10歳年上の彼氏は、
とにかく気が短かったと言う。
タクシーに乗って、少しでもゆっくり
走っていると「もっと飛ばせ」と言うし、
道を間違えたりすると、あちらの道のほうが
早いのに何故だ、と攻め立てる。
飲食店でも、グラスが曇ってるとか
皿が欠けている、というのはまだしも、
料理の仕方(肉の焼きかたや、
前菜の冷えかたなど)に怒り、
何故、こんな席に座らせるのだ、などと、
とにかく細かく怒る。
デートのたびにそうだから、出来るだけ
自分の時はやめてくれるか、
もしくは自分が場所を少し離れてから
クレームしてほしい、そう伝えても
そんなサメジマ君にキレてしまう。
ほとほと、そういうことがストレスになり、
別れを切り出すのも、大変だったようだ。
恋愛や友情関係に於いて、少なからず、
耳にする話だ。
こういう人は、相手にも自分にも
凄く厳しい、きちんとしている、
そういうタイプも多いけれど、
それなりにわがままに育てられていて、
自分の思うようにならないと
キレる、という人もいるだろう。
僕自信、緩くて甘い性格なのか、
基本的にキレる、といことはないけれど、
どうしても、これは伝えたほうが、
と思った時には、そのサービスの
一番上の人に改めてメールか電話で
極力冷静にメッセージを出すように
心がけるようにしている。
そもそも、人は違い、自分の考えと
違う人を責めたり、切ったりしたところで、
不快感は増すばかりだからだ。
とは言え、こういう僕に苛立つ人も
少なくないだろう。
人生は難しい。