昨年の初夏だったか、若い友人二人から
驚くような話を耳にした。
友人二人は、一人はゲイ、
一人はトランスジェンダーのF to M。
トランスの彼のパートナーが、
ゲイの彼の助けを借りて、
子供を身ごもったという話だった。
フミノは、店を始める2年ほど前に知り合った
トランスジェンダー。
ゴンも店を初めて、ほぼすぐに来てくれた
ゲイの会社員だった。
彼らは色々な偶然が重なって繋がり、
ここを読んでいる人の中にも
知っている人も多いかと思うけれど、
この10年、ありとあらゆる
メディアに出て、LGBTについての
活動を広げて来た。
彼らの起こしたムーブメントは
かつて経験したことないほど
大きく、広がった。
高齢者のシェアハウスへの考察、
来年にも1万人を超える
カミングアウト・フォトのプロジェクト、
そして渋谷区のパートナーシップ条例の成立、
そして同性婚への提訴
などなど、ただのブームとは言えない
アクションを次々と起こし、
日本で「LGBT」という言葉を
認知させたのも彼らではないかと思う。
もう60を過ぎてしまった僕が、
暗くて重いクローゼットの世界から
ゲイを受け入れるまで、
(まさかのゲイバーの主人になるなどとは
思えず)
長い長い時間が経過した。
自分を受け入れることもままならないのに、
他者に受け入れられるということに
終始していく彼らのエネルギーって
一体どこから来るのだろう。
「そんなつもりもなかったけれど、
ふと気がつくと、使命感のようなモノに
かられて、何かせずにはいられなかったんです」
ゴンは僕にそう言った。
そんな二人がフミノの彼女と共に
悩みに悩んで、子供を作ることを決意し、
昨日、以下の記事が出た。
これを読むと、フミノカップルが
いかに子供を欲しいと望んだか、
その思いをどうやって叶えようとしたか
理解出来る。
ここに何度か書いたけれど、
僕自身、ゲイとして生まれ、育ち、
それでも自分のDNAを残したい、
自分の子供を育てたい、
そういう気持ちを持ち続けた。
僕にとって、子供を持てなかったことは、
人生で唯一心残りであるかも知れない。
彼らが頑張ってきた
今までの流れを知っていると、
今回の公表が、彼らの活動の一環、
そして子供を使ったプロパガンダなどと
言う意見も多く出てくるのだろう。
LGBTであるからには、
子供を持つべきではないのか。
僕が知っている子供を育てる同性カップルの
子供たちは愛情に満たされ、
それぞれが伸び伸びと幸せに
成長しているように僕には見える。
もちろん、そこにはいくつもの問題があるだろう。
でも、それはストレートカップルも
持つそれぞれの問題とは
大きく変わらないような気がする。
彼らの公表は、生まれた子供にとって
どういう影響をもたらすかという問題は
彼らの強い愛情によって超えることが
出来る、僕はそう信じている。
色々な家族の形があり、それは望めば実現出来る。
そういう方向性を示した、という意味で
僕は彼らにエールを送りたい。
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