昨日は、常連のヨコエ君が、アプリで
知り合ったというフランス映画監督ブリスさんを
連れてきてくれた。
アプリで会った、ということは、もちろん
ゲイで広くカミングアウトされているらしい。
僕が映画に多少詳しいということもあって、
ヨコエ君は気を効かせてくれたのだが、
これが本当に楽しい時間だった。
彼は20代の頃、「仕立て屋の恋」や
「髪結いの亭主」でお馴染みの
パトリス・ルコントの助監督をしていた、
ということでまずビックリ。
僕が鈴木清順監督のところにいた、と話すと
観たことがないと言う「陽炎座」の予告編を
YouTubeで見て、とても興味を持ってくれる。
また、彼は小津安二郎監督の
大ファンというだけでなく、
最近の是枝監督、そして濱口竜介監督も、
とのことだった。
日本でもまだまだ馴染みがない
僕が好きな濱口監督について
「彼は本当に素晴らしい」と言っていた。
ブリスさんのデビュー作は、
なんとあの名作「男と女」の
女優、アヌーク・エーメが主演だったらしく、
彼女のことは今でも
リスペクトしていると言っていた。
同様に、カトリーヌ・ドヌーヴと会った時の
話をしてくれた。
ドヌーヴがバスに!?とただ、ただ驚く僕。
彼女はすごく美人で大女優だけど、
ビッチなのでは?と僕が聞くと
そんなことはない彼女の気の使いようは素晴らしく、
そして普段バスや地下鉄に
乗っている、ということなど教えてくれた。
ドヌーヴの話からブリスさんの
彼女のベスト・ムービーは「昼顔」だと。
そしてその監督のルイス・ブニュエルは
僕が大好きな監督の一人、と言うと
「フランス映画監督は?」と聞かれた。
渋いところで、ブリュノ・デモンとか
アルノー・デプレシャンとかかなと言うと
"Are you crazy?"と言ったあとに
"I'm crazy too"と笑ってくれた。
普通、あまりお客さんと深い映画の話は
しないけれど、まさかのフランス人監督と
これほどディープな話が出来て僕も嬉しかった。
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