2023年02月04日

ここにもいたシネフィル(映画狂)

コロナ禍、ぶらりと尋ねてくれた
トオルさんは僕よりもひと周り下だ。

2年ほど前に来てくれた時に
壁際にズラリと並んだ新作の映画ポスターに
興味を持ち、店に貼ったほとんど誰も
知らない「鳥類学者」という映画のポスター
(映画祭でしか上映されていないゲイ監督の
無修正版映画)にも反応するという
数少ないお客さんのタイプだ。

それから何度か店に来てもらったものの、
多くのお客さんの前で、そんなディープな話も
出来ずに終わっていたが、
一昨日は寒くて、最初の何組かと話をしたあと、
トオルさんと二人、かなりディープな映画話で
盛り上がった。


僕くらいの世代は、まだビデオやゲームもなく、
子供時代、そこに時間を費やすことを知らなかった。

だからなのか、映画館で幕が開くのを待つ
(ってか、今、映画館の劇場に幕が付いているところって
どれくらいあるんだろう)。

僕は幼少の頃から、両親が好きだった
「サウンド・オブ・ミュージック」を
レコードで聴きまくり、
小学校6年から中一くらいに映画熱に火がついた。

中学生の時には親に図書館に行くと言いながら、
大阪の戎橋や大毎地下という名画座に通った。

高校時代は邦画と洋画2本立ての一館しかない、
という街で3年間を過ごしたが、その反動か
東京に出て来て、大学生活の傍ら、バイトをして
フィルムセンターや都内でまだまだあった
多くの名画座を荒らしまくった(笑)


そんな僕よりも少し下のトオルさんは、
地方都市で高校まではほとんど映画は
テレビで観る娯楽大作くらいで、
大学に出てきてから映画にハマったのだと言う。

今やビデオを通り越して、配信の時代だけれど、
彼が凄いのはほぼスクリーンでしか
映画を観ないということ。

僕もトオルさんも似ているのは、
映画を監督で観る、という癖が付いてしまっていること。

内容がどうであれ、この監督、と思えば
その人をとことん追いかける。

そして驚き、嬉しかったのは、日本では
ほとんどきちんと公開されていなかった
インド映画の巨匠、グル・ダッドが好きかと思いきや、
70年代のアメリカエンタメ映画監督、
ドン・シーゲルの特集を都心から少し離れた
小さな映画館まで観に行っているとの話。

いずれにしても、店ではほぼ出来ない
オタク話が店でひっそりと出来たのは嬉しかった。

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posted by みつあき at 17:18| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする