2023年01月20日

兄の来日

何人かのお客さんには話しているが、
僕の8歳上の兄はスウェーデンに住んでいる。

その兄が、先月末から日本にいるらしく、
突然今週になり、我が家にやってきた。


兄とその上の長男は、理由あって母が離婚したため、
僕と妹との父親は違う。
つまり4人兄妹の上二人は別の父で
僕と妹は同じ父だった。


長男は母と前夫の別離のあと、
母の弟(つまり叔父)のところに養子に行き、
スウェーデンで暮らしている兄は
二十歳そこそこまで、僕たちと暮らした。


その後、彼は独り身で海外で転々とし、
スウェーデンの大学に入った。
まだ、70年代で、1ドル360円時代だったし、
海外に出向く日本人はそれほど多くは
なかったようだ。

確かに僕も10代最後の頃、彼を訪ねて
ヨーロッパを一周したが、ロンドン、パリ以外で
ほとんど日本人を見ることもなかった。


兄はその後、フィンランド人女性と結婚し、
子供を授かり、家族と10年ほど連絡も
取れなくなったこともあった。

両親は、もういなくなった、と思うことにしよう、
などと言っていたこともよく覚えている。

ただ、僕が30も過ぎ、ゲイを自覚した頃、
何度か彼はふらりと日本にやってきた。

両親が僕やパートナーを受け入れたあと、
兄が、実家の居間の写真立てを見て、
兄夫婦や、妹夫婦の写真があるのに、
何故、僕とパートナーの写真を
飾らないのだ、と父に食ってかかったこともあった。
もうずいぶん前の話だが、
さほど深い繋がりもない兄に対して
少し嬉しくも、驚いた。

とにかく、海外生活が、日本よりもずっと長く、
あらゆる価値観も違う兄。
ふらりと帰ってきたと思えば、どこにいるか、
いつも、わからない。

わからないと思ったら、突然連絡が来る。
こんな良い歳をして、どこまで風来坊なのだ、
そう思うと、さすがに気が長い僕も
多少苛立ったりもする。

ただ、いつものことだが、
死んだ父や母の小さな思い出話を
し始めると、止まらなくなる。

あの頃、あんなことがあった、
こんなことがあった、と
書き留めた自分のPC上の小さな歴史を
僕に話して聞かせる。

父も違い、ほとんど一緒に育たなかった兄弟だが、
そういう話の中にちょっとした共通点が
見つかったりするから不思議なものだ。

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posted by みつあき at 16:27| Comment(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする