うちの店には、大型の船で仕事をしていた、
もしくはしている、と言うお客さんが、
僕が知っている限り、4人ほどいる。
一人は船を操縦士、
一人はエンジニア、
一人は中でショウなどをしているエンタテイナー、
そしてもう一人は大型客船であらゆる
サービスをする乗務員の人だったりする。
去年、大学生だった頃に、友人にうちの
店に連れて来られたエイジ君は、
卒業後、上に書いたお客さんと同じように
大型客船のサービスとして仕事に就いた。
ということで、僕が知る限り、
これで5人目となる船上で働く人だ。
エイジ君は、この1年、
色々な場所に行った、
という土産話を手土産に話をしてくれた。
国内は元より、アジア、そしてヨーロッパ。
土地、土地をゆっくり観光する時間は
それほどなくても、それぞれ雰囲気を
楽しむことが出来るのは、喜ばしい、そう言う。
僕自身、そういう大型客船などには
乗船したことがないけれど、
船に乗るお客さんはともかく、クルーが
どんな生活をしているのかは
とても興味があった。
驚いたのは、800人ほどのお客さんに対して、
クルーは400人もいるというのは驚いた。
スタッフの中には、日本人以外、
海外から雇用されたスタッフも多く、
その中でもフィリピンからの人が
とても多いようだ。
そして彼らの中のゲイの人たちは
カミングアウトしている人も多く、
船内のクルー用のトレーニングジムには
日本人よりも圧倒的に
彼らが占めていると言っていた。
クローゼットなエイジ君は
とても入れない状況らしい。
日本人のゲイに関して言うと、エイジ君いわく
まず、わからないと言う。
客船の中ではWi-Fiが通じない、
ということもあり、
パソコンや携帯が使えない。
だから出会い系アプリなどで
スタッフでも、お客さんでも、
そういう人がいるか、どうかは
確認もできないと言う。
また、クルー専用のバーがあり、
午前2時までやっているので、
そこで語らう人たちも多いようだが、
圧倒的にストレートな感じらしい。
従業員同士の恋愛などに関しても、
意外と寛容で、社内結婚もよくあるようだし、
当然、船内のクルーの個室で
仮にそういう関係になっても
わからないだろうと言っていた。
ただ、さすがにエイジ君は
絶対にわからないようにしているため、
たとえフィリピンのマッチョな
かっこいいゲイがいても、
まずはそういう事にはならないと思う、
とちょっとだけ残念な様子だった。
数ヶ月の船旅のあと、日本に帰国してひと月の休み。
そして、また旅に出るという暮らし。
帰国したら、また新たな土産話を
持って来てくれると言う。
楽しみだ。
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