先日、「三島由紀夫vs東大全共闘
50年目の真実」という
ドキュメンタリーを観た。
思想は置いておいて、三島がこれほどまでに
魅力的な人である、というのは目から鱗。
これは、映画としても、
とても良く出来ていて、
それがきっかけで、未見だった
35年前のアメリカ映画
"MISHIMA : A Life in Four Chapters"の
アメリカ版Blu-rayを早速アメリカから
取り寄せて、早速観てみた。
そもそも、当時「MISHIMA 11月25日・快晴」という
タイトルで日本で公開されるはずだったのが、
同性愛描写(そこまでか?と思う程度)に対して
当時の三島夫人が反対して、
結果的に劇場公開されなかった。
最近ではイーサン・ホークが出た
「魂のゆくえ」とか監督し、
「タクシー・ドライバー」の脚本家としても
有名なポール・シュレイダー監督作だけど、
全編、日本人俳優、日本ロケ(と言っても
セットが多い)、もちろん日本語だ。
映画はタイトルに表されたように、
四部構成になっており、
べースは、三島扮する緒方拳が、自決したその日の
朝からその瞬間までが描かれている。
そして、その合間に、彼が書いた
「金閣寺」「鏡子の家」「奔馬」が
三島自身の幼少期、少年期から、楯の会の
結成までを絡めながら、見せていく。
この映画の見どころは、なんと言っても、
石岡瑛子のセットデザイン。
映像と言うよりも、あまりにも見事な
完璧に舞台セット。
三島の文章表現の美しさを
絵として表現すると、
こうなるのかも知れない。
メイキングで石岡瑛子は
「私は三島由紀夫が大嫌い。
でも、だから監督は私を使いたいと言った」
と言っているのが、とても面白かった。
それにしても、出演者があまりにも豪華。
三上博史、佐藤浩一、沢田研二、平田満、
永島敏行、大谷直子、萬田久子、李麗仙、
そして今は亡き加藤治子、左幸子、池部良、
坂東八十助(後の三津五郎)などなど。
当然ながら、みんな若い。
シークエンスをたくさん入れ込み過ぎて
散漫になっているところもあるけれど、
若松孝二監督が作った「11.25 自決の日」に比べると、
このシュレイダー版のほうが
三島像をうまく表現していた、僕はそう思う。
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