僕の親しい友人であり、以前はニューヨークや
ロンドンに何度も一緒に行ったタダシが
パートナーのカツ君と知り合ったのは、
もう5年半前になると言う。
タダシが店に来始めた頃は、
今はもう亡くなってしまった元彼と
一緒だったりしていたことを思うと
時の流れの早さにつくづく驚いてしまう。
タダシとカツ君は、
タダシが九州出張の時に、
出会い系サイトで知り合い、
最初はそんな付き合いになるとは
思っていなかった、そう言う。
でも、そのうちにタダシは、
時にはひと月に一度か二度、
せっせとカツ君がいる九州地方へ向かい、
すっかり遠距離恋愛となった。
三ヶ月に一度くらいは、カツ君が上京し、
仲が良いね、とみんなに言われていた。
それから数年後、カツ君は晴れて東京に来て、
タダシと共に住むようになった。
そして、東京で職に就いた。
つい先週、タダシは仕事でコスタリカに行き、
それほど長くカツ君が留守宅を守ったのは
付き合ってから初めてだったようだ。
一週間後、タダシが帰国してから
二人が来てくれた。
空港に着いたあとまだ数時間というタダシだったが、
うちの店で二人は、再会を愛おしんでいるようだった。
その時、一緒にいたのがタダシの友人のシンだ。
シンいわく、僕に「二人はある部分を超えたんだなと思う」
そう言う。
二人はいつも一緒にいると、身体の一部を
触れ合っている。
ただ、シンが言うのは、そういうことではなく、
家族、または夫婦の域に達したんだなあ
この二人は、ということだったらしい。
僕は長らく二人と食事に行ったりしていなくて
店で仲が良いところしか見ていないのだが、
シンに言われると、確かにその通りかもしれない。
5年も超えた二人を見ていて思うのは、
他の長いカップルのように照れ隠しで
相手のことを悪く言ったり、
ぞんざいに扱ったりする、ということがないことだ。
カツ君はいつもタダシを尊敬しているように見えるし、
タダシはそんなカツ君を優しく包み込むように見ている。
30代と40代。
ある意味、理想的なカップルと言える二人には
これからもずっと仲良く、
幸せでいてほしい。
顔を寄せ合って笑う二人を見て、そう思った。
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