昨夜、来てくれたスギタさん、55歳は
つい数ヶ月前に性病に感染したと言う。
彼はSNSで会った人とそういう関係を
持ったり、たまには売り専やマッサージに
行くほど、自分でも性依存症か?と
思えるほどだった。
ただ、性病に関しては、とても
デリケートで、4ヶ月に1度くらい
マメに病院にかかっていて、
今回は梅毒だったのだと言う。
性病は自分自身の責任問題だし、
一応、ここ数ヶ月間、そういう関係にあった
相手にマメに連絡をとって、
検査をしてほしい、そう伝えたらしい。
50を過ぎた多くのストレート男性は、奥さん、
もしくは交際相手としか性行為を
しないとも聞くけれど、
よくそれで我慢出来るなあ、
そうスギタさんは言う。
「まあ、この年齢になって、どんどん
そういう遊びをしているのもどうかと
思うけれど、僕の場合、生涯現役で
いたいなあ。そう思っている」
ということだった。
そう言えば、僕自身、まだHIVが
騒がれるよりも前(どれだけ前??笑)
とあるバーで、非常にハンサムな
アフリカ系の人に声をかけられ、
彼が泊まっているホテルに誘われた。
当時の僕たち世代の多くは、今で言う
バニラ(いわゆるアナルセックスを
しないという行為)だったのだが、
その彼が強く欲していて、
コンドームもつけることなく、
彼とそういう行為に至ったことがあった。
なんと彼は、当時ブロードウェイから
とある大きな来日公演をしていた舞台の役者で
数日後、僕を舞台に招待してくれた。
また、帰国寸前にも、
貧乏臭い当時の僕のアパートにも
金魚を飼ってきてくれ、
「これをずっと僕だと思って」
などとロマンチックなことを言う人だった。
しかし、その後、HIVのニュースが
大きな話題となり、僕の友人が感染し、
まだ若かった僕も強い恐怖に陥り、
緊張しながら病院に走ったことも覚えている。
その時は、おそらく僕は感染してしまって
いるだろう、そう思っていたため、
ネガティブと医師に言われた時、
にわかに信じられなかったことを
よく覚えている。
今ではPrepの使用で、HIV感染は
防げると言われているけれど、
それでも他の性病には感染する
可能性もある。
いくつかの性病は、キスでさえ
感染の可能性がある、そう
言われているから、スギタさんは
マメに病院に行っているのだそうだ。
彼の言うような「性依存」のみならず、
セックスというのは、人が生きていく
その原動力にもなっている、
僕はそう思っている。
それだけに、自分の身は自分で守らないと
いけないのだ、と改めて思った。
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