2024年04月24日

推薦映画「94歳のゲイ」

90歳を超えられているお年寄りで、
ゲイであることをカミングアウトしながら、
(女性はもちろん)一度も男性経験がない、
という男性のインタビューを、
少し前に、YouTubeで目にしたことがあった。

吉川元基監督が、大阪の毎日放送の
ドキュメンタリーとして
制作をされていたものに、その後、
2度に渡って手を加えられたのが、
この映画「94歳のゲイ」だ。

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映画の主人公である長谷川忠さんは、
大阪のあいりん地区(昔の釜ヶ崎、
安い簡易宿泊施設があるドヤ街
と言われている)ところに住まれている。

朝、昼の2回、公園で炊き出しを立ち食いし、
あとは年金で牛乳をたくさん飲んで
生活されている。

若い頃から職を転々としながら、
結婚の話などは無視して、自分が
最も楽な生き方をしてきた。

ただ、良いと思った人には声をかけることもなく、
ゲイ雑誌を目にすることがあっても、
まったくデートや性交渉にはならなかった。

そういう思いを、ただただ小説や
詩や俳句などに、したためていたのだそうだ。

6年住み続けられているあいりん地区には
好きなタイプのおじいさんがたくさんいて、
れたけで、ほっこりするのだそうだ。
若い人よりも、中高年の人を見ているほうが
安心する、と言われている。


この映画には、彼をとりまく重要な人物が二人登場する。

一人は彼のケア・マネージャーでゲイだと
カミングアウトしている梅田さん。

そして、もう一人はドキュメントを目にして
興味を持ち、東京から会いに来る
日本とアメリカのハーフのボーンさん。

このあまりにも魅力的な二人に寄って、
苦しく、重かった長谷川さんの人生が
90を超えて、少しずつ変化していく。

僕も含めて、人に絶対に知られたくない、
そう思っていたクローゼットな人の人生。
多くの先人たちのおかげもあって、
時代は刻々と変化している。

映画は長谷川さんの辛い過去に
焦点を当てるワケではなく、
やっと、この歳になり、
自分を受け入れることが出来た現在が
描かれていくのが、素晴らしい。

こういう人生があっても良いのだ。
堂々とした94歳の姿がとても美しかった。

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posted by みつあき at 15:16| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする