この前のブログでは、ストレートの上司と
やりたい、やりたいと言っていた
ゲイのお客さんの話を書いたけれど、
まさにその翌日、またまた
会社の上司の話をしてくれるお客さんがいた。
その日、うちによく来てくれるセイヤ君に
初めて連れて来られたというタクミ君、36歳。
ガッチリした体に笑顔が素敵なタクミ君は、
今まで人と付き合ったこともなければ、
ゲイバーも初めてだと言う。
細かくは聞かなかったけれど、
さすがに肉体関係を持ったことだけは
多少はあるらしい。
そんなタクミ君だが、1年ほど前に
会社の飲み会があった際、その帰り道、
2歳上の会社の先輩から、
突然「お前のこと、ずっと前から大好きなんだ。」と言われた。
その先輩は、結婚もしていて、子供も3人いる。
大学時代はラグビーをやっていて
今もジムに通っている、と言っていて
彼みたいな人がゲイならば、と
思ったこともあるけれど、まさかのまさかだった。
そして、過去を思い起こせば、何となく
会社で視線を感じることもあった。
それがまさか、そんな事とは。
ただ、それ以降、何か進展があるかと言うと
特に何もない。
それから誘われることもなければ、
仕事のこと以外で、メールのやり取りもない。
3ヶ月ほど経って、一緒に飲みに行きませんか、と
誘ったら、来てくれたし、仕事の話やら家庭の話やらを
しながら、とても上機嫌だけど、
あの「大好きなんだ」という言葉には触れない。
それから3度ほど、そういう機会があった。
会社の飲み会でも隣の席に座り、
肩と肩が触れ合うこともあり、
決して離そうとしなかったりもするけれど、
だからと言って、それ以上のことはない。
「あれは、どういう意味だったんですか」
何度となく、そう聞こうと思ったけれど、
「え?何?そんなこと、言った?」と
言われたりするのも嫌だし、
万が一、「俺もゲイなんだ」と言われても
結局、結婚していることで苦しむのは自分なんだ、
そう言い聞かせたりする。
一緒に来たセイヤ君は「もう、忘れたほうがいいよ。」
と言う。
でも、あのひと言で、気持ちは募るばかりなのだそうだ。
こういう話、というのは、決して
珍しくないような気がして、
聞きながら、いい歳こいて、
少しばかりドキドキした。
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