2023年07月12日

旅日記 番外編 ミュージカル その2 「ブロークバック・マウンテン」

あの「ブロークバック・マウンテン」が
ミュージカルになり、それが評判が良い、
というので、今回、観に行くことにした。

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それを耳にした時に、どうなんだろうと
正直思ったのは、
NYで観たオペラバージョンで
結構落胆させられていたからだった。

http://bar-bridge.seesaa.net/article/460411119.html

今回、ある意味で成功していると思ったのは
ミュージカルと公表されていて
(されていたのか?)
実は、ミュージカルではない。

いわゆるストレートプレイの
バックミュージックとして、
エディ・リーダーという女性歌手と
バンドが雰囲気を盛り上げ、
語り部、ともなっている演出だった。

演出は、日本でも舞台化もされ、
Amazonでも映画化された
ゲイのミュージカル「ジェイミー
〜Everything Talking About Jeimie」の
監督でもオリジナルの
演出家ジョナサン・パターレル。

そして、なんと言っても、主演の二人が
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「ある少年の告白」などで子役ながら
シリアスな演技を見せたルーカス・ヘッジスと、
「ウエスト・サイド・ストーリー」の
マイク・ファイスト。
これは、大抜擢だった。

舞台は、映画よりも、原作に忠実に
作られていると思われる。

それは、二人の出会いの20年後の
年老いた(と言っても、今の僕よりも
ずっと若いのだけれど)
イニス(ポール・ヒッケイという俳優)が
ベッドから起きるところから始まる。

死んだジャックが残したシャツの
匂いを嗅ぐことから、過去に
想いを馳せるというオープニングだ。

そして、明るくよく喋る
ジャック(ファイスト)と、
寡黙で物静かなイニス(ヘッジス)の
出会いが描かれる。

Unknown-3.jpeg

舞台は、この前に書いた
「ガイズ&ドールズ」と同様、
客席と同じ位置目線で作られている。

美術セットは、藁敷きのステージ、
ベッド、それ以外に軽く作られるテント、
出し入れされるテーブル、
そして焚き火という簡素なモノ。

ここでヘッジスとファイストは
抱き合い、濃厚なキスも見せる。
(なんて書くのは下世話ですね。
欧米の舞台では、ごく普通のこと。)

キャストでは、映画で出てきた
ジャックの妻は出て来ない。
その分、イニスの妻とイニスとの
その後の不穏な関係は、
女性観客を微妙な気持ちに
させるかも知れない。

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このあと、舞台は映画同様、ジャックの死、
そしてイニスとジャックの両親との
出会いと会話へと続く。

大きな喪失感の中に、差別や偏見を
背負いながら過去のイリスと
現在のイリスが交差するラストは
胸が苦しくなるほどの演出で
ところどころですすり泣きがあった。

もちろん、ミュージカルではない分、
英語のヒアリングはかなり大変で
かなりお手上げな部分もあったけれど、
大筋を知っていただけ、良かった、そう思えた。

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posted by みつあき at 18:36| Comment(0) | 演劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする