今回の旅行で、最も楽しみだったのが、
キューバに行く、ということだった。
オバマ政権になり、アメリカの国交が回復し、
去年の暮れからアメリカからの直行便が出来た。
今後、アメリカ資本がどんどん入り、
スターバックスやマクドナルドが出来、
今までの古い町並みやクラシックカーが走る
ハバナの街は一層される、ということも
十分に考えられるから、行くなら今、
と誰もが言っていたのだ。
(ただし、僕が帰国後、トランプが
このオバマ案をくつがえし、また難しく
なっているという話が出ている)
日本を出る前に、NY→プエルト・バヤルタ→メキシコシティ
→ハバナ、という航空券が取れても、
何故か帰りのハバナ→ニューヨーク、というのが
この航空券と一緒に取れないのは不思議だった。
色々調べてみると、アメリカンとデルタという
2大航空会社からハバナ往復は出ているモノの、
実はアメリカからは「観光」
ということでは入れないと判明。
入国できないだけではなく、
キューバからアメリカへ戻るだけでも、
「観光ではない」という証明が必要とのこと。
家族に会いに行く、とか、宗教上のこと、だとか
政府関連など、13項目のどれかにチェックをして入国、
仮に違うとバレたら、飛行機には乗れない、と書かれてある。
メキシコ経由で、またNYへ戻っても良いけれど、
トランジットの時間など考えると
倍以上の時間がかかるだけでなく、
料金も高くなる。
ネットを調べてみると、
「ボランティア」ということにチェックを
入れたら、問題なかった、という人を見つける。
これは運、不運の問題かなあ、とちょっとビビりながらも
とりあえず、僕も「ボランティア」にチェックを入れて、
日本を出る前に、チケットをゲットしてみた。
まあ、そんなこんなで、ハバナへ向かうだけは
出来そうだと踏んで、心待ちにしていた。
しかし、それよりも前に、メキシコシティを出る時が
実は本当に大変だった。
メキシコでは、流しのタクシーよりも安全、かつ安い、
ということで、Uberを利用していたのだが、
出国時に、お世話になった二人の家から
乗ったUberの運転手のナビゲーションする
スマホの電池が切れてしまった。
そして、彼は空港までの道がわからないという始末。
車内で、右往左往する彼だが、クレジットで先払いされているから
降りて、他に乗り換えるというのも、と考えてしまう。
一応、空港には3時間前に到着するように、
アパートを出たのだが、彼の右往左往で、
どんどん時間が過ぎていく。
僕のスマートフォンは、Wi-Fi対応ではなく、
僕のスマートフォンは、Wi-Fi対応ではなく、
現地の3Gや4Gにはもちろん繋がらない。
運転手は何度も申し訳ない、と僕に言いながら
空港へとやっと着いたのが、2時間前。
何とかセーフである。
ところが。
メキシコで航空会社のデスクに行くと、長蛇の列。
自分の番が回ってくるのに、30分はかかる。
やっと僕の番。ところが
「メキシコのツーリストカード(いわゆるビザのような
モノ)を出せ」と言う。
ツーリストカード???
キューバへ入るのに、メキシコでツーリストカードが必要、
というのは聞いていたし、それはこの空港で買えるはず。
しかし、メキシコのツーリストカードとは何ぞや??
空港職員は「ある紙を見せながら、
こういうのって、入国時に渡されただろう?」と。
あ、あった、あった。もらった。
でも、それがツーリストカードであり、
出国時もいるなんて聞いていない。
いや、聞いたかも知れないけれど、
まったく覚えていない。
いやはや。
色々書類が入っているバッグを咄嗟に調べていても見当たらず。
「これは重大な問題。
すぐに階下にある入国出国審査の窓口に行って
再発行してもらってください。」と。
「時間、大丈夫か?」と聞くと
「とにかく、急いで」と。
僕はメキシコで買った大きなスプラクチャーがあり、
それと3週間分の荷物を詰めたスーツケースを
引きづりながら、階下の窓口へ。
ここがまた遠かった(笑)
そこで書類を書いて、いざ、お金を払おうとしたら、
「あ。ここの窓口、これから昼食時間。受け付けられない」と。
今さら言うな。
「この通路をずっと歩いていくと銀行がある。
そこで、この書類を出せば、支払いができるので
そちらに行ってください」と。
その時点で1時間を切ってしまっているどころか、
時計を見るとあと40分くらい。
また、荷物を持って駆け足でそちらに向かう。
ところが!!!
銀行も長蛇の列。
ここで僕は「もう無理。」
次の便は明日なんだろうか、とかなりダウンしてしまう。
そして、銀行に書くためのボールペンをとりあえず
出そうと、バッグに手を突っ込むと
なんと、ツーリストカードが!!!!
ってなワケで、もう銀行など用はない。
一目散に改めて空港会社窓口にUターン。
どんどん時間の過ぎていく中で、
意外に「大丈夫」と余裕のメキシコ人職員。
思えば、今まで数々の旅行の中で、これに似たようなことは
(特にヨーロッパや中東)何度も経験していて
(そのほとんどを忘れているから繰り返す。笑)
まあ、何とかなるさ、と腹をくくる。
厳しいのか、甘いのか、わからないような出国審査を通過して、
ゲートへ向かう。
結果的に、飛行機は1時間ほど遅れて、
ギリギリに着いたはいいけれど、待たされる始末。
だから旅行は面白い。
何があるか、わからないけれど、
自分の度胸試しにもなり、人生のアドベンチャーが
転がっているのだ。
そんな流れで、僕はキューバ行きの飛行機へ。
そして、魅惑のハバナは僕を待ってくれていた。