旅行記だけでなく、日々のブログも
書くことが山ほどあるのに、
店以外にやることが山ほどあって、
帰国後は映画も観られない始末。
楽しみにしてくださってる人がいると、
申し訳ない。
とりあえず、旅行記、続きです。
ハバナに飛行機が到着し、
それからはWi-Fiも通じないし、
荷物が出てくるのに
2時間も待たされた、などかなりヘビーな書き込みを
たくさん、ネットで読んで来た。
僕はそのために何冊か本を持ってきて、
携帯をバッグにしまう。
ところが、意外にハバナ入国は驚くほどスムーズ。
網タイツでミニスカートの職員が笑顔で
迎え入れてくれる。
本などまったく読む時間もなく、
空港の外に放り出された。
ドルからの両替は高いと聞くので、
メキシコの残りのペソと日本円を両替。
ただ、どれくらい替えたら良いのか、
皆目わからないので、とりあえず3万円ほど。
(結果的には、その後、両替することに。笑)
空港には旅行客を捕まえようと、
多くのCASA(いわゆる民泊)の人たち、
そしてタクシー運転手が待ち受ける。
一人のタクシー運転手に僕の滞在予定のCASA
(これは日本で予約ができた)の行く先を伝える。
キューバは外国人用の値段と現地の人の値段は
10倍ほど違う、と聞いているけれど、
ホテルはニューヨークばりに値段が高い。
これはごっそりと政府に持っていかれるから、とか。
比べてCASAは一泊10ドルから30ドル前後と格安。
タクシーも15キロくらい走っても、5ドルくらいだっただろうか。
僕が泊まるCASSAは、ネット経由で
日本から宿泊予約が出来たやはり一泊30ドル前後。
そして、宿の主はゲイの人。
宿泊客は、LGBTだけではなく、
もちろんストレート男性、女性などもいる。
僕の部屋はそれなりに広く、綺麗だったし、
バス、トイレも水洗で
まったく問題なかったけれど、
何故かこのバス、トイレだけが部屋の上にあり、
それがちょっと不便だった。
宿の主はゲイだと書いたけれど、
キューバは、かなりゲイに寛容で、
街で手を繋いでいる男性同士もいれば、
女性同士がキスをしている写真なども街にあったりする。
カストロの娘さんがLGBT権利活動家だとのことで
あちらの人は、誰がゲイだろうが、レズビアンだろうが
まったく気にしない、
僕が会った何人かのキューバのストレートの人たち
(タクシー運転手やバーテンダーなど)は
そう言っていた。
街に一軒だけある"VEGAS"というゲイ・クラブは
平日の深夜でもすごい人だったし、
そこではドラッグが口パクショウをし、
マッチョなGOGOが踊る、という様子は
ゲイはどこの国でも変わらない、と
改めて確信させられた。
ただ、現地の人たちは本当に貧しく、
多くの外国旅行者に飲ませてもらう、というのが
通常となっているようだった。
もちろん、彼らが買うと10分の1くらいなのだが、
旅行者が買ってあげると、当然旅行者料金。
これは、バスに乗っても、何をしても、
常に旅行者の料金だということが
ちょっと理不尽な気がしたけれど、
まあ、そこが社会主義なのだろうし、
それでも安いんだから、文句は言えない。
僕が最も驚いたのは、多くの人たちが
スマホを使っていた、ということだ。
あちらに行く前に、本やネット情報によると、
Wi-Fi環境も悪く、あてにしないほうが良い、と
書いてあったので、僕はPCも携帯も使わないつもりでいた。
ところが、どこもかしこも、スマホだらけなのだ。
彼らは3Gや4G環境で使っているのかは不明だけれど、
僕ら外国人はWi-Fiカードというモノを買って、
(5時間1500円くらい)、Wi-Fiスポット
(主に公園や大きなホテル)に行って、
Wi-Fiカードにある番号を入れて繋げる。
基本的にはほぼあてにせず、
あちらでは一切、ネットは使用しない、と
決めていたのに、僕は朝の30分から1時間、
店のやり取りや、ハバナ情報にアクセスすることにした。
もちろん、スイスイと繋がるかと言うと
そんなことはないのだけれど、
それでも中国などのようにツイッターや
Facebookに繋がらないということもなかったし、
情報見放題、という不思議な社会主義。
Wi-Fi事情はともかく、
ハバナは僕を含めて旅行者にとっては、
本当に素敵な街だった。
ヨーロッパや欧米の都市、ハバナに行く前に
行ったメキシコも、もちろん東京とは違う面を
たくさん見せてはくれるけれど、
ここまでありとあらゆることが違う、
と思える都市はそんなになかった。
とにかく、50年以上前に建てられたと
思うような古い建築物があり、
配給制度というシステムの中で
人々は暮らしている。
街を歩くと、ありとあらゆる場所から音楽が聴こえてきて、
街行く人たちは踊ったり、歌ったりする。
質素で決して裕福ではないけれど、
明るく優しいし、治安もすこぶる良い。
驚いたのは、もう20年前も昔に
映画化されて有名になったブエナ・ビスタ・ソシアルクラブ
というビッグバンドの残った人たちや末裔が
集ってライブをしているということ。
サルサや、チャチャ、マンボなど
血湧き肉躍る音楽に老若何女が酔いしれる。
それに魅了されているのは、多くの観光客に
間違いないけれど、脇で観ている地元の人たち、
スタッフたちのノリがとっても良い。
そんなこんなで、毎夜、ライブに、ゲイクラブに、
と本当にリラックスし、楽しい日々だったが、
そんな中、明日にはハバナを発つ、という最終日、
サンタマリア・ビーチという
ものすごく綺麗なビーチでの出来事。
今までモルディブでしか見たことがないほどの
澄み切った海の青さに驚愕しながらも、
そこからさらに車で10分ほど行ったところは
ゲイが集まるのだ、とCASAで教えてもらえた。
レインボーフラッグが立つビーチで
旅行者、地元の若者がワイワイと楽しんでいる。
そこで目に飛び込んで来たのが
どう見てもアジア人のマッチョ君。
僕はキューバに着いて、日本人はおろか、
中国人や韓国人でさえ、ほとんど見なかったので
驚き、「どこから?」と声をかけた。
彼はタイのバンコクで、その驚くほどの筋肉は
なんとミスター・タイ(つまり、タイのボディビルのトップ)を
何年も経験している、ということだった。
話を聞くと、タイのボディビルダーの半分以上は
ゲイだとか。
彼はオーストラリア人、カナダ人の友人たちと
マイアミ経由で来ていて、そこにメキシコ人、
キューバの現地人たちが
加わって、本当に楽しい海での1日となった。
夜は現地の若い人たちが進めるレストランで
夜は現地の若い人たちが進めるレストランで
大勢で食事となったけれど、
これもまったく想像していなかったことだった。
キューバ人の若い人たちは
「実は一度、来てみたかった。
僕らはここ初めて」だと。
僕ら旅行者には飲み物を山ほど飲んで、
たくさん食事をして、30ドル前後と
決して高くはなかったけれど、
よくよく考えると彼らにとっては凄く高い食事だったのだ。
ヴェトナムに行った時もそうだったが、
どこが社会主義なのだろう、と思うほど
人々は自由に楽しく見える。
医療や学校は無料であることなどは
確かに素晴らしいけれど、
医療ミスは多く、学校も休んで仕事をしている
学生も多いらしい。
日本円で月、2000円前後の月収だそうで、
もちろん仕事もまったくない人も多いようだ。
僕ら旅行者からはまったく想像もできない
キューバの人たちの生活。
絶やさない笑顔の裏での彼らの日々は
なかなか想像ができない。
キューバに限らず、異国に行くと、
結局、僕らはただの一旅行者に過ぎないのだ。
仕方がないし、それでもちろん良いのだろうけれど。
いずれにしても、想像していた以上に、
あらゆる意味で、深い感銘を受けた旅行になった。
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