2009年07月18日

舞台にたつ人々

うちのお店には色んな職業の人が来てくれる。
ほとんどのお客さんは、こちらから聞かない限り、
仕事の話にはならないけれど、
それでも、ふとしたきっかけから知ることも多い。

お医者さんもいれば、学校の先生もいるし、
美容師から、デパートに勤める人、
貿易関係、介護施設で働く人、
漫画家、政治関係者、音楽演奏家、etc.

昨日、来てくれたのは、舞台役者の3人の若者たち。
ああいう業界って、意外にゲイの人も多く、
ほとんど偏見がない世界だと思っていたら、
ものすごく偏見に満ち溢れている、
と聞いて、びっくりした。

彼らは聞かれたら「ゲイですよ」と応えるらしいけれど、
同じ舞台に出ている人に
「この前、2丁目で見たけど、
一緒に連れていたの、彼氏?」と聞くと、
「え?人間違いじゃない?俺、
そんなところ、行かないよ。」
と、絶対認めない人も結構いるらしい。

マネージメントの会社からは
「仕事が来なくなるので、出来る限り、
ゲイだとは言わないでくれ」と
釘を刺されるのだと言う。


ゲイか否かはともかく、25歳くらいまでに
何らかのことでブレイクしない限り、
抜きん出るほど芝居が上手くても、
歌や踊りが上手くても、
まったく良い役にはつかせてもらうことはない。

主役が最初から決まりきった
「やらせオーディション」に行かされ、
数百人からやっと決まっても端役しかなかったりする。


そんなこんなで、芽が出ることがないのが
大多数の人たちらしいけれど、
「やっぱりそれでも、好きだから仕方がないんですよね」
と言っていた。

先日、行ったロンドンのウエストエンドで
買ったミュージカルのパンフレットや
ブロードウェイで配られるプレイビルなどを見ると
主役に、まったく無名で大抜擢というのは本当に多い。

もちろんそこに行くまでの難関
という意味じゃ、日本よりも
ずっと厳しいかも知れないけれど、
少なくとも、知名度よりも実力。
それは確実にあるような気がする。

ブロードウェイなどの舞台のポスターを見ると、
どれだけ有名な俳優が出ていようとも、
彼らの名前は載っていても、
ポスターの絵柄(写真)に、まったく俳優が
載っていないことは普通だ。

日本のポスターは、ほとんどが俳優のアップ。
有名俳優で劇場に呼ぶことが第一なのだ。

「ホントにホントに悔しい。
でも、やるしかないんですよ。」と
言っていた彼らが、それでも楽しそうに
店でかかっていたジャズの
スタンダードを口ずさんでいたのが
とっても印象的だった。

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GAY BAR BRIDGE
〒160-0022
東京都新宿区新宿2-13-16 SENSHOビル 6F
posted by みつあき at 06:43| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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