今年の2月、宮城に住む
ノンケの親友のヤスから電話が入った。
仕事中だったので、出ることが出来ずに
その翌日「電話くれた?何かあったか?」と
メールをしたのだが「特に急ぎじゃないよ。」
と返信があり「んじゃ、また俺からでも連絡するよ」と
送り返し、そしてそのままになっていたことを
先週、ふと思い出した。
そのヤスのことは以前、ここにも書いたことがある。
6年前に震災で心配をし、30数年ぶりに電話で話した。
その当時、あちらに行く、と僕は言ったが
「また、時間が経ったら、ゆっくり会おう」
そうヤスは言い、僕もその言葉を受けたままになり、
時間がすっかり経ってしまっていた。
先週、木曜日に「そのままになってしまっていてごめん。
元気か?」と電話した僕に
「去年、末期癌だと宣告されたんだ。」
とヤスは言った。
あまりに突然の話に、僕は言葉が出なかった。
何故、すぐに連絡をくれなかったのか、
2月のメールでも何故、話したいことがある、
ときちんと言ってくれなかったのか、
そんなヤスを責める思いと共に、
少なくとも何故ここ7年の間に
ヤスの元へと行かなかったのか、
電話でことを済ませていたことなどが
本当に悔やまれた。
ヤスによると、一昨年暮れ、体調が悪くなり、
去年2月に余命宣告も診断され、
悶々とした日が続いた。
入院をしても、どうすることも出来ない、
ということから今は自宅で療養しているらしかった。
ただ、ヤスはその後、「抗がん剤」を拒否し、
元の奥さんから酵素を紹介され、
その効果から食事療法で治る
可能性を持つという医師を見つけた。
今、全力で治そうと取り組んでいる、
「だから、心配ない。俺は治るよ。きっと。」
電話の向こうで、ヤスはそう言った。
居ても立ってもいられない気持ちで
僕は昨日の火曜日、
ヤスの顔を見るため、宮城へと向かうことにした。