2017年02月03日

父と息子

九州地方出身のヤスヒロ君が
最近ふらりとよく来てくれる。
25歳という若さだけれど、
しっかりとした物言いと、雰囲気は
店の30を超える人たちも、ふ〜む大人っぽい、と
口々に言うほど。

ヤスヒロ君は自分が生まれたと同時に
お母さんを亡くしてしまった。
そして高校を卒業するまでは
ずっとお父さん一人、自分一人の
父子家庭だった。

子供の頃から「どんな事でもお父さんに相談しろ」と
言われ、男同士で珍しく、まるで友達同士のようだったと言う。

生まれた時に、お父さんは今の自分よりも少し若かったせいか、
いまだに40代というお父さんは
「自分で言うのも、なんだけどかっこいいんですよ」
ヤスヒロ君はそう言う。

そんなヤスヒロ君が、自分の性壁に気付いたのは
中学校に上がった頃。
「何か違う」色々な事に遭遇するたびに
そう思っており、ヤスヒロ君はそんな話を
すべてお父さんに相談していたのだそうだ。

お父さんは、ヤスヒロ君自身よりも、
ずっとそういう事を理解していたそうだ。
「世の中には色々な人がいる。
人と違う、というのは当たり前だ。
人に迷惑をかけずに、いかに自分らしく
生きていくか、ということが正しいことだから
お前はありのままのお前を受け入れて歩いていけ。」
何かのたびに、そう言ってくれた。

そして二十歳になり、実家に帰った時に
「大人になったことに乾杯だ。
もし、お前が誰か男を好きになったりしたら
いくらでもうちに連れて帰って来い。
3人で一緒に飲もう。
そのかわり、かっこいい奴にしろよ。」
そう笑ってくれたのだと言う。

「変な話だと思うんですけど、
僕にとってお父さんは最高の恋人なんですよ。
もちろん、性的なことを感じるっていうわけでもないけれど、
付き合えるのなら、お父さんみたいな人がいいなあ、と
常に思ってしまうんです。」

そうつぶやくヤスヒロ君には
まだ付き合える相手は出て来ない。

ずっと片親で育っていることに、
周りの人は「大変だ」と言い続けたけれど、
ヤスヒロ君はこんな幸せな家庭はない、
そう思っているそうだ。

母親と息子の関係はたまに耳にするけれど、
お父さんとのこういう話は珍しい。
とても良い話だなあ、そう思った。

posted by みつあき at 19:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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