昨日書いたタクミ君とその彼の
親へのカミングアウト。
お父さんを怒らせてしまって、
二人で関西に帰って来たその半年後、
母親から連絡があり、
なんと両親は離婚することになったと言う。
タクミ君のことがきっかけではあったが、
母親は、ことあるごとに頑固な父親には
頭を抱えていて、
もうこの人には付いていけないのだ、
そう思ったのだそうだ。
タクミ君の父親は、離婚届には判は
押さなかったようだが、
お母さんは家を出たらしい。
タクミ君は強く罪の意識を感じたが、
母親は何ヶ月かに一度、
二人が住むマンションに
遊びに来たり、その後、
タクミ君の彼の両親と共に
5人で食事をしたりすることにも
なるようになったと言う。
母親は、まったく父とは
連絡を取らなかったが、
タクミ君は、まれに父親に
連絡をしたそうだ。
基本的には憮然としながらも、お父さんは
タクミ君の仕事を気にしたり、
間接的に母親のことを
気遣ってくれたりしていたようだ。
そんなタクミ君の父親が体調を壊し、
倒れたと聞いたのが、去年の夏、
父の妹である叔母さんからの
電話だったのだそうだ。
お母さんと共に、病室に行くと
お父さんはずいぶん
気弱になっていたのか
「本当に二人が来てくれて、嬉しい」と
心から喜んだと言う。
そして、タクミ君にも
「ずっとお前のことがわかってやれなくて
申し訳なかった。」
そう謝ってくれたのだそうだ。
お母さんとお父さんが一緒にいるのは
6年ぶりだったと言う。
「もう一度、戻ってきてくれないか」
お父さんは母親にそう頼んだ。
お母さんは「ちょっと考えさせて」
そう言いながら、結局実家から
父親の下着や食べ物を病院に
持っていく日々が続いているようだ。
お父さんは少しずつ良くなっている中で
タクミ君は彼氏と二人で
見舞いに二度ほど行った。
そこにはお母さんもいて、
お父さんはタクミ君の彼氏に
長い間の無理解の詫びを伝えたらしい。
病院でタクミ君とその彼氏は
二人で号泣したのだそうだ。
思えば、僕の場合も同様だったなあ。
そして彼が理解したのも、
(それは父親のではなかったけれど)
僕が入院した病院だったことを思い出した。
必ずしも、すべての人が変わる訳ではないし、
変わるべきでもないけれど、
とても良い話だなあ、そう思った。
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