2018年02月10日

愛しの禿げ頭

たまに来てくれるゴウタが
ゲイと噂がある、とある有名人作家の写真を見て
「こういうタイプというのは、ど真ん中」と言っていた。

確かに、誰が見ても良い男だ。
「面食いの人なら、ほとんど
良しとする顔だよな」と僕が言うと
「いや。僕が彼を良いと思うのは、
顔ではなく、この頭なんだよなあ。」そう言う。

まだそれほど年齢がいっていないけれど、
額はうっすらと禿げ上がっており、
全体的に短く刈られている。

こういうタイプの人は、
ほぼ自分の頭の薄さを
恥ずかしいと思い、そこに触れられると
嫌がるけれど、そこが魅力だ。

ゴウタはそう言う。

しかし、一言加えると
「禿げていても、バカは嫌」なのだそうだ。
読書好き、勉強好きのゴウタは、
かなりのインテリ好み。


そんなゴウタが、もう10年ほど前に
ネットで出会った男がまさにそうだった。

彼と会い、二度目に部屋に連れて行かれ、
そういう関係になった時は、
まだ「頭の禿げかたがいいなあ」と
思う程度だった。

相手は自分について、何も言わない。
もちろん、仕事に関してもわからない。
自分も触れないようにはしていたが
そういう意味ではとても謎がある男だったと言う。


しかし、ある時、東
京から電車で1時間ほど離れた
ある都市に、仕事で行った時に、
駅前で彼の姿を見たと言う。

なんと、彼は自費出版の詩集を
売っていたのだそうだ。

もちろん、リッチだとは言えない部屋に住み、
素朴と言えば素朴だったけれど、
それを超えるこんな部分があったとは。

自分のことを語らず、
ただ、ただセックスが楽しい程度の相手だった彼が
急に輝いた瞬間だった。

もちろん、ゴウタはそのことには一切触れず、
彼との逢瀬を楽しんだ。
不思議なモノで、ゴウタの頭の中には
地方の小さな街で刺繍を売っているこの男が
俺と一緒にベッドで抱き合っている、
そう考えただけで、
それまで寝たどんな男よりも
エロく、自分を狂わせてくれた。

きっと、自分の態度が突然変わったことに
彼も驚いたのかも知れない。

残念ながら、その関係は
それほど長くは続かなかったらしいが、
ゴウタにとって、忘れられない思い出だそうだ。

posted by みつあき at 19:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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