくなり。
ウォンウォンと泣き伏したことは
忘れられない。
あとにも、先にも、あそこまで
号泣したことはないと思う。
父が死んだその年に店をオープンし、
それから1年の間に、母は
店にたびたび来てくれていた。
そして、その1年間に多くのお客さんや
たくさんの貴重なゲストにも恵まれ、
あのパーティを開催することが出来たのだった。
そんな思いが一気に襲ったのだろう、そう思う。
「男だから泣くな」なんて言われたり、
涙を見せるのは恥ずかしいと思ったり、
僕の若い頃は、そんなふうに育てられてきた。
それでも映画館の暗闇の中で、
人知れずハラハラと涙を流すのは
幸せだったり、スッキリしたりもしたものだ。
前のスタッフのツカサや、ハルキが
ほとんど泣いたことないです、と
言っていたのにはビックリもし、
冷たい奴だ、と冗談で揶揄もした。
この年齢になると、木々の緑を見たり、
懐かしい音楽が流れてきただけで、
うるっとなってしまったりする。
お手軽なお涙頂戴ドラマなんかには
負けてしまいたくないけれど(笑)、
まあ、この年になったんだから、
泣きたい時に泣けばいい、
最近はそう思うようになったのだ。
これって、成長なのか、衰退なのか。
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