世界に名だたるチャイコフスキーのオペラ
「スペードの女王」の新作がロイヤル・オペラで
去年から公演されていることは知っていた。
それが、うちのお客さんの
インスタグラムで、映画館で
ライブビューイング中だと知り、
昨日、早速、行くことにした。
チャイコフスキーのオペラの中で
「イフゲニー・オネーギン」は
メトロポリタンで観ているけれど、
「スペードの女王」は初めて。
アリアもほとんど頭に入っていないと
わかり、一昨日からApple Musicで聴きまくる。
なんと、便利な世の中になったものか。
今回、ステファン・ヘアハイムの演出は
なんとチャイコフスキーの人生が
「スペードの女王」の物語と
平行して描かれていく。
それも、同性愛者として苦悩している
チャイコフスキーこそ、この舞台の
主役、という見せかた。
舞台はハスラーを自宅に呼んでいる
チャイコフスキーのシーンから始まる。
このハスラーが、実はこの舞台の主役、
ゲルマンであり、チャイコフスキーを演じるのが
その恋敵のエレツキー公爵だったりする。
舞台は「生水を飲んでコレラで死んだ」
とされるチャイコフスキーの逸話から
水が入ったグラスを持つ多数の
チャイコフスキーが登場したり、
裸体に羽を数本さした3人の
チャイコフスキーが、賭博のカードの
数字を表現していたり、と
かなり過激なスタイルで見せていく。
現実のチャイコフスキーの同性愛説は
かなり公然の秘密として知られていたらしく、
パリで多くの男と関係を持ったり、
美青年の兄弟を下男として雇って
楽しんでいたという話も聞く。
結婚も6週間しか持たなかったという
彼がそこまで苦悩したかどうなのか。
少なくともこの舞台では
男女三角関係のもつれと共に、
彼の苦しみを描いている。
入り組んだキャストが
少し無理も感じたけれど、
興味深いオペラであることは間違いない。
上映は明日、21日までのようだ。
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