2017年12月23日

2017年 初冬の旅行記 その6

12月7日(木曜日)

この日は、待ちに待った「スプリングスティーン・
オン・ブロードウェイ」ということで
朝からちょっと興奮気味。

昼間、舞台関連がまったくないのがNY滞在中、
この日と次の月曜日だけ。
(通常であれば、木曜日のマチネがある
ニュージャージーのペイパー・ミルという劇場に
行くのだが、今回は『アニー』ということで辞めておいた。)

朝からセントラルパークやその周辺を散歩、
そしてメトロポリタン美術館に向かった。
この時期のエキシビションは
「デヴィッド・ホックニー展」と共に
ミケランジェロの素描、そして彼が影響を受けた、
もしくは与えた数々の画家などの作品が
並んでいる。
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ゲイとしても有名で、まだ健在でもあり、
コンピューターを使った新しいアートに
夢中だという彼の作品は、60年代から、
現代まで幅広く、展示されていた。

その多くの作品に
恋人や男性の裸像が出てくる。
画集や、映画「彼と彼/とても大きな水しぶき」などで
目にしたあの絵も、この絵も、実際に目にできる喜び。
特にプールで泳ぐ青年の何展もの絵画や写真のコラージュ。
その鮮やかなブルーを目にしながら、
なんだかプールに飛び込みたくなった(笑)
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さて、夜はブルースの登場だ。
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通常は30分前から15分ほど前に劇場に到着し、
もらったプレイビル(キャストなど詳細がある小冊子)に
目に通しながら、開演のベルを待つのだけれど、
この日は1時間前に会場に着く。
驚いたことに、世界中から来ていると思われる
多くのブルース・ファンが劇場を取り囲む。

屋外でのポスターの写真を撮っていると、
ガードマンをやっている人が声をかけてくれる。
何と彼の奥さんが沖縄出身の日本人らしく、
日本語がなかなかうまい。

彼いわく「ブルースは、本当にいい人で
ファンを大事にするし、パフォーマンスも素晴らしい。
帰りにはちゃんとステージドアに出てきて
ファンには挨拶をし、日によってはサインもするよ、と。
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会場の中は若い人もいたが、圧倒的に40代から
ブルースに近い70前後の人でひしめきあっていた。
それにしても、1000席に満たず、
今まで数多くの舞台を観たこのブロードウェイの劇場で
ブルースを観ることが出来るなんて。

20時きっかりに始まったステージ。
いつもの10万人規模の大会場でのバンドでのライブと
その100分の一の観客を前にしたブルースは
自らの過去を、感情を、そして希望を語り、
自らのアコースティックギター、
そしてピアノを奏でながら、実に淡々と歌ってくれた。
それはロックンロールの王者という熱さよりも
さらに強いメッセージとして伝えようとしていた。
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”Growin' Up”から”Born to Run”までの魂がこもった15曲
(通常のライブでは30曲以上だったりするけれど)を
心ゆくまで披露してくれた。

そして、あまりライブでは聴くことがない
“Tougher Than the Rest”、”Brilliant Disguise”は
奥さんのパティと共に歌ったことが嬉しかった。

そして、ライブ終了後、極寒のニューヨークで、
楽屋口に集まるファンを前にパティと一緒に出てきたブルース。
ロンドンのライブで
ものの1メートルという至近距離で観ているけれど、
さらにここまで肉薄したということは初めて。

いい歳こいて、ここまでミーハーな気持ちになるのは、
世界広しと言えども、ブルースただ一人だろう。
握手することも、サインをもらうこともなかったが、
「ありがとう」言いながら、車に乗る姿は
40年以上も彼の歌を愛し続けて良かった、と心からそう思った。


12月8日(金曜日)

通常の金曜日の昼間など、ほとんど何も観ることができないのだが、
この日はニューヨーク・フィルの公演がリンカーン・センターである、
というので行ってきた。
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演目は、ウェーバー作曲のオペラ「オベロン」序曲、
そしてモーツァルトの「オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと
管弦楽のための協奏交響曲」
この2曲が第一部。両方とも、僕は初めて耳にした。

そして第二部がベートーヴェンの5番。いわゆる「運命」これは完璧にわかる(笑)。
指揮者はNYフィルの音楽監督でもあり、日本人の血を引く
アラン・ギルバート。彼のコンダクトは良かった。
特に5番の第三楽章は鳥肌がたった。
思えばこの楽曲を生で聴いたのは初めてで、
レコードやCDで聴くのとはまったく違うことを改めて感じさせられた。


この日の夜は、年に一度、今、旬のアーティストが集い、
グラミー賞よりもパフォーマンスだらけの5時間という”Jingle Ball”を
去年に引き続き、マディソン・スクエア・ガーデンで。
昼間はクラシックで、夜はポップス・オン・パレード。
普通の人は、この人、頭、おかしいと思うに違いない(笑)
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出演者は、テイラー・スウィフト、エド・シーラン、サム・スミス、
チェイン・スモーカーズ、チャーリー・プース、デミ・ロヴァート、
フォール・アウト・ボーイズ、ホールジー、ジュリア・マイケルズ、
リアム・ペイン、カミラ・カベロ、ナイル・ホーラン、ロジック、
Why Don’t Weという14組が4曲から5曲演奏する。
みんな、今年のビルボード・チャートを賑わした連中だ。

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19時きっかりに始まったショウのオープニングはなんとまさかのエド・シーラン。
彼は後半だと思って見逃した人も多かったかもしれない。
まあ、その4時間半後、テイラー・スウィフトとデュエットは披露するのだが。
エドには、僕はメキシコでも、東京でもふられているので、これを観ることが
出来たのは嬉しかった。そして、彼の演奏は群を抜いて素晴らしかった。

また、元々それほど好きじゃないテイラーも、直に見ると、オーラ全開。
こりゃ、売れるわなあ、と納得。
ひと皮剥けたと思われるサム・スミスもチャーミングな歌声を披露し、
会場をしっとりした大人の気分で包んでくれる。
そんな中で驚いたのが、フォール・アウト・ボーイズのロックな迫力。
これを観て、来年の彼らの来日公演を行こうと決めた。

それにしても、終わったのが0時。
いつもながら、半分を埋めるティーンエイジャーが
この時間までいるNYは凄いなあと改めて思った次第。


12月9日(土曜日)
この日は、朝から季節外れの雪が降り積もり、そんな中、マチネで
メトロポリタンオペラ、モーツァルトの2本目の「魔笛」を観た。
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もう10年も前からやっていたJ.テイモア演出版(『ライオン・キング』
そしてこの前観た「M.バタフライ」の)なのだが、この「魔笛」実は初めて。
あらゆる部分で「ライオン〜]を彷彿とさせてくれる。
やはり彼女の衣装デザイン、パペットデザインはいちいち眼を見張る。

もちろん、聞いていた短縮かつ英語版と言うのはどうかと思ったし、
ドエストロ役がルネ・バーペではなかったという悔しさはあったものの、大満足だった。
それにしても、先日の「スポンジ・ボブ」と言い、
本当に惜しまずお金を使っている、というところが
NY観劇の素晴らしさだ。
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オペラ帰りに寄ったのが、同じリンカーンセンターのライブラリーで
この日から始まったレナード・バースタインの生誕100年を記念する展示会。
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彼の弾いていたピアノや生活の中で使っていたあらゆるモノ、
そして様々な功績をあらゆる角度から展示していて、とても興味深かった。

なおかつ、嬉しいのは「ウエスト・サイド物語」のコーナーや
「オン・ザ・タウン」「キャンテイード」にまつわる展示、
そしてアル・ハーシュフェルドのイラストに心踊った。
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夜は、オフで「トーチソング」のファイナル公演を観た。
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これ、映画にもなり、ゲイ舞台のバイブル的存在となっている
「トーチソング・トリロジー」のタイトルを変えたモノ。

5年前にロンドン版を観て以来。元々の脚本を書いたファイアスタイン氏が、
新たに書き直したとか、その後を描いたモノ、とかどこからか噂に聞いていたけれど、
そうではなくて、ほぼオリジナルと変わらなかった。

70年代から80年代にかけてのゲイ事情(自分を母親に受け入れてほしいと闘う
ドラッグクィーンの主人公と、既婚者ゲイとして生きる元恋人と彼らをめぐる人たち)は、
今のニューヨークのゲイの人たちにはどう映るんだろう。

僕にとっては、時間を超え、何度観ても、
この舞台が持つメッセージは胸を打つ、そう思えるのだけれど。
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posted by みつあき at 16:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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