4年ぶりくらいだろうか。
僕が大好きなノンケの親友にっしゃんが、
大阪から訪ねて来てくれた。
前にも書いたかも知れないが、
お互いにブルース・スプリングスティーンが好きで
ネットで知り合った何人かのファンと一緒に
NYでライブを観ようと集まったのが
店を始める5、6年だからか、もう12、3年前。
僕が大阪出身者だからなのか、
にっしゃんとは意気投合し、
東京、大阪と離れていても、
数ヶ月に一度、行き来をしていた。
彼と会って、数年後、酔っぱらった僕が電話で
ゲイだとカミングアウトして、
「そんな大切な事をよく言ってくれた」と
電話の向こうでにっしゃんは泣き出した。
若く結婚したにっしゃんには
奥さんも子供もいて、
遊びに行ったこともあれば、
彼ら家族が、僕とパートナーとが暮らすマンションに
泊まりに来てくれたこともあった。
で、その際、にっしゃんの子供たちは
「何故、おじちゃんたちは二人で一緒なの?」と尋ねると
にっしゃんは「おじちゃんたちはね、お父さんと
お母さんと一緒なんだよ。
ただ、男同士だっていうだけで。」
「じゃ、おじちゃんのどちらかは、本当はおばちゃん?」
そんな質問も忘れられない。
「二人とも、夜になるとおばちゃんになるんだよ!」と
怖がらせてるつもりが、大爆笑となった。
その後、にっしゃんとは二人で、
やっぱりスプリングスティーンを観るため、
シドニー、ブリスベン、
そして僕のゲイの友人が住むゴールド・コーストにも行った。
ゴールド・コーストでは、ゲイクラブで踊りまくり、
気がついたら、にっしゃんは上半身裸で、
お立ち台で踊っていた、
そんな事もあった。
ブリスベンのホテルが、ど
うしてもツインの部屋が取れず、
同じベッドに寝たことがあった。
酔っぱらったにっしゃんは
「俺、親父や兄貴がいなかったから、
きっしゃん(と彼は僕のことをそう言った)やったら、
抱かれてもいいかも知れへんなあ」と言った。
いきなり、コイツは何を言い出すんだ。
さすがの僕もにっしゃんの事は大好きだったけれど、
ノンケの友人に手を出す趣味はないので、
「バカじゃねえの、俺だって趣味がある」と笑いながら
そんなにっしゃんの言葉が無性に嬉しかったりした。
昨日、4年ぶりに会ったにっしゃんは、
当然ながらまったく変わることなく、
店の中で、会わなかった間の話をしながら、
お互いに盛り上がった。
ここまで波長が合うのは、
ゲイもストレートも関係ないんだ、
そう思わせてくれるにっしゃんと
次に会えるのはいつなんだろう。