昨日、映画「老ナルキソス」についての
ブログを書いたけれど、
昨夜店に来てくれた
28歳のジュンヤと、
居合わせた30歳のマサオが
ブログを読み、僕が渡したチラシを見て、
とても興味を持ってくれた。
今日、偶然休みだという二人が
観に行ってくると言っていたけれど、
まだ若い二人がどんな感想を持つだろうか。
思えば、うちの店に来てくれる人たちも
映画については意見が色々分かれたりするのは
当然だけど、その話を聞くのは楽しい。
昨今のBLブームも含めて、日本のゲイ映画では
それなりに幸せな形や、ロマンチック、
もしくはエロチックな姿が多く観られるようになった。
中にはぶっとんだコメディもあるし、
またはすれ違いや相手を失う悲劇など、
男女の恋愛とほぼ変わらない形が
映画になっているのは、
時代だなあ、そうとも思う。
僕が、少しだけ残念なのは、欧米のゲイ映画に
ある「ゲイであること」という問題に
昨今の日本のゲイ映画で、
真っ向から描こうとしているモノは
少ないことだったりする。
それは、マイノリティとしての苦しみや悩み、
ということだけじゃなく、
ポジティブな意味でも
ゲイ・アイデンティティを
きちんと描く、ということも
すっ飛ばされてしまっている気がする。
もちろん、ごく普通の恋愛を描くことによって、
当事者や、ストレートの人たちが
微笑ましく思ったり、
共感することは
大切なのかも知れない。
しかし、そんな中で
「老ナルキソス」が持つ、
ありとあらゆる痛み、そしめ希望、
登場人物、それぞれが選択する人生の意味合い。
そこにガツンと来たのだ。
ある部分ではグロテスクに。
ある部分では比喩的なまでに
ファンタスティックに。
東海林監督が作られた同名の短編、
そしてそのあとに作られた短編「帰り道」でも、
狂おしいまでのゲイの感情が描き出されている。
この2本はU-NEXTでも観ることが出来る。
さあ、二人の感想が楽しみだ。
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