なんだろう、少し重い題材であるのに、
この清々しいほどの感動は...!
どうしようもない自己嫌悪や、
人には簡単に話すことが出来ない
精神的な苦しみ、
それでも、行きつ戻りつしながら、
少しずつ歩いていくということ。
人生の機微を見事に描いているのが
この「夜明けのすべて」だ。
内容を知らずに、評判の良さだけで観ようと決め、
最初にこのポスターを見た時には、
そうか、また若い男女の恋愛ドラマかと思った。
しかし、作品はそんな予想を遥かに裏切り、
深く心に刻みつけられる傑作となっていた。
深く心に刻みつけられる傑作となっていた。
映画の主人公は、PMS(月経前症候群)と診断され、
苛々で人が変わったようになってしまう女性、藤沢。
そして、パニック障害を患っている男性、山添の二人。
とは言っても、通常は、まったく
ごく一般的な健常者と変わらない。
二人が務める栗田科学というのは、
顕微鏡など理科教材、プラネタリウムなどを
製造している少人数の会社だ。
仕事場に通いながら、藤沢は
体調を悪くした故郷の母親を気遣い、
山添は、付き合っている恋人との関係や
元上司の心遣いに気持ちを揺らす。
デジタルではなく、16mmフィルムで
撮られた、というこの映画、
季節ごとに流れる空気感が素晴らしい。
風、雨、日差し、木々、うねる坂道、
トンネルなどが、まるで二人の心象風景のように
語り出していく。
職場の人たちは、彼らに寄り添い、
受け入れていきながら、
やり甲斐のある仕事を託している。
彼らは、そんな日常の中で、
それぞれのメンタルと、どう向き合い、
乗り越えていくのか。
二人姿を、映画は決してドラマチックではなく、
淡々と描いていく。
後半、体育館の中に彼らが作った
仮設のプラネタリウムのシーンがある。
これまた決して大袈裟ではないけれど、
あまりの巧みな語り口に、
僕はすっかり胸を掴まれた。
久しぶりに、すぐにでも
もう一度、味わいたい、そう思える映画だった。
2月から始まっているこの映画、
観るのがすっかり遅くなってしまったので
上映回数も少なくなっているけれど、
是非とも観てほしい一作。
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