11月29日(水曜日)
この翌日、つまりブラジルに発つその日の昼間、
マチネでは「M.バタフライ」を観劇。
「水源」に続いて、これまたミュージカルではなく、ストレートプレイだ。
この翌日、つまりブラジルに発つその日の昼間、
マチネでは「M.バタフライ」を観劇。
「水源」に続いて、これまたミュージカルではなく、ストレートプレイだ。
この舞台劇は、かつてデヴィッド・クローネンバーグ監督による
ジョン・ローンとジェレミー・アイアンズ主演で映画化された。
西洋の白人男性が、東洋人女性に狂ってしまう、という
オペラ「マダム・バタフライ」をモデルに、
この作品は、結局は女装していた男に
操られていたという皮肉なドラマだ。
今回のリバイバルは、「ライオン・キング」
「スパイダー・マン/ザ・ミュージカル」
そして今回このあと観たオペラ「魔笛」などで有名な
ジュリー・テイモアの演出。
京劇や、中国人民軍のバレエなど、なるほど、と
思う部分はあるけれど、いつもよりテイモアのテイストは薄い。
上に書いた3作品は、かなり予算がかけられた
ビッグ・プロジェクトだったけれど、
これはそこまではかけられなかったからか。
もちろん、ところどころに彼女のテイストはある。
主演のクライヴ・オーウェンは大好きな俳優だが、
映画で観るほどの華はここにはなかった。
まあ、原作の戯曲が、昔からモテたことがなかった男、
という設定だったから、それなりの役作りが
そう思わせたのかもしれない。
しかしながらも、白人男性の愚かさはしっかりと見せてくれる。
相手役のチャイニーズの俳優、ジン・ハは、これが
ブロードウェイ・デビューだと言う。
前日観た「水源」と同じく、惜しげもなく
舞台上で一糸まとわぬ全裸でも登場する。
日本の演劇事情とは違うから、
故意に隠そうとする部分がないのが潔い。
そう言えば、テレビのゲイドラマ「ルッキング」の
ドム役マレー・バートレットが出演していたのは驚いた。
彼さえも、ドラマほどのセクシーさが感じられず、
そう思うと、テイモアの人間を描くという部分の演出力が
少し欠けているからなのかもしれない、
そう思わされた。
マチネが終わり、向かったのがミッドタウンで
やっていた「ダウントン・アビー展」だった。
去年まで夢中になって観た6シーズンモノの、
イギリスのテレビドラマだったが、
まさか数年経っているのに、
ニューヨークでエキシビションが行われるとは。
僕がもっとも好きだと言えるテレビドラマ「マッドメン」の
展覧会にも数年前行ったけれど、
共にファン垂涎のモノになっていた。
数々の名シーンを多くののブロジェクターで見せ、
その周りを衣装やセットでたっぷりと堪能させてくれる。
圧巻は、劇中何度も出てくる大広間の食事をするテーブル。
細かく見ていくと、まさに全時代からタイムマシンで
持って来たような装飾にうっとりさせられる。
大型3画面に囲まれる部屋では、立体感がある
映像が流され、それとは別室の大型スクリーンでは、
ホストをク主人公のクローリー夫妻と、
カーソン執事カップルがホストを務めていて、
ファンサービスも怠らない。
こういう場所に来てつくづく思うのは、
ただの展示、ということではなく、お客さんを
驚かせ、胸踊るような細かい演出が随所にあることだ。
到着して約1日経過でこの満足度が有難かった。
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